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あおい
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あおいの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.93pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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| 作者のデビュー作のようです。テヘラン生まれの大阪育ちという経歴からなのか、独特の世界観に感じられました。ただ、この作風はどこかで誰か別の作家さんでも読んだような。なんか誰かの作風に似ていますよね。 「あおい」の序文と呼べるような書き出しのところが、とてもみずみずしい文体です。あおいは子供の名前だったんですね。私も長女が生まれたときに漢字一文字にしようと思って、”葵”はその候補の一つでした。 「サムのこと」は作者の実体験なのでしょうか?ラストがいいですね。あの終わり方はとても新人作家さんの終わり方とは思えません。ひとつ難点があります。プロレスを見に行ってサムに絡まれるシーンの会話文で、「なあアリ」とありますが、猪木の話の後なのでモハメッド・アリのことかと勘違いしました。これは主人公が有本なのでアリと呼ばれていたから、サムが有本に呼びかけているシーンだと解るまでに、時間がかかりました。読者の誤解のないように書くべきでは、と思います。 もう一つ細かい指摘で恐縮ですが、会話文の「 」内、最後に”。”がつきますが、必要ないですよね。この辺も作家になって日が浅い感じで、なんか初々しいです。 この作家の代表作、「サラバ!」を読んでいないので、今回は星3つにとどめました。 | ||||
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| 西加奈子のデビュー作。表題作「あおい」の他、「サムのこと」「空心町深夜2時」の短編を収録。 ・・・ 西さんの恋愛ものは難しい。自分の常識に合わない女の子が大概主人公。 裏表紙を見ると、27歳、スナック勤務、三歳年下の駄目学生・カザマ君と四カ月前から同棲し、彼の子供を身ごもる、とあります。 友達ならば面白いんだろうなあとか感じます。でも、私の読み方は自分だったり近しい人を投影して読むタイプ。こういうのが自分の嫁だったり娘だったりしたら・・・それは困りますわ笑。 ・・・ 散々ウームと(やや否定めに)唸りつつ、でそれでも読んでしまう、西さんの作品。 ふと考えるのは、自分は一体何に惹かれるのか、ということ。 山崎ナオコーラさんが書いている解説にその答えが。 「率直」「みたまんま」。 これです。 「あおい」にせよ「サムのこと」にせよ、登場人物がどうにも憎めない。でそれはやっぱりどの人物も「率直」なんです。私はこういう、思ったことをそのまま伝える人に親近感を感じるみたいです。 もちろん、伝えることには非常な技術が必要であり、その言語力だけは西加奈子レベルでありますからね笑 この言葉のセンス、これが私にとっての西さんの一番の魅力なのかもしれません。 ・・・ ということで西さんのデビュー作でした。 恋愛小説が好きな方、純文学が好きな方、西さんが好きな方にはお勧めできる作品です。 因みに私は「サムのこと」が面白いなあと思いました。友人の葬式で初めてその友人の素顔を知るという話です。 | ||||
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| 何だかスッキリしなかった。 | ||||
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| 読み終わってから気付きました。 これ、西加奈子さんのデビュー作なんですね。 色々読んだ後だと物足りなさを感じますが、やっぱり独特の言い回しが天才的に面白い。 言葉のチョイスがいちいちセンスいい。みいちゃんの着てるTシャツの柄とか。 でも、話自体は煮え切らない感があったので(あえてそこが良いのかもしれませんが、好みの問題です)、星は3つとなりました。 主人公の妊娠のせいか、長い長いPMSの様な情緒不安定を垣間見てるような気分になりました。 | ||||
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| ビレヴァンでちらりと最初のほうを見て 初めてamazonでかった本です。 すごく共感できるところが多くて でも、だからなのか それが怖かったです。 若いときってこんなに客観的にみると無防備なのかな。。 こんな人いるいる!と思いながらよみ、 さいごのほうは、関西もおんなじ感じなのかなと 思ったりもしました。 この本から西加奈子さんにはまりましたが わたしは「さくら」のほうが好きです。 | ||||
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| ニュアンスのある形容詞が散りばめられていて、うまいとは思う。 なんの気なしに積み重ねる日常にも、こんなにきらきらした輝きがあるのだよ、と、気づかせる作品なのだろう。 感動しどころもそのきらめきもきちんとわかるものの、残念ながらこんなに起伏のある感受性をかなり昔になくしたようで、 あたしにはちょっと、つらかった。 若さのリトマス紙なのかもしれない。 きっとフレッシュな感性があり、自分にもその起伏があれば、作者と同じ目線で楽しめるのかも。 そうでないあたしは、主人公の雑な行動にいらっとしたり、会話がユルすぎて読み飛ばしたくなった。あまり楽しめず。残念。 | ||||
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| 「あたしの体は、なんて頼りないのだろう」 思春期の女の子ならきっと、誰しも感じる ふわふわ浮いてるような不確かな身体の感覚。 少女の身体を失うコトの喪失感、 それから、おとなになるコトの漠然とした不安、 そんなモノがごちゃまぜになってる状態。 この作品は、西加奈子のデビュー作。 読んでみて、 ふうん という感じ。 可もなく不可もなく。 さるきちにはちょっぴりモノ足りなくも感じてしまう。 でもね、 主人公さっちゃんが、被ったレイプ。 それに伴う自己破壊の感覚。 さるきち共感できてしまうのが、ツライ。 物語はファミレスから始まる。 カザマ君との何気ない会話と、ホットケーキ。 少しずつ明らかになっていく、 さっちゃんの、ある意味での、自傷行動。 「そう、あたしは馬鹿なんだ。 いつも人の顔色をうかがって、 心の動きに敏感で、 ちっちゃいネズミくらい臆病なくせして、 時々、一瞬の感情の波に、 全てを任せきってしまうことがある。 ただ流れに捨て鉢に身を任せるのではなくて、 なんてゆうか、一度起こった感情の波を、 より大きな波へ変化させるのだ。 何故そうしたいと思うのか、そのきっかけを 忘れてしまうくらいに、恐ろしいほど早くて、 大きく渦を巻いた波」 さるきちの場合は、 その渦に巻き込まれる時って、 過食嘔吐だったり、 鬱だったり、リストカットだったりする。 抗えない力のように思いながら、 実は、自らその身を投じているのだ、きっと。 「すごく理性的な判断をわざとしなくなるのだ。 そうゆうときは、許してほしい、ごめんなさい、 という感情が全く起こらない。 まったく逆で、 こんなことをしてしまうあたしを どうか許さないでください、と思う。 だってあたしがこんなにも馬鹿なんだもの。 涙を流したお母さんも、優しい友達も、 偶然会った男の子も、誰も悪くない」 誰も悪くない 悪いのは、さるきちなのです。 そうして悪いコトをわざとして、 自分を痛めつけているのだ。 自分を罰しているのだ。 でも一方でね、 ココロの底では叫んでるの。 さるきちは悪くない。 ねぇ、「さるきちは悪くない」って、 誰か、そう、さるきちに言ってくれ!! さっちゃんは、 処女の身体をキズつけられて 独りがくがくと震えながら、 必死で、自分の身体を抱きしめてた。 「あたしの体は、なんて頼りないのだろう。 あたしがここにいることを、 自分の体を抱きしめて座り込んでいることを、 誰かに気付いてほしかった。 何も言ってくれなくていいから、 ただ、あたしがここにいることを知ってほしかった。 気が違ったみたいに、 世界中の人に愛されたいと思った。 あたしは、生きてるんだ」 人生には、いろんな出来事が起きる。 それらがその後の、そのヒトの生き方に 何らかの影響を及ぼし、 プラスに働くコトもあれば、 ひどく苦しめる要因にもなるのだろう。 女の子が“男性”を知るコトも 人生の中の一つの経験。 それってね、もちろん、 すっごく大好きなヒトと、 すっごくロマンチックな場所で、 すっごく素敵なセックス だったら、幸せなコトなんだろうけど、 でも、それにしたって 痛みや流血を伴うモノ。 ある意味、 それまでの古い身体を破壊する行為であると思うのよね。 そして、悲しいコトに、それが、 レイプという暴力的な方法でなされるのは、 女性の身体は受動的な構造なんだ、って 簡単に壊れてしまうものなんだ、って それに伴って、 ココロも壊れてしまうものなんだ、って 理解するのに易しいのかもしれない。 だから、レイプを扱う小説やドラマが 共感を得て、人気を博するのかもしれない。 なーんて。 | ||||
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| 著者の本を初めて読んだオッサンです。活字も大きく、会話も多いのですが、読了するのに時間がかかりました。というのも、会話はキャッチボールと言いますがそうでない会話が多いこと、比喩なのだろうけれど想像できない例えが多いこと、主人公の心の揺れと同調できないことが多く、何度も読み返していたためです。 ただし映像化すれば、うまく流れるような気がします。 結論として、オッサンには向かない本と言えるでしょう。すみません。 | ||||
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| 心に疵を抱えた主人公の“あたし”と、カザマ君の距離感がおもしろいと思いました。頑なだった“あたし”が、恋をして、ゆっくりと自分を見つめ直していくストーリー。面倒なことからは、とっとと逃げる“あたし”が、逃げるわけに行かなくなった一大事が起こります。大切なもの。“あたし”は一気に、目覚め、ふらふらし、拡散していた気持ちが一点に集約されていく・・・そして、生きる希望さえ見いだすことになります。なかなかテンポよく、大阪弁も心地よく読んだのですが、なにか、書き急いでいるような感じをうけます。過去のトラウマとの訣別も、妊娠による自己覚醒も、いきなりそこへ持っていったというような、荒い感じ。でも、“あたし”が逃げずに生きていく決意は、きっぱりと、爽やかで、「決意」というものは往々にしてそうやって突然のものであろう、と納得させられました。 「サムのこと」も、覚醒と再生の物語です。私はどちらかといえば、この作品の方が若々しさが全面に出ていて、引きこまれました。 西加奈子さん、次作を待っています。 | ||||
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