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百花
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百花の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.98pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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この本の装丁の、黄色く大きくぼやけた花畑の写真が、本の内容をとてもよく表していると思った。認知症になった母のぼやけてゆく記憶が、まだ しっかりと形になっている記憶を侵食していくような画像。その ぼやけた部分の記憶の中に主人公の泉が一番知りたいことが隠されている。 母を強く恋いていることが垣間見える。けして「母さん大好き」とは言わないが、母への恋慕を感じる作品。男はみんな母親が大好き、という定説のように‥。マザコンとは違う、母親思いの優しさ。その優しさが伝わってくる作品。 妻の香織の「子ども、ほしくなかったんだよね」という言葉とうらはらに、香織も夫である主人公の母親の認知症に気遣いを見せる。そんなところに救われる。 ふと、太宰治の「子より親が大事」という言葉を思い出した。 作中で、見知らぬ1歳児をいきなり肩車する描写があり驚いた。まだ体がゆらゆらしてる年代。これはいただけない。危険。揺さぶり症候群を知らないのかな?そこだけが気になった。 | ||||
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百合子さんの認知症の描写や、それを見つめる泉の心象風景はリアリティがあり心に染みるが、一方で1年間の空白に至る心理や、泉の出生にまつわる描写があまりに薄く(出生については最後まで語られない)それが、リアリティを消してしまいなんとも中途半端な読後感を持った。 1年間育児放棄するのは犯罪に等しいと思うが、何もなかったようにしれっと又元に戻り息子のために生きる、と言うのはどうにも嘘くさく、どう言う心理なのか理解に苦しむ。又、泉の会社の業界描写、変わった名前のアーティストなども苦手で、そのあたりは斜め読みになってしまった。 | ||||
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p45「血が繋がっている人が、必ずしも親の役割をしなきゃいけないわけじゃない」そのセリフに共感しました。 主人公が、一年の母親の出奔や、義務感から世話をしてくれた祖母を、じわじわと受け入れるあたりは、実際、本当だったらそんなにスムーズかな、もっといろんな複雑な気持ちを抱えたのでは?とモヤモヤはしました。が、親の不貞をとりあえず心の片隅に置いといてそれなりに社会生活を滞りなく行っている人を知っているので、案外とそんなものかな、と考えなおしました。 難しいテーマの割には、心理描写はサラッとしていて、読みやすいと言えるのかもしれませんが、、物足りなさは無いでもない。 でも、大人になるって、いろんなことをグチャッと受け入れて、既成概念とかそんなもの乗り越えてやってくのが私としては生きやすさに繋がるとは思うので、主人公の感じに共感します。 でもやっぱり親とはこうあるべきっていう、そういうのに引きずられたりもするので、、、そこはもうちょっと深めてくれたら感動したのかも。 それにしても百合子とと主人公の関わりが、、他人行儀すぎて、、、映像にしたら確かに美しいかもだけど、リアルな感じはないなあ。私は息子が指を切っても、とっさに口に含んだりはしないよ、、、 | ||||
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淡々と進む前半は物足りなくつまらなかったが、母の日記が見つかったあたりから一気に惹きこまれた。 母の過去を知った息子・泉の心中を察すると本当に心が痛む。 認知症は他人事ではないし、人生は想定外の連続だと改めて気づかされる・・・。 切ない余韻で作品は終わるのだが、読後感はなんだか少し清々しい。 | ||||
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