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テスカトリポカ
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テスカトリポカの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.82pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全37件 21~37 2/2ページ
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| とにかく、長いのだ。これだけの本を読むには、相当のエネルギーがいる。それでも、アステカ神話がるると語られるので惹きつけられる。スペイン語が満載なのだ。全く異質な世界に足を踏み込んだような気がする。 土方コシモ(小霜)の誕生から、孤独な少年時代、公園で枝に彫刻をする。このコシモという人間がなんとも言えない共感を感じる。母親から育児放棄され、父親は無視している。 母親は、メキシコのシナロア州都クリアカン出身で、17歳の時にアカプルコへ、そこで出会ったペルー人のアドバイスで、稼ぎがいいという日本の川崎に渡った。短期滞在ビザしか持っていないルシアは、正規の職に就くことなどできない。闇カジノで仕事についた。MDAのクスリ常用者。ヤクザの土方に拾われる。そして、コシモを生むが、父親のヤクザのシノギがうまくいかなくなることで、母親はコシモを育児放棄する。日本語もわからず、学校に行くのも放棄する。 コシモがどんな風に成長していくのかを知りたかった。2メートルを超える長身となり、バスケットに興味を持つが、結局バスケットボールの選手にもならない。父親に宝物のバスケットボールをナイフで破裂させられて、コシモは怒って、父親を殺す。そして、そこに駆けつけた母親も殺してしまう。両親を殺すが、罪の意識には乏しい。結局は、未成年で少年院に入れられる。 メキシコの元麻薬王バルミロが、メキシコから逃亡し、インドネシアで勢力を伸ばし、その間に日本の医師免許を剥奪された男と臓器売買の仕事を始める。そしてバルミロが川崎にくることで、少年院を出たコシモと会うことになる。そしてコシモの才能を認めて、ファミリーの一員として優遇される。麻薬、そして臓器売買、さらには、子供のドクロの彫刻したものや子供の骨を加工されたナイフをうる。それが高値で売られるのだ。犯罪組織の底辺に引き込まれていくコシモ。取り柄は、彫刻の技術と爆発する凶暴性。さらに薬物中毒の女保育士が、無国籍児童をNPO団体で保護する。実にノーテンキな保育士で、その子供たちが、臓器が売られ、骨が彫刻品として売られるのである。 そのストーリーと、アステカの神話、テスカポリカの話が重なっていく。テスカトリポカは、ナワトル語で tezcatl (鏡)、poca (煙る)という言葉から成り、その名は「煙を吐く鏡」を意味する。メソアメリカ一帯で儀式に使用された黒曜石の鏡のことを示す。夜の空や風の化身でもある。 四人兄弟でたった一人生き残ったバルミロは、おばあちゃんから、アステカの歴史的な呪術的な信仰の話を聞き、アステカの神話の継承者的な存在である。バルミロは、アステカの神聖な儀礼を行う。敵対するものがいれば、殺して胸を開き心臓を生贄として捧げる。コシモの物語とは、つながらない。闇医者が、賄賂を受け取って、自分の事業を進めようとするが、その裏切りがバルミロにバレてしまう。アステカの神話的な話が、交わらないところが、作品として成り立っていないところがある。よく取材して、この物語を作っているので、直木賞として評価されているのだろう。確かに、アステカのことはほとんど知らなかった。メキシコ、インドネシア、川崎を繋いでいく壮大な物語とアステカ神話を組み合わせた力は、感心するが、ふーむ。コンテクストの結末がしょぼいなぁ。コシモは、方向性と宗教性を持たないのが残念。どこかで、覚醒して欲しかった。 | ||||
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| 暴力的エンターテイメントで、無国籍児の存在など、現実的な問題も取り上げ読み応えがある。しかし一方で、異質的なモノへ暴力性を感じさせ、血沸き肉踊りというのを、ある程度一面的に見せてしまっているようにも思う。国際的な日本を踏まえ、迫力を失わず、もっと緻密で現代的な書き方もあったのではないか。 | ||||
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| 前半は独特な雰囲気、世界観があって興味深く読み進めることができた。しかし、中盤に入っても物語が大きく展開しそうな気配がなく、終盤に入ると尻すぼみしてしまった。最後の方はほぼコメディで、これが直木賞?と思った。 | ||||
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| 古代アステカの神話を下敷きに臓器売買を描いたクライムノベル。 クライムノベルであると同時に、古代アステカ神話を下敷きにしており、さらには冒険小説のような趣きもある重層的な読み味の小説。直木賞受賞作でもあり、きっとおもしろいのだろう……と思っていたけれど、そこまでの切れ味を感じられなかった。イベントは盛りだくさんなのにエモーションはさほど盛り上がらず、かといって伏線の妙があるかといえば個人的にはその点もそこまでに感じられた。氏の作品は他に『QJKJQ』しか読んでいないが、そちらも正直ピンと来なかったので、自分は氏にとっての良い読者ではないのだと思う。 | ||||
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| おそらくかなり取材したと思われるメキシコの麻薬カルテルの話から始まり、日本での臓器ビジネス開始など、序盤は、緻密なクライムノベルを期待した。 しかし、そこから先は、多くのページが登場人物やアステカの儀式の紹介、凄惨な殺人の描写で費やされ、やっとビジネスが始まったと思ったら、途中を省いて無理矢理まとまたようなあっけない終わり方。これなら、臓器ビジネスを題材にする意味も、日本を舞台に設定する必然性もなく、「Youは何しに日本へ?」と言いたくなるような結末だった。 | ||||
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| 自分では一生足を踏み入れることのない世界の話だから、面白いは面白いです。 アステカ文明についての予備知識がある人はもっと面白く読めると思います。 でも他の方のレビューにもある通り、移植ビジネスについては登場人物の理想通りに物事が運びすぎかな、と思いました。 歴史上の出来事、最近で言うとコロナ流行による弊害など、リアルな描写が多かっただけに、そこは残念に思いました。 それから、コシモが作ったナイフや武器、タトゥーなどの挿絵があるともっと入り込めたと思います。 よく知らない文明をもとに書かれた美術品の美しさを文章だけで想像するのは、私には難しかったです。 想像できない部分をネットで検索しながら読みました。勉強になりました。 | ||||
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| 巻末を見ると相当な量の資料を参考にしており、アステカ文明に詳しい方などには堪らないかもしれない。 肝心の内容はノワール小説にしては起伏がなく単調に感じる。ページ数が多い割に物語が進むのが遅く、惹きつけられるシーンも少ない。9割ほど読み終えてもこんな感じなので、まさか次作に続くというオチなのかと思いきや終盤でバタバタと人が死んで打ち切り漫画のごとき展開で終わってしまった。エピローグも凡庸。 | ||||
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| この手のアウトサイダーものが直木賞って久しぶりですね。 ただ、アステカ文化への傾倒は特筆すべきレベルで、重厚な小説となっているけど、ちょっと、グロくてエグいので、評価は分かれるとおもいます。 | ||||
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| リアリティがあってとてもよく、詳細に取材をされているんだと思います。 ただ、取材した要素・蘊蓄を盛り込みすぎて表現が薄い感じがします。 たくさん仕入れた話が全部うまくつながるように作品を仕上げた印象。 メキシコ、アステカの文化についてが一番面白い要素だったと思います。 | ||||
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| かなり期待していたので、残念。カタカナが多く読みづらいのを我慢したのに、直前に読んでいた柚月裕子と比較してもしょうがないけど、柚月裕子の虎狼の血シリーズのほうが断然いいわ。 | ||||
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| 題材着想は面白い。 でも大沢在昌さんや黒川博行さんや以前までの馳星周の力にはまだまだ及んでない。 中南米ネタでクライム感が絶頂だった初期の垣根涼介に似てもいた。 今後の5年に期待したい。 | ||||
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| 急に「ジェノサイド」級のワールドワイドな本を読みたくなり購入。ページが進むにつれアステカ文明に基づく倫理観により現代の闇がどんどん増幅されていく。テスカトリポカ、、なるほど言い得て妙。割と面白かった | ||||
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| 直木賞を受賞しましたね。 ジャンルとしては ミステリー/ハードボイルド/スリラー となっています。 麻薬密売や臓器売買や残虐な描写も多く日本で本作が選出されたのは意外な気もします。 ノワール小説家の 馳星周さんなども彷彿とさせます。 海外作品の邦訳といわれたら信じてしまいそうなくらい日本の作家が書いたとは思えない。 本作は映画化されそうな気もします。 今から誰が土方興三?ルシア?コシモ?などと配役なども考えたりしちゃいます。 日本だけではなくメキシコやインドネシアも舞台ですし人種も多岐にわたるので映画化は難しい? 映画化されるなら「ボーダーライン」の ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督がいいかも。 | ||||
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| もっと卑近で生々しく醜悪な地獄絵図を期待してましたが、アステカ文明のくだりなど、どこか超常的な要素が悪人を神格化しており(とは言えノーカントリーのシュガーほど魅力的ではない)次第に興味を失ってしまいました。 登場人物の背景等、非常に面白く読める部分もあるのですが、描写される暴力というものに対する著者の哲学が浅く感じます。 何故かコーマック・マッカーシーと比べてしまうのですが。 | ||||
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| アステカの神話体系、神統記をふまえた暗黒、暴力小説。なじみのない神話伝統のペダントリと、現代的な(そこには非合法の臓器移植、心臓移植、麻薬取引、はてはコロナウィルスの話題も含まれる)を合わせたところが魅力。ルビの多さ、読みづらいかもしれない固有名の羅列に興奮できる人と、そうでない人で、評価は分かれるかも知れない。 雑誌掲載時の第一部が尻切れトンボなのだが、その先はなかなか途中まで盛り上がりを見せない。大風呂敷を広げておきながら、結末はわりとあっけないというか、静かで、今までの話は必要だったかな?という気もしないでもない。でも、最終章で、「物語る行為」の魅力を、祖母の昔話に託している感じが、好印象だった。 もっとよいものが書ける作家という気がした。期待したい。 | ||||
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| この物語はメキシコの元麻薬王でありアステカ文明の呪術的な信仰を祖母から引き継いだ男・バルミロと、バルミロの支配下にあった街にルーツのある少年・コシモの人生が日本の川崎で交わり、破滅に至るまでを追っています。 こう書くと何となく面白そうですが実際読んでみるとうんざり。 とにかく長い。ハードカバーで500ページ超えなので当たり前なんですが、ストーリー上の盛り上がりどころが全然来ない。 冒頭でコシモの母親が日本に来てヤクザの男との間にコシモが生まれて暴対法の締付けで困窮するようになって、コシモが父親を殺して〜みたいな話をしたら、その後はずーーっとバルミロの話。 バルミロが日本で始めた臓器売買にコシモが絡むようになる頃には物語は佳境で、それまではバルミロの信仰のルーツである祖母の人生、バルミロがいた麻薬カルテルでの抗争の日々、敵対組織に敗れて復讐を誓い、各地を転々とする中で麻薬に変わるビジネスとして臓器売買を〜みたいなことが延々語られます。 信仰はともかく、麻薬王時代の話とかバルミロとビジネスパートナーになる闇医者やら川崎で暴力要員として雇うチンピラやらのエピソードとか、ダイジェスト的に済ませるべきくだりにかなりのページが割かれ、「いつになったら話が始まるんだ」という気持ちに。 物語のバックボーンであるアステカ文明の信仰やメキシコの麻薬戦争の凄まじい実態、臓器売買のシステムなど大変な取材をしたんだろうなと思います。 でも、それを全部並べられても面白くないんですよね。 一人一人のバックボーンを描いて厚みを持たせるって言ってもその厚みは費やされたページの厚みであり、読者から興味と集中力を奪います。 主人公やそれに準じるキャラは丹念に描き、重要度が低いキャラは端的な描写でさらりと立ててみせるなら巧みの技ですが、本作はそういう意味でいうと下手でした。 川崎で臓器売買ビジネスが始まってからの展開も、世界にまたがるダイナミックな犯罪を描いてきた割にはダイナミズムに欠けていてしょっぱいです。外科医の裏切りとかどうでもいいですよ。 ページ数をこの3分の2に削り、キャラクターの優先順位に則った描写に留め、早い段階からバルミロとコシモの物語としてスタートさせ、この二人の関係を軸にした展開を辿らせれば傑作になり得たんじゃないかと思います。 | ||||
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| 麻薬と貧困と暴力の世界の物語。主人公は犯罪者たちである。物語にはミステリー小説の推理やどんでん 返しなし、SFのセンスオブワンダーなし、ハートウォームやお涙頂戴の胸キュンなしで、問題解決はただひ たすら残虐な暴力と賄賂だけ。麻薬戦争が絶えないのは、残酷なアステカの神々の祟りか?結末への道のり が見えず読んでいて飽きてくる。 残りのページ数が気になりながら読み進むのはちょっとしんどい。こういう小説は肌に合わない。 | ||||
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