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パーマネント神喜劇
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パーマネント神喜劇の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.54pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 21~28 2/2ページ
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神頼みをする者がいれば、願いを叶える側の神様にも色々な 「八百万の神」という言葉があるにも関わらず、神様というと神々しく、崇高かつ厳かな存在であるイメージがある。 本作では、そのような「神様」のイメージを良い意味で覆したものである。 どこか人間らしく、俗世間の中に溶け込む神様の葛藤や組織内の事情などもコミカルに描かれている。 自分の身近な神社にこういった神様がいるのかなと感じた。こう考えると、地域の神社にもどことなく親近感を覚えた。 本書は、神様のお仕事を描いた著書である。 | ||||
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ネタバレもありますので、ご注意ください。 セコくて、小心者だけど、根は善人の神様が主人公です。基本のストーリーは、この神様と、ペンネーム「ちはやふりー」という作家をめざす地銀マンのような容姿をした神様の会話で進みますが、最後まで主人公の神様が話したことしか出てきません。とはいえ、内容は軽妙でテンポもよく、なかなか楽しめます。雷の語源など、作者得意の豆知識も散りばめられてますが、嫌味は感じません。 また、主人公の神様が願いを叶えてあげる人間の短編もあります。どれも軽いけれど温かい話であり、安心して読めます。 話は最終章の「パーマネント神喜劇」で大きく動きます。序盤に小さく謎かけされていた、主人公の神様の師匠が消滅した理由も解明され、ラストは心温まります。物悲しさが残る「とっぴんぱらりの風太郎」のラストよりも爽快感はあります。 全体としては、時々クスっと笑えるし、リラックスして読める本です。買って損はないと感じました。ただ、どうしても作者の場合、「鹿男あをによし」や「鴨川ホルモー」のような、驚く設定と展開の早いストーリー、そして予想できないラストを期待してしまいます。それらの快作と比べると、さすがに少し落ちるので、星は4つにしました。 | ||||
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四編の短編集。まずまず面白いが、万城目さんの作品としては、期待値が高いだけに今ひとつだった。三本目の「トシ&シュン」が佳作だと思ったら、これだけ先に書かれていたらしい。でも、一番古いのは7年前に書かれた最初の「はじめの一歩」。あとは大地震被害への鎮魂をこめて一冊にまとめた感じ。 ただ、センスの悪いおっさんタイプの神様が出てきて一人べらべらしゃべる始まりが、どうも出オチっぽい。読んでるうちにジワジワ面白く「この神様おかしいなあ」と、なっていくのが理想だったなあ。 | ||||
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神社の神さまの日常(仕事ぶり)と、神さまに遭遇した人間たちの模様が描かれている短編集。 新作かと思っていたのだが、「トシ&シュン」というタイトルに見覚えがあった。オムニバスの文庫『時の罠』に収録されていた作品だ。その他に、だいぶ前に「世にも奇妙な物語」で実写化された「はじめの一歩」も(初出が2010年となっている)。 「当たり屋」「パーマネント神喜劇」は2016~2017年に書かれた新しい物だが、半分がすでに世に出て十分に広まっているものと考えると、これを新刊で出す価値があるのか・・・と少々疑問(だからこその1,300円という低価格?)。それよりも早く誰も読んだことがないくらいおもしろい長編を早く出して欲しい。万城目さん、苦しいか。 『時の罠』で読んだ「トシ&シュン」は間違いなく面白い。今回2回目として読むわけだが、何回読んでも色あせない名作短編だと思う。時として正解にあらがう事が本当の正解、という、よく映画で拳銃を突きつけられた時に交わされるような「信念を曲げる位なら殺された方がましだ」「よくぞ言った。お前を気に入ったので殺さないでいてやろう」的やりとりをここまで上手く話に盛り込んで、ハッピーエンドとなるのはすごいと思う。 「はじめの一歩」も「まずはじめに」というのが口癖という男が出てくる時点でおもしろくなるのが分かるくらい、魅力的。どんでん返しもあるし、付き合っている男女の会話も含めて、全体の雰囲気が好きだった。 あとの二つは、やはり最近の万城目さんの勢いが落ちているのを象徴しているかのような作品である気がする。 特に「パーマネント神喜劇」は「トシ&シュン」に話の核がちょっと似ている。時として正解にあらがう事が本当の正解、というやつ。短編集で似たようなアイデアはちょっとな、と思ってしまう。 ずっと出てきた神フリーライターが「ちはやふりー」と名乗り出す辺りのネーミングセンスはすごくおもしろいのだが。 万城目さんには期待しているので早く新作が読みたい限り。 | ||||
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前作のバベル~同様、話しの流れが掴めない。 誰が話してるのか、全く分からないまま読み進んでいってしまった。 多分、2回読む用に作ったのかな…? | ||||
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既発の四篇を収めた連作となりますが,前半と後半ではかなり雰囲気が変わっており, 前半の二つは,神様の『小さな手助け』による人間の変化や成長,教訓じみたまとめと, 流行りのライト文芸のようでもあり,失礼ながら万城目さんでなくても…という印象です. 後半に入ると,乖離気味にも見えていた神様側と人間側の話が噛み合い出すものの, 最後の篇では一つ手前と似た真相,さらには出来過ぎな終盤が説明過多でゴチャつき, 神様の人間への思いは響きましたが,それまでを束ね,締める篇としては物足りません. このほか,相手が居るにもかかわらず,神様一人だけが喋り,会話として見せる演出は, 相手の言葉を疑問形で繰り返すことを多用し,それを踏まえてこれまた説明調になるなど, 正直なところ,あまり巧く運べているとは言えず,却ってテンポを悪くしてしまっています. 久々のエンタメ路線であり,これまでとは違う『ゆるさ』に読後感も悪くはありませんが, 一方でそれが稚拙に映ることもあり,見せ方も含めて,少し評価が分かれるかもしれません. | ||||
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なんと言っていいか、がっかり。 この作品に骨が感じられない、エンターテイメント的なものが強いならそれでもいいのだけれど、うすっぺらい。 4つの話からなっているが、そのうちの一つはすでに他の文庫で紹介されていて、6年も前に書かれている。 それらをパズルのピースのように組み合わせて一つの話になっているんだろうが、この主人公ともいえる神様に人格的(神格的?)面白さを感じない。 なら「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」のように新書版にして、コスト的に考えて欲しかった。 内容的にはかのこちゃんの方が登場人物に個性が感じられ笑えた。 「悟浄出立」もオムニバス形式だったがそれぞれにオリジナルからの広がりをもたせ、胸躍った。 なのに、なぜ・・・ この著者の縛られない感覚が大好きなのに今回はその感覚がなんなのかがわからず撃沈。 | ||||
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本書を手に取られたまずじっくりと装丁をみていただきたい。 帯が2枚! いえいえ帯は1枚です。 カバーもめくってください。 とても遊び心のある造りです。 本作の主役はおよそ神様らしくない神さんです。 人間臭い神さんでありドジと言えます。 でも 人間をとても好いてくれている神さんです。 人間の願いをかなえてなんとか幸せにしようと 動くのだけど、当然ドタバタ喜劇がはじまってしまう。 人間によりそう気持ちは上級神の段ではない。 そういう意味では上級神を超えた存在です。 それがいかんなく発揮されるのは最終章でしょう。 ネタバレになるので少ししか書けませんが、 最終章を読みながら、そういえば万城目さんが熊本に 行かれた直後にあの地震がおこったのだなあと思い いたります。 残念なのはこの最終章には(沈黙)などと記載されたのみの ページがでてきます。 ここはやはり文字で表現してほしかったです。 装幀の面白さもいれて☆4です。 装幀の樹木は、マテバシイ。 この物語の要です。 装画は中川学さん。 とっぴんぱらりの風太郎以来の 最強コンビです。 税別1300円はとってもお得感ありです。 | ||||
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