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かわいそうだね?
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かわいそうだね?の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全55件 41~55 3/3ページ
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インストール、蹴りたい背中、かわいそうだね?、亜美ちゃんは美人の 4作品を読んでみたが、この作者の作品には本当の悪人が出てこない。 チンピラ役でさえも最後に何かしら良い描写がちらりと出てくる。 だから読み終わった後に爽やかさが残る。子気味よい。 かわいそうだね?では水戸黄門のような感覚に陥り、スッキリした。 主人公の心理描写も毎回リアルで引用も面白い。思わず笑わせてくれる場面も 多い。臨場感溢れる描写も秀逸。 上記の作品の順で、より洗練されていったように感じられる。 この作者の10年後の作品が楽しみになった。 | ||||
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著者の作品はだんだん乱暴というか破天荒になってきている気がする。 初期の作品は完成度が高くやや神経質な印象があったけれど、 いまや「文学」の枠を出て、 のびのびとした自由なものになってきたというか。 話もテンポがいい。 収録作では、後のほうの「亜美ちゃんは美人」に感動した。 登場人物の言動やスピーチなどの「浅さ」がいかにもありそうで、 そこにリアリティがあるのだけれど、 そうした人物の気持ちを切り取る描写を読んでいると、 「ああ、普通の人って本当におもしろいな」と思わせられる。 とりわけ最後のものすごく陳腐すぎるやりとりが逆に感動的で鳥肌がたった。 「かわいそうだね?」のほうの語り手の語りも 「勝手にふるえてろ」に引き続き楽しく、 アキヨのキャラクターも新鮮でおもしろかった。 最後の展開も最高でした。どっせい。 楽しい一冊だった。 | ||||
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綿矢さんの全作品を読んだわけではありませんが 今まで読んだ中で一番おもしろかった 文章も上手です 2編とも気軽に読めるし、若い世代の子達はリアリティー感じる作品だと思います | ||||
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三人の三角関係もどきの他愛のない会話が綴る話。いきなり地震で はじまる、去年の震災を踏まえているのだろうか。文中、英会話や メール会話が描かれている斬新な試みもある。綿谷は文章が上手な ので、読んでいて心地よい。2話の亜美ちゃんは美人は、たぶんB面 みたいなものなんだろうけど、テンポがあって面白かった。きっと、 綿谷りさは、あまり長編ではないテンポのある青春小説が得意分野 なのだろう。インストールの時の新鮮な若手作家誕生の驚きから、今 や、本格作家へと変身する綿谷にエールを送りたい。 大江健三郎賞受賞作 | ||||
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女性作家によくある独特な言い回しに、新鮮さを感じた。たしかに句読点の入れ方に特徴があり、回りくどい文体になってしまっているが、これが彼女のスタイルと思えば味ではないか。作品については、今を生きるリアルな女性像が、悲しくもたくましくも感じた。ちょっとディープでブラックだけど、後味は爽快。私も強く生きなきゃって思える本。 | ||||
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蹴りたい背中は純文学として素晴らしい作品でしたが、その後の夢を与える、勝手にふるえてろは、文学としてもエンタメとしても中途半端で、読んでいて苦しかった。しかし、今回は疾走感があり、社会人の描写にリアリティーもあり、面白かった。週刊誌の連載、向いているのかもしれないですね。どうせ書くならここまで突き抜けてもらえると読者は嬉しい。 | ||||
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亜美ちゃんは美人がとにかくいい。 女同士ってそうかもしれない。 牽制や狡さをさりげなく見事に描き出している。 軽く読めるけど、深く刺さる場面がたくさんあった。 | ||||
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『かわいそうだね?』 惚れた弱みで彼の理不尽な言動をなんとか許そうとして憔悴してゆく主人公。 追う立場の恋がリアルに丁寧に描かれていて引き込まれました。 ---------------------------------------------------------------- 『亜美ちゃんは美人』 美女の親友でいると傷つくことが多く、屈折せずにいられない。 それでも多感な高校時代から20代半ばまで、不本意ながらも亜美ちゃんの親友の役割から降りない、お人よしで面倒見の良いさかきちゃん。 さかきちゃんの心情だけでも読み応えがあるのですが、亜美ちゃんの孤独、そして 彼女が"さかきちゃん" と "最後に選んだ彼氏" に執着する理由に、美女の心理が解明されていて、とても陰影の濃い作品です。 作風が毎回違う綿矢りささんの作品の中で、『亜美ちゃんは美人』が一番好きです。 | ||||
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さかきちゃんは美人。でも亜美ちゃんはもっと美人。 さかきちゃんは目を閉じて心のなかでつぶやく。 亜美、たぶん私、あなたのことがきらいだよ。 本の帯の裏にあったこの引用。 これに興味を覚えてこの本を手に取りました。 主人公は美人の親友。 よくある話ですよね。 でもありきたりで終わらせないのが綿谷りさ。 まず文体が特殊です。 「さかきちゃん」「亜美ちゃん」という表記が親しみを誘います。 そしてキャラクターの魅力です。 亜美ちゃんは天然美人です。 亜美が悪美だったらよかったのに、 とさかきちゃんが言うように、性格もいいです。 さかきちゃんはきっとどこにでもいる女の子。 共感しやすいのはこっちだと思います。 そんな二人の関係も見どころです。 亜美ちゃんはさかきちゃんになついてる。 でもさかきちゃんは亜美ちゃんが嫌い。 だから亜美ちゃんはさかきちゃんが好き。 結局、追う方が好きなのね、亜美ちゃん。 そこだけは共感できるよ。 | ||||
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深い洞察とあぁそんな感じですよねという表現で女の人の感性とか気持ちのあり方とかかなり不定形なことがしぜんに文章に織り交ぜられている。さっぱりと後読感がいいのは、二作とも主人公がどこか理性的に一貫していて自分を誤魔化さないから。すてきです。 | ||||
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カテゴリは純文学に入るのだけど、 「勝手にふるえてろ」以降綿矢さんの小説は笑える小説化しているように感じる。 初期の純文学バリバリのテイストがないことが寂しくもあるけれど、 腹を抱えて笑える本作収録の二編はすかっとして読んでいて気持ちがよかった。 (特に「亜美ちゃんは美人」の亜美の恋人の喋りのセンスときたらもう。。。 小説を読んでこんなに爆笑したのは久しぶりだった) 個人的には表題作より「亜美ちゃんは美人」のほうが笑えるししんみり出来るし 私は「亜美ちゃん」みたいに超絶美人なわけでもなんでもないけど亜美ちゃんの 「自分を好きになるひとは好きになれない」という感覚はいたく共感できて思わず 「わかるわかる」と頷いてしまった。 傑作というほどではないけれどなかなかの佳作。おすすめです。 | ||||
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芥川賞以降の綿矢さんはスランプに陥っていたと思う。 『夢を与える』には迷いが表れていた。もがいた跡があった。この後綿矢さんはどうなるんだ、って不安になった。 『勝手にふるえてろ』でちょっと不安は和らいだ。迷路の出口に行くための地図を見つけたんだな、って思った。それでも、まだまだ出口が見つからないみたいだった。 そして、この本に収録されている二作にで、迷路から脱出して大人の女になった綿矢さんに出会った。今、進路で悩む私はそんな綿矢さんを見て、勇気と希望をもらった。 綿矢さんの根底は変わっていない。二十歳前のフレッシュな勢いはないけど、全体的にちょっと成熟していて、細やかな情景描写も比喩の鮮やかさもレベルアップしている。 ちなみに綿矢さんの作品は、新しいほど女性受けしそうなものになっています!女性の方、要チェック!もう、有象無象相手にエロチャットなんてしなくてよ!(多分) あー、でも女性受けするようになる分、多分綿矢さんの熱心なファンの大多数であろう、おっさんの受けは悪くなるかも知れません。文学が好きで文章が好きなおっさんはまだファンを続けるかも知れませんが、AKBオタクになるみたいに綿矢さんを追いかけるおっさんは離れていきそうです。少なくとも、そういう人は綿矢さんより若くてかわいいけど、普通より地味かおとなしそうな女流作家が出たら、絶対そっちに行きます。 まっ、これから綿矢さんをストーカーするような不届きなファンは減って、真っ当なファンが増えていくでしょう。 | ||||
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デビュー作も芥川賞受賞作も、私にとっての魅力は 未成熟な(だけど賢い)女の子の、心の行間を書いている ということでした。 叫び未満で渦巻いている苦しいモヤモヤに、分かり易く名前を付けて切り捨て 社会性という仮面をかぶり まだ幼いままの自分をどこかに封印する… ということがなかなか出来ずに苦しむ人の、 名も無き苦しみを手にとって眺められるようでした。 作品が経済の一部になってしまうと、もう作品は 自分だけのものではありません。 純粋な私小説や日記みたいな内容は許されなくなるので、 公な作品を書こうと四苦八苦されてきたことと思います。 この小説は、いくら話しても分かってもらえぬモヤモヤと、 作者が決別した作品のように思います。 その証拠に、「分かりやすい」でしょう。読む人を選ばない。。 読み物としてはとてもよく出来ていると思います。 起承転結まとまっているし、人物描写もちゃんとしてるし ただこの作品は読み捨てですね。魂がないから。 それは表現を仕事にする人なら 誰もが通る道ですが… 同世代の作家と比べて、「職業作家」になるのが遅く 闇に言葉を与えようと努力されていたのが綿矢さんのような 気がするので、ほんの少し!残念です。 余談ですがこの作者は、毎回絶対インテリおたくみたいな男が 出てきますね。しかも描写が細かい。 もうこれは作者の好みとしか言いようがないのでは… | ||||
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「インストール」、「蹴りたい背中」は情景描写が素晴らしかった。いずれも女子学生を主人公としていて、おそらく綿矢さんが書きやすいものだったのだろう。 しかし、「夢を与える」以降では芸能人の学生・OLを主人公にしたが、苦戦していたように思えた。情景描写の一貫性を感じられなかった。 ところが、今回、またOLを主人公とした文章だが、得意とする情景描写も完璧。(綿矢さんらしさもでてた)そしてラストの心情描写は圧巻。ただ村上龍には負けるが。 そういうところで綿矢さんの成長を感じた次第。 また、2作目の「亜美ちゃんは美人」は「かわいそうだね」と同じような描写で少し残念だったが、おもしろかったのでそれはそれでいいです。 | ||||
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書下ろし長編とおもいきや、文學界初出の「亜美ちゃんは美人」も併録なため、中編2つでした。長さから軽く読むのには丁度良い感じです。 両方とも、そこそこの面白さでした。表題作の英語教師のアドバイスのところでは、書き手がわかってなく、読者がわかるように構成しているのは、面白いとは思いましたが、書き手視点の物語だけに、ちょっと微妙な感じもしました。主人公の職業についてなど、取材は良くされている感じがあります。ただ、喫煙がやや美化されているのは(毒を吸い込むというのは書いていますが)、やめて欲しい感じでした。 亜美ちゃんは美人、は雑誌で既読でしたが、男性には伺えない女性の心理が良く出ていたと思います。美人を著者がどう描くのは特に男性ファンには興味が持てるところかもしれません。 著者の代表作とはいかないかもしれませんが、著者のファンであれば楽しんで読めると思います。 | ||||
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