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カラヴィンカ(鳴いて血を吐く)
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カラヴィンカ(鳴いて血を吐く)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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最近この人にハマってます。今まで読んだ2冊と一寸入り方が違います。スゴイって思ってます。 | ||||
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迦陵頻伽(カラヴィンカ)とは、上半身が人で、下半身が鳥で、極楽浄土に住み、その声は非常に美しいとのこと。 仏の声を形容するのに用いられ、「妙音鳥」、「好声鳥」、「逸音鳥 」、「妙声鳥」とも言われる。 元々、「鳴いて血を吐く」がタイトル。 「雪の鉄樹」、「冬雷」、「オブリヴィオン」、「アンチェルの蝶」に引き続き、読んだ。 いずれも閉塞空間、箱庭のような限られたロケーション。 これに加えて、限られた行動範囲と思考経路。 過去のきっかけが、何年もかけて引きずってきたこと。 妖艶さ。 そんな状況下で、理不尽な不協和音が鳴り響く。 本書では、”村の慣習”に鎖でつながれたシチュエーションで展開していく。 深い闇の中が歪んでいて、重苦しく、息苦しくなる。 壮絶で、痛々しい。 「ごんぎつね」のもの悲しい物語がよみがえってくる。 「ごん、おまえだったのか」 極彩色の音色。 ああ、光が見えてくる。 | ||||
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2012年に「鳴いて血を吐く」の題名で出版されたものを、文庫化にあたり加筆修正、改題した作品だそうです。 鄙びた山村の旧家「藤屋」の次男坊・多聞の一人称で話が進められていきます。多聞が小5の時、村のもうひとつの旧家でありながら今は没落した「斧屋」の母子が、「藤屋」に引き取られるところから話が始まり、15年後の現在までのすさまじい家族の物語が詳らかにされていきます。 とにかく、これでもか、これでもかというくらい、家族間のドロドロした話が出てきます。無理解、悪意、虐待といった意識的なものから、良かれと思ってしたことがかえって相手を傷つけたり、追い詰めたりするような無意識的なものまで、夫婦、親子、兄弟だからこそ起こりうる激しい愛憎(特に憎の方)で、読んでいて息苦しくなるほどです。 多聞が26歳になった現在、それまで(子供だったこともあって)知らなかった事実が次から次へと明らかになっていき、ぐいぐいと話に引き付けられて一気に読了しました。 ただ、身内間だからこそ感じる負の感情が苦手な方は、読後感が良くないかもしれません。 | ||||
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「鳴いて血を吐くホトトギス」からの題名なんですが、 題名だけでちょっとやられちゃいましたが、読んでみたらもっともっとやられました。。。 舞台は現代なんだけど、ますます閉塞した田舎では村八分も座敷牢もまだまだ健在で、 そんな中で、一見普通に見える女の底知れない怖さ。 いかにも無節操な女のあけっぴろげな怖さ。 閉鎖的な世界に束縛され翻弄され違う世界に旅立って結局田舎に引きずられ 堕ちていく実菓子・・・ この本を誰かに薦めるだけの勇気はないくらいに衝撃的でした。 数日間頭の中に靄がかかったかも・・・ 勇気のある方・・・トライしてみてください(笑) | ||||
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最近読んだ本の中でとくに面白かった本でした。 暗くて、閉鎖的で、憂鬱で、ドロドロで・・・。 恐いものみたさの気持ちがあって、決して薄くはない本ですが一気に読んでしまいました。 すべての「田舎」がそういうわけではないでしょうが、 こういった古い因習や慣例といったものは日本中の至るところに残っているのかもしれませんね。 多かれ少なかれどの家族も縛られ、息苦しく、束縛されているのかもしれません。 だけど希望もたしかに家族の中に存在しているのだとも感じました。 血を絶やさないことの唯一の理由なのでしょう。 いい意味でヘトヘトに疲れる本です。 また読みたいと思える作家さんと出会えました。 | ||||
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千街晶之氏による週刊文春のレビューで推奨されていた(おぼろげな記憶だが・・・)を見て読んだが、これは拾い物だった。 主人公多聞とヒロイン実菓子の織りなす深い心の闇がなんともゾクゾクさせるドラマを紡ぎ出しており一気読みさせられた。 残念ながら各種ベストテン選びには全く挙がらなかったが、これは2012年度の収穫のひとつに数えられるべき秀作だと思う。 連城三紀彦とか、ちょっと毛色は違うものの最近の作家でいえば桜庭一樹あたりが好きな人には特にオススメだろう。 | ||||
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