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死体埋め部の悔恨と青春



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【この小説が収録されている参考書籍】
死体埋め部の悔恨と青春 (ポルタ文庫)

死体埋め部の悔恨と青春の評価: 4.00/5点 レビュー 10件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全10件 1~10 1/1ページ
No.10:
(4pt)

本書の終盤、思いもよらない展開に心が震えました。ぞくぞくしっぱなしでしたわ。

シュールでブラックな状況下で繰り広げられる謎解きミステリかと思いきや、最後の第四話「死体埋め部の栄光と崩壊」で、思いもよらない所へ連れていかれて、「うわあぁ!」て絶叫したくなったっす。

織賀善一(おりが ぜんいち)と祝部浩也(はふりべ ひろや)。
冒頭、運命的とも思える出会いをしたふたりが、反発しつつも惹かれ合っていくその異様なシチュエーションに、とりわけ、祝部が織賀に寄せる執着心の深さに、と胸を突かれましたね。
そして、第四話の終盤からラストにかけての展開が半端なく凄くて、ぞくぞくしっぱなしでしたわ。

本書を通して、通奏低音のように流れていた次の一節が印象深いです。
《何せ、織賀と祝部は恐ろしいほどに相性がいいのだ。理屈じゃない何かがそこにあったから、織賀の方もうっかり手を伸ばしてしまったのだろう。》p.216

あと、本筋とは関係ないんだけど、第二話の中でちらっと、映画『バグダッド・カフェ』の ♪︎コーリング、ユー♪︎ のメロディが流れたのが良かったっす。あの音楽は、わても好きだす。
死体埋め部の悔恨と青春 (ポルタ文庫)Amazon書評・レビュー:死体埋め部の悔恨と青春 (ポルタ文庫)より
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No.9:
(5pt)

文体が光る。

語呂の悪い「死体埋め部」という名称が内容に相応しいミステリー。ミステリーなのか? と問われれば間違いなくミステリーではあるだろうし、青春か? と訊かれれば「まあ、そうかもしれない」と答えることになるだろう。殺人は描かれないが死体は出てくるという意味での異色作品でもある。四つの短編からなる本書は、端的に言えば死体を埋めるために移動する車中で「死体が持つ謎」を推理するミステリである。そして第三話までに張られた伏線が最終話で回収されるという点も、しっかりとミステリの文法を踏襲している。唯一最終話の決着的な出来事の詳細が分かりにくいという難はあるけれども。だがそれを補う「知的だが軽妙洒脱な文体」が何よりの魅力。
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No.8:
(3pt)

青春ミステリーというのとは少し違う気が…。

大学の先輩に「死体を埋める」という裏仕事を手伝わされるハメに陥った主人公。その境遇は不謹慎ながらも少しワクワクするものがあり、先の展開を期待させます。

ただ、他の人の指摘通り私も読んでいて気になったのは、処理する死体の謎、つまり作中で起こったであろう殺人事件が主人公たちとは基本的に無関係なので、彼らが謎を解かなくてはならない緊張感や切迫感が薄いという点。死体に残された少しの情報から真相を推理するのは面白いですが、やはりクイズを解いている程度の感覚です。

また、先輩のサイコパスなキャラクターがいかにも小説や漫画的なキャラ設定でリアリティが無く、主人公にしてもこの異常なバイトに順応するのが早すぎて不自然で、リアルな青春ミステリーらしさには欠けています。こうした特殊なシチュエーションありきな点に加え、彼らが共依存のような関係になって行く過程が描き切れていないため、今ひとつ感情移入し切れないものがありました。基本的にふたりしかいないメイン登場人物の少なさもストーリーや世界観に広がりが感じられない原因かと思われます。

主人公に関する真相も予想の範囲内でミステリーとしての意外性は薄いです。これが今まで処理した死体(殺人事件)に関連付けられていたらほぼ満点だったんですが…。ラストも生存ルートを匂わせるにしてはちょっと露骨すぎる印象。

取りあえず飽きずに最後まで読めたのですが、やはりもう少し「死体を処理しなくてはならない動機」に切迫した事情が欲しかったですね。
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No.7:
(5pt)

最後の短編まで読むと、それまで語られたエピソードが別な意味を持つ

依頼を受けて他殺死体を埋めに行くことをサークル活動として行う。。。という出オチのような連作短編集ですが、1冊を読み通すと、ほろ苦なテイストの佳作でした。
4つほどの短編が含まれていますが、個々の短編としてのストーリーのほかに、全体を通しての起承転結が考えられています。最後の作品を読み終えると、一つ一つの短編で語られていた個々のエピソードが、別な意味を持って(というといささか誇張が過ぎるかもしれません)、読者に単純に割り切れない複雑な読後感を残します。
2020年末のミステリランキングで注目された著者の過去作品のようですが、単なるライトミステリとして、忘れられるのはちょっと惜しいと思わせる作品です。
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No.6:
(5pt)

人に勧めていいのかわかんないけど私は大好き

文庫本を十年ぶりくらいに買いました。
作者さんをツイッターの短文投稿で知り、よくミステリーを読んでる方々の評価も良さそうなため購入しました。
タイトル通りのミステリー+青春で、ツイッターの短文投稿が好きな人にはかなりドンピシャな作品だと思います。
本って、感情を突き動かされるコンテンツだったな、というのを久しぶりに思い出しました。
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No.5:
(4pt)

キャラクターが魅力

新レーベルの第一弾。
表紙がタイトルで誤魔化されているけど、この絵師は塗りが毎回微妙過ぎる。

先輩と後輩の奇妙な青春。
道徳的にはアウトだけど、青春を謳歌する気分になる。
ミステリーとしても面白い。
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No.4:
(2pt)

イマイチ楽しめない

作者のファンですが、出版社が違うためかこの作品は良い意味でも悪い意味でもライト文芸らしさが出ているなと思います。
軽めの推理合戦が行われますが、本格ミステリが大好きな方は当然ですが、日常ミステリ程度の軽めのミステリが好きな方でも、
読んでて物足りなさが出てくると思います。
私としては主人公はどことなくラノベ主人公みたいな感じがあって好感がもてましたが、
相方役の先輩の話し方がなんかこうしっくりとこなくて、途中下車しました。
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No.3:
(5pt)

この先輩と後輩の共依存を愛せるか。

note版から読んでいました。書籍化されて嬉しいです。本心が読めないけど誰より可哀想でおかしな織賀先輩が好きです。この小説は二人の共依存と破滅の強感情の話なので、へらへらして何を考えているかわからない織賀先輩と本当は殺人をきっかけに一番おかしくなってしまった祝部というキャラクターが好きだなという人は絶対ハマると思います。この二人の会話が好きなので続編が読みたいです。
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No.2:
(3pt)

這い出したはずの穴底に響くのは歓喜か悲哀か

※以下の内容には【ネタバレ】が含まれる可能性があります

大学の先輩と後輩,変人とお人好しなど,よくある組み合わせとやり取りなのですが,
この場合だと助手役に収まりがちな後輩が,探偵役となるのが少し意外で面白いところ.

ただ,目の前の死体とわずかな情報から,『そこへ』と至った背景を見出すものの,
普通の学生にしては頭が回りすぎに思え,ひらめきに都合の良さを感じてしまいます.

一方,巻き込まれたとはいえ,ズルズルと『埋め部』に引きずり込まれていく中,
意を決しての先輩との夜の対峙は,悲劇でありながら,どこか喜劇のようでもあり,
ようやく這い出したはずが,そこはさらに深い穴だったと匂わせる幕引きはなかなか.
結局は同じ穴の狢なのか,恐怖と期待が入り交じる祈りが狂気にも映るのが印象的です.

反面,彼が先輩に執着する経過や,設定だけでキャラクタの掘り下げが弱いため,
共依存の関係になるのか,救うことで救われ,助かることで助けることになるなど,
信仰とも語る互いの信頼関係はは過剰に映り,今ひとつ入ることができませんでした.
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No.1:
(4pt)

キャラクターはいいが物足りなさも

人を殺してしまった大学生が死体遺棄を生業とする先輩の仲間に入れられ、埋めに行く死体が何故殺されたのかを推理するミステリ。

明らかな異常者ながら危険な魅力を持つ先輩と、最初ビビりまくっていたのが嘘のように彼の仕掛ける推理ゲームに順応していく主人公の掛け合いが魅力的。

ただ、殺人自体は彼らと関係ないところで発生していてドラマ的な連動がないので良くも悪くもクイズ解いてるだけみたいに軽いのと、最後の章で主人公が解き明かした二人の関係の真相はそりゃそうだろうと途中で予想できてしまうなど、ミステリとしての満足感に乏しいのが残念。もっと驚かせてほしかった。

また、人が他者を思うことを信仰になぞらえ、その倒錯や悲しさを描くというテーマも前々作で扱われたもので、そちらの方がより掘り下げられていたと思う。

そこそこに面白いのだけどこれまでの作品に比べると読み応えがないというのが正直なところでした。
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