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宿屋めぐり



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【この小説が収録されている参考書籍】
宿屋めぐり (講談社文庫)

宿屋めぐりの評価: 3.95/5点 レビュー 22件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.95pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(2pt)

告白好きでも

告白が好きでも、これはどうかな。
告白はストレートに読めて、とても面白い作品だったけど、
宿屋めぐりについては、もう、何が何だかわからないうちに終わった。
ページをめくるのもしんどかった。
宿屋めぐり (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:宿屋めぐり (講談社文庫)より
4062773074
No.3:
(2pt)

終盤の表現が有害図書レベル。

この書物、長編小説「宿屋めぐり」は過去の長編小説「告白」に次ぐ物。
「告白」より単行、文庫は頁数が落ちるが、分割されることなく分厚い
文庫で読んだ。文庫は解説があるのも良いし。

この作品は、「告白」「パンク侍〜」等の一連の時代物と同時期に
作品執筆されていたようで、被る様な台詞も多々ある。その上、休筆
されていた期間が数年と長く、7年掛けて単行化されたようだ。

話の進み方は(リズムと言うのか)かなり上手いが
全体的な纏まりはあまり感じられず、ありえない急の展開が多い。
彼独特の造語(当て字)や、意味不明な文体、常用外の漢字・言葉などは
調べても何処にも載ってない言葉もある。この辺は他の読者はスルーするのか
私は気になって仕方が無い。

主人公が芸人になる辺りまでの話は比較的面白みがあり、テンポも良い。
町田氏の粋な文体が特に好きで、同じ関西人として気持ちが良い。

この本書のピークは「贋の世界」にばまりごんだ少々横柄な主人公が
その世界で出会う人間たちに騙され貶められ、あらぬ罪障を背負って行き
主人公の仕事であった太刀奉納の太刀を盗んだ偽善者である「別鱈珍太」に
逆襲、報復、拷問するシーンだと思うが、表現の自由なのか何なのか
今までの町田氏作品のレベルの表現の度を遥か超えて、有害図書並みにグロテスクである。
この表現でも賞は取れるのか・・・。残忍度では最高度と言っても誤りは無い。
町田氏が持余す最大限の言語の残忍さで、大人の私でも凍りつくレベルである。
学生、婦女子なんかには到底勧められないし、これを何とも思わない他のレビュー者は
冷酷人間で、所詮パラパラ読み。
本書は安易に手は出さない心得も必要であると警告する。それ故、評価は低い。
(終盤の表現を見て、態勢派の私でも中途放棄も考えたほど。)

悩みながらも利益利潤優先で行動をしてしまう主人公は、何ら私らと変わらない。
人は迷いながら、失敗しながら痛手を負い、それでもまた改めながら生きて行く。
その様の主人公は「人現模様」そのものではないだろうか。
最後こそ主が見捨てるなど、「主」も「主」ではないような気もする。
何処までも救いの手があり、最早「菩薩の域」が「主」でありたいと願うのは間違いか。。。

主人公を騙し貶めた連中は主の使いで、別鱈珍太は本物の偽善者だったのか?
その辺がピークなのに、主人公の揺るぐ思念の文面が長々と続き「結局は何?」と
突っ込みたくなるその渦は、町田氏文体の特徴でもあり彼の長編の証。

結句、主人公は道理一つ間違えてはいけない主の創造で駒でしかないのか。。。悲しいな。
例えば、自分を救ってくれた人間が処刑されるなら、助けに行く覚悟で自分も死なないと
それは正義でないの?真実でないの?違うような気もする。あくまで冷静に。

終盤面白おかしく書いている文面と、極まった文面とが交錯し過ぎて肝心の小説の軸が相殺され
弱まっている感がある。ラスト何かは漫画並みの描き方で、長編の割りにかなり締めが弱い。
ラストの締めがもう少し極まっていて欲しかった。長編だけに物惜しい。
宿屋めぐり (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:宿屋めぐり (講談社文庫)より
4062773074
No.2:
(1pt)

…迷っている?

町田作品はどれも面白く何度も読み返しているが、これは1度で十分。いや、1度でタクサン。いやいや、途中で「もうケッコウ」と何度もつぶやき、投げ出しそうになった1冊。
エラそうなことを書いて申し訳ないのだが、なんだか完成作ではないような作品、だと思った(完成度が低い、という意味ではないが…)。書きながら作者が迷っているというか、面白がっていないというか…。だからなのか、作品がスカッと提示されきっていないというか…。他の作品はいつもスカッとキレているので(切れ味が心地良いので)、町田ファン私としては戸惑った。今までの本と一見似ているが、まったく違う1冊。もしかして『宿屋めぐり』は新しいスタイルへの試み?実験作?な〜んて妄想してもいる。

本の造りは素晴しい!町田康の本にぴったりな世界感。このまんまでオブジェである。
宿屋めぐり (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:宿屋めぐり (講談社文庫)より
4062773074
No.1:
(2pt)

文章の素晴らしさは理解できるが、小説としてはついていけない

初めての町田作品。文章の巧さは飛びぬけていて、同世代の作家から完全に頭一つ抜けてるなと思わせる力量を感じる。その新鮮さゆえに、冒頭からいきなり物語に引き込まれたものの、読み進むにつれ、主人公が作者に動きまわされている感じが次第に強くなり、物語世界に入っていくことができなかった。

金原ひとみの実験小説のような「AMEBIC」とは違い、町田作品ぶっ飛んではいるが『本物』であることに異存はない。ただ、個人的にはきつかったな。先ずは、『告白』から読まないと。初めての人には、いきなり本を買うのは薦めないな…。
宿屋めぐり (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:宿屋めぐり (講談社文庫)より
4062773074

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