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マンハッタンの狙撃手



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【この小説が収録されている参考書籍】
マンハッタンの狙撃手 (ハヤカワ文庫NV)

マンハッタンの狙撃手の評価: 3.40/5点 レビュー 10件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.40pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全5件 1~5 1/1ページ
No.5:
(5pt)

翻訳作品とは思えないほどの無駄のない秀逸な作品

(直訳やアメリカ人の比喩の不可解さに辟易していた読者としての感想です。)
テンポが良く、無駄なシーンが少なく、こちらの興味と同時に展開されているので、ほぼ一気読みでした(海外の作品は場面変更で冷めてしまうことが多かったのですが)。
日本人の作品かと思うような読みやすさでした。あまりにプロットがよくできているために、「復帰にあれほど反対していた奥さんの急な心変わり」に違和感を感じたり、あとあと何の影響もない家族の団らんシーンは不要では?とか思ってしまうほどでした。読みやすさナンバーワンでストレスのない作品です。
マンハッタンの狙撃手 (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:マンハッタンの狙撃手 (ハヤカワ文庫NV)より
4150414572
No.4:
(4pt)

もうちょっと登場人物が魅力的なら・・・。

史上最悪な寒波に襲われた真冬のマンハッタンで、連続狙撃事件が勃発。
悪天候のせいもあり、捜査当局はどこから被害者が狙撃されたのかさえ突き止められない。
捜査の責任者は、今は引退して、大学で教えながら、家族と平穏な暮らしをしていた元FBIの捜査官であり、特別な空間把握能力をもつ天才物理学者のルーカス・ペイジに頼み込んで、捜査現場に引きずり出す。
ルーカスはFBIにいたときに、片目、片手、片脚を失っていた。FBIに戻ることなど全く考えていなかったが、やむなく復帰する。しかし、その後も新たな事件が起き、被害者がいずれも法執行官であることが判明する。

仕事で体に大きな障害を負った捜査官といえば、ミステリーファンならすぐにリンカーン・ライムを連想するであろう。本作のルーカスは、彼と違って動き回ることは可能だが、やはりいろいろ制限はされる。しかし、この障害が本作も内容と彼の本質にどういう影響を及ぼしているのかははっきりとはしない。このあたりで、もうディーバーの生み出したライムが主役の名作の数々とはレベルが違うとも言える。
ルーカスと一緒に活躍する女性捜査官も、もう少し掘り下げて、魅力的に書かれていれば、もっと面白かったのに。

それでもストーリーはなかなか面白かった。翻訳文学につきものの、日本人のセンスに合わないつまらない比喩も結構多いが、テンポも速く、展開もスムースだ。
それにしても、今更だが、アメリカの闇はやはり恐ろしく深いということだろうか。
マンハッタンの狙撃手 (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:マンハッタンの狙撃手 (ハヤカワ文庫NV)より
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No.3:
(5pt)

早い展開、息をつかせぬ面白さ

マンハッタンにかって住んでいた者としては、手に取るように解る物語だが、これは譬えNYに住んだ事が無い者でも
情景が目に浮かぶような見事な描写。
マンハッタンの狙撃手 (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:マンハッタンの狙撃手 (ハヤカワ文庫NV)より
4150414572
No.2:
(5pt)

名コンビ

500頁余とはいえ、101のシーンに小間切れされ、また、物語の途中からはグイグイ引き込まれ一気読みでした。
天体物理学を教える大学教授の主人公が古巣のFBIに依頼され、見事法執行官連続射殺事件を解決するというアクションもの。
どんな事件かは判らないが、片方の手、足、目を失い、義手、義足、義眼に頼る生活を送る主人公は、現在の生活とは裏腹に、心の奥底ではもう一度現場に戻って事件捜査したいと渇望している。
そして、彼には現場を一目見ただけで長距離狙撃の発砲地点を特定するという特異な能力がある。
一方、相棒となるFBIの特別捜査官は大柄なバツイチの黒人女性で、相手の心が読める能力に長ける・・・。
人物造形も上手いし、真犯人をさりげなく物語の早い段階で登場させるなど憎い演出もしており、よく練られた作品は極上のアクション小説に仕上がっており、作家もなかなか筆力があると実感します。
評価は迷うことなく☆5つで、こうしたジャンルが好きな読者におススメするとともに、私自身、ルーク教授とウィテカー特別捜査官の名コンビ、今作だけで終わるのは惜しく、新たな事件での活躍を期待したい
マンハッタンの狙撃手 (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:マンハッタンの狙撃手 (ハヤカワ文庫NV)より
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No.1:
(4pt)

「過不足のない」クールな傑作

世の中に「過不足のない傑作」というのがあるとすれば、本書を真っ先に思い浮かべることになるかもしれません。過不足のないクールな一品だと思います。
 「マンハッタンの狙撃手 "City of Windows"」(ロバート・ポビ 早川書房)を一気に読みました。
 寒波に襲われたニューヨーク。1台のセダンに、狙撃手の銃弾が炸裂します。狙撃地点を類推しがたい状況の中、犯人は逃げ去り、その後、イーストサイドのトラム内でも同様の狙撃が発生、被害者たちの共通項は、米国の「法執行機関」に所属している誰か。そして、その狙撃手の手腕が比類ないものであることに誰もが気ずかされます。しかし、その狙撃手はボブ・スワガーでもなければ、コート・ジェントリーでもありません(笑)
 追跡するは、FBIマンハッタン管区と、コロンビア大学教授、天才・宇宙天文学科学者、ルーカス・ペイジ。彼は、元FBI捜査官であり、過去の捜査中の事故により片腕、片足、片目を喪失しています。何故、彼は再度FBI捜査へと招聘されたのか?第一犠牲者は、ルーカスの元の相棒。彼はその申し出を果たして受けるのか?
 連続狙撃事件に発展、<隕石>素材の銃弾、綿密な計画、そして揺るぎない狙撃手の<意志>。一体狙撃手は、誰、何故、どこにいるのか?フランスからの「過激派」、ISIS?繰り返しになりますが、なにゆえ「法執行機関」に所属している誰かだけが狙われるのか?ルーカスは、学生たちの力を借りて、ビッグ・データをサーバに放り込み、フィルタリングする要素と属性によってその犯人を絞り込もうとします。誰も持ち得ない<才気>を使って。いつものように、これ以上は書けません(笑)舞台は、ニューヨークから今回もまたヤマヨモギのかの地へと飛び立ちます(笑)
 この小説に触発されてトランプ以降の米国に内在する諸問題について言及したいと思いながらも、それはスリラーのレビューとしては核心に触れることにもなりますので「御法度」だと思います。

 シャープな展開とカット割り(黒沢明のように)、畳み掛けるサスペンス、そして主人公、ルーカスの抑制された心と滾る心。ルーカスの妻、エリン、捜査官・ウィッテカー、そしてルーカスの隣人ディンゴの献身的な活躍、間然とすることのない布陣だと思います。ストーリーもしっかりと<反転>します。
 ルーカスとエリンは、両親から見捨てられ、支援制度からも見捨てられた5人の子供たちを預かり、育てています。そして、獰猛そうな犬レミーも活躍します。時に、普遍的な<スピリチュアリティ>がガーディアン・エンジェルのように舞い降ります。
 欠点はあると思います。(私のような不出来な人間には、理解できない)ルーカスの<天才>ぶりの根拠が明確に示されていないこと。また、本作だけではルーカスの<過去>が深く語られているわけではありません。しかし、おそらくそれは続編への布石なのだと思います。
 米国のエンターテインメントの<力>を感じさせながら、多くのヴァイオレンスに戸惑うことなく、「面白かった」と言ってもしかすると数日後には忘れてしまえるようなそんな作品なのだと思います。映画化するなら、監督はアントワーン・フークワ(笑)
マンハッタンの狙撃手 (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:マンハッタンの狙撃手 (ハヤカワ文庫NV)より
4150414572

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