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孤道 完結編 金色の眠り



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【この小説が収録されている参考書籍】
孤道 完結編 金色の眠り (講談社文庫)

孤道 完結編 金色の眠りの評価: 3.38/5点 レビュー 26件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.38pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全26件 21~26 2/2ページ
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No.6:
(1pt)

硬くて冷たい

選ばれたのですから、主催者が求めていたのはこういう作品なのでしょう。それに異議は唱えません。ここからは若干ネタバレも含みます。お気をつけください。まとまっていることは疑いありません、その通りです。ただ、ということで、何点か。まず、犯人が内田康夫氏の書いた「本編」に出てきていない人物であること。これは「それってアリなの?」と思います。次は、墓から持ち出されたのが金銭的に値打ちのあるものだったこと。貴金属を持ち出したとしたらそれは単なる泥棒です。どんな理由をつけても卑しく見えます。さらに、完結編に書かれたヒロインの来し方に疑問を感じること。詳しく述べませんが、「実は」に無理がかなりあるように思います。最後は、浅見光彦シリーズの持つ人情やユーモア、特にユーモアが感じられないことです。これが一番大きいかもしれません。ちょっと硬くて冷たいです。
孤道 完結編 金色の眠り (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:孤道 完結編 金色の眠り (講談社文庫)より
4065150728
No.5:
(4pt)

他に誰がここまで書けたか(ネタばれはないですが、若干小説内の記述に触れています)

プロットを作らずに書かれたミステリーを、伏線を回収しつつさらに伏線を張り、簡潔に持ち込むというのは並大抵のことでできることではない。
ましてや、今回の孤道は、歴史の知識や歴史的仮名遣いの厄介な記述が多く、歴史に興味がある和久井氏だからこそここまで完成度の高い作品ができたのだろうと思う。正直、内田康夫先生が書いたと世間に黙って公表すればばれなかったのではと思うほど違和感は感じなかった。

こういう企画は、内田先生がお元気であっても一度やってみたら面白かったのではないかと思う。プロットを作成しない内田先生だからこそ、他人に犯人を捕まえてもらうという企画は、ご本人が何より楽しめたと思うのに、この作品を見ることなく内田先生が亡くなったことが悔やまれてならない。

発表にあたり大幅に改稿したと注釈があったが、受賞作と本作でどれほどの違いがあるのか読みたいと思った。

満点にできない点があるとしたら、たまに、この仮名遣いはあっているのだろうかと思う部分があったり、漢字の間違い?意図的だろうか?祀る、が祭るになっていたり…やや小難しい表記が多い作品だけに、こういった初歩的ミスが非常に気になった。

また、内田先生の渾身の遺作の続編なのであまりケチをつけたくないのだが、この作品は正直万人受けする作品ではない。古墳時代の歴史に興味がない人には、義麿の日記の部分はどこに殺人との関連があるのか、あまりに長々としすぎていて蛇足感しか感じないかもしれない。
殺人の動機を考えた時、義麿の日記の部分をうまく割愛すれば、ぶっちゃけ短編でも収まりそうな話であるため、上下巻にわたってひたすら歴史を語る部分に膨大な文章が挿入されているのには、辟易する読者もいるだろう。
殺人の方が蛇足で、この物語は「歴史を面白がるもの」として読んだ方が、ずっと楽しめるかもしれない。

また、これは内田先生が執筆した上巻から気になっていたのだが、いくら義麿氏が神童だったとしても、やや日記の記述が小説じみ過ぎているというか(浅見も文学的とあえて説明しているが)一般的に日常の会話の仔細を小説仕立てで日記に書く、ということに違和感がある。(この文体のせいでビックリするほど日記部分が膨大になってしまったのであるが)文体表現そのものが内田先生の書き方そのものなので、日記という体裁で過去を振り返っているような形になっているが、それが歴史的仮名遣いの上に、ルビがないので読めない人もいると察する。
ルビがないことで古い日記というリアリティは伴っているが、読者にやさしいかというとそうではない。そういう意味でも一定の学力以上の読む力を持つ人を選んだ作品だとも感じてしまう。

個人的には、関西弁+歴史的仮名遣いで会話を延々と日記に書く人など当時いたのだろうかと疑問に感じた。
昔の人は口語体と文語体が異なるので、小説や忠実な会話の雰囲気を出すことを必要とされない限りは、文語体でもっと端的な表現をするのが一般的だったのではないだろうか。私の不勉強であれば恐縮だが、義麿氏の日記が「臨場感があるのに日記らしくない」と感じたのが率直な印象であった。

今回内田先生が本当に書きたかったのが、「いつもの浅見節」ではなく、浅見は出ているけど、藤原鎌足のお墓や継体天皇の扱いに対する宮内庁へのアンチテーゼだった、という気もする。そのせいか、浅見はひたすら日記に夢中になり、世話になっている後輩は必要以上に邪険にし(正直上下巻に共通する態度なので、浅見にあまり好感が持てない)…など、異質な感じはする。須美ちゃんが妙に優しかったり、雪江さんは口調がいやにザマスオバサンになってしまっている割に物分かりが良く、陽一郎はいつもと違ってやや浅見を見下していたり、浅見と警察の関係が非常に希薄で、「刑事局長の弟」という肩書は使用されない。(他にもこういう作品があったのだけど)
その理由は、ただただ、義麿の日記を通じて歴史論争と歴代天皇の陵墓の宮内庁の態度のアンチ、と思うと、殺人の方が蛇足なのだと気づく。これは和久井氏がそうしたわけではなく、上巻からそういう傾向なのを和久井氏が忠実に引き継いだに過ぎない。

しかし、浅見が内田先生を案じるシーンなどは、内田先生ではない和久井清水氏だからこそ、本当に内田先生の健康を案じる気持ちが出ていて、「本人じゃないからこその良さ」が出ていた。
内田氏本人だったら、浅見に心底心配させるような描写はかえって書きにくかったろうと思う。読者が内田先生の健康の回復を願う気持ちを、浅見が代弁してくれたように思うし、内田先生が健康を回復するという理想の方向を感じる終わり方になったのも、「内田先生本人の描写じゃなかったためにかえって客観的に良く描かれていた」と言わざるを得ない。

やや手厳しいことも書いてしまったが、総じて素晴らしい作品。社会派やヒロインとの恋、巧妙なトリックを楽しみたい人には少し読むのがしんどい部分もあると思うが、内田先生のこの作品への思いをここまで酌んで作品を作れる人がいたということに、素直に感謝と称賛を送りたい。
孤道 完結編 金色の眠り (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:孤道 完結編 金色の眠り (講談社文庫)より
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No.4:
(5pt)

良作!

まるで内田康夫が書いたかのような出来だった。
最後の一行が感動的だった。思わず涙が出た。
これで浅見光彦とお別れだなんて悲しすぎる。
和久井先生に、浅見光彦シリーズを書き継いでもらいたい。
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4065150728
No.3:
(1pt)

一気に読みました

私はよかった。
寂しいけれど、これで浅見光彦とお別れ出来ます。
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No.2:
(1pt)

ルール違反

ミステリーとして致命的なルール違反がある。それも最も基本的なところで。
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4065150728
No.1:
(2pt)

違和感はない

内田さん死去により、完結編が公募された今作ですが、
違和感なく、まとまったと思います。
受賞作を大幅に改稿したとのことで、
かなりオリジナルに寄せっていったのではと思います。
プロットはなく、既に起こった事実は変えられずという状態で、
見事に仕上げ、それについては満点なのではと思います。
しかし、そもそも今回のエピソード自体があまり面白くなかったという点に尽きます。
過去のノート、読む気が起きず、読み飛ばしていました。。。。
そして、ヒロインが不在だったのも残念でした。
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4065150728

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