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琥珀の夏
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琥珀の夏の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.13pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全70件 41~60 3/4ページ
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私にはイマイチだった。 | ||||
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「ミライの学校」という、知識を得ることの喜びや楽しさを感じ、問答を通して遊びながら学ぶという学校。そこに住んで生活している子もいれば、サマースクールのように一週間だけ宿泊する子もいる。 最初は「ミライの学校」で繰り広げられる確執を描いた物語かと思いきや、聖なる水の販売という宗教色を帯び始めていき、さらに「ミライの学校」の敷地から子どもの白骨死体が発見される。 白骨死体の少女の死の真相も相まって、物語全体がミステリのように展開されていてどんな結末になるのか読み応えがあった。 子どものための教育、子を想う愛情、離れて暮らすという選択、自分の勝手な都合。様々な理由付けをしながら、実の親子が離れて暮らす「ミライの学校」。 そんな「ミライの学校」を通して、親と子の在り方や距離感、自主性を重んじた教育とは何か、子どもたちの嫉妬と友情など、いくつものテーマが内在していて奥深い内容だった。 自分の子どもを預けっぱなしにすることによる罪悪感、ずっと放っておかれた子どもの気持ち、それらを大人になった美香がどんなふうに考えているのか、自分が親にされたことを、自分の子にしても平気なのか、その気持ちのすれ違いや葛藤が丁寧に描かれていた。 法子と美香、30年ぶりに再会した二人の関係がどのように変化していくのか、最後まで楽しめた。 | ||||
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おもしろい。あっという間に読み進めた | ||||
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今までの作品は出来不出来を問わず、わりとイッキ読みできたが、この作品は子供時代と今との交互描写がダラダラと続き、いよいよ事件の核心に迫る頃には読み手が疲弊してしまう。作者の問題提起が育児や教育問題に言及する分には十分構わないが、ミステリー小説としては仮分数になってしまい、残り90頁を残して挫折。読んだ甲斐があったと思わせる辻村マジックが逆に鬱陶しい気がする。残念。 | ||||
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それなりの知名度がある、某思想団体の会員です。 両親が理想に盲目的で、子供の私を見ているのか分からなくて不安だった事。 子供ながらに親や大人に認めてもらおうと背伸びした事。 「優しい大人達」との思い出を壊したくなくて、大人達の組織を守るための違和感ある行動を「見ていない」と自分に言い聞かせてきた事。 紛いなりにも良く生きようとしてた人達だから、人間の温もりをくれた人もいた事実に愛着があって、中々組織から離れられないジレンマがある事。 走馬灯のように色々と頭の中に映像や感覚が走りました。 宗教や思想に限らず、故郷や家族に、同じような子供時代からの葛藤を持ってる人は多いような気がします。 「ただ一緒に考えて欲しかった」 子供の視点を鋭く描く辻村先生の描写に、最後まで魅了されました。 私自身の選択としては、今は最後のミカの決断と近い位置にいると思っています。 | ||||
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最後に衝撃的!という事件が起こりますが、え?これが?と思ってしまいました そこに引っ張るためのストーリーに冗長さを感じました | ||||
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文句なしにいいです。 | ||||
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今まで辻村氏の本を読んだことはなかったが、本作は書評で興味を持ち、文庫本になったら購読しようと思っていた。 しかしながら結末が気になり、手っ取り早くネタバレ記事を探したものの、肝心なところは書いてない。ますます気になり購入。一気に読んだ。 そしてレビューを書くにあたり、いかにネタバレせずに本書の面白さを伝えるか、非常に悩ましい。 かつてカルト集団と揶揄された教育施設「ミライの学校」の跡地から子供の白骨が発見。 弁護士法子は孫ではないかと疑う老夫婦から依頼を受ける。実は彼女には当施設のサマースクールに参加していた過去があり、その時仲良くなった子ではないかと懸念する。 途中まではある程度予想がつく。とはいえその後は怒涛の展開。 見所は、サマースクールの楽しい思い出を有しながら、施設の人達に対して自分とは全く違う人種とばかり思っていた法子の心情の変化。 もう1つ重要なのがタイトルの意味するもの。「琥珀の夏」とは記憶の奥底にあるセピア色の夏の思い出。 そしてその過去に囚われ、虫入り琥珀のように身動きが取れないでいる少女の姿。 特殊な環境下で過ごした子供時代。そのせいで重いものを背負ってしまっても、黒歴史と全否定せず、人生あるいはその人の一部として肯定する作者の眼差しが優しい。 砕けた琥珀の中から出てきた虫が生き返ったかの如く、過去の呪縛を断ち切って少女は飛び立つ。 純粋な子供vsずるい大人達という構図はありきたりではあるがそれを感じさせない力作。 ミステリーとしての面白さもある。5つ星。 | ||||
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読み応えのある、中身のあるお話で、期待通りでした。 | ||||
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これだけは断言できます。傑作です。が、何がどう傑作なのか。これが難しい。 とある敷地から白骨化された死体が発見。そこは、主人公も行った事がある「カルト集団」の敷地からだった。 このね、子供同士の微妙な心理もありますし、駆け引きもあります。そこがねえ、素晴らしい。実際、私も体験していましたから。 でね、大人になって忘れてしまうんだけど、心の奥底に残っているんでしょうね。 伝わりました? はい、伝わりませんよね。 とりあえず、他の方のレビューを読んでください。そして買ってください。 | ||||
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宗教団体を想起させるような、理想の教育を追い求めた「ミライの学校」という非公認の団体に、主人公の法子がひと夏の合宿に行ったことがベースになっています。成長して弁護士となった法子は、そのとき仲良くなったものの、連絡も取らないままだった田中美夏と再会します。その再会は「ミライの学校」が抱えていた闇が露見することになる再会でもありました。「ミライの学校」で揺れ動くその当時の子どもたちの心の内や、主人公である法子の子育てするが故の苦悩、待機児童問題も織り込まれていて、興味深く引き込まれるようにして読むことができました。教育の形、姿、親と子のあるべき姿についても考えさせられる一冊となったように思いました。 | ||||
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大人って思った以上に大人気ないし、子どもって思いもよらず大人だったりするんだよなあ… と、幼年期から多感期迄を思い出してみた なんなら↑の時期の方が今よりよほど大人だった気がして来た 初潮って…嬉しくもめでたくもないよね?周囲に言いくるめられて「おめでたい事」だと思い込まされる儀式があったなあ…そら、来ないと来ないで困るけど。心から喜んでる子は周囲の8割が「なって」て、自分は明らかに遅いと自覚してる子だけだった気がする 久乃への怒りが分る気がした。「進んでる」と思える子が、何故踏み込んではいけない領域に簡単に踏み込む真似をするのが、子ども時分は分からなかった。が、早熟でも成熟してなかったからなのか。成程腑に落ちてみた 楽しく読みました | ||||
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かがみの狐城に比べると、ひとひねり足りない。 過去と現在の人物が交錯しながら、死んだと思った登場人物が死んでいないと、「えっ、じゃあ誰が?」と思うところまでは流石のストーリー展開だけど、死んだ人が明らかになってからの展開はスローダウン。 | ||||
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辻村深月、上手すぎる。なんでこんなに胸が苦しいのか。まるで自分がノリコになったようだ。 もしかしたら記憶から消し去っているけど似たような体験をしたのでは、と思うほどリアル。 一緒に読んだ同僚は激しく落ち込み、後悔とともに消えない思い出話を語ってくれた。 「当時5歳の娘を1週間、しあわせ村というサマーキャンプに預けたことがある。仕事が忙しかったことと、夏休みどこにも連れて行ってやれないことへの罪滅ぼしのつもりで。最終日、迎えに行き、親の列と子どもの列がすれ違った際に、娘が『おかあさん!』とかけよってきた。すると先生と呼ばれる人から『列を離れるんじゃありません!せっかくみんなの子どもになったのに!』と目の前で叱責され引っ張って行かれた。5歳の子が1週間ぶりに親に会ったんだよ?当たり前じゃない?そんな当たり前が通じない人たちだと知らずに、よく調べもせずに預けてごめんねと帰ってから娘に謝ったよ。トラウマになってんじゃないかなと、この本読んで改めてグサッときて反省した」と。 形を変え名前を変え、しあわせ村は、ミライの学校はあるかもしれない。 大人の夏休みの宿題にぴったりな考えさせられる1冊。 | ||||
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事細かく書かれた繊細な心の動き、誰にでもある恥ずかしい部分、触れてはいけない領域、私の気持ちを代筆してくれているような気がした。辻村さんの小説はいつも心が温かくなる。もっと若いころに出会えていたらと思うような素敵な小説でした。 | ||||
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親にとって子は希望であり光であるはず。その子に親のエゴを強いてしまった親たち。自分の意思 ではなく親が選んだ道を歩む子供たち。子供が本当に望んでいるものとは・・・。 全編の約半分を割き子供の思い出話が延々と続く。加えて主人公の心奥の描写も多く、読む者の胸 に深く重苦しく迫ってくる。ともに内向きの思考であり、出口の見えない迷路を彷徨っているようだ。 本書は読者の涙を誘う涙腺刺激の筆致ではなく、あくまでも静かで抑制された描き方です。それは 皆さんも一度冷静に考えてみませんか?と問いかけているように思います。子供が絶望してしまう前 に。子供に対する大人の責任とは・・・。 | ||||
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幼少期、そして児童期の淡くて切ないきもちは、不穏な空気とともに描かれていく。 「お父さんと、お母さんに、会えますように」と、泉に願いを。 夫婦共働きが年々増加しているが、しっかりと子育てができているだろうかと世間に一石を投じている。 0歳のうちから保育園に預けて、それで本当に子育てができているのだろうかと。 子どもに愛情を注げているのだろうか、子どもは寂しい思いをしていないだろうかと。 子どもにも、自由に、幸せに、日常を満足し充実するための権利はあるんだと。 子どもの人権を問うている。 子どもの気持ちを分かってあげること。 あの夏の琥珀の思いが募る。 ラストシーンに、涙が頬を伝っていく。 | ||||
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とにかく感じたのが、女性って子供の時から周りの人間関係に気を使って、とっても大変だなと言うこと。その点男の子は自分の好きなことに没頭して能天気に過ごしていた。とてもこんなふうに気を使うことはできない。 いまさらながら、そのことを教わった小説です。女の子の心理描写がとても新鮮でした。女性は共感できるのでしょうか。 | ||||
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琥珀に封じ込めた夏の思い出が壊れる、そんな瞬間は迎えたくない。だけど……。 静岡県の山村にその「ミライの学校」は静かに存在した。小学校高学年の夏休みに過ごしたそこでの一週間は新鮮で、自らの考える力を引き延ばす教育、熱心な大人たち、そして「泉」。クラスの人気者でない平凡な「わたし」は、そこで出会ったミカとの友情、年上のシゲルさんとの淡い思いを体験し、やがて忘れ去り……。 本書は、地方の私立団体施設で発覚した子供死体遺棄事件を題材に、親子の絆、夫婦、こども時代の生き方と友情と思い出など、人生の根幹にかかわる意味を深く考えさせてくれる一冊となっている。 ・ミライの学校の「子供たちの自主性を貴び」「言葉で生き抜く力を身につける」、その理念には共感を覚える。だがそれだけではダメなのだ。 ・子供の教育に関する著者の主張は明快だ。人の中で、社会と共存できる生き方をきちんと教えること(『第五章 夏の叫び声』)。職業教育従事者がそれを数十年かかってやっとわかる悲劇も示される。つまるところ、究極の教育は家庭内のそれにある。だが、それができない親はどうすればよいのか。そこに「組織」の意味が現われる。 ・見も知らぬ高尚な理想ではなく、ありのままを大切にすること。僕もこうありたい。 個人的には「頭に乗せられた掌の重み」をはじめ、第八章『ミライを生きる子供たち』の後半に引き寄せられた。「つみき!」に夢中な娘への対応と炊事と仕事と夫と、ぐしゃぐしゃな自分。「けれど、問題は時間だろうか」「こうするしかなかった」から一気呵成に読ませてくれる、熱。そう、熱がある。実は恥ずかしながら辻村深月さんの小説を手にするのは初めてなのだが、その熱に吸い寄せられるように一気にファンになった。 | ||||
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辻村作品は「朝が来る」までは全て読んでいて、それ以来久しぶりに読んだ作品です。 辻村作品の一番好きなところは、どうしようもなく酷く救いようにない人でも、救われるのだという希望が描かれているところです。 葛藤や様々な思惑がありながらも誰かを助けたい、力になりたいと思う登場人物の人間臭さも好きです。 誰からも見捨てられたように見える、救いようのなさそうな人であっても、だれか一人でもその人のことを想っている、それこそが希望ではないか、と思わされます。 この作品も私の大好きな辻村深月作品そのものでした。 登場人物たちはたくさんの問題や葛藤を抱えながらも、そしてそれらは簡単に解決なんてされずにずっと付き纏いながらも、それでも救われることもある。 誰かの力になりたい、そう思ったとき、その理由が「一度親切にされたから」、そんな些細なことでも構わないし、理屈じゃない。そう思ったならそうしたらいいのだ。 私の書き方はきれいごとのようにしか聞こえないと思いますが、辻村作品は決してきれいごとだけを述べているわけではなく、もっと複雑ですし、それでいて説得力があります。 | ||||
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