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かわいそうだね?
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かわいそうだね?の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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初めての綿谷りさです。 正直、2篇とも私には刺さりませんでした。 というか読んでる途中も読み終わったあともイライラしてました。 登場人物に共感できないし、私がモヤモヤした部分が最後まで解き明かされなかったです。 文章や表現は好きでした。 | ||||
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「可愛そうだね?」 痛快でした!英会話スクールでの勘違いや、主人公の心の中での物事の例え方が面白い! 「亜美ちゃんは美人」 学生...社会人...恋愛...と人間関係が変わりゆく中で皆から愛されてきた亜美ちゃんがどんどん落ちていく。親友であるさかきちゃんからの視点ですごくうまくそれが表現されていたので、分かりすぎて気持ち悪くなりました笑(褒め言葉) | ||||
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綿谷りささんの作品を読むのはずいぶん久しぶりになる。「インストール」「蹴りたい背中」を読んで、特に後者の技巧は未熟だったけれども、作品全体を貫く瑞々しい感受性に感銘を受けた記憶が鮮明だ。その後「夢を与える」を読んで、綿谷さんの強みがすっかり失われてしまった凡庸な作品に落胆した覚えもある。その位久しぶりだ。 まず表題作の「かわいそうだね?」だが、前半は樹理恵の仕事や彼氏の元彼女との微妙な三角関係が描かれるとともに、そこに炙り出されるテーマが浅い事と、ストーリー展開やアイディアも類型的で冗漫な件を観て『綿谷さん中間小説作家になっちゃったのかなー?」と平凡な印象と同時に、「働く女の子の応援歌的小説なのかなー?なんか最近の女の子ミュージシャンの歌詞みたいだなー」と、あまり感心できない所見だった。 だが、樹理恵が彼氏の携帯電話の元彼女とのメールのやり取りと盗み見る件から、作品は一挙に迫力を増す。樹理恵の関西弁の使い方もなかなかいいし、この辺りの展開に綿谷さんのソウルが強く伝わってくる。ここから終わりまで創造性が枯渇することなく一気に読めた。 だが、難点もある。文章はリーダブルで読みやすいのだが、綿谷さんの生理というか何というべきか才能のコアが伝わってくる味やオリジナリティーも無く、やや稚拙だ。この辺りは2001年に「インストール」でデビューしてから本作が執筆された2011年まで10年も経ているが文章の上達が見られない。僕は綿谷さんの熱心な読者ではないので、その他の作品や最近のものはわからないのだが、デビューから10年経過しても技巧の上達が見られないのはまずい。内容自体は良いのにその点が残念だ。 「亜美ちゃんは美人」だが、これは及第点以下。絶世の美しさを持つ亜美とその友人の複雑な友情や葛藤がテーマなのだが、綿谷さんが人気作家だから『文学界』に掲載されただけの作品だ。著者ほど著名な作家でなければ、編集者にボツにされているレベルでしかない。それにテーマの掘り下げも浅い。僕は男なので女性同士の友情はよくわからないが、純文学として仕上げる上で、これだけ魅力的な設定にしているにも関わらず、もっとどろどろとした二人の確執があるだろう。その辺りも浅いまま作品は終わりを遂げる。結果「亜美ちゃんは美人」に関しては、なんだかなー、という淡泊は印象で終わった。 久しぶりに綿谷さんの作品を読み、他のレビューを散見すると『かつての綿谷りさが帰って来た』というものもあり、概ね高評価だ。僕も「かわいそうだね?」のテーマの掘り下げは良いと思うのだが、前述した技巧の拙さから、今一歩感心できる小説ではなかったというのが正直な読後感であり、10年書き続けても上達が見られない事から、綿谷さんの努力不足なのか才能の限界なのかは定かでないが、もっと頑張れ、という感想が残滓のように後に残った。 | ||||
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面白かった。 でも、重くて苦しかった、、 人によって感じ方も違うのかな | ||||
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著者は、『インストール』で第38回文藝賞を受賞しデビューした綿矢りさ。 (2013.12.10 第1刷) 「許せないなら別れる」、高美との隆大が元彼女・アキヨを居候させると言う。 百貨店勤めの樹理恵は、勤務中も隆大とアキヨのことが気になって仕方がない。 もう一作は、女子同士の複雑な友情を描いた作品『亜美ちゃんは美人』。 本冊子の題名は前半の『かわいそうだね?』からきているけれど、個人的にはありきたりな、軽くハラハラする小説で、終わり方もちょっとチープだった。 「かわいそう」という憐憫の言葉は奥が深いけれど、なんとなく自分が想像していた「かわいそう」は、綿矢りさの「かわいそう」とはすれ違っていた。 それよりも、後半の『亜美ちゃんは美人』の方が個人的には好印象だった。 本人は自信家でも、過度に意識しているでもないけれど、見た目や性格で周りの人たちのカリスマリーダー的存在になっている「亜美ちゃん」(よくいそうだ) パッとしないが、そんな亜美ちゃんからは絶大な信頼があることで、周りからも一目置かれる存在になっていた「さかきさん」(よくいそうだ) 彼女たちの高校〜30前後までの話なんだけれど、後半に明かされる(さかきさんが悟った)亜美ちゃんがさかきさんと信頼されていた理由、それを気づいたときにさかきさんが涙を流した訳が分かった時に、この小説の真髄が見えた。 そして、グアムでの亜美ちゃんの結婚式、さかきさんのスピーチは、短いながらも“真の友情”を悟ったさかきさんの心強い成長をホロっと感じることができた。 ちなみに、大学当初の新歓コンパで亜美ちゃんの引き立て役、勝手に“いじられキャラ”になってしまっていた彼女の状況や心境は、自分の友人でも同じ悩みを抱えていた子が過去にいて、その気持ちが当時よりも身にしみて理解できた。 ───隆大はいまごろ、露天風呂うらやましいなと考えながら身体を洗っているのだろうか。なんとなく頭を洗っている気がする。男湯に備え付けのシャンプーをたっぷり使って、頭をがしがし洗う隆大の姿が目に浮かぶ。これはきっと、テレパシーだ。つながっている者同士のテレパシー。離れていてもお互いのことが、なんとなく分かるから。(p.114) ───痛飲、痛姦、痛狂躍。痛いほどじゃなきゃ気分は晴れない、だってコーラ帆でさえ炭酸が喉を刺激していたいじゃない、喉の奥の嗚咽のかたまりを溶かすために、焼けつく嫉妬から逃れるために、幸運を祈るおまじないを。私と同じ身長と体重でサテンのリボンを首に巻いたくまのぬいぐるみを、山奥のみやげ屋に売ってるおどけた顔をした泣きぼくろのあるひょうたんのお守りを、私にください。(p.131) ───普通、人は急激に頭に血がのぼったとき“キレた”や“ぶちキレた”などの言葉を使う。でも私はつながった。いままで故意につなげずにおいた線が、遂につながって電流が行き渡り、充電完了。(p.140) | ||||
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表題作は、軽妙な語り口で読みやすく、シニカルな笑いもあっておもしろい。筆者独特の世界観で語られる部分も楽しい。 ただ、主人公の彼氏がどっちつかずのようになった経緯が非常に作りこまれているだけに、この関係を描くためによく考えたなーというような 外側からの目線が入ってしまって、世界に入り込めなかった。彼氏の人物描写ももう少しあってもよかった。 | ||||
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当たり前過ぎて気付かない(=黙殺している)ような女子心をベースにした綿矢節のリズムが心地よく、続きへの期待が膨らみます。中盤、やや冗長な物語の展開にイライラ感が募りましたが、ラストへの布石だったのだと納得。同時収録「亜美ちゃんは美人」の二人の関係性の着眼点も見事です。華やかでやや毒々しい装丁も作品にマッチしていますね。 | ||||
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表題作品は、彼氏(隆大)と元カノ(アキヨ)と私(樹里恵)の 三角関係、痴話である。 地震の描写(妄想)で始まり、ラストでは地震が訪れ、 地震の記憶が甦り、不安な心理がバックグランドに漂う。 震災前の2月10日号から5月19日号まで「週刊文春」の連載だが 震災後の時代とのシンクロニシティが興味深い。 『”かわいそう”という言葉は嫌われがちだ。』 感情としては存在するのに、使いたがらない言葉、使われることが嫌われる言葉。 『火垂るの墓』や阪神淡路大震災のトラウマにもなっている言葉。 『アキヨさんは、かわいそうなんだから。』という 元カノに向けられた感情であると同時に私自身や私の置かれている境遇 に対しても向けられている感情である。 静から動へ、ラストに向かって『突撃』という行動によって 爆発する感情に巨大化して行くのである。 地震のような破壊のカタストロフィーで終焉を向かえ、 一服の煙草の静寂だけが残る。 終盤のスピード感が爽快だ。 | ||||
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