あの子はもういない



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    初公開日(参考)2019年02月
    分類

    長編小説

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    あの子はもういない

    2019年02月08日 あの子はもういない

    失踪した妹の家を訪れた私が見つけたカメラ、カメラ、カメラ。バスルームにも居間にも勉強部屋にも。仕掛けたのは誰か?妹はどこに?あの子は本当に少年を殺したのか?予測不能。どす黒い真相へと突進するK(Korean)スリラー、日本上陸。(「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

    あの子はもういないの総合評価:7.20/10点レビュー 5件。Bランク


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    サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:
    (8pt)

    予想を覆す展開の連続、韓国ミステリーも面白い!

    韓国の女性新人作家のデビュー作。韓国でのエンターテイメント小説の興隆をめざして立ち上げられた新レーベル「Kスリラー」の第一弾に選ばれたのも納得の、中身の濃いサスペンス作品である。
    刑務官をめざすソンイのところに現われた刑事は「妹さんの居場所を知らないか」とたずね、しかも高校生である妹が同級生殺害事件の重要参考人となっていると言う。ソンイは歳の離れた妹・チャンイとは複雑な家族の事情で10年前から離れて暮らし、疎遠になっていたのだが心配になり、かつて一緒に暮らしていた家を訪れた。すると家は無人で、父と妹が暮らしているはずの家に父の気配はなく、さらにいくつもの隠しカメラが設置されているのを発見する。妹はどんな暮らしをしていたのか、なぜ逃げ出したのか。妹のこれまでの暮らしの軌跡と現在の行方を探るソンイが見つけたのは、姉妹を取り巻く人々の歪んだ欲望が作り出した、思いも掛けない物語だった。
    姉妹の設定、特に妹がテレビの子どもアイドルだったという設定から物語全体が構成され、芸能界の名誉や地位を巡る争い、姉と妹のかすかなすれ違いから生じる分断、崩壊した家族の悲劇などの要素が上手に取り入れられ、不気味で暗くて重い世界が展開される。それでも、ストーリーの骨格がしっかりしているので読みやすく、読むほどにぐいぐい引き込まれていく。韓国ミステリーというジャンル、これからも期待できそうだ。
    スリラーというよりサスペンス作品であり、幅広いジャンルのミステリーファンにオススメしたい。

    iisan
    927253Y1
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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    No.4:
    (2pt)

    法医学的分析に基づく犯人像が一致しない

    頭蓋骨内に緑の塗料が発見されるが、犯人はかわいい女子高生。
    裏があると続きを期待したが、あっさり終わり。
    他の箇所も何か違和感があり、何とも変な後味の悪さが残った。
    あっという間に絶版になったかのような印象といい、状況設定に問題でもあったのではないかと思った。
    あの子はもういないAmazon書評・レビュー:あの子はもういないより
    4163909753
    No.3:
    (3pt)

    世界観に飲み込まれる。

    サスペンス・スリラーもの。二人の年のはなれた姉妹が主人公。妹が行方不明で姉が探すもようが一貫して作品の軸である。人間のネガティブな心理の動き、暴力的なシーンなど息を飲むほど鮮烈に描写されている。
    長編だがそれを飽きさせない作家の文筆力がある。けっこう推理力を盛り込んでいるので、何回か読み返さないと人に内容を教えるまで理解できない。
    あの子はもういないAmazon書評・レビュー:あの子はもういないより
    4163909753
    No.2:
    (5pt)

    コロナ自粛で読書だけが楽しみ

    やっと手に入れました。昨年から気になっていたのですが、結構な金額なので、ずっと後回しにしてました。Amazonで中古を探してましたが、届いたのは、新品でした。これから読みますが、読み終えたら息子や、親戚にも読ませたいと思っています。
    あの子はもういないAmazon書評・レビュー:あの子はもういないより
    4163909753
    No.1:
    (4pt)

    「けれんみ」を超えて醸し出される「霊性」

    「あの子はもういない」(作:イ・ドゥオン、文藝春秋)を読む。作者の処女作とのこと。
     ここにきてイ・チャンドン監督の映画「バーニング」の公開、また早川書房からもスリラーが出版され、”K”ずくしですが、一番取り掛かりやすいこの小説を読んでみることにしました。
     スリラーですから多くを語ることはできませんが、失踪した少女の姉と弟を殺害された救助隊員が遭遇し、妹でもある少女は果たして生きているのか、どこにいるのか、弟は何故殺害されたのか、それらの謎を追って、物語は時に警察の力を借りて、時に非合法な「がむしゃらさ」でラストのクライマックスへと輻輳しながら向かいます。吹きつける熱気、「韓国」という国の匂い、底知れぬ闇。典型的な機能不全家族の在り様を見せる姉妹の芸能人の父と母、強行犯係の女刑事、担任教師、獣医、女優が次々と現れ、日記であったり、独白であったり、読者を飽きさせない小説手法を使ってサスペンスを盛り上げます。伏線は、ラストでしっかりと収束します。とても処女作とは思えない達者なストーリー・テリングだと思います。
     私が感じた二つのことを話します。
     1点目は、特に前半ですが、韓国の芸能メディア、ネット社会の闇とそこに蠢く得体の知れない「力」の存在を描き、電子機器の進化がもたらした監視社会の持つ不健全さを(冷や汗を伴うような嫌悪感と共に)この小説は読者に与えようとしています。
     2点目は、そうは言っても、主人公でもある失踪した少女の姉は、絶望の果て、その蔓延する不健全な社会に向き合いながらも、「何かをなくした時に、いろんなことが変わっていって、そして変わっていった方向がそれほど悪い方向ではない」と気がつき、「人は悲しいから泣くのではなく、泣くことが必要だから泣くのだ」と事件を追うことによって、次第に人として成熟していきます。
     そして、作者は、意思によって愛されなかった記憶を消そうとする妹と向き合い、それまでの人生も、今の境遇も、異なる環境にも関わりのないところで人と人が求め合う時、それは同じ痛みへの共感からくるという思い、まるで相手を理解しようとすることが自分を理解することでもあるかのような瞬間をも分銅を置くかのように描こうとしているような気さえします。
     少しうがった言い方になるかもしれませんが、欧米のスリラー、このKスリラーにあって、この国のスリラーにないもの。それはこの小説の持つグロテスクでヴァイオレントな「けれんみ」を超えたところで醸し出されるそのような「霊性」にあるのではないでしょうか。
     秀作だと思います。
    あの子はもういないAmazon書評・レビュー:あの子はもういないより
    4163909753



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