失火により父が不慮の死を遂げたため、江戸から西美濃・田名部郡に帰参した小野寺一路。

片岡の一人息子・譲は、信州の集団疎開先で父親の召集を知る。

大手デパート勤務の椿山和昭は、ふと気付けばあの世の入り口にいた―。

夜更けの留置場に現れた、その不思議な老人は六尺四方にしか聞こえないという夜盗の声音「闇がたり」で、遙かな昔を物語り始めた―。

泰平の世に積もりに積もった大借金に嫌気のさした先代は縁の薄い末息子に腹を切らせて御家幕引きを謀る。

時は、明治元年暮。

警察官を定年退職し、妻と共に四国遍路の旅に出た神場。

おちかに代わり三島屋次男坊・富次郎が新たな聞き手に。心揺さぶる極上の江戸怪談、新章突入─。

汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう―中国清朝末期、貧しき糞拾いの少年・春児は、占い師の予言を通じ、科挙の試験を受ける幼なじみの兄貴分・文秀に従って都へ上った。

ある日、目細の安吉一家に客分として現れた、時代がかった老侠客。

古都には、謎が似合う。 7人の名手による、京都が舞台となった色とりどりの短編ミステリー。

極道小説で売れっ子になった作家・木戸孝之介は驚いた。

「武勇伝なんぞするやつァ、戦をしたうちにへえるものか」二百三高地の激戦を生きのびた男はそうつぶやいた…。

沖縄の互助組織、模合。

時は昭和九年。関東大震災から復興を遂げ華やかなモダン東京を謳歌したのも束の間、戦争の影が徐々に忍び寄っていた。

爆殺――その朝、英雄の夢が潰えた。 『中原の虹』完結から3年。

1938年秋。流行探偵作家の小柳逸馬は、従軍作家として北京に派遣されていた。

帝国陸軍がマッカーサーより奪い、終戦直前に隠したという時価200兆円の財宝。

大いなる母・西太后を喪い、清王朝の混迷は極まる。

列強諸国に蹂躙され荒廃した清朝最末期の北京。その混乱のさなか、紫禁城の奥深くでひとりの妃が無残に命を奪われた。

読者の意表をつく設定、家族も帰る場所も持たない還暦世代の「おひとりさま」を魅了する新しい故郷の形、母の抱く無限の愛情とその人生、細りゆく山村と最先端ビジネスの組合せ……。

「今の日本への問題意識を示すために、この舞台を選んだ」 警察小説の旗手として不動の人気を誇る著者が、魂を込めて描いた、圧巻の歴史改変警察小説。

日本人の「義」とは何か。 小雪舞う一月の夜更け、大坂・南部藩蔵屋敷に、満身創痍の侍がたどり着いた。

浦島太郎は竜宮城でどんな饗応を受けたのか(サシミであるはずがない)思いを馳せる表題作ほか、大人気エッセイ第4弾。

新進作家・待居涼司の小説の映画化に、奇才・小野川充が監督起用される。

婿養子が公金を持ち出し失踪。

義母の富江は心の底から喜んだ。孝之介が文壇最高の権威「日本文芸大賞」の候補になったというのだ。

戦争が終わってちょうど十年目、いまだ空襲の跡が残る大阪の下町に生まれた作田又三。

晩年に建仁寺の「雲龍図」を描いた男・海北友松の生涯とは。

都内で働く広太は、合コンで知り合った桃美とスノボ旅行へ。

時は幕末、処は江戸。貧乏御家人の別所彦四郎は、文武に秀でながら出世の道をしくじり、夜鳴き蕎麦一杯の小遣いもままならない。

「倉持修を殺そう」と思ったのはいつからだろう。悪魔の如きあの男のせいで、私の人生はいつも狂わされてきた。

日本新報記者・南康祐は、社内で要注意人物とみなされ、編集局から社長室へと異動。

「君に相談したいことがあるんだよ」と、友人の崎田から持ちかけられ、急行アルプス3号に同乗した西本刑事。

「医療ミスを公表しなければ病院を破壊する」突然の脅迫状に揺れる帝都大学病院。

死刑判決を免れた殺人犯たちの家族が、次々に殺される事件が起きた―。

不倫する奴なんて馬鹿だと思っていた。ところが僕はその台詞を自分に対して発しなければならなくなる―。

「こいつ、俺に気があるんじゃないか」―女性が隣に座っただけで、男はなぜこんな誤解をしてしまうのか?男女の恋愛問題から、ダイエットブームへの提言、野球人気を復活させるための画期的な改革案、さらには図書館利用者へのお願いまで。

立花平七郎は懇意の酒屋での聞き酒会の最中、巾着切りの少年を捕らえた。

現役の医師でもあり作家でもある著者が、満を持して取り組んだ 「悪い医者とは?」を問いかける感動の医療長編小説。

エジプトで発掘調査を行う考古学者の峰は念願の石棺を発掘するが、見つかったのは死後数ヵ月のミイラだった。

親友が屋上から落ちて、死んだ。自殺と思えない「俺」は当時の様子を探り始めるが…。

「十五年前の通り魔殺人事件の犯人を知っている。直接会って話したい」。

医療費の高騰で病院に行けなくなる人が急増した日本。

ごめんくださいまし──。宝永七年の初夏、下野北見藩・元作事方組頭の家に声が響いた。

明治維新期。「武士」という職業がなくなり行き場を失った岩井五郎治は、遺された孫のために命も誇りも投げ出す覚悟を決める。

ひょんなことがきっかけでスノーボードを始めた。あっという間に虜になってしまった。

武蔵小杉高校事変で優莉結衣に救われた濱林澪はショックから不登校になっていた。

長峰の一人娘・絵摩の死体が荒川から発見された。花火大会の帰りに、未成年の少年グループによって蹂躪された末の遺棄だった。

富士山麓のイチゴ農家を舞台に描く、<日本の家族>の明るい未来図!感動長編

人の感情が色でわかる「共感覚」を持つという不思議な青年―藤木司を担当することになった、臨床心理士の佐久間美帆。

一揆から三年、豊後羽根藩の欅屋敷で孤児を見守る女・楓の許に、謎の男・草薙小平太が訪れる。

「お母さん、殺されたのよ」―学校から帰ってきた美幸は、家で母が殺害されたことを知らされる。

日本びいきの恋人、ジェニファーから、結婚を承諾する条件として日本へのひとり旅を命じられたアメリカ人青年のラリー。

『孤狼の血』『盤上の向日葵』著者が放つ、社会派ミステリ! 結婚詐欺容疑で介護士の冬香が逮捕された。

特捜検事・冨永真一のもとに、初の女性総理候補、越村みやび厚労相に関する情報提供者が現れる。超高齢社会に突入する日本。