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京都文学小景
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京都文学小景の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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"中原中也は、十代のとき二年間だけ暮らした京都を『此の世の果て』と表現した。私には、その感覚がよくわかる。"2022年発刊の本書は『尹東柱』川端康成『古都』中原中也『スペイン窓の家』フランソワ喫茶室『土曜日』からインスパイアされた京都ミステリ四遍。 個人的に京都を題材にした本を探す中で手に取りました。 さて、そんな本書はパレスチナから来た少女』で第2回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞しデビューした京都在住作家による一冊で、前述したように同志社大学留学中に治安維持法違反の疑いで逮捕されて27歳の若さで獄死した韓国の国民的詩人、尹東柱(ユンドンジュ)、老舗呉服商の一人娘として育った捨て子の娘が自分の分身のような村娘と祇園祭の夜に偶然出逢う物語、川端康成『古都』、故郷から遁走するように京都の立命館中学校に転入した中原中也。そして戦時下の言論や思想弾圧にあらがい、大部屋俳優だった斎藤雷太郎らが出版する反ファシズム紙「土曜日」を店に置き続けたフランソワ喫茶室など【京都の様々な場所と文学との関わり】をテーマにしたオムニバス短編集なのですが。 京都観光はそれなりにしてきたつもりですが。恥ずかしながら尹東柱や中原中也といった詩人たちと京都の関わりは全く知らなかったので、本書をきっかけに今も残るゆかりの地を調べたりと、また新しい発見がありました(本当に京都は色々な視点から発掘する楽しみがあります) また中では、マスメディアとは対極にある生活者の声が形になったフリーペーパーを専門とするお店、はっち店長としてはもちろんに知っていて、リスペクトとしている『土曜日』そしてフランソワ喫茶室を題材にした作品が特に良かった。 "営みが巨大な機構の中に組み入られて、それが何だか人間から離れてきた様である。明日への望みは失われ、本当の智恵が傷つけられまじめな夢が消えてしまった。しかし、ひとびとはそれで好いとは誰もが思っていないのである。何かが欠けていることはしっている"『花は鉄路の盛り土の上にも咲く』にも胸熱く。 京都好きな、文学好きな誰かにオススメ。 | ||||
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表紙が素敵だったので読んでみようと購入しました。楽しく読めました。 | ||||
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世界的な感染症を忘れたかのように、侵攻が起こる今こそ、読むべき本です。 尹東柱、川端康成、中原中也と名の通った人が出てくるかのようなあらすじですが、 あくまでも照明の役割をしているだけです。 舞台の人々の儚く、温かな輝きを助けています。 「東柱と東柱」「『土曜日』のフランソア喫茶店」は特に素晴らしかったです。 読み終わった後、京都を訪ねてみたいと思いました。 | ||||
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