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目嚢-めぶくろ-



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【この小説が収録されている参考書籍】
目嚢-めぶくろ- (光文社文庫)

目嚢-めぶくろ-の評価: 4.30/5点 レビュー 30件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.30pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全30件 1~20 1/2ページ
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No.30:
(5pt)

よかったです。

私は怖かったです。
僅かな関わりから因果に絡め取られていく様子を、認識できない主人公と認識している友人と、その二者を俯瞰する読者のそれぞれの視点から見るのはゾッとするなと思います。

一番怖かったシーンは、最後に主人公が「やめて!」と叫ぶシーンでしょうか。
そこで、主人公は初めて自分が置かれている立場とその行末を主観的に俯瞰的に認識したんじゃないかと思いました。

でも、こういう呪いが有ったら怖いですよねぇ。
だって、この呪い終わらないですよね。
目嚢-めぶくろ- (光文社文庫)Amazon書評・レビュー:目嚢-めぶくろ- (光文社文庫)より
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No.29:
(4pt)

「耳袋」好きへ

加門七海の最高傑作と言ってる人がいたがなるほど納得、これまで読んだ加門七海のホラー小説の中では一番かも。
なんといっても「姉様のご機嫌悪しく」で始まる挿話が抜群に面白く不気味。江戸時代~明治初期の怪談は古風な文体も相俟って「耳袋」のような雰囲気。「祝山」ではやや鼻に付いた主人公の語り口もマイルドになっており、日常に越境してくる非日常、些細な違和感の抽出にまんまとだまされた。
因果話と見ても筋は通ってるし、フィクションと実話のバランスが良く、消化不良感が残らないのが評価点。
南の従妹夫婦と甥っ子の運命を思うと寒々してくるが……親殺しは避けられないんだろうな……。
嚢に手を突っ込んだらヤツデが~とか、天井一面に蟲がうじゃうじゃ~とか、その手の描写が生理的に無理な人にはおすすめしない。
無情ではないものの自分の手に負えない領域にはきちんと線を引く、高橋さんのキャラが良かった。
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No.28:
(5pt)

こわい!おもしろい!

怪異に巻き込まれつつもそれを認識できない怖さというものもあるのだな…と思いながら読みました。
中盤からはグイグイ物語に引き込まれて一気に読んでしまいました。
2つの呪が合わさり一族に、またそれを調べた人に障る描写は他人事ではなくこれを読んだ自分にも起こるのではと想起させる恐ろしさがあります。
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No.27:
(5pt)

加門七海さんの中で最高傑作

加門七海さんの中で最高傑作だと思っています。怪異の細かい描写が詩的で独特の雰囲気があり大好きなタイプのホラー小説です。夏が近づいてくると毎年必ずボサノヴァを聴きながら読んでいます。
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No.26:
(5pt)

ホラー小説としては前作よりこちらのほうが好き

祝山より怖いと聞いて読みましたが、実話怪談的な脂汗の出る怖さは前作のほうが濃かった感じがしました。ただホラー小説としての完成度というか物語としての収まりの良さはこちらのほうがより洗練されてる感じがしました。
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No.25:
(4pt)

触れてはいけないもの

主人公がどうなっちゃうのか気になってどんどん読み進められました。ちゃんと怖がらせてもらって満足です。桃の例えが秀逸。
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No.24:
(4pt)

日本的怪談

じんわりじっとりとまとわりつく様な怖さ。日本ならではの怪談ですね。
さりげなく怪異の沼にハマっていく主人公の描写は読んでいて怖かったです。
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No.23:
(5pt)

鹿角シリーズにして欲しかったなあ

203号室、祝山はあまりはまれなかったんですが、これは好きでした。
親戚の家から出て来た古文書、これに書かれている不気味な話、読む事で語り手である鹿角さんの周りに起きる不思議な出来事。そうこなくっちゃ、です。
鹿角さんは親戚からの頼みと言うこともあり事件に深入りしていく。そうこなくっちゃ、です。
まず古文書に書かれている不気味な話、これが本当に不気味なのでいい。華々しくない、嫌な感じの不気味さ。
古文書の虫対策もいい笑。こういう細かい描写読むことで、鹿角さんに対して親近感が沸く。何の虫が紛れ込んでるかわからない古文書なんか貰ったら、私もこうする笑。

長さもちょうど良く、楽しく怖く読み終えました。やっぱり長編ホラーはいい。
シリーズ化して欲しかったんだけどなあ。
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No.22:
(4pt)

じわじわ来ました…。

雨やカビや虫は世界中に存在しますが、日本が舞台になった途端、一気に陰湿さを増すのは何故なんでしょうね…。
ジャパニーズホラーが好きな私は、主人公と一緒に「目嚢」を読み進めている気持ちになってしまい、読後は思わず手を洗いました。
派手な怖さはありませんが、霊障に遭っている人は、おそらくこんな風にジワジワと日常を浸食されるのだろうと、妙な説得力があります。
土地や人間関係に深い穢れが生じると、いくらフタをして、頑丈に塗り固めて記憶から無くそうとしても必ず染み出してくるのだと思います。
夏のジメジメした夜に、また読みたくなりそうな作品でした。
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No.21:
(4pt)

久しぶりにゾッと

怪談作家の私こと鹿角南は、従妹の嫁ぎ先、菊池家の古い土蔵で見つかった『目嚢』という古文書を預かる。そこに記された怪談に興味をひかれ、菊池家の歴史を調べ始めると、小さなことだが、身の回りに少しずつ異様なものが押し寄せてくる。しかし「私」は調べずにはいられない。そして・・・

古典的かもしれない。オーソドックスと言えばそうだろう。でも作者の巧みな文章で、久しぶりに心底ゾットした。
ホラーものは好きでよく読むが、へえーとは思っても、ゾッとくれる小説はなかなかない。
触らぬ神に祟りなし、ホントだよ。
怖い話が好きな人にはお勧めだ。
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No.20:
(5pt)

この人にしか書けない独特の感性と怖さ

加門七海さんは小説、実話怪談系ともに何冊か読んできました。自分がまったく霊感のない人間なのでどうしても半信半疑になってしまうのですが、どうやら見える人であるこの方の本を読んでいると、何か別世界があるらしいということを信じそうになります。
感じることと、それを書いて人に実感と共に伝えることは別の才能だと思うのですが、この方の場合、どの著書を読んでもその独特の感性に引き込まれてしまいます。

いとこが嫁いだ菊池家の蔵にあった古い古文書。菊池家はどうやら武家だったらしく、どういう先祖だったか知りたいと、いとこの夫で菊池家の主人からたのまれた怪談作家のヒロインは、いつもの資料調べ同様に気楽に解読を始めます。
まず幽霊画が出てきて、味のある怪談じみた話もあり、これはめっけものかもしれないと最初は思うのですが・・。埃だらけの文書から現れた気味の悪いヤツデ(ムカデのような虫)に脅かされ、紙で指が切れ、降ってもいない雨の音が聞こえ・・・少しずつおかしなことが起こり始めます。
資料館で古くからの住民に聞かされた話と、さらに読み進めた文書から現れてきたのは不吉な出来事ばかり。そのうちに菊池家の義母の態度がおかしくなり・・・。

小野不由美さんの「残穢」を思い出しました。昔起きた恐ろしい出来事、その怨念のようなものが土地に憑き続け、すなわち”穢れ”となって祟る、そんなお話です。
ヒロインは明らかに作者自身だと暗示されているので、これが創作なのか、それとも怪談を収集する過程で作者が実際に体験したことなのか、その境界線が曖昧なところが、実際にあったことのようで余計に恐怖をかきたてます。加門さんファンなら間違いなく気に入ると思います。
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No.19:
(4pt)

少しずつくる恐怖

少しずつ恐怖が滲みでてきて、中盤から後半まで一気に読み進めてしまうくらい、夢中になりました。加門さんの小説で祝山の次に好きな話になりました。
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No.18:
(3pt)

ホラー好きには物足りないかも。

それほど怖くはなかったかな。。。
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No.17:
(5pt)

加門七海さん絶好調

本書『目嚢』と『祝山』『大江山幻鬼行』は、私自身の中では繰り返し読む事ができる本となっており、一度読了したあとでも、久しぶりに読んでみようかと思わせる確かな力が備わっています。
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No.16:
(4pt)

ジワる怖さ

加門さんの作品はこれで2作品目ですが、前回読んだ「祝山」が私にとって大変楽しめたので、期待して読みました。前半は少し冗長に感じるくらいでしたが、中盤以降は畳み掛けるような怪異の連続でした。
祝山と比べるとなんとも言えないゾクゾク感が足りないかとの感想です。
とりあえず、これぞ日本のホラーだと言えます。
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No.15:
(5pt)

探求とじわじわ近づいてくる良質ホラー

小野不由美さんの「残穢」が好きな方におすすめ!

主人公の怪談小説家は、親族から蔵から出てきたという古文書を託される。

保管中から怪異ともつかぬ事象があらわれ、読み進んで行くうちに過去の事件を原因とする、古びた民家にまつわる人殺しと因果と怨みの縁が明らかになる。

主人公の精神状態も揺さぶられながらも解読を止めることはできない。

「子殺し」「因縁」「池を埋める」「幽霊画」「古地図」「狂女」「早死にの家系」などのキーワードの収束が見事です。

文体がとても滑らかで読みやすく、最近の読み飛ばし文庫系の実話風な雑な怪談類(ごめんね)とは一線を画す本格派恐怖小説です。

一部、ヤスデとか雨音があざといかと思いますが、その理由も原因の中にあるので、良い演出になっています。

渋いです。おすすめ!!!!
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No.14:
(1pt)

最後はヒロインの夢オチにしても良いくらいの、安易な創りの駄作

有名な「耳嚢」から発想を得て、それを「視る人」の意味で「目嚢」という表題にした作品。ヒロインは実話系怪談の作家で、即ち、作者自身である。そのヒロインが従妹の嫁ぎ先の実家で蔵に秘蔵された幽霊絵や古文書を発見して......というスト-リーに目新しさは皆無である。

そのヒロインが探索の過程で怪異を味わうという展開も型通り。作者としては、ヒロインが味わう恐怖を読者にも同様に味わって欲しいという意匠なのだろうが、ヒロイン(=作者)が考える恐怖と読者が考える恐怖とが異なっている点に全く注意を払っていない事が致命的。ヒロインは盛んに怖がるが、読んでいる方はチットモ怖くない。ヒロインの恐怖が読者に滲み伝わって来る様な筆力が欲しかった所。

最後はヒロインの夢オチにしても良いくらいの、安易な創りなのである。「妖怪は人の心の中に棲む」というコンセプトで、江戸の怪談を、現代風の心理小説に昇華させる京極夏彦氏の様な構想力・筆力は望むべくはないが、ホラー作家である限り、もっと一工夫して欲しかった所。
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No.13:
(5pt)

じわじわと背後から忍び寄るような怖さ…

じわじわと背後から忍び寄るような怖さがあり、どんどん謎が謎を呼び紐解かれていくにつれ恐怖がましていきます。
非常に読みやすく夏の夜に読むと最高です。一気に読んでしまいました。
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No.12:
(5pt)

「目嚢」という名の恐怖のパズル

古文書をめぐるホラーです。
もし、埋蔵金の地図が描かれたパズルがあったとしたなら、やりますか?私ならやるでしょう。だがもし、パズルのピースが1つ、1つと埋まるたびに自分の身の回りや、自分自身に災厄がふりかかってくるとしたなら、やりますか?
主人公の「好奇心」と「恐怖心」のせめぎあいが巧みに描かれていて面白かった。そしてすべての謎が解けたとき…。何となく映画「エンジェルハート」を彷彿とさせるような終わり方で、この救いのなさは何なんだろうと、読み終わってからしばらく考えさせられ、もう一度最初から読み返してしまいました。
歴史もののホラーが好きな方にはお勧めの1冊です。
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No.11:
(5pt)

久しぶりに加門氏の小説を読んだ

ここしばらく読んできた加門氏の著作は全て実話系で、小説は十数年前に初期の作品を読んで以来。氏の実話系は妙なリアリティが有って好きなのだが、小説はエキセントリックと言うか、女性性が全面に出過ぎているようであまり好みではなかったから。が、「目嚢」というタイトルの語感に引き寄せられて久しぶりに小説を読んでみた結果、大正解。力が入りすぎずに淡々とした描写がうっすらとリアルな恐怖感を醸し出していく。描かれているのは江戸期以来の因果応報、怨みつらみの怪談ではなく、「呪い」と言うよりも「穢れ」。この穢れの感覚は仏教以前の神道など土着の宗教観だと思う。そしてこの小説での「穢れ」は神道と同じく感染能力を持つ。この穢れ感覚は昭和期の怪談には少なく、平成以降に一般化してきたように思うが、私が最初に恐怖小説で穢れ感を意識したのは「リング」だった。一般的には呪いのウィルスという目新しさが話題になったリングだけど、個人的には同時に土着的な「伝染する穢れ」を忌まわしく感じた。
本作ではこの穢れ感の描写が素晴らしく、読んだ後にはあついシャワーを浴びたくなってしまった。実話系を多く書かれてきた経験が、ストーリーにうまくはまり、リアルな描写に寄与しているのかもしれない。文体もうまく熟れて読みやすく、神霊系やコワイ系が好きな方はもちろん、一般の小説好きな方にもおすすめします。P.S.タイトルは大事です。
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