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ひらいて



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【この小説が収録されている参考書籍】
ひらいて
ひらいて (新潮文庫)

ひらいての評価: 3.79/5点 レビュー 57件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.79pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全57件 21~40 2/3ページ
No.37:
(2pt)

狂気に満ちた恋愛小説。共感が持ちづらい。

今まではごく普通の家庭で育った女の子たちの共感を呼ぶ、普通の恋愛小説を書いていたと思うけど、今回の小説はずいぶん狂気に満ちていて、普通の人間には共感しにくい話を作り上げたな、と思った。

主人公が心を寄せるたとえくんの家は、家庭崩壊の虐待ですよね…。なんとかしてあげて…と心が痛くなった。

今回の奇異な話は、ライバルとして売り出された金原ひとみを意識したのかな?
綿谷さんは仕事をしていく中でそれなりの挫折もあっただろうけれど、基本的には平穏で愛に満ちた家庭で育って、性格もまっすぐで柔らかい女の人だと思う。貴女にしか書けないまっすぐでピュアな恋愛を書けばいい。私はそっちの方が好き。愛とは全てを破壊する、独りよがりのもの?違うでしょう。まあまだ作者も若かったからね。
今後も新しい作品、楽しみにしてます。
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No.36:
(4pt)

歪んだ三角関係が最後には良き三角関係になる話

今まで思い通りに生きてきた主人公と
暗い経験を持つカップルが登場人物

最終的に三者とも良き存在者として成り立つ構成

友情や愛情って言葉ではないけど、でも確実に隙間を満たす何らかの充足感が綴られている

全体的にほぼ表現描写のイメージが持てないくらい難しいけど、4時間くらいで読み終わりました

どちらかといえば『かわいそうだね?』のほうが怒涛の展開で好きかな。逆にそこまで大きな展開があるわけでもないのに、完読させるのは綿矢さんってすごい
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4101266514
No.35:
(3pt)

カオス。こんなのも書いていいんだ……

はっきり言って綿矢先生の作品はおおむね嫌いでした。同じ時に芥川賞を受賞された金原先生に比べて、
中身がないと思っていました。適当というか、ここら辺でこの場面って、思いついただけで入れたんじゃ?みたいな
感じが否めずに。それに綿矢先生は抽象的なこととか感覚的な言葉をぽつぽつと好きな感じに挟むので、
エンターテイナーとしては失格だとは思います。

この作品も、彼女の好み通りに描いたというか、きっとつらつらと書いてこうなってしまったんだろうなあとは思うのですが、このカオス感は好きな方でした。
主人公の恋は狂気としか言いようがありませんし、それに主人公の好きな男の子の彼女も、ビアン的行為を簡単に受け入れやがるなこれは(;'∀')っと、現実ではちょっとないなあと思いますが、何か得体のしれない感覚を享受したいとか、そういう誘惑とか邪悪な気持ちがどこか反転していく感じが快かったとも思います。

ただ本当のビアンの方がこれを読んで、アイデンティティ的に簡単にこんな風に転がるか!と怒られたなら、きっとそうなのだろうなあと思います。
評価としては3.5って感じだったのです。
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No.34:
(4pt)

高校生オモシロ恋愛話と思いきや

人気ものの女子高生が冴えない男子に恋をした。でも、彼にはカノジョがいる模様。振り向かない男子に、恋愛感情は沸騰し、主人公をとんでもない行動に駆り立てる、というお話し。

出だしは高校生オモシロ恋愛話と思いきや、ドロドロ愛憎劇と経て、いつの間にやら哲学的というか宗教的というか、そんな方向に行ってしまった。主人公の個性を際立たせる過激な略奪法で盛り上がるのだが、結局、無難なところへ収束したのかも。

「正しい道を選ぶのが、正しい。でも正しい道しか選べなければ、なぜ生きているのか分からない」は名言。
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No.33:
(5pt)

宗教的哲学的なテーマを、ティーンズを主人公にして軽やかに読ませる作品なのかなと思った

<がっつりネタバレです>
この小説はティーンズの恋愛物というより、哲学的命題を含んだ福音書の一節という風に感じられた。
リアルな愛憎劇であるとは思わずに、その感情・セリフが何を象徴したシンボルなのか、
という風にイメージを膨らませながら読む方が良いのかなと思う。
物語の中に聖書を出してくるのも、そういったイメージを促そうとしているように感じた。

(そこは私の専門でないので、色々な勘違いがたくさんあると思うけど、)
この小説の最重要なテーマは、いわゆる(柄谷行人氏のいう)「単独性」というやつだと思う。
自分を自分たらしめるもの、他の誰にも見出せるものではないと信じられるもの、
そしてそこから自分の生きるエネルギーが湧き出てくるよう感じられるもの。
私の「単独性」のイメージはそんな感じ。

主人公の愛ちゃんは、一見地味でそこまでモテるタイプに思えなかった たとえ君に恋心を抱いたことで、
そこに自らの「単独性」を見出し、夢中になった。
しかし、たとえ君と美雪ちゃんが既に長年の恋仲だったことを知ることで、
そこで発見された「単独性」は虚偽であったことになり、自分の存在価値を疑うほどに傷ついてしまう。
その後、愛ちゃんは自傷行為のような狂人的事件を次々に起こし、超プラトニック純愛カップルである、
たとえ美雪双方を傷つけようとする。
それ対して美雪は、聖母のような徳を見せ、狂人にまで堕ちた愛を受け入れ許そうとし、
たとえ美雪の絆は却って強まり、それを見せつけられた愛ちゃんは更に傷つく。

最後のパラグラフで小説タイトルになっている「ひらいて」というのがやっと出てくる。
ここで折り鶴を「ひらいて」、解こう、解放しようとしているのは、かつてその鶴を折りながら念じていたこと、
つまり、かつての「単独性」だと思っていたものへの拘り、その「単独性」への独善的なアプローチの姿勢。
それらを全てリニューアルしたい、出来ればしたいという願いだったのだと思う。
しかし、「ひらいて」という言い方には、それが自分には不可能であるという諦観が混じっている。

愛(主人公の名前と"LOVE"とのダブルミーニング)に「単独性」を求めることの難しさ。
そこには聖人のようなひたむきさ、誠実さ、思いやりが求められている。
これはやはり、非常に宗教的な作品であると思います。

おもしろかったです
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No.32:
(3pt)

気味が悪い

女の情念というか、どろどろして、ねっとりして、気味が悪いです。
主人公が好きな男の彼女をつきとめたときの嫉妬のすごさにたじろいでしまい、それ以上は読めませんでした。
男性が読むものではないような気がします。
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No.31:
(5pt)

感想

「インストール」「蹴りたい背中」に続き3作目に「ひらいて」を読んだ。

前作では、スクールカーストで言えばはみ出し者が描かれていたのに対し、当作品では、カーストトップの女子高生が主人公である。

そんな人気者の主人公「愛」は、表面だけを上手くとり繕い人気を博している。水面下での内面描写は読み応えがある。

それ故、たとえには欺瞞と受け取られ、恋は破壊に発展していく。

それでも一心不乱にぶつかっていく愛には好感を持てた。

最後には、たとえに「ひらいて」もらえたんではないでしょうか。
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No.30:
(5pt)

こんな言語感覚が欲しかった。

主人公・愛が発する一つひとつの言葉のセンスがとにかくいい。
「悲しみよこんにちは」を読んだときと同じ感覚に陥った。
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No.29:
(5pt)

ひらいて の 感想

最高に面白いです。綿谷りささんは内向的な人間の内面を描写する天才だと思います。いつも引きずり込まれてしまい、一気に最後までよみました。たとえ君 、美雪、主人公の愛 全て魅力的な存在です。好きな男の恋人を寝取る場面は、笑えるし、興奮するし、最高でした。ただ、愛が心の平安が見つけられないまま、未来に向かって強く希望を持ち、終わって行く感じがあったのがやや残念でした。
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No.28:
(2pt)

あえて言わせてください

内容はとても面白かった。主人公の恋愛が暴走して、支離滅裂な方向に向かっていく過程がとても衝撃的だった。特に、好きになった男子の彼女と肉体関係を持った描写が印象に残った。様々な蛇行の末、綺麗な終わり方をする。その場面には鳥肌がたった。
しかし、「恋愛小説」としてどうだったか?と思う。サイドの性描写や、夜学校に忍び込んだ時のことなど、「恋愛感情」や「好意を抱いていた彼」が置いてけぼりにされてしまっていたと思う。その点が私は気に入らなかった。
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No.27:
(5pt)

たとえがとても印象的です

本当に良かった。いろいろ本は読んできましたが、もっとも印象的で大切な本です。

レビューが分かれていることに驚いています。たぶん、心の中にたとえを飼っている人間のほうに、よりぐっと刺さる作品なんでしょう。たしかにまとまりなくバラバラだし、情感的過ぎるところも多いです。文章は読みやすいのに、そこに描かれていることが痛すぎて続きが読めなくなってしまう。読破にかはり時間をかけました。

でも、本当に買って良かった。こんな素晴らしい体験が本当に数百円でいいのか、と思います。

最後の終わりも、人によってはやっつけすぎると言うかもしれません。でも、あれこそわたしがたとえに言われたかったことなので、展開的におかしいとは思っても、とても救われた気持ちでした。むしろあそこで普通に終わっていたら、凡作になってしまっていたかもしれません。

耐えられないほど身勝手で寂しい恋をしたことがある人におすすめです。
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No.26:
(3pt)

愛情というエゴ

決してリアリティがある設定ではないけども主人公「愛」の心の奥の奥をえぐりだす展開は綿矢さんのオリジナリティがあふれていて引き込まれる部分がありました。いろいろな伏線らしきものはありますが特に気にしなくてもいのかな。彼女の世界観は好き嫌いが分かれるのも分かる気がします。
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No.25:
(5pt)

壊してゆくエネルギー

綿矢りさの作品の出来にはまだ凹凸があるが、これは良くできた作品だと思う。たとえという男子高校生に対する恋情が暴走し、その彼女である美雪をもまきこんで行くプロセスには動的な面白さがある。もちろん現実にここまで暴走することは稀だから、これは小説の世界での話なのだけど、主人公の愛の心理描写は、その(身勝手な)愛情にだけ絞られていて、それなりに首尾一貫性がある。現実の世界では、その他の有象無象のことが絡んだ生活のなかにいるわけだから、これほど純粋に暴走することはできないけれど、思考実験としてはとても面白い。もちろん暴走主人公が中心だから、たとえも美雪も、愛に翻弄され、ある意味では人形のような一面的な描かれ方をしているのだが、これは愛の愛情の物語だから仕方ない。
しかし、そうした物語であれば、この終わり方はないだろう、という気がした。もっと混沌とした訳の分からない状態に突入して終わり、という方が良かったように思う。それは自殺なんかではなく、愛が時折見せる外部世界を遮断する状態の究極の世界のようなものだ。最後の1ページは書き直してほしいなあ、などと思う。それと、ヘンリーミラーが使ったような、断片的な詩のようなイメージの重層的表現が、うまく使われていて、そこは気に行った。すくなくともロレンスダレルよりはうまくミラーを継承している・・といって綿矢さんがミラーを読んでいるのかどうかは知らないが。
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No.24:
(3pt)

可哀想

途中まで面白かったが
愛が可哀想になってきて
著者の考え方に共感できなかった。
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No.23:
(4pt)

駆け巡る衝撃

「ひらいて」の一文は短い。とても読みやすい小説。
けど、エンターテイメントではなく、純文学だ。

綿矢りさの「蹴りたい背中」を小学校六年生のころ、図書館で読んだ。
感じたことのない衝動に震えたのを覚えている。衝撃だった。
そのあと「インストール」を読んでからずいぶん久々に、今回綿矢りさの作品を読んだ。
「ひらいて」にも、あの時感じた身体を駆け巡る衝撃がたしかにあった。

あと、最後に谷崎の「春琴抄」が会話の中にでてきたのが気になった。

いいたいことは沢山ある。でも悔しいからとどめておく。
言うと自分の醜さがあらわになるからとどめておく。
でもこれだけは言わせてください。私はあなたにぜったいに負けない。
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No.22:
(3pt)

しつけて。

まるで、幼く身勝手な作家自身でもあるような主人公。この女性を犯罪者にしないために「小説家」の肩書を授けたのは慧眼だったかも知れない、とさえ思えてしまう。

が、どうやら実際は「まるで他人ごとのようなふりをして、本も出した」(「履歴の無い女」『文學界』2015.1., p.99)うちの一冊に過ぎず、そうした「履歴」は結婚を機に何のみれんも無く捨てることができた作家はかつて「自分と遠いと思っていた、どこか別の世界の女たちと思って見ていた、夕方のスーパーで家族分の食料をそろえる彼女たち…」(同, p.101)という眼の高さでこの『ひらいて』も書いたのだ。
「…自分のことしか考えてな」(同, p.105)いことを作中でも(再三)主人公に自省させ乍ら、今も主要テーマは「私の居場所」(同, p.107)らしいこの作家はまた、「いままでの自分の生活に、プライドはないのか、と……。いや、ブライドっていうのとは違うな、でもうまく言葉が見つからない」(同, p.102)と自問したりもするけれど、これからは「やみくもに、自分本位に、あたりをなぎ倒しながら疾走する」主人公の気持ちだけでなく、それによって傷ついたひとの気持ちもきちんと描いてくれるだろうか。

『ひらいて』の主人公・愛のような子がいたら皆が迷惑するけれど、皆が未成熟な「学校」に限ってはそれも許される。これからの作家のテーマは、この子をどう躾けるか、だろう。
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No.21:
(1pt)

面白くなかったです

だんだん綿矢さんのかく作品が
面白くなくなってきた…と
思っていたら、やっぱりその
気持ちは今回の本で固まりました。

性描写ばっかりで面白くも
なんともなかったです。
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4101266514
No.20:
(3pt)

男には分からないんでしょうね。

思春期の女子の自意識の激しさには、まったく共感できなかった。
しかし、光浦靖子のあとがきはとても良い。
女子同士だと共感できることが、鮮明となる。そして、文学的。
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4101266514
No.19:
(5pt)

身内にたかられて、人生を棒に振っていると感じている人にオススメ。

恋愛小説だと思って読んでいましたが、ただの恋愛小説ではありませんでした。
激しい恋愛感情の思う存分な描写は、期待通りの読み応えです。
でも、それだけではありません。さらに「読んで良かった。」と思える一冊でした。

日本に出稼ぎに来るアジアの若い女性が、故郷の家族に仕送りしているのを聞くと
「日本は子供にたかるような親が少なくて良い国だな。」
と安直に考えていました。
でも、模範的で幸せを羨まれるような家庭であっても、
「多少強引だけれど、仕事はできるよな。」と言われるような人がいる職場であっても、
実は微妙に、と言うか、巧妙に、家族や同じ職場の人を食い物にしている人が多いことに気が付く今日この頃です。

この巧妙さを打破するには、ある程度の破壊が必要です。でも、その破壊の過程で「彼は感情的になる人ですね。」とレッテルを貼られて「負け」を言い渡される可能性が高いことに考えが及びます。
この可能性の高さを勘案し、多少自分が食い散らかされていても、まともでいることを優先するのが大人の哀しさです。
この小説を読んで良かったと思うのは、主人公が、自分の負けを恐れず、破壊に走ってくれる点です。

例えば、自分でもこんな手段に出ることも可能であると思えば、自分の人生が食い散らかされ、損をしていると感じていても、耐える事ができるように思います。
正直でまともな大人にお勧めです。
ひらいて (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ひらいて (新潮文庫)より
4101266514
No.18:
(4pt)

主人公の気持ちが思わぬ方向へ・・・

主人公・愛は、同級生のたとえに恋をする。しかし彼には美雪という彼女がいて・・・。ここまで聞くとどこにでもあるような三角関係のストーリーだと思う。しかし、読み進めてみると単純な展開ではないことに気付きました。愛がたとえを独占したいという想いが美雪を巻き込んだ形で発展してしまう・・・。
主人公・愛をはじめ、たとえ、美雪それぞれの存在が入り混じった恋愛小説ではないかと思います。
ひらいて (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:ひらいて (新潮文庫)より
4101266514

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