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ベルリンに堕ちる闇
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ベルリンに堕ちる闇の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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中盤でシェンケとはどういう男なのかがハッキリしてくるにあたり、彼に対する好感や落胆で感情が目まぐるしく変わり、ラストまで全く飽きずに面白さは加速していった。正義の為にとにかく中立をはかりたいと考える彼と、周囲との軋轢にやるせない気分にさせられる。ミスリードも巧みだった。歴史好きが講じて大学で教鞭を取っていた歴史作家ということだが、やはり歴史に敬意を持っており整合性も相当に調べながら書いた一冊なんだろうと思う。私は特にリーブヴィッツのキャラ性が非常に珍しく、生簀がなかったがラストは彼をスピンオフでみたいというほどに惚れ込んだ。続編マジでおねがいします単発と言わずに恵んでください | ||||
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1939年12月末、第二次世界大戦開戦から4か月後のドイツ。ヒトラー政権下、ドイツ国民はまだ勝利できることに疑いを持っていない。ユダヤ人迫害、言論・思想統制、灯火管制、食料配給制などは始まっているが、上流階級人のパーティーやホテルレストランでのディナー等は行われている。 ホルスト・シェンケ警部補は、クリポと呼ばれる刑事警察の班長。警官の職務には無関係としてナチス党員になっていないが、内心では現政権の在り方を問題視していた。 元女優が性的暴行を受けたのち撲殺され線路わきに遺棄される事件が起き、管轄外なのにシェンケのチームが担当するよう上部から命令される。――元女優にいわくありげな背景があり、シェンケがナチス党員に属さないが故に、政治利用されたのであった。 そのような状況下でも着実に捜査するシェンケのチームは、同一犯によるものと推定される酷似した事件が広範囲にいくつも起きていることに気づく…。 ヒトラー政権下における恐怖政治は完全なる縦社会で、不服従ならば社会的立場を奪われるだけでなく、投獄あるいは処刑される。シェンケは優秀で熱心だが、上部の干渉や指示が捜査の邪魔をする。 事件自体もさることながら、当時のドイツ社会の在りようが前面に出されているストーリーだ。 このような政権下においても人種差別をすることなく公平な立場で精一杯職務を果たそうとするシェンケを読み手は応援するが、不条理でも上部に逆らえず言いなりになるしかないところにはいらだちが生じ、小説としてのおもしろさを減じていると感じた。史実に基づいているので、リアリストには納得できると思うが(私もどちらかといえばそうなのだが)。 シェンケが付き合っているドイツ人の女性より、被害者のユダヤ人の女性のほうが魅力的なのだが、そちらには行かない(行けない)ところも“リアル”なのだろう。 自分はこの時代のこのような国に生まれなくて本当によかったと、細かいことは多少あっても今の時代の日本に生きるありがたみを切々に感じさせられた作品でもあった。 | ||||
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