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シナモンとガンパウダー



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【この小説が収録されている参考書籍】
シナモンとガンパウダー (創元推理文庫 Mフ 40-1)

シナモンとガンパウダーの評価: 4.69/5点 レビュー 13件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.69pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全13件 1~13 1/1ページ
No.13:
(5pt)

意外にも最近珍しい正統派の海洋冒険小説

題名からしてもっとソフィスティケートされた、ラノベの飯テロ系異世界小説的なものを想像していたのだが・・・・英国伝統の帆船モノの流れを汲む海洋冒険小説ですね。
己が正義の旗を掲げ、英国東インド会社をモデルにした巨大貿易会社に戦いを挑む女海賊船長マボット、会社と結託する彼女と浅からぬ因縁を持つ海賊、復讐の一念に燃え、アルキメデスの集光レンズ焼討船を思わせる光線兵器やロケット砲などの新兵器を繰り出す天才発明家などが入り乱れ、海賊たちの愛と裏切り、苛烈な海の戦いが繰り広げられます。私は往年の松本零士のキャプテンハーロックやエメラルダスを連想してしまいました。(別にSFではありませんが)

主人公はイエズス会の修道士に育てられた料理人で、カトリック的な倫理観から海賊たちを全否定していますが、マボットに料理を供するために拉致され、生活をともにすることで少しづつ考えを変えていく役どころです。

海賊の生活と戦いがメインなので料理シーンは少なめですが、基本設定がしっかりしているので「飯テロ系」によくある「現代の調味料や食材を無条件で使える」違和感はありません。主人公は生い立ちから各国の亡命イエズス会士から技術を習得しており、当時西欧にはなかった「五味」(甘・酸・塩・苦に加えて”うま味”)を組み合わせた料理ができる。アルカリ度の高い硬水が多い西欧では東洋のように「だしを取る」ことが難しいため、1908年に日本人によって昆布からグルタミン酸が抽出されるまで一般的には第五の味覚は認識されなかったが、フォンやコンソメなどを主体とする料理人には経験的に気づいている者もいた、という歴史的経緯をうまく使っている。

ほとんどの食事が航海中という事情から常に新鮮な食材・スパイスや調味料の不足に悩まされる主人公の強い味方になってくれるのが味噌と醤油(但し作中での表現は黒い豆の汁(笑))というのも日本人にはうれしい。

最後に、こういった一般的な”コージー”や”アドベンチャー”の型にはまらないが面白い、という海外小説は翻訳紹介するのも難しいと思いますが、各出版社は今後ともがんばってほしいところです。
シナモンとガンパウダー (創元推理文庫 Mフ 40-1)Amazon書評・レビュー:シナモンとガンパウダー (創元推理文庫 Mフ 40-1)より
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No.12:
(5pt)

海賊とグルメという組み合わせがユニーク

主人公の料理人の性格にイマイチ共感を持てない部分があったが、それでも全体として面白かった。続編があったら是非読みたいと思った。
シナモンとガンパウダー (創元推理文庫 Mフ 40-1)Amazon書評・レビュー:シナモンとガンパウダー (創元推理文庫 Mフ 40-1)より
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No.11:
(5pt)

コージーな帯と表紙に騙されてはいけません。割とシリアスな海賊小説です。

かなりシリアスな海賊(お料理)小説。ただし冒険寄り。というわけでコージーミステリーっぽい惹句や表紙に騙されてはいけません。

あらゆる登場人物が魅力的で、語り手の料理人もダメはダメなりに魅力的。日本人的にはクイーン・エメラルダス的な船長が最高です。
シナモンとガンパウダー (創元推理文庫 Mフ 40-1)Amazon書評・レビュー:シナモンとガンパウダー (創元推理文庫 Mフ 40-1)より
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No.10:
(5pt)

登場人物が魅力的

面白いです。料理のシーンも良いですが、考え方の違う二人が会話を通じて分かり合っていこうとするストーリーがとても良いです。
シナモンとガンパウダー (創元推理文庫 Mフ 40-1)Amazon書評・レビュー:シナモンとガンパウダー (創元推理文庫 Mフ 40-1)より
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No.9:
(5pt)

副読本として

痛快な本書の読了後に、こちらをおすすめします。理由は、やめておきましょう。

ノーラ・エレン・グロース 「みんなが手話で話した島 」 ハヤカワ文庫NF
シナモンとガンパウダー (創元推理文庫 Mフ 40-1)Amazon書評・レビュー:シナモンとガンパウダー (創元推理文庫 Mフ 40-1)より
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No.8:
(5pt)

面白かった!

描写が細かいので、イメージしやすく、映画を見ているような感覚で読み進めました。
読み終わった後に、まだこの物語の先が知りたいと久しぶりに思った作品です。料理が中心の作品かと思ってましたが、壮大な海賊船の物語でした。登場人物たちもみんな愛すべき人々で、映像で見てみたいです。
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No.7:
(3pt)

重いでも感動

コージーミステリーと思って購入しましたが、全然違って
残酷でリアルな部分が多くて、購入しなければ良かったと思いましたが、
後半は一気に読め、登場人物に感情移入してしまいました。
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No.6:
(5pt)

タイトルも対比が効いてる

甘くない結末は予想してしまうが、しんみり読み終えられる。数週間経っても登場人物たちの名前を言えそうなくらい描写と書き分けが際立っていた。原文だけでなく翻訳も良いのだと思う。
シナモンとガンパウダー (創元推理文庫 Mフ 40-1)Amazon書評・レビュー:シナモンとガンパウダー (創元推理文庫 Mフ 40-1)より
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No.5:
(4pt)

真っ当な冒険小説

一見、高いスキルを持った料理人が教養の無い海賊の舌をうならせる海外版なろう小説ぽいがそんなことはなく、バリバリの正統派冒険小説で驚いた。微細にわたる帆船と料理の描写、そして苦みのある結末とくれば作者はイギリス人だろうと思ったがアメリカ人で二度びっくり。
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No.4:
(5pt)

止められない

一気読みでした。翻訳も上等でした。殆ど食材の無い所で、何とか美味しい料理を作る、創意工夫!
シナモンとガンパウダー (創元推理文庫 Mフ 40-1)Amazon書評・レビュー:シナモンとガンパウダー (創元推理文庫 Mフ 40-1)より
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No.3:
(5pt)

囚われの料理人は女海賊の舌を魅了できるか!?

というわけで『シナモンとガンパウダー』を読み終えたんですが、これがもう最初の予想を遥かに飛び越える展開&最初の予想を遥かに超える面白さでおったまげてしまいました。

まずはお料理小説としての側面なんですけどね、19世紀が舞台なもんですから船の厨房に新鮮な食材を置いておけないのがまず最初にあるんですね。だから極上の料理の基本材料となるであろう卵やバターがまず存在しません。新鮮野菜もありません。魚は獲れますが、動物の肉は干したものだけです。小麦はありますがパンを作ろうにもパン種がない!厨房のストーブはボロでまともな火力を出せません。調理器具は推して知るべしです。

この「ないない尽くし」の中で主人公ウェッジウッドがどう機転と想像力を働かせ、単なる料理ではなく「極上の料理」を作り上げるのかがまず読み所なんですね。そして実際作り上げてしまうその描写は圧巻の一言です!物語はウェッジウッドが苦労に苦労を重ね週に一度、女船長に極上の料理を献上してゆく様子が描かれますが、これがまるで「自らの延命の為に毎夜極上の物語を語る千一夜物語のシェヘラザード」を思わせるんですね。

しかし驚かされたのはこうしたお料理小説としての充実だけではなく、海賊小説としても相当の完成度を持つ物語という事だったのですよ!

それは海賊行為の中で行われる戦闘であり、海軍や敵海賊との戦いであったりするんです。19世紀において海戦とは、海の上で船と船同士が戦うというのはどういうものだったのかを垣間見せられるんですね。それもただ銃剣や砲弾、肉弾戦のみならず、海の潮目を読み鮮やかな帆さばきによって船を優位に立たせるという戦術の在り方がもう痛快至極で血沸き肉踊らされるんですよ!そもそも「海賊小説」なんて読んだことがないので比較対象は出来ないんですが、非常にエキサイティングな読書体験でした。

さらに物語を面白くしているのは、海賊船女船長ハンナの、その真の目的なんですね。彼女は大英帝国と中国との阿片貿易を心の底から憎んでおり、これを叩き潰そうと画策していたんです。しかしその阿片貿易に実の息子が、しかも海賊となって絡んでいる、という部分が物語を困難にしているんですね。

そしてこの女船長ハンナ、第2の主人公とあってか、実に魅力的な存在です。なにしろ初登場時は2丁拳銃で現れ、そのあまりのカッコよさにニマニマさせられます!性格は残忍かつ無慈悲ではありますが、それは後に語られる彼女の地獄のような生い立ちと、海賊船という熾烈な場所で命を張っていればこそなんです。しかして裏の顔は美意識に溢れ、繊細で高い知性を持っている事も分かってきます。この二面性が彼女を複雑で芳醇なキャラクターにしているんですね。このハンナとウェッジウッドが料理を通して次第に心通わせて行く描写も読み所です。

海洋冒険小説としての醍醐味、お料理小説としての楽しさ、そして一癖も二癖もある海賊たちとヘタレの主人公によるドラマ、これらが混然一体となって得も言われぬ味わいを生み出した物語『シナモンとガンパウダー』、興味の湧いた方は是非ご賞味あれ。
シナモンとガンパウダー (創元推理文庫 Mフ 40-1)Amazon書評・レビュー:シナモンとガンパウダー (創元推理文庫 Mフ 40-1)より
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No.2:
(5pt)

読み飽きることなく手が止まらない

荒波を繋ぐカリスマ性はもちろんのこと、彼女の文化が海賊向けではないこと、そして彼女自身の常識と信念が見られるのが素敵だった。
物語が進むにつれて、彼女の内面と弱点が明らかにっていったり、それを支える気弱な主人公だけが工夫を凝らして料理をしたりする、ギャップがいい!
また、頑固な主人公たちが海賊たちと触れ合い、彼らの価値観を学んでいく中、元の世界を盲信するのではなく、自分の頭で世界を考えるという内容が読み飽きませんでした。
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No.1:
(4pt)

愚痴と説明が多いですが

序盤は料理以外の才能は皆無の主人公による愚痴と何かの説明が続くので、少ししんどい所もありますが段々と慣れてきます。考えてみれば船の中で料理を作るというのも一筋縄ではいかないもので、ましてや当時の事を考えると愚痴りたくもなるでしょう。
昔の遠洋航海する船の食糧といえば、カビの生えたビスケット、ウジの湧いた肉や野菜、藻の生えた水で、安全なものはアルコール度数の高いウイスキーしかなかったといいますから、船長が主人公にムチャ振りするのもわかります。
シナモンとガンパウダー (創元推理文庫 Mフ 40-1)Amazon書評・レビュー:シナモンとガンパウダー (創元推理文庫 Mフ 40-1)より
4488285066

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