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香君
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香君の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全64件 41~60 3/4ページ
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この作品の世界観が、いつの間にか腑に落ちている。一気に読んでしまった。 | ||||
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上橋さんらしく、緻密な専門的描写と、本の中の人々の細かい心の動きなどが手に取るように響いてきました。架空の国のファンタジーなのに現実社会とシンクロして背筋が寒くなったりもします。でも、最後は他のお話と同様、平和と希望で、締め括られるので、読み終わったときには爽やかな気持ちになれました。 | ||||
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さすが上橋菜穂子さんです。 | ||||
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最近本を読めていなかったので何か読もうとした矢先に上橋先生の新作がでることが分かって予約しました。 最初人の名前がいっぱいで久々の読書だから読みきれるかと不安になりましたが地図と人物紹介を見ながら読んでるうちに作品に引き込まれて上巻の半分くらいになったらどんどん読み進めてしまいました。 | ||||
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物語世界が魅力的、ノンストップで読める。 この作者の物語はみな共通していますが、優しさと謎が全体をおおっているので安心して物語世界に浸れます。 ヒロインが抱える悲しみも共感でき、応援できます。 | ||||
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これは実写化もいけます。 大人の観るアニメにもなります。 精霊の守り人のアニメが丁寧な作りで とても好きなのでプロダクションIGで 監督は神山さんで是非是非! 守り人シリーズの全アニメ化も是非! そしたら迷わずNetflix入るから。 攻殻機動隊も観たいけど(笑) これからの世界に必要な 情報が散りばめられております。 上橋さんはやはり凄い。 先見の明があります。 次は何を読ませてくれるのかなあ。 | ||||
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積読してましたが重い腰を上げて少し読んでみようかと数ページで命の危険と主人公の特殊性。既に止まらなくなっております(笑) 遺伝子組み換え作物などが我らの世界でもその危険性が着々と侵食してきておりますので他人事ではないと思いながら読み進めています。 | ||||
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ウマール帝国の繁栄を築いたオアレ稲。害虫が付かず、獲れ高が多く、高い栄養価を示す優良農作物。「奇跡の稲」と呼ばれた品種を持ち込んだのは、嗅覚で万象の真理を司る女神「香君」。皇帝という世俗的権力とは一線を引いた生き神さま。西カンタル藩主国王を追われた祖父の孫であるアイシャは、生命を狙う現国王から逃亡して身を隠しながら「香君宮」に身を寄せる。彼女は植物の声を聴き取り、どんな遠くからでも微細な匂いを嗅ぎ分ける力を持っていた。 映画「風の谷のナウシカ」を初めて観た時の衝撃は忘れられない。エコロジーという概念が書籍となって書店の棚に置かれ始めたのも、その頃からだった。世界を繋ぐ生物の生命の連環。それを破壊する人間。宮崎駿監督は、それを王蟲という昆虫で表現した。そして上橋菜穂子先生は、これを植物を通して描くという人類初の試みに挑んだ。著者ご本人が巻末のあとがきで書かれているように、植物はことばを発しない。しかし虫や人間に傷つけられた時には、香りを発する。主人公アイシャは、その生きとし生ける情景を実にリアルに描写する。 | ||||
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帝国を襲った災厄の解決編。香君とそれにまつわる謎が明らかにされて、新たな希望が芽生えるまでが描かれます。 植物や昆虫、動物や土の匂いから様々な事実を見つけ出す主人公が、最後には民を救うために行動を起こしていきますが、上橋作品らしく悪役が倒されて終わる話ではありません。様々な立場の者達に真実を伝えて、立場に応じて決断を促し、支配する者とされる者の関係から一歩踏み出して成長する事を求める姿は単なるファンタジーを超えて、国家の在り様に対する哲学を突き付けます。それと同時に、幸福を約束する物として一つの物に頼る事の危険性と、自然の多様性の重要性も示してくれていて、現代社会の脆さに対する警告にもなっています。 主人公の少女が進む道の困難さに苦しみながらも、過去の記憶や周囲の助言で立ち上がる姿には、上橋作品に共通する凛々しさがあり、穏やかな結末と共に優しさに溢れていて安心して読める作品です。 あとがきでは発想の元になった様々な書籍が紹介されていて、次に読んでみようと思わせる所も秀逸。この方は作家としても研究者としても、教育者として中々の方だと思います。 | ||||
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オアレ稲に害虫が付き、更にその害虫を貪り喰う大規模な蝗害が発生した。世界中が飢餓と戦乱に陥いる危機に、香君宮に集まった人たちはアイシャを中心に世界を救う手立てに奔走する。自然は食物連鎖の中で扶け合っているが、人類は自らの都合で恣意的に解釈し、政治的に利用する。人間たちが崩してしまった破滅の輪が回り始めた光景は、読んでいて恐ろしい。なぜならこれは今の地球にも起こっていることだから。人間はもはや増えすぎた。人口爆発で、もはや蝗である。オアレ稲によるウーマル帝国の人口増は現代そのままである。それでもアイシャと仲間たちは挫けない、諦めない。公権力も農民たちにも、危機を知らせて、自らの犠牲で災厄を絶つ覚悟を促す。そこに生存本能だけで生きているのではない人類の持つ希望が微かにある。 | ||||
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文化人類学者でもある著者の新作。優しい色調の表紙のように、一言で言うと密やかに会話する植物達とその声を匂いの形で聴き取ることができる少女のファンタジックな物語ですが、それとは裏腹に物語の世界で進行するのは現実世界でも起こり得る危機の描写である事に驚かされます。 世界観は守り人シリーズとほぼ同じ、中央アジア風の世界で、細かな情景や文物の描写はいつものように徹底的にリアルで、土や草花、雨風の感触まで感じられて素晴らしいです。登場人物も実直で素直な描き方がいつも通りで安心して読める上橋ワールドそのものです。 ところが、描かれているテーマが重いですね。種を通して人々を支配しようとする国と、その支配体系に組み込まれた現人神で香君と呼ばれる少女、鋭敏な臭覚を通して世界を知ることができる少女の二人に、迫り来る破滅を食い止めようと奮闘する者達が絡んで波乱が展開して行きます。上下2巻のこの上巻では、登場人物達の出会いと複雑な事情が描かれて、巻末で物語が大きく動きます。 ストーリー展開は著者一流の地道でしっかりとした物ですが、メインとなるテーマは学者でもある著者の危機感が反映されていると思われる非常に現実的な「目の前の危機」のようで、食糧自給率が低い今の日本でも現実の問題となりつつある「種」にまつわる危機を、ファンタジーの形で提示して考えて欲しい、という著者の意図を感じます。この作品を読んで興味を持った方は「F1種」とか「種子法」「種苗法」「遺伝子組換え」等のキーワードで調べてみると様々な問題があることが分かるでしょう。 ファンタジーを通して世界の在り方を問い続ける、実に上橋氏らしい作品です。 | ||||
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読みながら遺伝子組み換え作物や農薬、化学肥料のことを考えていました。私たちの世界でもアグリビジネスは様々な環境破壊を引き起こし、また政治のかけひきにも使われています。 「人間の最も善なる部分を押し詰めようとした人間たちが、自然を破壊するところに人間の不幸があるんです。」 という宮崎駿さんの言葉を思い出しました。 | ||||
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読みながら遺伝子組み換え作物や農薬、化学肥料のことを考えていました。私たちの世界でもアグリビジネスは様々な環境破壊を引き起こし、また政治のかけひきにも使われています。 「人間の最も善なる部分を押し詰めようとした人間たちが、自然を破壊するところに人間の不幸があるんです。」 という宮崎駿さんの言葉を思い出しました。 | ||||
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多くの登場人物が年月を経て行く大河的な物語においては、小さな世界観の綻びは読み手の感情移入を阻害するものだが、歴史、宗教、気候風土、食文化、生活様式から外交まで、作品を追うごとに緻密さを増す上橋作品の舞台設定では、登場人物たちが「生きている」姿が鮮やかに浮かび上がる。 今回、植物の植生と香りという未知の題材がテーマであるにも関わらず、至高の舞台装置のおかげで読み手は主人公の生き様に最後まで集中して寄り添い続けることができる。新たな世界を拓いた作品であると同時に、やはり王道の上橋作品である。 | ||||
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(...私たちは負ける)とアイシャは思った。 生き延びる。ただ、それだけのために 行動するあの虫たちには、かなわない、と彼女は感じた。 領主たち...人間は目先の利害に翻弄している。 人間は混乱で虫たちの後手に回っている。 「人にとっての利害だけを見てしまえば、 万象が歪み、巡り巡って、人にもまた害が生じてしまう」と彼女は語る。 では「われらが救われる道」は何か。 結局、うマール帝国とその藩王国の国民は救われた。 それなのに 「恐ろしいことです。一つの声で 多くの人々を従わせてしまうのは」とアイシャは言った。 すると 「人は様々です。自らの利益を決して譲りたくない人も多い。 彼らの意見を尊重していたら、 目を覆うような事態になっていたはずです」とユーマは答えた。 万象の営みの中で、人の暴走するのを抑えるには 神であり皇帝の力なのか。 民主の限界なのか... いや、彼女は話す。 「神ではなく人が、人の英知をもって、道を見出す、 そういうところへ向かわせたい」 | ||||
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「いま一番よく聞こえるのは、 蕎麦の隣にいる草たちの香りの声です。 アブラムシが増えてきていて、 食われているのです。 痛い、痛いとずっと叫んでいて、うるさいくらいです」 とアイシャは「香りの声」を言葉で語った。 彼女は声なき声を聴く。 「香りで万象を知る」ことを垣間見た。 アイシャは、オアレ稲の秘密を解き放てる者かもしれない。 かつてオアレ稲は人々を飢餓から救った。 ウマール帝国にとっては、戦をせずに国土を広げられる夢の稲だった。 その稲が害虫オオヨマの発生で枯れようとしている。 藩王国の国民の命と藩王国支配が天秤にかけられる。 また飢えるのか。いや帝国の崩壊か。 アイシャは神ではない。 本当の香君かもわからない。 されど飢餓は避けたい。 救い人であってほしい。 | ||||
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最近文を読むことが減っていました。完読出来ないだろうと思っていましたが、二日間で上下巻を一気に完読しました。静かな内容なのに、アイシャの躍動感と青香草の香りがしてくるようでワクワクしました。この物語もアニメ化する時が来るといいな。 | ||||
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一気に読みました。 先生の作品の中では守り人シリーズの次に好きかもです(デビュー作も好きです) 内容については他の方々が述べられてるので割愛しますが、話の終わり方がなんだか、これ続くんじゃない?という感じでした。『○○する香君』としてシリーズ化して欲しいです♪ 先生のあとがきに有りましたが、この作品を書くに中って大変なご苦労もされたみたいです。莫大な資料を読まれ専門家に直接教えを請うことも多々あられたのだとか。 ファンタジーなのにファンタジーっぽく感じられないというのはその辺のご苦労の賜物なのだろうと思われます。 そのような難産によって産まれた作品らしいので、読者が続編を望んでもすぐにとはいかないと思いますが、気長にお待ちしますので是非! | ||||
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内容はさすがは上橋先生、他のレビュー通りに素晴らしかったです。ただAmazon、配送方法が最悪でした。上下巻まとめて購入したのですが、箱に梱包してくれたらいいものの薄手の紙包装。届いてすぐに開けたのに上巻のページの一部が折り曲がっていました。たまにこんなものに!?という商品に手厚い梱包するのに大事に読もうとしていた書籍が粗雑な梱包で悲しくなりました。 書店で手にとって買えばよかったです。 | ||||
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前作「鹿の王」ではファンタジー小説でありながらも医療小説大賞を受賞するほど、人体や病について現実世界に則した形で生き生きと描写されていた。そう、この作者は「まあ、ファンタジーだから」と逃げないのだ。 とことん調べる。正確にわかりやすく書く。その上、専門家に助言まで請う。徹底している。 「これとこれだけ架空の設定、あとは全て現実世界に準ずる!」 このような小説は通常、SFと呼ばれる。 そのためだろうか、上橋さんは社会風刺小説は書かないのだが、あまりにリアルであるため痛烈な問題提起の小説としても読める。 現実でも僅か数種類の穀物で、78億以上の人々の胃袋を支えているし、除草剤と化学肥料と石油がなければもはや現代農業は成り立たない。米国のトウモロコシ生産などは、水質汚染と水量の減少に悩まされながら、政府の補助金によって成り立っていると聞く。 種苗の多くも僅か数社に独占されており、多くの農家は種苗といっしょに化学肥料や除草剤とセットで買うのが現状である。 また人類史的にも穀物栽培の発展により人類は本当に幸せになったか? という疑問が小説内で散見される。大規模は穀物栽培が始まると、国ができ、徴税が始まり、同時に奴隷制ができ、戦争も始まる。 多くの人が狩猟採取時代より体格が悪く、栄養失調であったのに、子供ばかりが生まれ人口が一気に増加した。これらは、全て大規模な穀物栽培をした結果、起こった事だ。「サピエンス全史」では穀物栽培は詐欺だったと述べられるほど、人類にとっては凶事だったのだ。このあたりの話は「反穀物の人類史」が詳しい。 さて当然、物語も面白いのだが、物語の裏側に上記のような穀物栽培の暗い部分が蕩々と流れているように感じるのだ。生物同士が微妙な関係性によって成り立っていることも巧みに描写されており嘆息するばかりだ。 農業や生物、穀物栽培と人類史について興味のある方は特に「ファンタジーなんか」と毛嫌いせず、是非読んでいただきたい。 読めば分る。 このファンタジーは、「本物」です。 | ||||
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