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百花
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百花の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.98pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全41件 21~40 2/3ページ
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認知症を患った母親とその息子との物語です。 失われていく母の記憶とは逆に、息子が過去に負った心の傷が蘇る、その対比が鮮やかです。 最後の「半分の花火」の場面は、私の両親が連れて行ってくれた花火大会や両親と遊んだ花火、私の子供たちとマンションのベランダから見た花火大会(まさに、それは「半分の花火」でした)を思い出して、涙が止まりませんでした。 私にも認知症を患った両親がいます。 決して良い親とは言えませんでした。 それでも、両親は、親としての務めを果たすために一生懸命だったのだと思います…今の私のように。 過去に負った自分の心の傷はそれとして、残り少ない両親の人生にきちんと寄り添って、悔いなく過ごしたい。 両親を大事にしたい。 そんな気持ちを呼び覚ましてくれる一冊です。 | ||||
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息子の心の揺らぎがとてもこまかに描写されていて読んでいて引き込まれるような感じがしました。 | ||||
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読んでみたかったので見つけてうれしかったです。思いのほか安価で購入できました。 | ||||
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認知症になった母と、その息子との愛と葛藤を「記憶」をテーマに描いた小説。 「人間は体でなく記憶でできている」というのは同感で、にもかかわらず「みんないろいろなことを忘れていく。だけどそれでいいと思う」というのも、しみじみ共感。子を産み育て、その子も産み、やがて自分は世を去るという順に送り出される中で、限られた人生を儚いからこそ慈しもうという気持ちを再認識できた。美しい情景を描きつつ、人の心のひだに触れる文章は、くせのない読み易さで300ページもすぐ読めると思う。また、映画になることだろう。 が、母親がいささか美化されすぎ、特に女性読者は鼻じらむかも。息子も素直すぎて、少年のよう。何だか話がきれい過ぎるような。男性作家が母親を描くとき、こんな感じ多いなと思ってしまう。 総じて、テーマに沿ってていねいに書いているが、文学としては、人間というものの奥深さや業をもっと読みたかったという気がする。 | ||||
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親の老いへの立ち向かい方と、自分の子供ができることをきっかけに父親がいない生活を送った自分が親に納屋になることへの不安を描いていくのだが、いかんせん展開が平凡すぎ。 文体は読みやすく、後半への期待を持たせる展開なのだが、そのまま終わってしまった。 普遍的なテーマであり、平凡なのはしかたないのかもしれないが、著者なrではの展開とかは一切ないのが残念。 | ||||
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淡々と進む前半は物足りなくつまらなかったが、母の日記が見つかったあたりから一気に惹きこまれた。 母の過去を知った息子・泉の心中を察すると本当に心が痛む。 認知症は他人事ではないし、人生は想定外の連続だと改めて気づかされる・・・。 切ない余韻で作品は終わるのだが、読後感はなんだか少し清々しい。 | ||||
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離れて暮らすことへの不安。どんなに連絡を取り合っていたとしても変化に気づくのは難しいんだろうな…。医療は進歩してるけど、高齢化がますます進んでケア施設も介護も追いついていないのが実情。アルツハイマーだと分かって施設に入るまで、こんなに短期間で収束できるようになったら助かるのに。母のメモと日記は哀しいけど、目を瞑り向き合わなかった時の重さの方が哀しい。父親になることに不安をもつ泉と不仲な両親に育てられた香織。さらにKOEの件もある。両親の愛情とか子育てとか介護とかいろんな課題を投げられた気分。 | ||||
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認知症の母と暮らす私は、優しくしたいのに優しくできなくて、がっかりすることが増えてきていました。この物語は、アルツハイマーが進行していく母と息子の関わりを、息子の視点と母の視点と、双方から語っています。 これを読んで、母との思い出が甦り、涙がでました。今、少し優しくなれました。 読んでよかったです。 | ||||
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他人事ではない認知症、当事者と家族の関わり方がいろいろな目線で描かれていて良い作品だと思います。 | ||||
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本はすぐきました。 内容は、良いですが、それほど感動しません。老いる事は普通の事なので。 | ||||
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川村元気さんの作品は億男以外は全部読んでいます。今作品は一気にテーマが近くなったというか寓話性が薄れているように感じました。かといって、面白くないということは全くなく、むしろその逆で非常に面白い。あらすじを読むと、いかにも重たそうな話に見えて、その実、作者の優しい視点に癒やされたかと思います。やっぱり上手いな、この作者は好きだなと思えました。これからも多作とはいかずとも、小説執筆の継続を強く望みたいと思います。売れ筋やエンタメ性が他の作品に比していくぶん劣っていても、こういう作品は読まれ、また望まれるべきかと感じました。 | ||||
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本屋さんお勧めで知って購入しましたが、人生とは?を考えさせられる作品でした。 | ||||
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認知症高齢者の親族の多くは、「忍耐」と「諦め」、「嫌悪」と「悲哀」、「一日でも長く」と「苦しむ時間は短く」といったジレンマの中にいる。 この小説にようにファンタジックにいろんなことを受入れられるなんてことは、あんまり共感を得られないだろうね。 理解できないような失踪をする親と、その出戻りを意外とあっさり受け入れる子という設定なので、共感を目的とはしていないのかもしれないが、認知症ではない子の記憶のあやふやさと思い出し方も現実離れしている。 | ||||
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認知症になって意思の疎通が難しくなってしまった人にも、長い人生の中での様々な思いがあり、苦悩や喜びや、美しい一時があった。 認知症の身内がいる私も、脈絡のない言葉の中に、その人のかけがえのない思い出が覗くのを感じて胸を衝かれる事がある。 物語の中で、認知症が進んだ母・百合子の奇行が、彼女の中では幼い頃の我が子を思っての事であるのには、やはり胸を衝かれる。 しかし若い頃、息子を置いて逃げ、妻子ある男性と同棲したのは共感できなかったし、一年で戻って来て素知らぬ顔で元通り息子と暮らすのは全く理解できなかった。 そして、百合子が同棲していた時に書いていた日記の文章が、当然ではあろうが作者の川村元気氏の文章に似ていて、百合子でなく氏が書いたとしか思えなかったので、少し白けた気分になった。 昔人間のせいか、子供を置いて妻子ある男性と同棲など、なかなか受け入れられない。 認知症になるような高齢者が、若い頃そんな事をしていたと思うと呆れた気持ちになってしまう。 恋はしても子供は絶対に棄てなかったとか、あるいは何か他のエピソードだったら、美しい物語だったのに。 人間だから過ちもあるだろうけれど、決してやってはいけない事がある。 それは我が子を棄てる事。 そう思っているので、認知症の事は良く描けていると思ったが、感動はなく苦い読後感だった。 | ||||
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良かったです。高齢の母を持つ身としては、凄く、今後の参考になりました。これを活かせたらと思ってます。 | ||||
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親子の葛藤。老いと認知症。百合子と泉の母子親子を軸として、それらが一つの話の中に詰め込まれています。ドラマになったらきっとこんな風景なんだろうなあと想像力をかき立ててくれる文章はさすがだなあと思います。 産み落とされた生命は親子としての絆を求め、やがて人を好きになり新たな絆が生まれる。新たな生命を作り、躊躇しながらまた新たな絆。やがて老い、絆は自分の頭の中へと帰り、ひっそりと死に至る。そんな普遍的とも言える生命の連鎖のことがしっかりと頭の中に浮かびました。 | ||||
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自分のように、亡くした親に対して色々な想いが交錯する身には、読んでいてとても辛い気持ちになりました。 自分には親に対して色々な後悔があって、でももし昔に戻ったとしても、またきっと何も出来ない気がしていて。うーん、、苦しい。 ただ、この作品はぜひ似た経験をした人もそうでない人も、読んで欲しいです。 生きること、死ぬこと、生まれること。何の正解もなく、かつ正解が一つではないのがこの世なんだよな。 | ||||
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今作のテーマはは高齢者問題、認知症、人生100年時代の訪れと共に全ての人が直接的ないし間接的に関わることになる問題である。 川村元気の小説はとても理知的で冷静な口調で綴られているように思う。 社会課題や世相、世代感を意識したモチーフが多いからか、その分析力を背景に感じる。 けれど、けして無機質なわけではない。 そこに生きる人物は、まさしく現代を生きる私たちが共感できる存在だ。 結婚や出産など一義的に定まった幸福に違和感を覚える、当たり前の人生を送ることは至極大変なこと、窮屈感。 驚くべきほどに等身大の世界観で、確かな熱量を感じ取れる。 薄れゆく中でも愛が確かにそこにあったことを忘れてはいけないと、心から思える小説でした。 | ||||
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「もしも人工知能に個性や才能を与えるとしたら、何かの記憶を失わせればいいんでしょうね。例えば、赤の記憶、膿の記憶、愛の記憶」 認知症に真正面から立ち向かって肯定的に捉えた作品。回りくどくなく読みやすい。 人間の美しさは何か満ち足りないものを得ようとする意志から生まれる。人工知能には忘れるという概念がないためなにか足りないものを渇望できない。ではそもそも意志とはなんなのか。 ユハリは『ホモ・デウス』で「人間はアルゴリズムであり、本当の意味での自由意志は存在しない」といっているがそれはデカルトが「悪霊がそう思わせてるだけかもしれない」といって人間の意志を疑ったのとそう変わらない。 意志とは「足りない何かを変えようとする心」だと思う 認知症の人間でも過去のことはしっかりと覚えていることが多い。過去とは紡いできた「今」の集合体であり、子供のころに連れて行ってもらった場所、恋人としたたわいない会話、友人と笑い合った時間、そういう「今」を大切にすることでさっき食べたご飯やあなたの名前を忘れてしまっても、そのヒトは一人の人間であることができる。 そういう時間を作る大切さについて考えさせられる作品だった。 認知症の家族や知り合いがいるかたには是非読んでほしい作品だと思う。 | ||||
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一気に読み終えました。 自分にも やってくる問題かも知れません。 相手をよく知り尊重しなければ なりませんね。 | ||||
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