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カッコーの歌



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【この小説が収録されている参考書籍】
カッコーの歌

カッコーの歌の評価: 4.45/5点 レビュー 11件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.45pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全11件 1~11 1/1ページ
No.11:
(5pt)

おすすめ

何回も読める。英語を挑戦。
カッコーの歌Amazon書評・レビュー:カッコーの歌より
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No.10:
(3pt)

この世界観、好きな人ははまりそう

好みの問題だけど、『嘘の木』のほうが面白かったなぁ
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No.9:
(5pt)

大満足の大傑作!

ヨーロッパの有名な伝承を元に、緻密に作り上げられた幼き不仲姉妹の放浪サスペンス!
日常の陰に隠れた異界系幻想譚がお好きな人は絶対ハマる一冊。
外面最高な勝ち組ファミリーの内側のゴタゴタを巡るヒューマンドラマとしても一級品。
文体もセリフ回しもおしゃれで、すいすいとは読めないものの味わい深い。
面白すぎる。
これは著者の他の作品も読まなければいけませんな。
カッコーの歌Amazon書評・レビュー:カッコーの歌より
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No.8:
(4pt)

自分自身を発見した少女が、それを肯定し、周りの人との信頼関係を築いて、生きる勇気を得ていくサスペンス仕立ての冒険ファンタジー

「あと7日」。意識を取り戻した11歳の少女トリスは、耳元でそう囁く声を聞いた。少しずつ記憶を辿るものの、意識を失う原因となったグリマーに落ちたらしい記憶はないまま。両親の会話からある男たちがこの事故に関わっていると思われたが、それ以上のことはわからない。思い出す手がかりにしようと開いた日記は破り取られ、彼女の写真もなくなっていた。前から反抗的だった9歳の妹は、彼女を「偽者」と言い放ち、彼女自身、自分への違和感と異常な食欲、喋る人形、覚えなく髪についている枯れ葉や床の上の泥などに悩まされる。「あと6日だよ」。耳に囁かれる声はどんどん短くなっていく。地元の名士である父も、上流階級意識の強い母も優しく接してくれたが、トリスは、本当は自分自身がおかしいのではないかと疑い始める。

自分自身を発見した少女が、それを肯定し、周りの人との信頼関係を築いて、生きる勇気を得ていくサスペンス仕立ての冒険ファンタジー。

*******ここからはネタバレ*******

舞台は1920年のイギリス。第一次世界大戦が終わって間もない頃です。

なんとおぞましい場面が多く出てくるお話なのでしょう。
読みながら、これがホラー映画として映像化される場面を何度も想像しました。

例えば、
トリスのすごい食欲は、腐ったりんごを食べ、喋る人形を食べ、宝石を食べ、靴を食べ、しまいには妹も???……と大変なありさまです。
そしてトリスを形作っているのは、葉っぱと枝とイバラ。記憶は、トリスの日記と思い出の品。ビサイダーで人形づくりのモズがそれらをグリマーに投げ込んで作った。
橋の下にはアンダーベリーと言う世界があって、そこにビサイダーたちが住んでいる。

アンダーベリーに乗り込んで行くために、用意するのがナイフとオンドリ、とか、腕時計に遺髪を入れられ、その時計が止まってしまったため、死後の世界に行けない兄とか、その兄への想いに縛られているために雪を呼んでしまう(「アナと雪の女王」みたい)兄の婚約者のヴァイオレットとか、見えない線路を進む列車とか、ファンタジーらしいエピソードがたくさん出てきます。

どうしてトリスは11歳にもなって人形遊びをしていたのか?
どうして映画の画面に引き込まれて無音・銀色になったペンがもとに戻ったのか?
どうしてトリスの両親は、彼らの長男セバスチャンからの死後の手紙を得るために、怪しい取引をしたのか?
どうしてハサミが、ビサイダーたちを攻撃するのか?
新しい棲家が作られなかったビサイダーたちはどうしたのか?そもそも、ビサイダーってなんなのか?アーキテクトは何をしたかったのか?
いや、トリスタ、アーキテクトをあっさりやっつけすぎでしょ、とか、
……等々、私の読解力では解けなかった謎が残りますが、もう、そんなことどうでも良くなるぐらい、私のワーキングメモリをいっぱい使ってしまう、長くて複雑な物語です。

とはいえ、過保護・過干渉な親が、か弱い存在でいることで自らを守ろうとする娘を作り出す、とか、できの良い姉の下の妹は、「悪い子」として存在感を示し、姉はますます「良い子」を期待され、姉妹仲が悪化するとか、母親が、自らを頼る娘を作るために、娘が気に入ったものをすべて取り除いてしまう、とか、人間関係「あるある」もたくさん描かれていて興味深いです。

ラストで、しっかり自立したトリスタと、まだまだ子どものままのトリスが対象的に描かれていて興味深い。

それに、トリスタを生かすことで、物語を元の鞘に収めなかった点も評価です。
多くの人にとってありがたくない変化(この場合は、本物と偽者が共存する世界)であったとしても、だからといって"「異物」を排除してめでたしめでたし"とはならなかった。
変化を受け入れて前に進むことを示したかったのだと思います。
それより前に書かれてはいますが「with コロナ時代」へのメッセージとも受け取れます。

作られた命だと自覚しながらも、この世界で生きることを選択したトリスタが、どう人生を作っていくのか関心が持たれます。

実はこの本で一番残念なのは巻末の「解説」で、この本について描かれていることはいいんですが、本作の著者のこの後の作品「嘘の木」のかなり詳しいネタバレがあって、これは止めて欲しかった。未読の方は、ここを読まないことをオススメしますよ。

気持ちの悪いシーンが多いので、私個人としてはこの本は好きになれませんが、物語としての完成度は高いと思うので、星4です。

ミステリーやホラーが好きな人にはいいのではないでしょうか。
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No.7:
(4pt)

人形が人形食べてました

キンドルで読み上げ機能使って読んだというか、聞き流した。
それでも十分理解できる。分かりやすい。評論家のように逐一、文体や言い回しに意識を集中させるような才能がなく
映画とか10分もすれば飽きるような人間でも楽しめる。
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No.6:
(5pt)

口の中がじゃりじゃりになっても私は生きていく。

感覚に訴える抒情SF。からっぼの心を埋めるため他人の思い出の品を食べるたび、読んでいる私の口の中もじゃりじゃりになる。他人の借り物ではいくら食べても足りなくて衰弱していくけれど、誰かのために、今を生きれば、偽物の取り替えっ子だってリアルな私になる。
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No.5:
(4pt)

実写で見たい!めくるめく映像体験

何の予備知識もなくこの本を手に取った。ミステリー?いやホラー?もしかしてファンタジー?と段々と物語が見えてくる。古き良きロンドンの物語。これはロンドンでなければならない物語。ニューヨークでも、東京でも、上海でもダメ、暗くてミステリアスなロンドンしかありえない。そして物語の舞台が見えてくるともう手が止まらない。めくるめく冒険譚に没頭するしかなくなる。ああ映画にして欲しい。実写で見たい。そう思わせる良作。
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No.4:
(5pt)

ジブリの映画になるといいなと思います。

1920年の第一次世界大戦が終わって間もないイギリスのエルチェスターが物語の舞台。海に面し、起伏が多い土地で、街が大きく発展する橋や駅舎等の建築を設計したピアス・クレセントの家族の物語。兄のセバスチャンは戦争で亡くなっていて、長女トリスを妻のセレステと共に大事に育てていた。そのトリスが突然いなくなり、グリマーと呼ばれる水辺から救われる。次女のきかん子のペンは、グリマーから救われたトリスは本物のトリスではないと言って、物語が動き出す。
ハリー・ポッターの物語といい、カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」といい、長い歴史を持つイギリスは幻想的な物語を育む土壌があるのだろうと思う。ビサイダーという、そばに居ながら見えない不思議な人達の世界も、トリスとペンの活躍の中で生き生きと描かれる。厚い本ながら一気読みできる貴重な一冊です。
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No.3:
(4pt)

「あたしは釘や戦艦みたいに強いから傷つかない」と言い切ったヴァイオレットに惚れました!

人には色々な面があり、そのうえ、普通には知らない(見えない)世界がすぐ近くに存在するというファンタジー。
最終的には、おもしろかった!

前半は、主人公にも、他のどの登場人物にも感情移入ができず、読みづらかったですが、後半から(ようやく、その普通じゃない世界が見えてから)しっかりと、主人公(トリス、偽トリス、そしてトリスタ)に共感しながら読めました。

前半でくじけてしまわずに、最後まで読むことをおすすめします!

とりわけ、心に残ったのは、ヴァイオレットのこの言葉。
偽トリスが「わたしはふたりを傷つける。このトゲが――ふたりを傷つける」とささやいたのに応えて、
ヴァイオレット「なに、あたしを? ばかいわないの。あたしは釘みたいに強いし、戦艦並みの鋼鉄の肌なんだから」ときっぱりと言ったんです。

ここで、涙がこぼれました。
偽トリスの感じた温かさを私も感じました。
こんなことをいう女性は素敵です!!!

『嘘の木』がおもしろかったので、気軽に読み始めたこの本。やっぱり読んでよかったです。
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No.2:
(5pt)

この視点の主人公って、なかったなあ。

『嘘の木』の前作です。
 池に落ちたトリスは救われるのですが、自分は誰かの記憶が曖昧。徐々にそれは取り戻していくけれど、妹のペンはトリスをトリスではないと言い張るし、違和感は残っています。
 おなかの減り具合は以上で、それでも体重は減っていく。トリスは自分の部屋で、トリスの持っていた人形や、服を食べてもしまいます。トリスのものを摂取しないとトリスでいられないような……。
 どうやら両親は、兄が第一次大戦で亡くなったあと、トリスに過剰な愛情を注ぎ始めたようで、それに応えるべくトリスは病弱になり、学校も行かず、友だちもいないで過ごしています。愛情を一身に注がれるトリスのそばでペンは嫉妬に狂っていて、トリスはそんな妹をいじめてもいたらしいと、トリスは思い出し始めています。
 自分はトリスなのか、違うのか?
 どの登場人物も一面的ではなく、何かを抱え、何かに装い、何かをごまかし生きていることを描きつつ、家族の愛情と、そのいびつな部分もえぐり出しつつ、サスペンスファンタジーとして読ませる技はさすが。
 この視点の主人公って、なかったなあ。
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No.1:
(5pt)

映画化して欲しい傑作

『嘘の木』を読んで面白かったので、この本も読んでみました。『嘘の木』のミステリー色がこの本では薄まったので、ミステリーファンの方にはやや物足らないかもしれませんが、ファンタジーとしてはこちらの方が面白かったので一気に読めました。文章を読んでいるとその映像が浮かんで来る感じなので映画化されるといいなぁと期待しています。
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