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ふりだしに戻る
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ふりだしに戻るの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全16件 1~16 1/1ページ
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通勤電車の中で読むのに買いましたが、普通の作品です。キャパの小さい人には丁度良いかも知れません。 | ||||
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通勤電車の中で読むのに買いましたが、普通の作品です。キャパの小さい人には丁度良いかも知れません。 | ||||
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タイムスリップの話は好きです。 タイムスリップものは、スリップの理由とスリップ先の出来事が車の両輪となります。 スリップの理由は、タイムマシンのように計画的なものと、たまたま時空の裂け目に落ち込んだような偶発的なものに大別できます。 スリップ先での出来事は、歴史上の有名人物と出会って影響を与えるものか、市井の人物や風俗の活写に重きを置くものかに大別できます。 この作品は、理由部分では計画型を取っていますが、実質的には偶然型で、少し無理がありすぎたかなという感じでした。 出来事としては市井型で、よく書けていますが、昔のニューヨークにどれほどの興味を持てるかによって、読後感は大きく異なってきます。 私は、このキモの部分にあまり関心を抱けませんでした。 我が国の作品で言うなら、マイナス・ゼロより大江戸神仙伝に近く、この作品より大江戸神仙伝のほうがおもしろかったという感想です。 | ||||
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S・キングの最新作「11/22/63」が本書へのオマージュであることから、再々読してみた。 以前に読んだ時は、フィニイという作家はとことんノスタルジックな作家だと、そして、ほとんど現代を憎んでいる作家だと思っていたのだが、 大きな読み違いをしていたことに愕然とするとともに、改めてファンとなった。 上巻は、他のレビューにもあるように、1882年冬のNYの、人々の服装、馬車の描写がエンエンと続き、もどかしさと苛立ちを感じてしまう。フィニイ本人が「私の正確さへの努力は執念に近いものとなった」と述べているが(訳者あとがき)、読者も忍耐を強いられる。 そして、下巻に入り、急展開となり、ともすれば忘れられがちな布石が息を吹き返し、一挙に謎解きとなる。 全ての謎の発端であり、サイを過去への旅へ駆り立てる青い封筒の持ち主であるケイト。サイが19世紀に生きるジュリアにあっさりと(?)心奪われ、ケイトとの関係が「お互いにさっぱりした気分」となってしまうところ。さらに、逃避行の末、ジュリアを現代に連れてくるところは、ご都合主義ともいえるだろう。 ケイトは短時間とはいえ、一度はタイムトラベルに同行しているのだから尚更だ。 いっぽう、ジュリアがテレビや冷蔵庫に仰天するシーンも、はたして必要なのだろうか?と思ってしまう。 以上の疑問、読みづらさはあるものの、最後の数頁で共感とほろ苦さが胸を満たすこと、請け合いである。 最初に書いたように、「11/22/63」の後に再読した今回は、共感よりもほろ苦さのほうが、いや、はっきりとした「苦さ」が残った。 なぜなら、サイのタイムトラベルの成功に勢いづいた「プロジェクト」が次に企てたのはアメリカに利する歴史の改変、具体的には、キューバをアメリカに隷属させることだからだ。 それに対し、サイは叫ぶ:「ぼくはキューバのことで議論するつもりはない。(ケネディ暗殺の)真相がどうであれ、ぼくはただ、どんな人間にも、過去を変えて現在を作り替えるなどという神のような知恵はないと思うんだ。(略)今日までの成り行きを見てみるがいい」 「ぼくにわかるもんか!誰にだってわからないさ。ただしかし、ぼくにわかっているのは、どんなに重大な決定でも、皆と同じように何もわかってはいない人間によって行われているということだ。(略)しかも彼らは残りの99.9%を占めるわれわれの同意を求める必要さえないんだ」 本書は1970年刊だが、フィニイは執筆に8年間をかけており、執筆中にケネディ暗殺、ベトナム戦争、マーチン・ルサー・キング暗殺が起こっている。 勿論、サイの叫びは米国のみに向けられたものではなく、環境汚染の問題、世界的規模の異常気象などを考えあわせれば、畢竟、読後は苦い。 「花はどこへ行ったの」、「風に吹かれて」が否応なしに耳にこだまする。 キングがオマージュとしたのもむべなるかな。 フィニイは決して、単なる卓越したファンタジー作家でもなければ、ノスタルジックな作家でもない。 歴史の有り様と世界の行く末を見据え、「もう間に合わない」とつぶやきつつ、それでもなお、市井の人々の生きる喜びを筆の先から紡ぎ続けた作家なのである。 | ||||
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世に知られた名作タイムスリップ小説だが、覚悟して読んでもらいたいのは、時間旅行の準備が周到すぎるかに見えるほど、タイムスリップするまでの導入部が長い(上巻のほとんどが、その準備に費やされる)。 読みやすく展開が早い現代の日本の小説になれた読者には、辛抱がきかない人がいるかもしれない。 だが、それぞれの人物造形は見事で、過去の世界観も実にリアルだ。 タイムスリップから先の下巻は、一気に読めた。 推理小説の一面もあるが、その謎より、愛の物語としての切なさが胸に迫った。 | ||||
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主人公サイの語る街や人の描写が緻密で、その分展開が進まず、読んでいてじれったく感じることもありましたが、 その描写の長さも、描かれている時代のゆったりとした時間感覚を体験しているように思えてきます。 そのうちに主人公を介して語られた、当時の生き生きとした街や人間の様子を自分の頭の中でじっくりと 再現する作業が楽しくなってきました。当時の写真を提示しつつ、それに関連して話が進み、 色々な角度から当時を見せてもらうことで、次第に当時の様子が自分の中で現実感を帯びてきます。 ただなかなか単調な描写がつづくなあというところで、ふいにサスペンスを差し込んできますので 、その辺りでは頁をめくるのがとても速くなります。 話の筋や情景描写、謎の提示など、小説内でのそれらの配分があやういようでおもしろいです。 情景描写が長いと何度もいいましたが、サイがこの緻密な描写ができる観察眼を備えていたからこそ、 彼はこの物語の主人公たり得たのではないかとも思いました。 というのは、過去に干渉してはいけないという条件下で行われる観察者としてのタイムトラベル小説の 主人公としても(途中から積極的に干渉し始めますが)、謎を追うサスペンス小説の主人公としても、 彼のこの状況描写力は話の筋に必要だったように思うのです。(なので長い描写も必要のうちなのかと…) 他に全体としては、人間性や倫理、歴史観などについて考える契機もちりばめられています。 単純にアメリカンなノスタルジーを味わいたい方にもおすすめですし、また現代の殺伐とした 空気から逃走したい方には主人公の気持ちにめりめり入り込めます。共感し通しです。 なにより「ふりだしに戻る」というタイトルが何を指しているのかが気になれば、読んでみてほしいとおもいます。 | ||||
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「タイムスリップ小説が読みたい」―――ただそれだけで選んで購入した本ですが、 上巻を読み始めた私は、正直この本を選んだ事を後悔しました。 展開はとても勿体ぶっていて、良く言えば難解、悪く言えば退屈で、 何度も何度も読むのを止めようかと思案した程なのです。 それでも忍耐強く読み、下巻まで読了した上では、 読んで良かったか悪かったを訊かれたら「良かった」と言わざるを得ません。 とはいえ1800年代後半のアメリカ―――特にニューヨークに興味の持てる方には、 私以上に興味深くこの上巻を読む事が出来ると思います。 | ||||
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1970年代に書かれた、タイムトラベル小説です。 舞台はニューヨークなので、少しわかりにくい描写もあると思いますが、全体的なテーマはわかりやすく、楽しむことができます。 タイムトラベルものにつきものの、「過去や未来への干渉」などもしっかり書かれています。 ラストシーンが秀逸で、誰かにしゃべりたくなります。 | ||||
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この書を求めたのは「ある日どこかで」の類書として挙げられていたから。しかし、最初の100ページくらいは苦痛だった。しかし、過去のマンハッタンの緻密な描写はどうだろう。どんどん引き込まれていった。だいぶん前にNYに住んでいた時の記憶から連想がふくらんでいった。この著者の、NY、しかも昔への強い愛情をしみじみと感じた。ジュリアを連れてきたことに対する悩みと決断には心震わされました。これこそが最大の愛だったのだなと。 | ||||
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映画『ある日どこかで』からの連鎖でこの作品にたどり着きました。とっつきは翻訳調に難渋 したのですが,読み進むうちどんどん引き込まれました。3年前,マンハッタンに数日滞在し, 地図を片手に歩き回ったので,もう一度その地図を取り出し,街の情景をあれこれと 思い浮かべながら読み進みました。(『鬼平』を読む時も『江戸切絵図』が座右です) アン通り,ナッソー通りなどは観光地図には載っていないので,Google Mapを印刷しました。 古いモノクロの風景写真や肖像写真なども読者をノスタルジーに引き込む良い小道具にな っています。古き良き時代のNY・・・目の前1メートルにその当時の人が座り,息遣いが聞こえた ら,本当に顔や服装にじっと見入ってしまいますよね。 テレビもラジオもない下宿屋での暮らしってこんなだったのか。馬ソリで行きかう人々が声を 掛け合ったり,一緒に歌を歌ったり・・・情景を思い浮かべるだけで堪らなく胸が躍ります。 読後3日がたつのですが,ジュリアのことが忘れられません。僕の心は今の暮らしに対する多少 の未練と,100年前に戻って暮らす自信のなさの間で揺れ動いています。 それほど100年前に生きたジュリアは魅力的な女性に描かれています。 最後に一言・・・ダンジガー博士よりもルーブの奴をギャフンと言わせたかった。 上下とも古本で手に入れましたが大切に仕舞っておきます。きっとまた読み返すでしょう。 作品に出てくるオールステート保険会社と作者あとがきに名前の出るホーム保険会社。 どちらも,かつて日本に支店があり,その両方に僕は勤めていたことがあります。 偶然でしょうか。今はどちらの支店もありません。ビックリするやら懐かしいやら, 遠い思い出の彼方です。とてもすばらしい作品でお薦めします。 | ||||
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平成8年4月20日(四版)の下巻の帯に「映画化決定! 監督ロバート・レッドフォード」という記載があったので、楽しみにしているのですが未だに映画化されていないようですね。この続編である「時の旅人」や「ゲイルズバーグの春を愛す」とともに、”タイムスリップ+淡いラブストーリー”が好きな人にはお奨めの作品です。「ある日どこかで [Somewher in Time]」が好きな人なら、多分ハマっちゃうと思いますよ。 | ||||
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空想癖のある私にとって、フィニィの世界は夢の世界だ。彼の作品に繰り返し出てくるアイディア、その時代のものに囲まれその時代の暮らし方をしていれば、その時代に行ける、というのが本当ならなあ・・・フィニィとよく比較される広瀬正でさえ、時を越えるためにはタイムマシーンを用意した。広瀬があくまで理性的に、緻密に正確に過去を再現し、タイムパラドックスも克服しようとしたのに対し、フィニィは郷愁と現実逃避という甘美な陶酔に浸っている。どちらも好きだが、甘美さという点ではフィニィが上か。ともあれ、郷愁という感情を持つことのできるすべての人に薦めることができる。前半はやや長く感じるかもしれないが、途中からは一気に読めるだろう。ただ、惜しむらくは、訳をした福島氏がニューヨークをよく知らなかったこと。訳自体は名訳だと思う。でも、NYを愛するものにとっては、ちょっとした固有名詞の間違いが興ざめになる(フラティロンビルは無いだろう)。それでも、この本は私にとって最高のお気に入りの1つだ(広瀬正のマイナスゼロやハインラインの夏への扉とともに)。 | ||||
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ジャック・フィニィの「ふりだしに戻る」をジャンル分けするのは不可能です。時空間移動を主人公が移動する様はSF。古き良きニューヨークを語る様は上質の紀行文。ふとした事から巻き込まれる逃避行は迫力満点のサスペンス。ヒロインとの恋は甘酸っぱい恋愛小説。そして最後のどんでん返しは通を唸らせるミステリー。小説の面白さが一杯に詰まった傑作です。 | ||||
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訳者あとがきにもあるように、導入部は作者フィニーの代表作『愛の手紙』に似ているが、長編だけあってこちらのほうがミステリに満ちている。どこまでもファンタジックなSF作品なので、メカニックに弱い人でも充分に引き込まれる。解説もいい。 | ||||
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という力技で時間軸を飛び越える主人公。しかし、その理屈にかまう必要はない。フィニとともに、あの頃のあの街の息吹を--知っているはずはないのに--懐かしむことが出来る一冊です。 | ||||
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TOM CLANCYやJOHN GRISHAMの読後に、本書を読んでみて下さい。清涼飲料のように美しい文章が目に染みてきます。彼は時間軸をタイムマシンよろしく前後左右に自在に駆け抜けた作家といえますが、本書ではそれにロマンティックなフレーバーも程よく盛り込んで読者を浮世から解き放ってくれるでしょう。 | ||||
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