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十の輪をくぐる
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十の輪をくぐるの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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あとがきで荻原浩さんがお書きになっているとおり「自分とは違う世代、自分ではない性別の人間に、どれだけ(もっともらしく)なりきるかが、創作者の肝である」との見解がまさにそのまま本作への賛辞となります。1964年と2020年(実際は1年後ですが)の東京五輪を見事に連結させて、その間で生きるひとつの家族史を描きました。 集団就職で紡績工場の女工となったのちの母親の唯一のレクレーションはバレーボールでしたがお見合結婚で寿退職するものの次々と苦難が押し寄せます。アルコール依存症の夫によるDV、炭塵事故での夫の死亡、出戻りにつらく当たる実家の父母や兄弟、長男の発達障害、幼子を抱えて逃げるように行った東京での苦しい暮らし。そして晩年は自らは認知症を患います。当時はただただ「酒癖」「しつけ」「ボケ」などの言葉でかたずけられていたこころの病が何十年もの時を経てようやく真相に行きついたりもします。 息子とのバレーボール特訓は見事に孫娘で結実しますが、さてハッピーエンドとなりますか?は読んでのお楽しみです。家族がいればたぶん誰もが突き当たる様々な問題はまさに自分ごととして突き刺さってきました。 来月からは神奈川新聞で小説の連載も始められるとのことですのでそちらも楽しみにしています。 | ||||
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読み始めから引き込まれています 辻堂さんの作品は読み応えあり、異次元ではなく理解できます 他の作品も読んでいます | ||||
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戦後の臭いがする集団就職から炭鉱全盛時代の終焉、主人公である万津子のあまりに過酷な人生。そこに2回の東京オリンピックを絡ませた見事な構成。平成生まれの作者は残酷なまでの筆致で、これでもかと読者を追い詰め暗澹たる気分にさせておいて、後半一気に解放させてくれた。見事です。ばりばり昭和世代の60代後半である私にも十の輪が見えてきたなあ。 | ||||
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女工、三池争議、東京オリンピック、東洋の魔女、DV、アルコール依存症、発達障害、認知症などのキーワードを紡いで、物語が書かれています。認知症の母の発する言葉から、過去を解き明かすスタイルになっています。歴史的テーマと現代をつなぐ作品になっています。作者は、達筆だなあと思いました。評価は、星4つとしました。 | ||||
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ミステリーのような出だしで、最後まで興味深く読むことが出来た。余りに身勝手な主人公の中年オヤジには、冒頭からまるで感情移入出来なかったが、最後にはちょっと許してやる気になる。 十の輪をくぐる、とは当初何のことかと思ったが、五輪を二度経験する、みたいな意味だと理解した。なるほど。うまいことを言う。この著者の作品は初めて読んだが、才能のある人だと思う。これからも読んでみよう。 | ||||
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読み始めて間もなく傑作であることを確信。その期待を裏切られることなく、最後まで読み通した。 結末はありがちな古典的なものであるが、決して安っぽさはなく、物語の価値を下げることはなかった。 最近読んだものの中では、以下3作品と並ぶ極めて高い満足感が得られた。 https://www.amazon.co.jp/dp/4758439621/ https://www.amazon.co.jp/dp/4103259256/ https://www.amazon.co.jp//dp/408771005X/ | ||||
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発送ありがとうございました。 無事到着しました。 | ||||
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タイトルの「十の輪をくぐる」は、時を隔てた2回の東京オリンピックのことなのだが、この小説は単なるスポ根の話ではない。 「私は東洋の魔女…」とつぶやく祖母の一言から、謎解きが始まる。 ネタバレになるので多くは書けないが、シングルマザーの子育てや、地方の閉塞感、家族のお荷物になる箇所は、読んでいてあまりに不憫で胸が苦しくなった。 息子を一人前の男に育て上げた母親には、ただただ頭が下がる。 回想パートが非常におもしろかった。 | ||||
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どこの家庭でもあるのかなぁ。 それともうちだけか。 まるで父親が取る 母親への態度を見ているような書き出し。 現代社会で問題となる介護や 熟年離婚と言われる夫婦間の関係、 ワンオペ(一人での)育児の難しさ等を 2つのオリンピックを通じて、 3世代の物語として紡いだ作品。 主人公の母親の「泰平には…秘密」という 言葉の裏に隠された意味は何なのか。 なぜ母親は息子にバレーボールをさせたのか。 ミステリーを得意とする作家の作品だけあって、読んでいて次がどんどん気になる構成。 2020東京オリンピックの延期が決まり、 大会実施まで時間ができた今、 一人一人の人生が歴史になり、 物語になることに気が付かせてくれた本書に感謝。 | ||||
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