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(短編集)
愛の夢とか
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愛の夢とかの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全19件 1~19 1/1ページ
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滑らかな文章、世界観はいいとも思うし、読みやすい、 けどこの人の書く小説ってなんで頭の悪そうな女性か子供だけなのか、、全体的にぼやっとしてる雰囲気ありきの書き方で、知性を感じないのが残念でした。 とある人がこの作家のレビューで「他者を、特に男性を書けない作家ではあるが」と書いていましたが、その通りだと思う。他者として男性が出て来ても、なんの印象もなく、エキストラ見たいな感じなんですよね。 「主人公」としての私はあっても他者を書けないというのは作家としてどうなのか、海外でいろいろな賞の候補になったとしても「これが日本を代表する作家です」と読まれるのは少し恥ずかしい。 | ||||
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"それでも深いみどりの葉っぱのかげには小さく散った白い花びらが残っていて、わたしはそれを一枚二枚と手にうけて、何を記念するわけでもなかったけれど、何となく、日のあたる窓辺かならべてみた。"2013年発刊の本書は、谷崎潤一郎賞受賞作、ひそやかな孤独に満ちた著者初の短編集。 個人的にはすすめられて、また短編集を読みたいと思ったので手にとりました。 さて、そんな本書はバラの花を育てたのをきっかけに老婦人とピアノを通じた交流が始まる表題作の『愛の夢とか』アイスクリームを通じたわたしと彼の出会い『アイスクリーム熱』互いに好きな小説家が亡くなったニュースで、もしかしたら『日曜日はどこへ』など、いつまでも続くような日常にふとした光が差し込むような出会いが訪れる7つの物語が収録されているわけですが。 どの短編も冒頭からのテキストが秀逸で、すんなりと物語に引き込まれる感覚がとても心地良かったです。 また収録作だと、前述だと『日曜日はどこへ』の非日常が始まりそうで日常に戻っていく感じ。また、どうしても著者自身と登場人物を重ねてしまう(笑)『お花畑自身』が面白かったです。 テキストが流れるような秀逸な短編集として、また日常系物語が好きな方にもオススメ。 | ||||
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映画「アイスクリームフィーバー」が面白かったので、 原作が収録されているこちらの本を買い、全て読みました。 アイスクリームフィーバーは15ページほどしかない非常に短い作品で、 主人公の性格など映画と大きく違う箇所がいくつかあり、別物としてサクッと楽しめました。 どの収録作品も文書が読みやすく、内容が流れるように頭の中に入ってきて、情景が浮かびやすいです。 儚げで繊細で、夢とうつつの狭間のような綺麗な世界観を楽しめました。 特に「お花畑自身」の主人公の独白としての文章は気品に溢れていて、貴婦人のような格式高い語り口がとても格好良かったです。 短編集ということで、飽きずに楽しめるので、 普段習慣的には読書をしない人には丁度いいと思います。 | ||||
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切ない話ばかりの短編集です。 物語の世界の空気が伝わってくるようで、どの作品も余韻が残ります。 再度の十三月怪談は、死者から見えたものなのか、死ぬ間際に考えた ことが意識として残ったのか、よくわかりませんが、映画のシーンを 見ているように状況が伝わってきます。 ストーリーではなく、物語の世界観に浸って楽しむという感なので、 好みが分かれそうです。 | ||||
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最初の、 一番短い話を読んだ時に、 あ、好きと思いました。 ただ、 中年女性の悲哀が多すぎて、 途中少しゲップが出ます。 心地よい文章が続くので、 すいすい読みながらも、 急に寝てしまったりもしました。 この短編集のなかでは、 『お花畑自身』が一番好き。 一番、動く話だと思います。 たらたらとした話も多く、 退屈に感じる人もいるかも。 あと、『詩的表現』に逃げてる、 とも思われそうかな? 肝心なところはほぼ、 濁しまくりですからね。笑 でも、それも味です。 最高とは言いませんが、 好きとは言えます。 他の著作を読んでみたいくらいには、 楽しめました。 | ||||
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#愛の夢とか #川上未映子 川上未映子さんの本は読むのに時間がかかる。薄いのに10日ほどかかったし、#乳と卵 も2週間ほどかかった。並行して読んでいる#夏物語 は1か月半経つのにまだ1/3くらいだ。 #伊坂幸太郎 さんのなら文字が大名行列になって目の中に飛び込んでくるのに、川上未映子さんの文章はスライムみたいで目の表面に当たり、はじかれる。文章のリズムが違うのだろう。 ひらかなが多かったり、句読点が少なかったり、こころの襞をぎゅーっと伸ばして赤裸々に綴る心情は読んでいて苦しくなることもしばしばだ。女性らしい繊細な心、内向きなそれは一種の狂気のようでさえある。 その狂気は本作の短編の #お花畑自身 #十三月怪談 で発揮される。ここまで内面に向き合える女性はそういない。 #谷崎潤一郎賞 受賞作 あ、やっぱり! | ||||
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初めて川上未映子さんの短編小説を読みました。 長編は過去に三作程読んでいますが、やっぱり独特な文体と世界観。面白いです。 特に「お花畑自身」。最後の一文が秀逸。わたくし率〜のように主人公が自覚のないちょっと変わった人、で他者との会話でその違和感が浮き彫りになっていく感じ、面白かったです。 最後の「十三月怪談」。 川上未映子さんの中では今までにないほどに生死について、愛について、ストレートに書かれているのでは、と思いました。 なにげなく最終章を読み始めましたがのめり込んでとまらず、涙も止まらず。最後にぶっ込んできたなぁ、と。 忘れられない話になりそうです。 映像化しそう、と思いましたが、川上未映子さんのこの独特な文体が良いので表現しきれなさそう。 色々書きましたが、川上未映子ワールドに浸れる本です、おすすめです。 | ||||
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女性が静かに読み込む様子が想像できる本書ですが、男である自分も、手書きで二篇も書き起こしてしまうほど魅せられています。書いてあることの真ん中にあるエッセンスをうまく言い当てられません。それが、おもしろい。どの小説からも、男の姿が影絵のように浮かび上がる。その影絵の声も聞いてみたい。そんな気にもなりますが、男側の立場が併せて描かれたところで、何かが完結するわけでもなさそうです。ため息の、小説。 | ||||
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自分が死んでしまった後の儚い期待と現実を見ている描写が誰もが抱く気持ちをよく表現している。家を手放す話も残っている気持ちが固執であればあるほど現実と依存の関係を浮き彫りにして妙である | ||||
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映画で喩えるならば、フランソワ・トリュフォーか アルフレッド・ヒッチコックか デヴィッド・リンチか みずみずしく、痛切で、ダークで、不可解で、滑稽で、残酷で、孤独な、この世界。わたしたちのこの世界。 そうした世界が、ひらがなと漢字と句読点が混然一体となった流体のような文体によって、刳り貫かれ、形つく られ、生み出されている。 それは、まるで、漢字が、ひらがなの海流の中に浮かぶ島々のように思えるのだ。ひらがなの海に浮かぶ漢字の 島々、そこに句読点が小舟のように漂うのである。 7つの短編小説が収められた作品集。 好き嫌いの分かれるところもあるかもしれない。大人を苛立たせ、嫌悪させる部分がないとは言えない。 そこには、成熟と聡明さとは対極の、未熟な未完成なものが持つ愚かでなまぐさく獰猛な暴力的なるものが見え 隠れもする。 しかし、だからと言って、この作品集が読むに値しないということではない。 この中の作品のいくつかは、疑う余地のない傑作なのである、と私は思う。 2007年、2011年、2012年に発表された作品が集められている。(その多くが震災の後だ。作品の中に は震災についてふれられているものもある。) 題材も仕掛けも文体も完成度も振れ幅が大きく、統一感に欠けるところもある。作者のベスト・セレクションと いうものでもない。作品の出来栄えも、いろいろだ。しかし、作者の小説家としての格闘を目の当たりにできる 作品集でもある。 さて、短編小説を読む醍醐味はいろいろあるのだが、この作品集は2つの歓びを読む人に与えてくれる。 1つ目は、「記憶の封印された箱」として。 その日のその時間のその場所の空気、風の流れ、匂い、光と影、壁の、床の、ドアの手触り、そうした自分の中 に眠っている、でも、存在すら忘れている記憶を再び、現在の時間と場所の中で、解き放つことが小説はできる のだ。 小説を読むことで、その小説の中を流れる風が、降り注ぐ光が、私のこころの中を通過し、私の記憶の封印された 箱が開き、そこから風と光が溢れ出るのだ。 それは、いくつかの痛みと悲しみも含んだものであるが、根本的には、私のこころを、私の魂を、やさしくゆっくり と暖め、何らかのかたちで、私にほんの少しの勇気をもたらすのだ。 それは短編小説が人に与える無上の歓びのひとつだ。 2つ目は、「極限の向こう側へ連れて行く装置」として。 わたしたちが生きている中では到達したくても到達することが出来ない時間と場所。 人にはそうした時間と場所がある。 そこへ小説はわたしたちを連れて行ってくれる。 地平線の彼方へ、水平線の彼方へ、極限の向こう側へ。 それは小説を読むことによってしか到達することが出来ない時間と場所。 人がこの世界のこの現実の有限の中で、立ち止まり、閉じこもり、閉じ込められ生きているのにもかかわらず、 人の思い、気持ちは、光の速度を超え、時間と空間を超え、時間を逆回りさせ、原因と結果を逆転させ、生死を 超え、無限の中を進み、極限の向こう側の時間と場所へ向かう。 私は短編小説という装置に乗って、有限の時間と場所の中で、無限の中をかき分け、その時、その場所へ行く。 その時、その場所にしかない、人の思い、気持ちと会うために。 (1)「アイスクリーム熱」、記憶を封印した箱として 「彼とわたしとアイスクリーム」しか、ほとんど登場しない話。 とても短く、400字詰原稿用紙に換算して約12枚程度の話。本のページで言ったら、約7ページしかない話。 特別な人も、特別なものも、特別な出来事もあるわけではない。そこにあるのは、彼とわたしとアイスクリーム。 でも、その中の奥行きは驚くほど広く、深い。 話は唐突に終わるのだが、その残響はいつまでも胸の中に残る。ぽっかりとした空白のように。 私が一番好きな作品。私の中にある「私のとても好きな短編小説リスト」に新しく追加され、更新された作品。 記憶の封印された箱としての短編小説のひとつ。 完成度が凄く高く、文体、枠組み、人、もの、出来事、イメージが緊密に組み合わさり、ひとつの小宇宙がそこ にある。まぎれもない傑作だと、私は思う。 映画で喩えるならば、フランソワ・トリュフォーか。 あるいは、マンガで喩えるならば、岡崎京子か。 (2)「十三月怪談」、極限値として 怪談、幽霊譚という言わば、使い古された骨組みを用いた、それを捻じり切った極限の「愛の話」。 話は終わり近く、急転し、怪談という骨組みは捻じれ、旋回し、裂け、破壊され、読む人は決定的に全く別の 方角の全く別の遠く深い場所に連れて行かれる。 小説は、轟音を上げ、唸り声を上げ、結末へ向かって突き進む。時間を超え、空間を超え、論理を超え、全てを 超えて、極限値へ向かう。 読む人はその高速の回転に、振り放されないように、しっかりとその進展にしがみつかなければならない。 (読む人によっては、「置き去り」にされてしまうかもしれない。) 小説は眩暈のするような光景で終わる。 話の捻じれ具合、論理の跳躍ぶり、結末の閃光のような眩しさ。愛の話の一つの極限値のような小説。 極限の向こう側へ連れて行く装置としての短編小説のひとつ。 いくつかの欠点もある、淀みもある。そうした欠点の指摘は可能ではあるが、あまり意味をなさないと、私は思う のである。そうした欠点を差し引いても、有り余るぐらいの美しさを放つ、疑う余地のない傑作だと、私は思うの である。 (3)「愛の夢とか」、叫ぶしかない 読み終わった後、世界が少し傾き、歪んだように見える。 洗面台で顔を洗い鏡に映った自分の顔を見るのだが、そこに映っている顔が誰の顔なのかよくわからない。 両手を目の前にかざして見るのだが、それが何なのか、よくわからない。 まるで、それは、背後から誰かに声をかけられ振り向くと、いきなり頭に注射針を刺し込まれて何かわからない 得体のしれないどろりとした粘着質の液体を注入されてしまったかのような気分なのだ。 (その液体には、たぶん、ひらがなが溶解されている。) 頭の中がどろりとしたひらがなに埋め尽くされる。 やめてくれ、やめてくれ、いったい、なにを、したんだ? 補足 私はこの小説を読んでいる途中、ある場面で、悲鳴とも絶叫とも爆笑ともつかない叫び声を発してしまったのである。読み終わった後でも、その叫び声の理由を私自身、うまく説明することができない。一つだけはっきりしているのは、私は抗うことができなかったということだけだ。口を手で押さえる前に、その叫び声は発せられてしまった。 映画で喩えるならば、アルフレッド・ヒッチコックか、あるいは、デヴィット・リンチか。 あるいは、絵画で喩えるならば、「脅かされる暗殺者」、「秘密の遊戯者」、「恋人たち」のルネ・マグリットか。 (4)その他の作品について クリス・ヴァン・オールズバーグの絵本のような話などなど。(「三月の毛糸」) ついつい、何かに喩えたくなる作品集なのであるが、そのことが、作品の価値をいささかも下げることにならない のは、明白である。 | ||||
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ふわっとして、繊細風な短編を書きたいのだろうなと思いましたが、 つまらなかったですね。雰囲気だけ、中身なし。 | ||||
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短いかなと思いながら読んでいたのですが、 読み終わると、不思議なことに、けっこうストーリーが頭に残ります。 作家の独特の世界観が好きですね。 食べた後に、消化するのに少し時間を要するって感じです。 | ||||
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第49回谷崎潤一郎賞受賞作だという。川上未映子の短編集。女流作家らしい細やかな感情表現を交えて紡ぎだされている7つの作品。 ちょっとした余韻を残す佳作や、少し不思議な作品とか、中にはちょっとひねりすぎかもしれないと思われたものもある。個人的には、最後の「十三月怪談」が一番印象に残った。 粒ぞろいというほどではないもののが、全体的にはまあまあで、それなりに楽しませてもらった。 | ||||
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この短編集には、作者の実年齢より高い登場人物の語りで描くものが何編かあるのですが、みな一様に幼く感じます。 三十代ですら思春期の子どものような印象で、ページをめくるたびにつきまとう違和感があり、それは、社会に対する、人間に対する、著者の偏狭な捉え方からくるのでは、と感じました。 ただ詩的な表現からは、著者の感覚の瑞々しさや独特さは感じます。 | ||||
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初めての川上作品でした。谷崎潤一郎賞受賞とあり購入しました。アイスクリーム熱は少しハルキか?と感じ、愛の夢とかは角田入ってるか?と思いつつも、定まりのない話の閉じ方に独特の魅力を感じます。 夏休みの午後の読書にオススメです。 | ||||
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短編集です。 書き手は己の感受性を、 至宝のごとく感じているところが読んでいてこちらに伝わってきて、 それが鼻について最初の2作で本を閉じました。 あまり頭のよくない女性の小理屈を、 オブラートでふんわりつつんだような文章。 デビュー当時の印象とだいぶ違うなぁ。 | ||||
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若くて才能のある作家だと思いました。一度読んだだけでは理解の出来ない個所も沢山あります。 折に触れて読み返そうとおもいます。 | ||||
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著者の最近の傾向、詩と小説の間を漂う作品集です。 全て創作なのですが、私小説を思わせる上手さです。 ひらがなが多く、切れ目のない主人公の語りにリズムを合わせるのが大変です。 「三月の毛糸」は印税相当額が震災復興に寄付された「それでも三月は、また」に掲載された作品です。 大半の作品が大震災の影響を受けたようで、「愛の夢とか」死んでしまった人たちと 残された人がテーマのような気がしました。 巻末の「十三月怪談」は肝臓疾患であっけなく世を去る時子の語りで始まりますが 残された人々の思いを代弁しているような気がします。 涙腺の弱い人は通勤電車で読まない方が無難です。 秀作です。 ただし、通常の二倍は厚い紙で本を作るのはやめてほしいです。 | ||||
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全体として短いのだけれども、読み終えるのが惜しく、読み終えたあと、その世界観からなかなか抜け出させず、しばらくボッーとしてしまいました。表題作の愛の夢とかもいいけど、私のイチ押しは十三月怪談です。不思議なようで、心がほっこりする物語です。 全体を通して感じたことは、まるで太宰の短篇を読んでいるかのようなインスピレーションを感じました。本当にオススメの作品です | ||||
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