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マンハッタンの狙撃手



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【この小説が収録されている参考書籍】
マンハッタンの狙撃手 (ハヤカワ文庫NV)

マンハッタンの狙撃手の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

アメリカの宿痾は銃とキリスト教

本国アメリカを始め世界的にベストセラーを放っている作家の最新作かつ最初の邦訳作品。猛烈な寒波に襲われたニューヨークを舞台に、冷静沈着なスナイパーと天才的能力を持つFBI捜査官の戦いを描いたサスペンス・ミステリーである。
猛烈な吹雪と寒波に襲われたニューヨークで、停車しようとした車を運転していたFBI捜査官が狙撃され死亡した。一発で超長距離の狙撃を成功させた犯人に危機感を抱いたFBI主任捜査官は、魔法の目を持つ男・天才的な空間把握能力を持つ元FBI捜査官・ルーカスに協力を依頼する。捜査官時代に事故に遭って片腕、片足、片目を失い、今は大学教授として穏やかな家庭生活を送っているルーカスは協力をためらうのだが、撃たれたのが元相棒だったことを知らされ、現場を見たことから捜査への誘惑に負けて捜査に加わり、狙撃手のいた場所を特定する。しかし、犯人像を描くこともできないうちに次々に法執行機関の職員が狙撃された。被害者たちの共通点は何か、犯人の狙いは何か。ルーカスをはじめとするFBIと謎の狙撃犯は、時間に追われながら激しい戦いを繰り広げるのだった。
天才的なスナイパーと天才的な捜査官の対決はよくあるパターンだし、主人公が肢体不自由というのもすでにリンカーン・ライムがいるため目新しさは無いが犯人解明までのプロセスは緻密で、決して飽きさせない。さらに、事件の背景には銃社会とキリスト教原理主義の頑迷さが見据えられており、なかなか鋭い社会批評が表現されている。また、家族のあり方を問う側面もあって、単なるサスペンス作品ではない深さがある。ただ、ストーリーのポイントとなるいくつかのエピソードにややご都合主義があるのがちょっと残念。
スナイパーもの、冒険活劇、サスペンス・アクションのファンにオススメする。

iisan
927253Y1

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