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祈りも涙も忘れていた
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祈りも涙も忘れていたの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
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伊兼源太郎を読むのは、「事件持ち」(2020/5月)以来になります。(「報道」側から描かれたミステリでしたが、犯人側の動機と経過した「時間」の扱いに不満が残りました) 「祈りも涙も忘れていた」(伊兼源太郎 早川書房)を読み終えました。 2001年、8月。舞台は、架空の神浜市、V警察。(とは言え、現存する都市の中どこがモデルなのかはすぐ想像がつくような気がします)主人公は、27歳?のキャリアであり、捜査一課管理官・甲斐彰太郎。特殊係放火班班長・岩久保を遣り込めるつかみは、とてもシャープでした。 そして、或る放火事件が起き、甲斐の友人でもある新聞記者が登場し、12年前に起きた警官殺しが語られ、いくつかのきな臭い事件が、飯島グループと言う企業体へと収斂していく中、V警察は特命班を設置し、本部長・久世の下、甲斐もまたその特命プロジェクトに巻き込まれ、飯島グループという「巨悪」を暴くべくストーリーが展開していきます。<神浜コンフィデンシャル>のように。 しかしながら、事件はなかなか真相へは近づけず、現実世界でも同じようなものなのかどうか疑問を持ちながら、物語は私が予想した範囲を超えて膨らみ、しかし予測を裏切られた展開が果たして私にとって好ましいものであったかどうかと問われると少し頷き難い。 主人公・甲斐の<若さ>を割り引いて考えたりもしましたが、時折インサートされるドイツの物語や「ラマイオリヒ」という名のバーで繰り広げられる甲斐と常連客・成海、甲斐とバーテンダー・マルコの会話に私自身がすんなりと入っていけなかったことに起因しているのでしょう。尽きるところ、そのセンチメンタルな心の在り様に私はついていけなかった。警察小説として「事件」を語ることより、『イン・マイ・ライフ』がテーマだったのかもしれないと思いながらも、あまりにも人生を語りたがる登場人物たちに辟易してしまいました。 作者は「いつだって生き残るのは飯島の妻や娘みたいな連中です」と言わせていますね。そこから始まる物語を私が期待していただけかもしれません。読み切れますが、過剰にパセティックなストーリー・テリングだと思います。 | ||||
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