僕と彼女の左手
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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これはとてもピュアな青春恋愛小説。なんというか眩しい。悪意がまったくない作品でした。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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左手だけ使えるピアノが好きな女子と、医学部の男子の単なるピュアな恋愛小説、と思えば、色々と訳ありなストーリー。読みやすいので、興味深く一気に読了。二人の過去の関係といい、男子が抱えていた悩みとか、ちょっと作り込み過ぎ?って感じで、綺麗にまとめすぎた作品。 | ||||
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優しい気持ちになれる恋愛小説。 驚き要素もあります。 私は好きです。 | ||||
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この小説は、僕と彼女の運命の出会いと、十二年後の再会の物語です。 十二年前の電車事故の忘れられないトラウマ(事故の「後遺症」)から抜け出せないでいる僕は、明るく優しく芯の強い大人に成長した笑顔の彼女に十二年ぶりに再会し、恋人どおしになります。 それで僕の冷たく固く閉じていた心が急速に温まり打ち解けて、柔らかく「ふわふわ」と軽くなって未来へ開かれていく、という生きる勇気と希望の物語です。 素敵なピアノ演奏会の後のような、さわやかな余韻が読後にまで「ふわふわ」と心に残る作品です。 「遠くまで続く、真っ青な空の下で」(235頁)僕と彼女と子どもたちが笑いながら遊んでいる未来の姿を予感させるような、青を基調とした本の装幀にも心が解放されるような気がして、癒されます。 主人公で語り手の「僕」の名前は、時田習(ときた しゅう)。二十三歳。血を見るのが苦手な、大学医学部5年生。横浜市に住む。 彼女の名前は「清家(せいけ)さやこ(演奏名)」(本名は荒城絢乃)。二十一歳。埼玉県春日部市に住む。明るく振る舞う、ピアノ大好きの家業手伝い。大学受験勉強中と言う。右腕は全廃なので、左手だけでピアノを弾く。 この物語は、冒頭のエピグラフの「一行」から始まります。 「彼女が、ふわりと、鍵盤(けんばん)に左手をのせる」 弾き終わると、「ふわり、とさやこの左手が鍵盤を離れた」(39頁) この物語は始めから終わりまで全編が、ふわふわ、ふわり、ふかふかしていて温かいです。 「幼い頃、父や母に抱かれたときのぬくもりを思い出す」(238頁)ような物語です。 読んでいて、気持ちが軽く温かくなりました。 主人公の「僕」も、きっと来年は臨床実習に戻れそうな気がしました。 「でも、臨床医じゃなくて――研究医を目指したい」(220頁) と一大決心した「僕」です。 しかし、勝手なお願いですが、読者としては、卒業後は「僕」に「心療内科」の臨床医になってほしいです。 「僕」ならきっと、悩める患者に優しく寄り添い、患者固有の病める心を理解でき、心に響く治療をしてやれると、この物語を読んで確信したからです。 主人公の「僕」はきっと心の強い、芯の強い人間になっていくだろうという、希望が湧いてくる物語です。 <備考> 「ふわり」、「ふわふわ」、「ふかふか」の語が含まれる文章(抜粋) 「屋上の真ん中、僕から少し離れたところに、ふわりとした桃色のスカートをはいた女子が立っていた」(13頁) 「色白の、ふわふわとした頬が、なんだか柔らかそうだった」(30頁) 「未だに、頭の中がふわふわしていて実感がなかった」(117頁) 「ふわりとした頬に触れたい」(141頁) 「ふわふわの羊の毛を、空一面に一分の隙もなく敷き詰めたようだ」(141頁) 「妙にふわふわとしていて、どれが本物でどれが偽物(にせもの)だったか、思い出そうとすればするほど分からなくなる」(154頁) 「ふわりとした白いロングカーディガンを羽織(はお)っている」(161頁) 「ワンピースをふわりと浮かせながら、さやこが隣に座る」(164頁) 「ふわりと、シャンプーの匂いがした」(168頁) 「優しく思いやりのある人は、音がベルベットのようにふかふかとした、柔らかい演奏をする」(216頁) 「ふわり、とさやかの黒髪が背中に広がった」(230頁) | ||||
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うーん…無いわ。。 ミステリ要素にこだわりすぎて、ミステリも恋愛も薄っぺらい。 文章なのか内容なのか、最初からなんだかうっとうしいなーという思いを抱きつつ、それでも最後まで読み進めたものの、エピローグの手紙で一気に引いた。 主人公が探偵気取りで秘密を暴く…が、そこを暴く必要はあるのか? 結局のところ、中途半端な 恋愛ミステリに作者がご満悦になっているのが目に浮かぶ痛い小説であった。 あと一つ。 「誰でも知っている旋律を誰よりも上手く弾くことこそ、難しいことはない。」 これは是非ともミスプリであると思いたい。 最近の日本人の物書きの文法力はこの程度かと思うと、外国の方に顔向けできない。 | ||||
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著者の作品はすべて読んでいるのだが、本作が現時点での最高傑作だと思う。 ネタバレを避けずに書くのが難しいが、この作品は少年と少女の静かな恋愛小説であるとともに、その中に実に繊細に謎と伏線が織り込まれたミステリでもある。序盤のほんの些細な違和感が、後半伏線として回収される手際のよさがすごい。その両者が高い次元で融合しているとともに、ラストはとても美しい光景と、彼らのドラマが描かれる。素晴らしい傑作だった。 | ||||
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