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活動寫眞の女
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活動寫眞の女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.34pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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昭和40年代の京都太秦が舞台のミステリタッチの小説。ふとしたことから映画のエキストラに出た京大生3人が体験するひと夏のできごとを京都の四季・風情を織り交ぜながら叙情的に描いていく。主な登場人物は京大生の主人公・薫と先輩であり恋人の早苗、医学部の友人・清家、最後の活動屋を自認する辻、大部屋女優でしかもこの世の人ではない伏見夕霞。 読了して感じたことは、著者の出世作となった『鉄道員』と随分似通っている内容であるということだ。短編・長編の違いはあるが、対を成す作品であるような気がする。初版は1997年7月発行(『鉄道員』は同年4月発行)になっているので、『鉄道員』以後の作品となるが、ここでは脇役で出てくる活動屋・辻のいわゆる“職人気質モノ”を、更に内容を複雑化した長編と解釈できなくもない。 『鉄道員』で完成されたかに見えるお涙頂戴・職人路線を、作者が再度こだわる必要がなんだったのか分からない。『鉄道員』の中でも有名になった台詞『したって、俺はポッポヤだから』はこの作品では『俺、カツドウヤさかい』という言葉に置きかえられており、思わず(またか…)とげんなり。そして、大部屋女優の伏見夕霞が著者お得意の“幽霊”で出てくると、再度幻滅。最後のとどめは活動屋の辻の昇天が職場であるフィルム倉庫の試写室での殉職ということになると、開いた口が塞がらない。僕にとっては長い長い『鉄道員PArt2』を読まされたような気がした。…ということで、この手の話はあまり新鮮さがなく、二番煎じの感も強いが、そこは著者のうまさか、気がついたらあっという間に読まされてしまった。(うーん、やられた) | ||||
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