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あおい
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あおいの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.93pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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デビュー作を含む短編集。 「あおい」は、年下カレシと同棲中のアルバイター27歳の物語である。真っ正直ゆえに不器用な女子と腹に地図のタトゥーを入れた捉え所のない学生。二人の日常は実に微笑ましい。同棲四ヶ月、主人公の妊娠が分かって…、という展開だ。不安に押しつぶされそうになりながら、「こんな好きになった人、おらん。」とひとりつぶやく主人公の大阪弁にぐっとくる。デビュー作から可笑しくてせつない西加奈子節炸裂である。 「サムのこと」は、事故死した友の通夜の出来事。集まったトンガリキャラたちに惹かれる。その他、お別れの夜に思う事「空心町深夜2時」。 | ||||
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解説で山崎ナオコーラさんが書いているように、西さんは真面目で率直なんだと思う。 「ワキ剃ってないねん(あおい)」 「しょうこうしょうこう(サムのこと)」 という台詞からも感じられるように「普通女性がそんなこと言うかぁ!?」「オウム真理教というタブーをセリフの中に放り込むんだぁ…」と思わず躊躇ってしまうような表現を文章にしている。 きっとそれは、執筆しながら西さんが思い浮かんだ言葉なのだろう。多分、タブーだろうと、ちょっと下品だろうと、それでなくてはならない言葉だったんだろうなと感じた。 セリフでなくても、小説の展開で、普通に浮気やレイプや死やダウン症というものを扱う。大々的に取り上げるのではなく、ふつーに流れで扱うのである。ちょっと気を緩めて読めば見逃してしまいそうなくらい。 そこがまた面白いなと感じる。確かに、浮気もレイプも死もダウン症も、考えてみれば意外と身近なもの。それらに悩まされてる人って、実は近所にもいるのかもしれない。 だからあえてサラーッと扱う西さんの文章は面白い。いや、日本より治安の良くない国に住んだことがあったり、スナック勤めなどのアルバイト歴のある西さんは、これまでにたくさんの事情のある人々と出会ってきたのだろう。 だからこそ、我々が「重いな…」と感じるテーマであっても、違和感なくサラーッと扱えるのかもしれない。 そういった物語の執筆中に西さんが思い浮かんだ言葉こそが、リアルなのだ。 読みやすくユーモアがあっても、決してユートピアー理想ではない、シリアスな状況を書き、率直な文章で綴る西さんの小説が好きだ。 | ||||
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とても、関西気質な言い回しと、とてもユーモアのある表現に憑りつかれてしまい夢中になってしまいます。 主人公を取り巻く個性的な人物も面白さを感じます。なんか、無駄がなくてあきをこさせない物語で、読みやすい作品で、普段読書をしない方にもおススメです。 | ||||
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あっという間に、というくらい早く読み終えた。すっと読める平易な文章が光っている。 『あおい』『サムのこと』『空心町深夜2時』、どの物語も何だか色々と不潔だ。だけれどもそれが登場人物の素直さ、心の純さと対比されて、嫌悪感ではなく妙な好感を持てる。絶妙な雰囲気だと思う。 『サムのこと』は欠損感を主題にしている点であの有名小説『ノルウェイの森』と同種だが、前者の方が分かりやすい。両作を比べ読みすると結構面白い。 『ノルウェイの森』で作者が描きたかったことが『サムのこと』に彼の代わりにふんだんに描き切られている気がする。 一読お勧めできます。 | ||||
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どちらかというと若い時代に生じる恋愛感情やどうしようもない感情を抱いて「若いから許される」意味不明の言動をしてしまうような部分を巧く描いているのが印象。 ただ、爽やかな感じだけではなく、少しだけ毒を盛っているような部分もあってそこが面白く、一気に読了した。 読後は「小説を読んだ」という充実感が強く、著者の今後の作品への期待感が増した。 | ||||
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いい加減で面倒くさがりやで、あんまり人に威張れるような生活をしていないけど 彼のことがすごく好きすぎてどうしたらいいのか分からなくなってしまう不器用さがいい。 初期のよしもとばななさんをほんのすこし感じるような透明感がいいと思う。 まだまだ荒削りという感じだけど、これが「さくら」につながる才能なんだなと感じた。 | ||||
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「あおい」もいい物語ですが、 特に印象に残ったのは「サムのこと」の方でした。 人の死と別れがテーマだけれども、暗い内容ではなく好感が持てます。 どれも好感の持てる人物だらけで 僕の傍にもいるようなひとたちな気がしますね。 さらっと読める文章。 西加奈子さんの文章は相性がいい感じです。 | ||||
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著者の名前は以前から耳にしていたが、最近、新聞でインタビューされているのを読んで、何事も包み隠さない感じに新鮮さを覚えて、よし読んでみようという気になり手にしたのが本書である。 デビュー作ということで、若々しさが全編に漂っている。青春時代は、いろんな人が周りに現れ、刺激を受け、成長してゆくものであるが、表題作「あおい」には本当に個性的な人がたくさん登場する。テレビならピー音で消されそうな言葉も臆することなく表現されており、それが何よりも気持ちよい。青春時代はこうでなきゃと思う次第である。 | ||||
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愛情的に育ちの良い人。 情緒が安定している人。 なるほどなあ〜と思った作中の文章であります。 | ||||
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なんか、バシッときた。 表紙も、なんか赤じゃない赤が似合ってるし、 「あおい」っていうタイトルも、ぴったりだし。 それが手書き風?手書きなのもいい。 物語の内容をこういう所できっちり・ぴったし表現してくれるのって、なかなかないですよね。 西さんの、ほとんど?全部そう。 しずくは自分で表紙描いたって聞いたけど、これもかな? そうだから、図書館派のわたしでも家に本置いておきたくなる。 表紙見ただけで、読んだ時の気持ち思い出させてくれるから。 なんかね、いろんなワードが、すごいの。 「それを、そういう風に表現するのって、新しい。」 って思う。なんか、納得できるんだ。 あたりまえのこと、今まで言い尽くされてきたことを、こういう風に説明?見解?するんだぁーって。 時代は変わる。人生や愛は変わらない。でも、言葉も変化していくものだから。うん。。 表現できないけど、すごく新鮮。 で、ところどころででてくる、 「あんたのことが、すきすぎるのよ」みたいな心の奥の奥のずーっと奥から染み出してくるような思いを、『ふっ』っと出してくるところがまた素敵。 よわっちょろい人間が、その弱さを受け入れて生きてる感じ。生きてく感じ。 とにかく、新鮮でした。だいすき。 | ||||
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西加奈子を好きになったきっかけの一冊。 ふわふわとやわらかな文章と内容の力強さ。 主人公さながら、風間君に惹かれてしかたない。 中盤あたりから終りにかけての疾走感がたまらない。ぐんぐんと勢いが増してゆく。 読了後は清々しく気持ちが澄みわたり、裸足で大地にたっているような気分になった。 | ||||
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西加奈子さんの本は初めて読みました。 「さくら」もベストセラーになっていたのは知っていましたが、なんとなく読みそびれ・・・ 文庫化を機会に「あおい」を読んでみました。 表現がうまい、美しい、詩的、な作家は多々居ると思うのですがこのひとの表現は感覚的でいて、日常離れしていない感じがします。 ストーリーもたいしたことはない筋なのに、リアリティがあり、読んだあとには この本が大好きになってしまいました。 刺激的ではないけれど またきっと読み返す本に、入ります。 | ||||
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西加奈子読み進めて、初めて、吉本ばななを読んだ時に似てる。 と、感じたんだ。 私。 トンデル発想?だから?ふ〜む。 『あおい』はね。まず、タイトル。 なぜ、あおいってゼンゼン意識していなかったんだけど。 ぴかぁ〜って。これジャン。そのままってトコでてくるの。 それ、おかしいんだ。そっかぁ。って、オチもやってくるし。 それからね。 もう、大好きなのよ。主人公の女の子が、彼のことを。 なのに、気持ちを認められない???風? なのに、好きの表現がかわいい。 軽そうで、違う。(ここが似てる?ばななちゃん?) 重いテーマだったの?って。 あと、表現が新しい。(ここもばななちゃんの時に新鮮!って。) 〜す、すすすするするするー、ていう感じ。〜 でも、内容は日常。だよね。 特別なことはない。かな? 〜あたしの体は、なんて頼りないのだろう。〜 〜あたしは、生きてるんだ。〜 『サムのこと』も、収められている。 初めて、お友達のお通夜に行くお話し。 〜そうやねん。知らんふりしとった。〜 考えるね。 あとは、 〜「トンダ。」〜 二作とも。 関西弁での話し言葉。 しっかりじ〜んときます。よ!!! | ||||
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なんていうんだろう、独特の世界観。 よくいるようなだるい若い子のおはなしかと思っていたら、消えない傷、みたいなものも出てくる。切ない。 けっこうへヴィーな面もあるんだけど、関西弁と独特の文体とで不思議にさらりと語ってしまっているのが魅力的。 あおい のなかではとくに『みいちゃん』が素敵。 サムのこと は喪失感、みたいなものを感じた。 はっきりとしたものではない、日常に伴う出来事をすごくきれいに、というか、現実的に?なんていうんだろうか、等身大のままを書き出しているところがすごくいい。 登場人物がほんとうに同じ世界に生きていて、どこかでぐでぐで暮らしているんだろうなあ、なんて思ってしまう。 読むと日常がなあんとなく丸くたいせつに思えてくるかんじ。このまんまでもわるくはないか、うん、しあわせだな、そんなふうに。 | ||||
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関西弁の会話が、自然に小説世界をつむいでいく。最初は、いい加減な生き方の若い男女に、徐々にウンザリしかけた。そこでさっちゃんの抱えた闇を垣間見せられる。えっとひるんで読み進めると、さっちゃんが実は一生懸命生きているんだということがじわじわと分かってきた。 カザマ君のことは、ちょっと頼りなくてどうかと思うが、さっちゃんがそんなに好きなのなら、それでいい。さっちゃんを幸せにできるなら、カザマ君はそれだけで大切な人だと思う。 「サムのこと」は、もっと不思議な小説。ほぼニートのような若者の気分をうまく描いている。こういう人が多くなったのかな。実は、私も少し分かる。私は、人の家族とか住所とかをあまり覚えない。でも、そういうことを普通の人は異常に関心を持って知りすぎだと思う。そういう関係性への執着って、うっとおしいと思う。本当に必要なことは、自然と分かってくると思うから。 | ||||
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この本は『あおい』と『サムのこと』の2つの物語が収録されています。 あおいは、主人公のさっちゃんと彼氏のカザマ君の物語。 私はこの本に5つ星を付けましたが、この物語の凄いと思った所はさっちゃんの心の動きを実に人間らしく表現出来ている所です。 この本を読んでるとさっちゃんの気持ちがストレートにひしひしと伝わって来ます。 さっちゃんのカザマ君に対する気持ちだとか、さっちゃんが心の中に抱えてるもの。 一人きりになるとふいに「カザマ君」って口にするさっちゃん。 さっちゃんはいつもカザマ君の事想ってて、ほんとカザマ君の事が好きで好きでたまらないんだって思います。 見ていてどこか心が安らぐ物語。それが『あおい』です。 『サムのこと』はサムと、サムの友達5人の物語。 物語はいきなりサムの通夜から始まります。 こちらも見所はサムを取り巻く5人の仲間達の心の変化。 それぞれがそれぞれにサムの葬儀で何かを感じ、そしてまた日常へ戻っていく。 とても静かな物語で、私は5人が感じた事を的確に表現する事は出来ませんが、なんとなく分かります。 それはきっと私が5人と同じようにサムの死から感じる物があったからだと思います。 『あおい』にしても『サムのこと』にしてもとても人間らしい部分が表現されている話で、私はこの本を読んで、嬉しい涙でも無く、悲しい涙でも無く、心が満たされるようなそんな涙を流しました。 あおいは静かに心が満たされる1冊です。 | ||||
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頭出しからグッときたっ!一つ一つの表現が丁寧で、愛らしく、読み終わった時にホッとする本。“親しい友達から久しぶりに届いたメール”みたいな…。不思議な構成だから、読む人によって様々な捉え方ができそう。 | ||||
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この本を読み始めて、どんどん物語に吸い込まれていきました。 あっと言う間に読み終えて、読み終わった後には、 主人公の気持ち、なんとなく共感できるかも。と感じました。 ちょっと切ないような、でも、ホッとするような小説と思います。 | ||||
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