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(短編集)
聞き屋与平 江戸夜咄草
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聞き屋与平 江戸夜咄草の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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中々面白い本です。 | ||||
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現代にも聞き屋が存在します。己れの秘密を胸に秘めた元祖聞き屋の訳とは、終わりに待ちかまえていた事とは?。 | ||||
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あまり書くと内容を言ってしまうので少な目に。聞くことの大切さ、その方法、どうして必要なのかを教えてくれる。江戸時代の描写が多すぎると私は感じたけれども設定的に必要なんでしょう(笑) | ||||
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この本を読むと初夏の雨上がりに、心地よい夜風に当たってるような気になります。 良い小説だと思います。 | ||||
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余生にこんな仕事も面白いなと思った。 この本で学んだのは、秘密を抱えている人は、時とともに苦しくなり、誰かに言いたくなるが、決して言ってはいけないということ。 それができないなら、秘密なんて持たないほうが良い。決して口を割ってはいけないのだ。 | ||||
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薬種問屋の主人「与平」は、息子たちに店を譲って隠居し、自宅の裏通りで、「お話し、聞きます」の看板をかかげて、江戸庶民の様々な話に 耳を傾ける「聞き屋」という商売をを始めます。 占いでもなく、アドバイスすることが決して主でもなく、ひたすら庶民の声に耳を貸します。 本編の中にも書かれていますが、現在で云うと心療内科のような仕事に近いのかもしれません。 数多くの人々の話から見えてくる江戸時代があります。 そして全編に流れているのが、与平の過去にまつわる出来事。 果たしてその事件の真相は? | ||||
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読んでる途中は、与平は「賢明で思慮深く、忍耐強い」大きな人物だと思いながら読んでました。が、ラスト10Pで、本当の真打賢者はお内儀の「おせき」だ!と思って読了しました。読み終えてみると、同時進行で「おせき」側の描写が欲しかったな~、と欲が出ました。 時代物らしい明解な楽しめるお話です。 | ||||
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宇江佐さんらしい小説です。 お江戸の人々の暮らし、人情の機微。そして主人公の心に重い秘密、、、 目の前に見えるように読み進みました。 ファンは安心して読めるお話です。 | ||||
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夜更けより少し早い時刻に、深編み笠をかぶり、商家の通用口から与平は現れる。彼は「お話、 聞きます」の看板を掲げ、いろいろな人から話を聞く。大店の隠居である与平はなぜ聞き屋に なったのか?そこには意外な真実が隠されていた・・・。6編を収録。 愚痴や不満、過去の過ち。だれかに聞かせることにより、人は気持ちを軽くする。聞き料も それほど要求せず、与平はひたすら話に耳を傾ける。人は、さまざまなしがらみを抱えてながら 必死で生きている。与平に切々と語る人たちの人生も悲哀に満ちている方が多い。だが、まだ 誰かに聞いてもらえるだけいいのかもしれない。与平自身が心の中に抱えるものは、誰にも 言えないものなのだ。ひとりで背負うにはつらく哀しいものなのだが。自分の話を聞いてもら いたいと一番強く願っていたのは与平自身だったのではないだろうか。聞き屋になり人の話を 聞くことで、彼は少しは救われたのか?おのれの人生に光を見出すことができたのか・・・? おだやかな感動が残る作品だった。 | ||||
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江戸の町を舞台に苦心を重ね受け継いだ薬種屋を大きくして今は隠居となった与平の始めた”聞き屋”。ただ話を聞くだけという与平に様々な人が己の抱えている思いや悩みを打ち明ける、という形で連作物となっており様々な江戸人情物が楽しめるだけでなく、家族にも恵まれ諸事問題無しにみえる与平がなぜ”聞き屋”をやっているのか?という謎が物語の根底にあり、話が進むにつれ徐々に与平自身が抱える過去の出来事が明らかになっていく。というストーリーで一気に最後まで読まずにはいられない面白さがあり良かったです。 日常的な市井を扱う時代小説が好きな方なら誰もが楽しめる一冊だと思います。 | ||||
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宇江佐作品は『卵のふわふわ』に次いで2冊目ではありますが、どちらも、楽しくあっと言う間に読めてしまい、それでいて最後には人間の人生をさりげなく考えさせる本でした。主人公は苦労を重ねて商いにもそこそこ成功したご隠居で暖かい家族に囲まれています。読者の多くが求めているであろう、ほのぼのとして活気のある江戸市井の人々の暮らしぶりもあちこちにちりばめられているので、読み物としてとても楽しめます。それでいて、狡猾で俗物の岡っ引きが与平の周りに見え隠れしてスリルもちゃんと用意されているのです。全体がほとんど与平の目線で書かれていますが、6編のオムニバス形式になっているので、忙しい生活の中に持ち込めば、ほっとした優しい一時を持てるかも知れません。(私は家事の隙間時間によく読んでいたので、台所の片隅にいつも置いてました。)聞き屋与平を通して私たち読者も、美醜様々な人間の生き様に立ち会う事になり、その設定がこの物語に色濃く漂うほのぼの感と上手く調和しているように思います。 | ||||
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「昨日と同じ夜が今日も続く。だが昨夜と今夜は確実に何かが違う。」このことばが胸の奥底まで落ちるとわかることがあるでしょう。 わたしも学生時分、この聞き屋に似たことをやっていたことがあります。 カウンセリング、セツルメント、口承文学の追求、伝承の蒐集、等々、まずヒトの話を聴けない者は世間が狭いのでしょう。 | ||||
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「小説すばる」に6回にわたって連載した連作小説です。 時は江戸時代。明暦の大火からしばらく経ったころ。 所は江戸一番の盛り場、両国広小路。 仁寿堂という薬種屋のご隠居が、五日に一度、店を閉めたあと机と腰掛けを表通りに持ち出します。 机にかぶせた覆いの垂れのことろに、「お話、聞きます」と書いてある。辻占いでなく、単に話しを聞くだけの「聞き屋」というちょっと変わった商売をはじめるところです。 ただ話を聞く。 お代も客の志しだい。 何か胸につっかえのある者が男の前に座り、ある客はポツリポツリと、ある客は一気に吐き出すように話をはじめます。 男の名前は与平。 父親が立て直した薬屋を、自分の代で更に大店(おおだな)に発展させ、3人の息子に店をまかせたあと悠々自適の楽隠居……と世間の評判です。 しかし、与平には、墓場まで持って行かなければならない秘密があります。鯰の長兵衛という岡っ引きが、与平が何事か隠していることを確信していて、聞き屋をしている与平の前に現れては、客の支払いの一部を巻き上げて帰っていきます。 何でも金目当てでものを考える長兵衛に、いい加減、与平はうんざりです。 体の不調を覚えた与平は、残された時間が短いことを覚ります。 もっと話を聞かなければならない。もっと。 冥土の土産にするには、まだまだ足りない。 そんな与平の前に、他家に嫁いで無縁となっているはずの先々代の店主の女房が現れて、物語は展開をはじめます。 先々代の女房が鯰の長兵衛に話した疑念とは……。 本書には、制約の多い封建社会を舞台に、それでも一生懸命生きた庶民が描かれており、山本周五郎の庶民物の雰囲気が漂っていました。 著者の宇江佐氏は山本周五郎の衣鉢を継ぐ作者の一人かもしれません。 | ||||
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「聞き屋」とは、辻占のように通りに机と椅子を置き、訪れる 人の話をただ聞いてあげる商い。お代はお志で結構。こんな暇 な商売が成り立つのは、大店の主人の隠居後の趣味で始めたこと だから…。そんな前置きから始まる、ちょっと不思議な雰囲気 の連作時代小説。 誰かに話を聞いて欲しい人はいつの時代にもいるもの。 持ち込まれるのは理不尽な話、いい話、奇妙な話など様々。まるで教会 の懺悔部屋のような趣。語られるお話自体も興味深いのだが、主人公 の与平自身が隠し持つ過去の心の闇の存在がお話に緊張感を持たせ ている。 宇江佐作品にしては登場人物がいい人ばかりではなく、暗さも あるところが珍しい。 | ||||
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与平は薬屋の隠居。誰でも持っている心の闇を、ただ聞く。 問わず語りの話を、黙って、また相槌を打ちながら‥。 誰にもいえない。でも、誰かに聞いて欲しい。 話すことで心の重荷を減らし、人はまた修羅の道を生きてゆく。 そして、話を聞く人間もやはりこころに荷物を負っているのだった。 まるで聴聞僧が懺悔を聞くような設定だが、こちらは懺悔だけでなく世間話から 人の悪口まで守備範囲が広い。 しかし、僧のように話す人に救いは与えない。 ただ、聞くだけなのだ。 江戸時代に較べ、人はより多くのことを知り、より多くの人と交わり、 そしてより少ない人としか心を通わせていない現代。 心の闇は現代の方がはるかに深く、暗いだろう。 はたして、現代を舞台に書くとどうなるだろうか、という期待を持った。 | ||||
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