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(短編集)
熱帯魚
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熱帯魚の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 21~27 2/2ページ
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主人公大輔は義理の弟光男と同棲相手の真美とその連れ子の小麦と4人で暮らしていて、光男は引きこもりがちで何もせずにぼんやりと熱帯魚ばかり眺めている。どうしてこの4人が一緒に暮らしているかとというとそれは極論してしまうと大輔のエゴが4人を繋ぎ止めているのであって、例えば光男の場合大輔とは義理の弟という関係にあり離婚した両親の父親の連れ子で会ったということでそれだけが二人の関係で、その関係を強めるもの、それは幼い頃2年間という短い期間だけれども一緒に過ごしたということそして離婚し別れるという間際に父親に連れられて泣け叫ぶ幼い光男の姿。それを大輔は思い出し固執する。固執するから施そうとする。人に優しくしようとする。しかしそれは報われない。人に窮屈を強いることになる。明るく振舞えばするほど不躾になる。強く求めることは強く否定されることなのかもしれない。 | ||||
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東京湾景を読んでから著者にはまりました。トイレのペーパーがなくなる誰か来ないかドキドキする場面・大工大輔の変わった同居生活にも、思いやりがあふれている。この頃の若者が若い女の子にそそぐエッチな視線や下心豊かに表現。建築中の家主の娘、律子(中学生)と建築現場で一晩過ごしてしまう、リアルに表現!そして事件、ボヤさわぎ・・・読んでいて怖くなります。とっ拍子もない事をする大輔の考え方やする事がどうなるのか読者を不安にさせる。おわりにどうして「熱帯魚」なのかプールの波とともに私の心も揺らいだ。いい小説です。ぜひ読んで。 | ||||
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1人称で書かれていながら、その主人公が欠落したキャラクターであるというのは、作者に技量がいると思う。 「熱帯魚」の主人公は大工で、子持ち女性とその子ども、今は他人である義理の弟まで養い面倒をみている。設定からするといい奴なのだが、誰にも感謝されていない。それは彼が「してやっている」と傲慢だからなのだろう。 「グリンピース」の主人公もエレベーターで暴漢に襲われた後の泣いている女性を無視したり、嘘を平気でついたりする人間である。 「突風」の主人公はエリート証券マンで人間的に壊れかけた感じがする。 なんだか、どの終わり方も私には「?」であるが、いかにも「現在」な感じがする。(パークライフの主人公はいい感じだったんだけどなあ)。 | ||||
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著者は現代の都市生活者が直面する、器用だか不器用なんだかよく分からない人間関係のあり様や、そういった単純でも複雑でもない、ただただ憂鬱で困難な関係性の中に生きざるを得ない人間の気分を、とても巧みに描きだしている。 また、この作者の文章が持つイメージを喚起させる力も相当のもの。この本に収められている3つの中篇、短編は何れも、とりわけ締めの数行から喚起させられる映像が、とても鮮烈に美しく、いつまでもその残像が目に浮かぶほどです。 | ||||
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「グリーンピース」は、思わず声出して笑ってしまうとこがありました。 読みやすいといえば 読みやすいタイプの小説ですが、深く読むことも 軽く読むこともできる作品のように思います。芥川賞とってしまったので はいりずらいかな、と思ってたけど、「とりあえず読んでみてよ」って 柔らかさがあって 無条件に楽しく読ませる作家の登場かもしれません。 | ||||
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表題の熱帯魚の登場人物に、とても好奇心をあおられるいい小説だった。 純文学にしては、とても読みやすく、吉田氏は今後の純文学に革命をおこせる 逸材だとおもいます。 次回作はぜひ、芥川賞をとって貰いたい。 | ||||
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それぞれに生々しい主人公を描きながら、 文章のセンスの良さとユーモアで生臭さを感じさせない。 瑞々しい才能の光る一冊。少し軽めにまとめすぎのきらいはあるが、 ここ最近の新人作家の中では群を抜いている。おすすめ。 | ||||
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