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神の街の殺人



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【この小説が収録されている参考書籍】
神の街の殺人 (文春文庫)

神の街の殺人の評価: 2.50/5点 レビュー 2件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.50pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(2pt)

ソルトレイクの「記憶」は…

「緋色の記憶」「心の砕ける音」など、ミステリーのかたちを踏襲しながら、人間の心の奥底にまで入り込む描写で人気の高い、トマス・H・クックの新作ーとはいえ本書は最近よくある、人気の出た作家の旧作の翻訳だ。「おっ、新作だ!」と買ってみると10年程前の作品だったりする。ちょっと詐欺にあったような気もするが、やはりお気に入りの作家の作品ともなれば食指は動く。さて、本書はモルモン教の総本山ソルトレイクが舞台。そこで起きる凶悪な連続殺人に、ニューヨークから流れ着いたアウトロー刑事が立ち向かうーといった、ごくありきたりなプロットではある。しかしさすがクックはそこにいかにも「クック的」なスパイスを振りかけている。主人公の刑事のNY時代のトラウマ、モルモン教の人々が持つ迫害の歴史、信者でない人々の思いーなどなど…作家とはやはり成長するもので、ここでのスパイスの利かせ方は、ちぐはぐで効果的でなく、ストーリーの流れをたびたび阻害する。日本でヒットした作品に比べるべくもない。それぞれのエピソードが独立してしまって、これからどんな風に完結していくのか期待していると、あっけなく終わってしまう。僕はクックの作品を読むとアンドリュー・ワイエスの絵を思い浮かべる。古きよきアメリカの田舎町とそこで暮らす人々の心の奥底にある、希望の対極をなす、暗く深いうねりを感じる。しかし本書はそのうねりをはるか遠くに感じながらも、それを的確に描き出しているとはいえない。ちょっと毛色の変わったエンターテインメントでしかない。
神の街の殺人 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:神の街の殺人 (文春文庫)より
4167527995

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