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宿屋めぐり



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【この小説が収録されている参考書籍】
宿屋めぐり (講談社文庫)

宿屋めぐりの評価: 3.95/5点 レビュー 22件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.95pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全22件 1~20 1/2ページ
12>>
No.22:
(5pt)

期待通り

面白い
宿屋めぐり (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:宿屋めぐり (講談社文庫)より
4062773074
No.21:
(4pt)

私には町田氏の文体がツボです。
この作品はちょっと怖い内容です。
宿屋めぐり (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:宿屋めぐり (講談社文庫)より
4062773074
No.20:
(2pt)

告白好きでも

告白が好きでも、これはどうかな。
告白はストレートに読めて、とても面白い作品だったけど、
宿屋めぐりについては、もう、何が何だかわからないうちに終わった。
ページをめくるのもしんどかった。
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4062773074
No.19:
(5pt)

カラマーゾフの独りっ子

魂の救済!
否、畢竟知らんと放擲されるのだけれども。
死により生が香る、それは感動です。
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4062773074
No.18:
(5pt)

娯楽として読める

町田康の文章はでたらめに書いてあるようで、要点はしっかりと把握している。でたらめに書いてあるようなところも、むしろ一種のギャグとなっている。
 日本らしいところが舞台なのだろうという設定以外は、時代も状況も設定がムチャクチャになっているのだが、それがある種現代日本の心情を反映していて、そこが前衛的な面白さがあるのだろうとか思われる。
 この本も、よんでいると、これはどういう小説なのだというような表現が出てきて、荒唐無稽ではあるのだが、読み取られる意匠は確固としてある。読んでいて笑えるところがいっぱいある。分厚い本だが、読み甲斐はたしかにあった。
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No.17:
(2pt)

終盤の表現が有害図書レベル。

この書物、長編小説「宿屋めぐり」は過去の長編小説「告白」に次ぐ物。
「告白」より単行、文庫は頁数が落ちるが、分割されることなく分厚い
文庫で読んだ。文庫は解説があるのも良いし。

この作品は、「告白」「パンク侍〜」等の一連の時代物と同時期に
作品執筆されていたようで、被る様な台詞も多々ある。その上、休筆
されていた期間が数年と長く、7年掛けて単行化されたようだ。

話の進み方は(リズムと言うのか)かなり上手いが
全体的な纏まりはあまり感じられず、ありえない急の展開が多い。
彼独特の造語(当て字)や、意味不明な文体、常用外の漢字・言葉などは
調べても何処にも載ってない言葉もある。この辺は他の読者はスルーするのか
私は気になって仕方が無い。

主人公が芸人になる辺りまでの話は比較的面白みがあり、テンポも良い。
町田氏の粋な文体が特に好きで、同じ関西人として気持ちが良い。

この本書のピークは「贋の世界」にばまりごんだ少々横柄な主人公が
その世界で出会う人間たちに騙され貶められ、あらぬ罪障を背負って行き
主人公の仕事であった太刀奉納の太刀を盗んだ偽善者である「別鱈珍太」に
逆襲、報復、拷問するシーンだと思うが、表現の自由なのか何なのか
今までの町田氏作品のレベルの表現の度を遥か超えて、有害図書並みにグロテスクである。
この表現でも賞は取れるのか・・・。残忍度では最高度と言っても誤りは無い。
町田氏が持余す最大限の言語の残忍さで、大人の私でも凍りつくレベルである。
学生、婦女子なんかには到底勧められないし、これを何とも思わない他のレビュー者は
冷酷人間で、所詮パラパラ読み。
本書は安易に手は出さない心得も必要であると警告する。それ故、評価は低い。
(終盤の表現を見て、態勢派の私でも中途放棄も考えたほど。)

悩みながらも利益利潤優先で行動をしてしまう主人公は、何ら私らと変わらない。
人は迷いながら、失敗しながら痛手を負い、それでもまた改めながら生きて行く。
その様の主人公は「人現模様」そのものではないだろうか。
最後こそ主が見捨てるなど、「主」も「主」ではないような気もする。
何処までも救いの手があり、最早「菩薩の域」が「主」でありたいと願うのは間違いか。。。

主人公を騙し貶めた連中は主の使いで、別鱈珍太は本物の偽善者だったのか?
その辺がピークなのに、主人公の揺るぐ思念の文面が長々と続き「結局は何?」と
突っ込みたくなるその渦は、町田氏文体の特徴でもあり彼の長編の証。

結句、主人公は道理一つ間違えてはいけない主の創造で駒でしかないのか。。。悲しいな。
例えば、自分を救ってくれた人間が処刑されるなら、助けに行く覚悟で自分も死なないと
それは正義でないの?真実でないの?違うような気もする。あくまで冷静に。

終盤面白おかしく書いている文面と、極まった文面とが交錯し過ぎて肝心の小説の軸が相殺され
弱まっている感がある。ラスト何かは漫画並みの描き方で、長編の割りにかなり締めが弱い。
ラストの締めがもう少し極まっていて欲しかった。長編だけに物惜しい。
宿屋めぐり (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:宿屋めぐり (講談社文庫)より
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No.16:
(5pt)

俺には俺の人生があるのだ。それはけっこう駄目な人生だが。

一気に思いつくまま書き上げるような短編小説も良いですが、本書や「告白」のようなじっくり腰をすえて書き上げた長編小説には、短編小説にはない腹にずしりとくるような読後感があり、本を読んだ後の幸福感は長編小説の方が後を引きます。
 分厚い本書を手に持ったときに感じる重量感が、読み進めていくにつれ、心に侵入するくにゅくにゅした重みへと変わっていく感触があり、なんとも愉しいです。
 本書の主人公は、町田康の他の作品同様、あらゆる災難・濡れ衣を着せられる巻き込まれ型タイプです。
 しかし、本書の主人公は、苦難を避けイージーな方向へ進みたいのに災難に巻き込まれるうち、ポジティブな考えを持つようになります。
 たとえば
「もう一度生きようと思った。あの時のガッツを思い出せよ、俺。」
「考えてみればこの世界に落ちて以来、俺はどこか欺瞞的だった。どうせ贋の世界だ、と思って退嬰的な言動をとっていた。人間はそんなことではだめだ。いずれいま生きているところが真実・真正の世界だと思って行動しなければ人生そのものが嘘になる。いく先には様々な困難が待ち受けていることだろう。でもそれを恐れて欺瞞的に生きるより困難にたち向かって生を実感していた方がよい。いやあ目が覚めた」
 などと言ったりしてやる気を爆発させるのですが、調子が良くなり贅沢な暮らしをし始めると自分の行動を正当化する考えを持つ。
「俺は自分のためだけを考えて行動しているのではなく、他人のために生きる。義のために生きる。ということも少しはやっているのであって、主はそこのところを評価してくれるはずと思うのだ。俺はこの嘘と本当が二重写しになったような世界で、あの世のホンマとウソを我と我が身で抱え込んでこの世のホンマとウソをひっくり返しているのだ。」
 理想と現実のハザマで苦悶するまさにリアルな人間の生き様です。
 さて人間はいったいどのように生きればいいのでしょうか。
 本書におけるその答えは、「知らん。自分で考えろ」
 
宿屋めぐり (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:宿屋めぐり (講談社文庫)より
4062773074
No.15:
(5pt)

誰も救われない

町田康さんの「告白」は分厚い長編だったけど、この宿屋めぐりはさらに上を行く600ページ超の大ボリューム。
僕は最初これを読み始めた時、途中で挫折してしまって、再びページを開いたのは、しばらく経ってからだった。
文体はいつもの町田節。くにゅくにゅの皮の世界へばまりこんだ主人公鋤名彦名の旅の物語。
初めは、社会の不条理を説いた、町田さん得意テーマの小説なのかと思い読んでいた。
ところが物語が終盤に近づくにつれ、どうもおかしい。
不条理を訴えている側の鋤名彦名がどんどん窮地に追いやられていく。
そして、ラストシーンでの主との会話。
不条理と戦っていたはずの鋤名彦名は、己こそが滅びに至る広い道を歩いていたことを諭される。
この主がどことなくキリストを彷彿とさせるのだけど、それだけではなく、仏教の輪廻思想や解脱と受け取れるような内容もあり、これはもしかしたら、町田さんの宗教観や死生観をテーマにした小説なのかもしれないと、読み終えてから思い直した。
この物語の中では結局誰も救われない。皆が皆、原罪を抱え、それぞれの破滅の形へと向かって行く。
壮絶な小説だ。町田さんにしか書けない圧倒的な作品だと思う。
宿屋めぐり (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:宿屋めぐり (講談社文庫)より
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No.14:
(4pt)

もっと、もっとと、ぱまりこむ。

町田パンク精神ワールドにすっかりぱまりこんだ、普通の人であるわたくし。告白の描く未知の精神世界を文章化した町田氏の筆力には感動した。今作にはさらに冷静な筆者の筆による勝手気ままに流動する主人公の「主義」の移ろいを「ありえない世界描写」「奇天烈な時代と場所」で想像するにも、困難な場面展開がぐるぐ〜ると回転し、パンクのリズムで進行する。
 告白でこの麻薬にすっかり慣れたはずのわたしにもあちこちで頭が痙攣した。そしてだんだんこの麻薬文章にもぱまりごんでしまった。今頃気づいたが、町田ワールドでは漢字の的確な当て込みがキラキラ光るように世界構築に活かされている。例えば
王裂=おおさかなどのように。古典文学に通じていなければ読めないような正統派の言葉遣いもそうだ。単なるパンク野郎、いや一般人には読めない作品となっている。これらは辞書も引けないしね。そうなるとどうなるか分からずにとにかく読み進むことになる。誤解したまま読む進むことになる。いいのか?それで!?
 それで、いいのだ!バカボンのパパの金言通りに訳わからなくても、精神は通じるのだ。英語が分からなくても映画が観れるのだ。なんで?そんなこたぁ、人の心、精神ってもんがそんなもんだから。
 さて、宿屋めぐりを映画化するつわものはいないか?!だれかいないか?!アニメならどうだ?!いけるんじゃないか!?
いや表紙のような日本人形による人形劇が良いのではないだろうか。あの気味の悪い眼、おっと深い思いのありそうな眼とたたずまい。イケそうな気がする。
 ★ひとつ減らしたのは、告白での筆に緩みが全くない完璧なワールドが、今回は後半から終結に向けてやや「ためらい」というか、詰めに「普通さ」や「まとめ!」がみられたこと。町田麻薬も限界なのか?もっと、もおおっとですよ。最後まで。
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No.13:
(3pt)

非常に不思議な本だった・・・。

代表作「告白」を読破し、その素晴らしさに感動した。
さて、次は、もうひとつの長編「宿屋めぐり」だと、図書館で借りて読破しました。

読んだ人は分かると思いますが、非常にこの本、厚いです。
ちょっと躊躇しちゃうくらいの量だけど、とりあえず、無事読み終わった後の感想としては、少し難解かな、と。

町田康ワールド全快なんですが、起きている状況がマニアック過ぎて、少し「?」な部分もありました。

ところどころに聖書の引用があり、モチーフとして使っているところが伺えます。
「虚」と「実」、「うそ」と「まこと」、「真実」と「贋」・・・。
このふたつのフレーズが頻繁にでてきて、町田康の思想がこの世のたてまえとか、社交辞令とかを敵視しているかのように見えます。

この本くらい、その「うそ」と「まこと」を徹底的に描いている本はちょっと無いかも。
どんな、些細なうそ(それが、リップ・サービスでも)、町田康は容赦しません。

この本の前では、一切のたてまえは、通用せず、まる裸になってしまいます。

難しい本ではありましたが、普通の本に飽きている人にはお勧めかもしれません。
宿屋めぐり (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:宿屋めぐり (講談社文庫)より
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No.12:
(1pt)

…迷っている?

町田作品はどれも面白く何度も読み返しているが、これは1度で十分。いや、1度でタクサン。いやいや、途中で「もうケッコウ」と何度もつぶやき、投げ出しそうになった1冊。
エラそうなことを書いて申し訳ないのだが、なんだか完成作ではないような作品、だと思った(完成度が低い、という意味ではないが…)。書きながら作者が迷っているというか、面白がっていないというか…。だからなのか、作品がスカッと提示されきっていないというか…。他の作品はいつもスカッとキレているので(切れ味が心地良いので)、町田ファン私としては戸惑った。今までの本と一見似ているが、まったく違う1冊。もしかして『宿屋めぐり』は新しいスタイルへの試み?実験作?な〜んて妄想してもいる。

本の造りは素晴しい!町田康の本にぴったりな世界感。このまんまでオブジェである。
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No.11:
(4pt)

殺風景

「現在位置の自覚をせんと結果は容易に予想できる。」
ナンバーガールの歌からの引用です。

読みながら僕と主人公がどこにおるのか容易に見失います。

リズムでしかない。
そして救いようがない。

ただひたすら「どうにかしよ」でなく「どうにかなる」。
その先が気になるので着いていく。

分厚い本ですけど、乗ってしまえば無茶苦茶読みやすいです。

この調子でどんどんください。
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No.10:
(5pt)

ああ〜、人間ってやつは…

これはもう、たまらなく面白いです。町田さんの『怠けているうちに、いつの間にか社会的に孤立して、何とか立ち直ろうとしても、酒などに溺れてしまい、それでも感受性だけは残っていて、常に自己矛盾にさらされて生きている人』の辛さみたいなものがひじょうに良く伝わってきます。主人公は、神様に超能力を与えられたり、それでやりたい放題やったりしますが、当然、虚しさが残ります。その辺のところをいろいろな娯楽的なエピソードを使って描いていて楽しめます。神様に翻弄される弱い人間ということですが、そこに町田さんの人間愛も加味されて面白く仕上げられています。お勧めです(『七つの習慣日記』てんてんまるどん)。
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No.9:
(5pt)

小説という壮絶な宿屋めぐり

町田康って太宰治の生まれ変わりじゃないかって、時々思う。単純に影響受けてるとかじゃなくて、メロスから魂のバトン渡されてしまったみたいな。
 乱暴に要約してしまえば「私利私欲と保身のための嘘まみれの世間に違和感を覚えながら、嘘をつきたくない誠意と、弱者が苛められるのを許せない正義感と、他人を喜ばせたいという本能からなる行いは全て裏目に出て、世間のルールから逸脱し、結果的に自分のほうが嘘つきになって、軽蔑されてしまう」ということを繰り返し語る語り手の、その読者を喜ばせようという必死のサービスが、全て言語においてなされている。ああ、日本語は、言葉はこんなにも多彩に人を虜にするものか、こうして一行一行一字一句、全く気を抜かずに新しい言葉を紡ぎ、並べ、あらゆる角度からツボ刺激されるともう、何だか申しわけないくらい……という感嘆のうちに、気がつくと、自分という読者が主人公鋤名彦名にぴったりと隙間なく重なって行くという幻覚。
 とにかく600頁全く飽きさせずに読ませる技は、早逝した太宰にはない資質だったなあ。嘘まみれの世の中に、一見嘘まみれの、その実嘘のない小説を書くという宿屋めぐりを、町田康には続けてほしい!
宿屋めぐり (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:宿屋めぐり (講談社文庫)より
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No.8:
(3pt)

何度も読むと私は★が増えていく気がする

発売日に本屋に走りました(半年前でスンマセン)けど、ちょっと途中で飽きてしまいながら読みました。毎回町田さんの本は面白すぎて一日で読んでしまう(むしろとめられない)んですけど、二週間くらいかかったかな。流石にこの分厚さは長い。しかも執筆活動が長かった分、あれれ?忘れててつじつま後であわせたでしょってところがあったりして残念です。七年もかけないでぶわーっと書いたもののほうが私は好きです。
 告白やパンク侍は笑いどころのオンパレードでしたが、これはそうでもないです。爆笑したのは2.3回。
 それでもなお読む価値はあると思います。正直私には難しすぎて作者の意図するところの10分の一も伝わってないんだと思いますが、主人公の行動は一見「そんな奴いね〜よ!」ってほど最低ですが、自らを省みて頭のいたくなるところが多々あります。
 結局宿っていうのは魂が入る先のことで、外見や周囲の者によって「俺」になったり「僕」になったり「アタシ」になったりしていく人間の曖昧さが書かれていました。この宿じゃなかったら違う人格になって、その自分を守るために言い訳したりしてズルく生きてるのが人間。自分なんて正しくないんだぞ、自我とか抜かしてんなボケ!ってこと?結局町田さんですね〜。もう一回読もっ、でも長いからなかなか手をつけられないです。
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No.7:
(2pt)

文章の素晴らしさは理解できるが、小説としてはついていけない

初めての町田作品。文章の巧さは飛びぬけていて、同世代の作家から完全に頭一つ抜けてるなと思わせる力量を感じる。その新鮮さゆえに、冒頭からいきなり物語に引き込まれたものの、読み進むにつれ、主人公が作者に動きまわされている感じが次第に強くなり、物語世界に入っていくことができなかった。

金原ひとみの実験小説のような「AMEBIC」とは違い、町田作品ぶっ飛んではいるが『本物』であることに異存はない。ただ、個人的にはきつかったな。先ずは、『告白』から読まないと。初めての人には、いきなり本を買うのは薦めないな…。
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No.6:
(5pt)

自分史上最高

ちょっと嘘ついて見栄はっちゃったけど、この嘘バレたらどうしよとか、自分より立場の低い人にはいばったりとか、誰も見てないからいいだろとか。すべて精神の弱さからもたらされる、思い返すと自分はちっぽけだなと感じさせられるような小さな後悔が産まれる、人間の行動が全て書かれている。読み終わって熱が出た。
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No.5:
(4pt)

「告白」には及ばないが・・・

名作「告白」にはおよばないと思いますが、町田康しか書けない、ぶっ飛んだ世界を展開してくれます。
年を経るに従い、物語の世界が深化してきているのは素晴らしいのですが、笑いの要素が少なくなってきているのは、ちょっとさみしい感じもしますね。
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No.4:
(3pt)

次回作に期待

町田康の作品は大好きでほぼ全部読みましたが、これはどちらかと言えば失敗作という印象です。町田節が炸裂していて面白い部分もあるものの、全体としては散漫な印象を免れず、また町田氏自身の自我が前面に出過ぎているような気がして、小説としては出来が悪いように感じました。「告白」がよかっただけにかなり期待して読んだのですが、わたし的にはハズレでした。どこかで町田氏ご本人が、「小説を書くときは一作に集中しないとだめ」とおっしゃっていましたが、これがそのだめな例かな?と思いました。もしくは時間をかけすぎて収拾がつかなくなったのかも知れませんが。ほかの町田作品を読んだことのない方にはお勧めしません。
宿屋めぐり (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:宿屋めぐり (講談社文庫)より
4062773074
No.3:
(5pt)

「告白」が好きな人は読むべし!

主人公は徹底的にダメな人です。
人を騙し騙されて、調子にのるとやりたい放題。
で、思い通りにいかないことには必ず誰かのせいにして言い訳をし、自分の悪行を正当化しようとするとこなんかサイテーのクズ。
クズクズバカバカ思いながら読んでたんだけど、
でも、うまくいかないことを社会や他人のせいにしたりすることって誰にでもあるし、
そんな自分に気づいちゃうと主人公の心の葛藤も主の言葉も一つ一つが胸にしみて、言い当てられたようなバツの悪い感じもある。

ふざけた話のように思えるけど、たまにズシンとくることが書いてあります。
こういうふうにとんでもない展開のおふざけの皮をかぶせて、
人の生きる道の確信的なとこをついてくるなんて町田康にしかできない技だ。
終盤は「生きるとは」「自分とは」と人生の本質とは何かを訴えかけるようなずっしりとした重みのある、芯のしっかりした作品でした。

久々に寝食がおごそかになるほど読み応えのある本に出会ったような気がします。
宿屋めぐり (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:宿屋めぐり (講談社文庫)より
4062773074

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