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ウルトラ・ダラー
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ウルトラ・ダラーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.49pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全70件 21~40 2/4ページ
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本書ひいては著者には様々な評価があるようだが、私は本書を楽しんだ。一流のスパイ小説と呼ばれるものを邦訳で何冊か読んだことがあるが、どれも訳がしっくりと来なかった。その点、本書は日本語によって書かれたスパイ小説であり、しかもこれだけの質の日本語によるスパイ小説はやはり初めてだったのではないだろうか。舞台設定も日本人、そして元NHK記者としての筆者ならではのものである。日本と北朝鮮、中国との関係、在日、防諜意識の低さ、そしてディテールを飾る豊かな日本文化などなど、日本人、そして日本をよく知る者だけが楽しめる内容になっている。 本書で描かれたインテリジェンスの世界がどこまでフィクションでどこまでが現実なのか、私には分からない。ただ、実在する人物と組織を用いてフィクションと現実を織り込ませる手法は実に見事である。本書の主要登場人物の一人である外務省局長のモデルは明らかであり、著者はこの小説を用いて何らかのメッセージを送っているのかなどと考えをめぐらしてみるのも楽しかった。そして私は、主人公スティーブンの描写を高く評価したい。後半まで容姿端麗、頭脳明晰な絵に描いたような完全無欠の情報工作員だったわけだが、最後にはそんな彼も人間であり、人間であるからには個人的な関係に流され、過ちも犯してしまうということが明らかにされている。ラストシーンはやはり安易に過ぎるし、あまり現実味を感じなく、残念だったが、インテリジェンスが極めて人間臭いものだという著者のメッセージは十分に伝わっている。これは良書である。 | ||||
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ずっと気になっていた本を手に取ってみた。 思っていたよりも、、、おもしろかった。 もっともっとエンターテインメントしててもよかったけど、何せ実際のインテリジェンスに触れていた人の書いた本だからそれは難しいのだろう、でもそこを差し引いても楽しく読めた。 小説の世界にいるスーパーマンは出てこないけれども、実社会にはいる秀才が主人公。 最後のシーンもボク的には許容範囲。 あとがきもなかったけど、まあいいか。 | ||||
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評判を見て予想していたよりも 面白かったです。 ウルトラダラーが現実の話なのかしらと 思わせてくれますし、実際はもっと深刻な 外交駆引きが行われているのではと 想像が掻き立てられます。 情報量が多いですが、テンポがよく 一気に読めました。 | ||||
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同時多発テロ時NHKのワシントン局長として一躍有名になった手嶋氏が北朝鮮から流れるウルトラダラーと呼ばれる性向な偽札の謎について、取材および独自の解釈を加えて描いた作品。 主人公の日本人とせず、BBCの記者の顔を持つ諜報員とし、彼や彼の周りのCIA、内閣官房、外交官、その他さまざまな人物を通し、日本の拉致問題やウルトラダラーの目的、その黒幕について、見事に書かれている非常に読み応えのある小説ではある。 どこまで本当なのか、もしかしたらこれが真実なのか。そう思わせる力量はある。 しかし、話があまりに多岐にわたり絞り込まれておらず散逸になった部分があるのが残念。 それでも多くの小説家が書く同じような題材の小説に比べて全く遜色はなく、大部分の本職の小説家より上手いと感じた。 | ||||
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新種のドル偽装の真相を追い求めるというインテリジェンス小説です.主人公の英国情報部員はBBC放送の特派員という肩書きをもって日本で暮らしているのですが,日本語ペラペラでモテモテ,しかもいくら取材とはいえ外務省や内閣府にたびたび足を運んでいたのではさすがにあやしいでしょうという気がしますが,そこは小説ですね. この主人公を中心として,様々な人たちが関わり合ってくるのですが,駆け引きあり,二重スパイありと,一体誰が本当の事を言っているのかハラハラドキドキの展開で一気に読み終わってしまいました.著者の経歴を鑑みてどこまで本当で,どこからフィクションなのか分からないところも一興です. あくまでも知的な駆け引きで終わって欲しかったのですが,暴力的な終わり方はちょっと残念でした. | ||||
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"ダラー"とは100ドル札のこと。 "ウルトラ・ダラー"とは新しい偽100ドル札のこと。 BBC東京特派員である主人公は、 日本にいて「北」の行う偽ドル札造りを追いかける。 「北」は紙幣印刷機も偽札検知装置も手に入れ、 必要な人は「拉致」もするし、脅迫も。 日本人を主人公にせず、英国人に任せるあたり やりすぎるとある方面からの標的にされかねないからか。 それにしても内容はおもしろく あっという間に読切ってしまう本です。 | ||||
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「インテリジェンス武器なき戦争」佐藤・手嶋対談の新書を読み、興味を覚えてこの「ウルトラ・ダラー」を手に取った。まさに虚実皮膜、そのブレンドのおもしろさがある。 話は浮世絵オークション会場から始まる。どういう展開になる?オークション描写自体にも仕掛けがあって、それ自体おもしろい。印刷工の失踪(1968年)、紙幣用紙の盗難(1988年)、凹版印刷機購入先の謎(1989年)、高級美術印刷会社社長の行方不明(1990年)という時間軸の伏線の後、2002年、BBC東京特派員のスティーブンに、疑惑100ドル紙幣露見のニュースが送信されてくるところから、ウルトラ・ダラーが動き出す。 スティーブンが、高遠内閣官房副長官、瀧澤アジア大洋州局長、大学の同窓で今はアメリカ財務省のシークレット・サービス捜査官コリンズそれぞれとインテリジェンスの駆け引きと展開が読みどころ。その会話が二重三重の意味を帯びてゆく。情報源を明かさずに目指す情報を得ようとするギブ&テイク、一方で、北朝鮮による偽造ウルトラ・ダラーの狙い解明と対応阻止の協力行動。ウルトラ・ダラーが東アジアでの外交戦略と安全保障の構図に緊密に絡んでゆく。思わぬところに仕掛けがあり、ぐいぐい引き込まれていった。 国家戦略の駆け引き、隠された部分に慄然とさせられる。日本外交に対する著者の厳しい批判の眼もストーリーに組み込まれている。この本を読んだ後、松村テクノロジー社長松村喜秀氏の「犯罪に立ち向かうテクノロジー」というネット連載(日経BP・SAFETY JAPAN:第2,3回)を見つけ、偽造紙幣に一層現実味が加わった。 | ||||
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佐藤 優氏との共著『インテリジェンス 武器なき戦争』によれば、本作品は「嘘のような本当」と「本当のような嘘」をうまく混ぜ合わせ、「日本人にインテリジェンスの現実を気づかせ」るために書かれたらしい。 単なるエンターテインメントとしてもそこそこ読める作品であるが、上記の点を踏まえれば面白さも倍増すると思う。著者が一番訴えたかったのは中国の意図だと素人の私には思えるが、そう単純なものではないかもしれない。 | ||||
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「小説家」としてのキャリアが殆どない著者だけど、最後のページまでクライマックスを引っ張り続けた点は「素人小説家」としては頑張ったもんだと思う。(実際の諜報員ならこんな軽はずみな行動は絶対にしないと思う箇所がクライマックスにはいっぱいあるが(笑)。) この著者はよほど小泉首相訪朝時の密室外交が気に食わないらしく、その時代の外務省を批判する文章を文芸春秋あたりに幾つか書いているが、そういった文章と併せて読むと、この小説はある特定された当時の関係者達に向けた告発小説として構想されていることがよく分かる。その辺はやはりジャーナリストが書く小説という感じではある。 それにしても、NHKワシントン支局長というのは、そんなに各国の機密情報を集めようとすれば集まるポジションなのだろうか。彼が直接握っている「インテリジェンス」の鮮度は時間と共に落ちるので、今が旬の人なのかもしれない。 | ||||
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同時代性という事情を鑑みるとよくできた読み物と評価したいと思います。 確かにフィクションとしてみると(濡れ場を含めて)一般ウケする小説は たくさんあると思います。海外で暗躍する無名の日本人を題材とした小説は よくある設定ですが私が評価したいのは、日本に暗躍する外国人を主人公とした点です。 登場人物が浮世離れしているというご意見もありますが、キャラもけっこう立って いると思います。予備知識なしでフィクションとしての楽しみを期待されるのなら 失望される方もいらっしゃるかと思いますが、ある程度ノンフィクションを読む方 であれば、フィクションであるが故曖昧になるディテールがしっかり書かれている 点で楽しんで読むことが出来るのではないでしょうか。 内容の硬さが壁になりノンフィクションに手を出せない方にとっても違和感無く 読める作品に仕上がっています。 | ||||
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全体的にストーリーから脱線したどうでもいい話が多いため、 ややテンポに欠けるとはいえ、 中盤から終盤にかけての物語の盛り上がりはおもしろい。 国際情勢をめぐる問題に、 様々の立場の人間が入り乱れ、 それぞれの利害でうごめいていく様相と、 単なる偽札づくりにとどまらない、 問題の広がりはなかなかおもしろい小説だった。 読んで損はない本だと思います。 | ||||
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全体的にストーリーから脱線したどうでもいい話が多いため、 ややテンポに欠けるとはいえ、 中盤から終盤にかけての物語の盛り上がりはおもしろい。 国際情勢をめぐる問題に、 様々の立場の人間が入り乱れ、 それぞれの利害でうごめいていく様相と、 単なる偽札づくりにとどまらない、 問題の広がりはなかなかおもしろい小説だった。 読んで損はない本だと思います。 | ||||
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大変面白く読んだが 若干の戸惑いもあった。本書は スパイ小説なのか事実に近いノンフィクションなのかが 読んでいてはっきりしなかったからだ。 スパイ小説だと考えるなら もっと上手い書き手はいくらでも居る。手島は少なくとも小説家の資質が飛びぬけているわけではない。「創作された小説」として読むなら細部に詰めの甘さも感じるし サスペンスの盛り上げ方も幼い。またもっとエンターテイメント性も出すはずだ。手島が時折サービスのように挿入するエンターテイメント的な場面はいささか浮いている。照れていると言って良い。やはり ジャーナリストという出自だからであると思う。小説家とジャーナリストは 同じように言葉を武器としても まったく「文法」が違う。 一方 ジャーナリストが書いたノンフィクションかというと それは有り得ない。例えば登場人物でもモデルを特定できる人も出てくるが その中身はおそらくフィクションである。この内容が全てこのまま本当だったとしたら かような本などは発行されないし 手島自身がどうなってしまうのかわからないと思う。 この本の面白さは「どこまで創作なのか わからない」点にある。これは「どこまで本当なのか わからない」と言う言い方と 同じ事を言っているようで 実は全く違う。 創作だと思っていて読んでいるだけでは読み取れないということだ。 本全体に流れる一種の「説得力」を感じてしまうと「もしかしたらこの部分は本当かもしれない」と思わされてしまう事がしばしば出てくる。おそらく手島は 解る人には解るような書き方をしているはずだ。そんな 手島のウインクが 端々に感じられる。 | ||||
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久しぶりに面白い本を読ませて頂きました。最近の政治情勢をニュースで触れている者からすれば、なんとなくダブル登場人物も多いのではないでしょうか。荘だったのかぁ、そうなのかもしれない・・と思いながら、半ばから後半に一気に読めます。佐藤優さんが解説されているようにインテリジェンスの本格的な本だと思います。 | ||||
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大変面白く読んだが 若干の戸惑いもあった。本書は スパイ小説なのか事実に近いノンフィクションなのかが 読んでいてはっきりしなかったからだ。 スパイ小説だと考えるなら もっと上手い書き手はいくらでも居る。手島は少なくとも小説家の資質が飛びぬけているわけではない。「創作された小説」として読むなら細部に詰めの甘さも感じるし サスペンスの盛り上げ方も幼い。またもっとエンターテイメント性も出すはずだ。手島が時折サービスのように挿入するエンターテイメント的な場面はいささか浮いている。照れていると言って良い。やはり ジャーナリストという出自だからであると思う。小説家とジャーナリストは 同じように言葉を武器としても まったく「文法」が違う。 一方 ジャーナリストが書いたノンフィクションかというと それは有り得ない。例えば登場人物でもモデルを特定できる人も出てくるが その中身はおそらくフィクションである。この内容が全てこのまま本当だったとしたら かような本などは発行されないし 手島自身がどうなってしまうのかわからないと思う。 この本の面白さは「どこまで創作なのか わからない」点にある。これは「どこまで本当なのか わからない」と言う言い方と 同じ事を言っているようで 実は全く違う。 創作だと思っていて読んでいるだけでは読み取れないということだ。 本全体に流れる一種の「説得力」を感じてしまうと「もしかしたらこの部分は本当かもしれない」と思わされてしまう事がしばしば出てくる。おそらく手島は 解る人には解るような書き方をしているはずだ。そんな 手島のウインクが 端々に感じられる。 | ||||
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・フィクションというオブラートに包んで、自らのインテリジェンスを結晶化させ、国家の外交戦略を書き切ってしまう方法は痛快でした。 ・アメリカ、中国、北朝鮮、台湾の行動背景がクリアーになりました。 −最も心に残った一説は「今回の一連の出来事では、北朝鮮は北京の単なる駒に過ぎませんでした。むろん、偽ドルを使った通貨のテロルも先刻承知だったはず。そして、中国は核弾頭を搭載可能な巡航ミサイルが北朝鮮に渡るよう陰に陽に助けたのです。日本へ新たな核のカードを突きつけようとしてね。しかも自分は一切手を汚さずに。日本という国は、いったん核で脅されれば激しく動揺し中国の言うなりになると考えているのでしょう。」でした。 | ||||
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この本に関して、タイトルとおぼろげな内容は知っていたものの。 どこかで、「評価の分かれる本」だというということを耳に挟んで、読まないで10数年たった。 ようやく先日、新聞の書評で気になり読むことにした。 あまり読書家でない私は読み終えるのに、10日ほど掛かってしまったが、興味を失うことなく読了できた。 魅力に感じたのが、日本人の書く日本人論とは異なる「論理性」。 著者の論理性は私にとって、「清冽な」印象を受けた。 その原因は、この本が対戦中に執筆され、文章的な虚飾を廃し報告書的にかかれている点もあるが、それよりもアメリカ文化(西欧文化)に身を置く著者が”全く異なる”という日本文化を分析するにあたって、証拠と論理のつながりを重視し、言える事言えない事を慎重に判断し、構造の分析にいたっていて、それが感じさせる学問的謙虚さではないかと思えた。 また、著者の両文化の思考構造の差異を分析するにあたって使用する語彙に、一定の違和感とも取れる彼我の差異を感じた。これに、侮辱的な感情を受け取る日本人読者もいるかもしれないが、私は、そうは感じず、両文化の思考構造の差異として感じられた。この点は、明示的に言明された分析の記述よりも、差異の「構造」の存在を強く感じさせ、再度この本を読み分析する必要を感じさせた。 数度もの読書に耐え得るという意味で「古典」だと思う。 強く推薦する。 | ||||
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評価しづらい本です。外交というかパワーバランスをとるのってこういうことなのかもしれないなぁ ということはよくわかりますのでお勧めします。但し小説として、特にポリティカルサスペンスとしては、もっと書き方があったんじゃなかなと思います。 | ||||
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「インテリジェンス」と言う言葉が良く出てくる 別の本で本著者の手島龍一氏と佐藤優氏の対談で定義されている。 そのインテリジェンス小説としては昨今の政治事情を盛り込まれた力作と思う。 しかし何かが足りない。 それは著者が「作家」ではなくジャーナリスト故に、 エンターテイメント性にに限界があったからではないかと考える。 エンターテイメントを抜きにして、北朝鮮を軸にした国際政治のうねりの中で、 新聞紙上を賑わせていた偽札作りの内幕を、 「ノンフィクションを基にしたフィクション」の手法で書かれているが、 時事問題を小説に置き換えているためか、読後のカタルシスは少ない。 しかし内容は国際政治に精通しており、 現代国際政治を小説の形態で読み解く、という意味で手に取るのであれば、 中々面白い作品だったと思っている。 ちなみに、日本で競走馬を持つ場合には、その馬名は最大9文字と決まっている。 小説内で競走馬を絡めた話が出てくるが、その場名は9字を越えていた。 エンターテイメントを突き詰める作家はそういった不備は犯さない。 そういう部分からもエンターテイメント性は低いと言わざろう得ないのではないか。 個人的には面白かった。 しかし何かが足りない。ボクはカタルシスが得られなかった。 ★4つがボクの評価です。 | ||||
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小説としても素晴らしい出来。構成力、キャラクターと入り組んでいてそれでいてこまやかな描写が読み手をスルスルっと世界へ誘ってくれます。 それ以上に素晴らしいのがドキュメントとしての情勢分析。これ一冊でこれまでよりもずっと深く新聞を読み込むことが出来ます。 この本、ささっと流し読んでしまう部分に隠れた面白さが散りばめられており、読者をも欺こうとしてますのでお気をつけて。 | ||||
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