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種の起源
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種の起源の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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内容はネタバレしないように書いております ある韓国系の友人からおススメされて読みました ホラーやサスペンス系の小説が好きで、グロ耐性があれば好きだと思います 韓国のお話ではあるけど、日本でもこういうのは実際ありえる話なのかもって思いました ある猟奇殺人事件に関して、犯人視点で本人の心の動き、殺人にいたる動機、詳細に描かれていました 読みながら、心がきゅっとなるような辛いシーンもありましたが、面白かったので一気読みしました | ||||
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韓国ミュージカル見に行くので、あらすじを把握するために読んでみた。 ミステリーの展開が独特で、最後までハラハラしながら読んだ。サイコパスは常人には予想外の考え方や行動が出てきて、普通に見えても本当は悪を抱えてるのかもしれないと考えさせられた。 このストーリーをミュージカルでどのように見せてくれるのか、今から楽しみだ。 またチョンユジョン作家の他の作品も読んでみたいと思った。 | ||||
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1度じゃ理解できなかったので、2度読みました。2度目でやっと理解出来ました。ホントに頭を使う小説 | ||||
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悪人がどうして出来上がったかを本人が語ります。後書きで主題の理由を書いてあるほど救いのない話です。実話が背景にあるというのも怖いです。 次は、主人公の兄のような人が、サイコパスを生むきっかけになったかを追求してみて欲しいです。パワハラ、セクハラ、マウンティングが蔓延る起源はどこにあるでしょうか?そして、詐欺師達が生まれる起源はどこにあるでしょうか? | ||||
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この本は、一見平凡な青年がどのように殺人鬼に変わっていったかを、心の視点から考察した小説です。 母親そして「おば」を殺し、他にも女を殺した、二十五歳の青年殺人鬼が語る心のうちを描いています。 主人公「ぼく」の視点は落ち着かず、過去と現在が行きつ戻りつ入れ替わり定まりません。 目覚めながらも夢を見ているような主人公の語り口は、「嘘」を語っているようにも思えます。 読者は、事実関係がつかめず、もうろうとしてきて、意識まで定かではなくなります。 現実の時間の流れも、行きつ戻りつしているうちに、今が何日なのかもわからなくなります。 前後関係も、原因と結果の関係もあやふやになってしまいます。 「人は殺人によって進化した」 これは、この本の「著者あとがき」の一行目の言葉です。 殺人を「進化」という言葉と結びつける、突拍子もない発想に驚きました。 進化論のダーウィンの著書『種の起源』の連想で、この本のタイトルも『種の起源』にしたのでしょう。 この本の第四部も、「種の起源」という見出しです。 「また寒気がする。寒さが歯の奥まで沁みとおる。ダーウィンの教えを思い出した瞬間だった。死ぬか、適応するか」(307頁) さて、英語版のタイトルは、THE GOOD SON(あの良い息子) 主人公で語り手の「ぼく」、「ハン・ユジン」は、母「キム・ジウォン」の「あの良い息子」なのかも? ぼくの姓は「ハン」なのに、母親の姓は「キム」のまま。母親の姓は、日本での旧姓にあたります。 「韓国では婚姻によって女性の姓が変わらないが、一般的にその子どもは父親の姓を継ぐ」(102頁) 姓だけの違いですが、韓国の母と子の間に、心理的距離感は生じないのでしょうか? (ユジン、おまえは……) (この世に生きていてはならない人間よ)(81頁、162頁)という母の声。 (あのとき、死ぬべきだったのよ。お前も、私も)(93頁) 「『おまえが死んだら、私もすぐにあとを追うから』は脅迫ではなく決定だった」(197頁) えっ! 「決定」! 母は死ぬ(自殺する)覚悟を決めていた。 それならば、という仮定の話ですが、そういう覚悟の母に殺されそうになった「ぼく」が、 母ともみ合っているうちに誤って母を殺してしまった、という事故死の可能性も考えられます。 そういうふうに嘘をつくことも可能です。あとはすべて忘れたことにしてしまえば…… 「忘却は究極の嘘である。自分自身に向けた完璧な嘘。ぼくの頭が出せる最後のカードでもある」(195頁) 「剃刀の刃が女の顎の下へもぐった。悲鳴がぴたりとやんだ」(192頁)あと、「ぼくは女を川に突き落と」(193頁)す。 「ぼく」はなぜ、「この世に生きていてはならない」のか? 「あのとき」とは? 「ぼく」の1歳年上の兄は、10歳のとき、事故(「新聞記事」による)で父親と共に死去。 これは、事故ではなく、事件だったのかもしれない、と読者は疑い始めるでしょう。 「ぼくじゃない。ぼくは何もしていない。兄さんに指一本ふれていないと」(306頁)「ぼく」は母に証言します。 事実のみを客観的に正確に読者に伝えるのは、母の日記メモの最後のページにはさまれていた 「十六年前の新聞記事」(306頁)のみ。 この新聞記事も日記メモも、「ぼく」は火をつけて焼却処分してしまいました。物的証拠なし。 「ぼく」は、母の「胸の内が改めて気になる」(306頁) 「母がぼくのことばを信じていてくれたなら、この記事を書いた記者のようにあの出来事を事故だと信じていたら」(306頁) 「THE GOOD SON(あの良い息子)」とは、「ぼく」ではなく、事故で死んだあの兄「ハン・ユミン」? 「己の記憶をたどり真実を探る緊迫の三日間」(裏表紙より)とは? 「一番最近の記録である2016年の12月を見る。6日と7日と9日の三日だけ」(164頁) 111頁にも、同じ記述があります。 母の日記メモの「日付は飛び飛びだ」(163頁) そして、「ミス・ババア」(122頁、221頁)とは、 ユジンのおば(母の妹)の「キム・ヘウォン」 「朝七時から電話を鳴らしまくっていた、二十二階の犬ころのようにでしゃばりなババア」(122頁) 「二十二階でハローが吠え始めた」(145頁) 「ぼくは『ミス・ババア』が二件表示されている携帯電話を開き」(222頁) 「早く出てこい、くそババア。 『あら、そう』 おばはランドリーから出てきた」(251頁) 「『そう言えよ、くそババア』」(272頁) 「右大臣ユジン、左大臣ヘジン」(147頁) 「ヘジン」とは、ユジンの義兄。元同級生の「キム・ヘジン」(202頁) 「なぜか意地悪な気持ちになり、母の望む答えを返してあげたくなかった」(203頁) 「母とおばにずるずる引きずられるようにして生きてきた日々が、急流のように目の前を過ぎていく」(221頁) ユジンは、殺人者へと「進化」してしまいました。彼を「進化」させたのは、母とおばでしょうか? では、彼の忌まわしい「進化」を止められるのは誰でしょうか? 神以外に。 ハトからタカへの「進化」を阻止できる「人間」がきっと存在するものと信じています。 著者「チョン・ユジョン」は、「著者あとがき」に書いています。 「平凡なハトだと信じるわれわれの中にも、タカの『暗い森』が存在するからだ。これをしっかり見つめ、理解しなければならないと思うからだ。でなければ、私たちの内なる悪、他人の悪、ひいては生を脅かす捕食者の悪に立ち向かえない。そういった意味で、『私』の分身であるユジンがわずかながら何らかの役に立ってくれるものと信じている」(363頁) | ||||
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