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ウルトラ・ダラー



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【この小説が収録されている参考書籍】
ウルトラ・ダラー
ウルトラ・ダラー (新潮文庫)

ウルトラ・ダラーの評価: 3.49/5点 レビュー 130件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.49pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全70件 1~20 1/4ページ
No.70:
(5pt)

禊ぎ

魂を集めて祓い神の視眺
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4101381151
No.69:
(5pt)

説明通りでした

問題なく受け取れました、状態も綺麗で満足しています。
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No.68:
(5pt)

相当面白い

実際にありそうな話。
外交とは、諜報、工作、インテリジェンス、今世界で起っていることを読み解くヒントになりそう。
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4101381151
No.67:
(4pt)

手嶋さん、こんな小説も書くんだ

ハードボイルド調の文体で、とても面白く読めました。

ただ、「この登場人物はどう見ても(実在の)この人がモデルだよね?」と思う人が何人もいるのだが、そういう登場人物に不倫させたり、国家を裏切らせたりするのは問題があると思う。また、最後の方で元アジア大洋州局長からの手紙の内容、日本は北朝鮮に謝罪が済んでいないという件は、手嶋さんがそう考えているのだとしたら意外。
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No.66:
(5pt)

一気に読めます

インテリジェンス小説、楽しめました〜一気にいけます!
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No.65:
(5pt)

読後感

贋ドルにまつわるストーリーで、米国、イギリス、フランス、日本と言う西側陣営対、ロシア、北朝鮮、中国と言う東側陣営の政治的な背景を基に、今日的な東アジアで勃発しそうな“台湾海峡有事”、“朝鮮半島有事”に至るであろう流れと、その対応に関する米国と中国のスタンスが描かれていました。
これからの東アジア情勢を考える上でも参考になる良い書物だと思いました。
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4101381151
No.64:
(4pt)

15年前

KindleUnlimitedで読了。

15年以上前かあ。
前半、時間があっちに行ったりこっちに行ったりするので、いつの話なのか混乱するのですが、よくよく考えると15年前。全然古く感じない。すごいです。
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No.63:
(5pt)

Take Me To The Disco

久しぶりに手に取った。
初めて読んだ頃はケツの青い研修医だった。
今は全てのキャリアを終えて棺桶待ちのおっさんである。
まだ、続いていたのか、この中身が表に出てくるまでに・・・昨今の香港の中国併合、台湾まで併合しようとする流れ。
九州の半導体工場まで合併に成功すれば、中国は弱点をほぼ補完することになる。
その目で見ると、あの頃はわからなかったがシャープが鴻海に買収されるように仕向けられたようにも見える。
CANONが不祥事の東芝の大半を呑み込んだように。
昨今のニュースできな臭いアジアの国名はここに全てある。
10年以上前に手にしたとき、そこまではわからなかったが、あれから、仕事でもないくせに読んだ書籍に色々と書いてあった。
この本に描かれた国や街を見に行った。
自身を襲った赤い罠=ディオバン事件の為に、他の分野の政治を学んだと言えば、キチガイじみているとか言われそうだ。
一方で、物事は、むしろ、第三者にこそ比較的開示され、そのロゴスを自らの分野にも反映させやすい。
そして、外務省以上に、幾重にも重なったインテリジェンスの世界。
山本リンダの歌ったように、全ては裏社会。
この世はそいつらの為にある(嘘)。
だからこそ、手嶋龍一は小学館にウルトラダラーとスギハラダラーの再文庫化をこのタイミングでお願いされたわけだ。
新潮文庫ではないというのは、自衛隊漫画を抱えているように小学館はもはや官憲のモノですよという話だろう。
ところで、北朝鮮の核査察の本に、日本を核武装させるにはどうするか、という問いがある。
答えは、トランプのような大統領の出現。
そして、本書にあるように、中国の台湾併合とアメリカの撤退は一つのファクターである。
本書では、北朝鮮ではなく、横にある朝鮮族の村がキーワードだとあるが、今となっては、素人の目をそらす為のカバードストーリーを含んでいるとわかる。
それは、部落逆支配の原則に基づいた、国家支配に繋がる。
北朝鮮が貧しいというのは、一般の理解である庶民であって、権力者は必ずしもそうではないがそれに洗脳された人間が出世するのは半分くらいは作り話なのだろう。
一方で、北朝鮮に送金するかのように、ビットコインや仮想通貨を釣り上げる人間もアメリカにいる。
そして、この文庫の後、北朝鮮に渡ったアメリカの著名人もいた。
結局、この辺で書かれるのは、世界の浅い層と中くらいの層がほとんどで、時々資料にもっと深い世界の本音がばらまかれるだけだ。
金正男の偽名、Pang Xiong という言葉にも意味があるに違いない。
マカオ、インドネシア、映像詐欺。
ウルトラダラーで希釈されたドルを利用しているのは、何も北朝鮮だけではないわけで、2024年の一万円札の切り替えに向けて、世界で何が起こるのか、考えさせられる次第である。
これまでの所、超高額紙幣の取りやめや秘密銀行
副島隆彦が書いていたことを深読みすれば、ディストピア社会を推進するには、中国の版図を広げさせる方がいい。
中国とアメリカと日本の深い層の黒幕が組むとかいう自体まで、この小説はその書かれなかった余白に示している。
BBCが中国から追放されるのもその一環だったのかもしれない。
BBCといえば、僕は渚にまつわるエトセトラの世代である。
調べると、BOACでは911と追加で表記され、1966年(昭和41年)の五連続事故につながった。
このうち、香港に繋がるものもある。
おそらく、戦前の人の繋がりは今でも色々と生きているのだ。
新しい工作員の命をあざ笑うかのようなネットワークを張り巡らして。
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No.62:
(4pt)

good

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No.61:
(4pt)

物語の舞台が何度も変わり、テンポの良い国際諜報小説

NHK元ワシントン支局長で、2001年にアメリカ同時多発テロ事件が発生した際、11日間連続の中継放送を担って一躍有名となる。話し方から「お公家さま」とも呼ばれていた同氏が描いた国際諜報小説が本書であり、発売当初からマスコミに取り上げられた。
 本書では、様々な都市を舞台として物語が進行していく。京都、東京、米マサチューセッツのダルトン、スイスのローザンヌ、コペンハーゲンに始まり、函館、ワシントン、香港、パリ。北朝鮮が米ドル札の偽札を作っており、偽札製造のため、世界中から技術者、印刷機、紙幣の原料をひそかにかき集めている。この偽札、いわゆるウルトラ・ダラーの行方を追っているのが米情報機関であるが、本書の主人公は日本在住のBBCラジオ特派員スティーブンである。登場人物として日本外務省アジア太平洋局長の瀧澤勲、その妻・泰子、ベンチャー企業社長で偽札検査機械製造会社社長の橋浦雄三、主人公の恋人で篠笛演者の槇原麻子、内閣官房副長官の高遠希恵、米財務省シークレットサービス捜査官コリンズ。物語の舞台が何度も変わり、スピーディーな展開の小説となっている。北朝鮮の目的は、偽米ドル札を製造・使用することにより、核を手に入れることであった。しかし、本書のエピローグで、重要な登場人物達の隠された事実が明らかにされ、物語の大どんでん返しが待っている。国際情勢や諜報関係に興味がある方にはお勧めである。(2018/11/3)
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No.60:
(5pt)

ワシントン特派員時代に仕入れたインテリジェンス情報に基づくすごい本です

作者の手島龍一氏がNHKワシントン支局長時代に仕入れた情報をもとに書いたものだと思いますが、日本人職人の失踪・拉致事件と北朝鮮のドルの偽札作りがしだいに結びついていくCIAのインテリジェンスがらみの小説です。読み始めたら引き込まれてしまうとても面白い本です。
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4101381151
No.59:
(5pt)

こういう世界があるんだろうな、と

たまたま古本で見つけ、知人に勧められていたのを思い出して購入しました
こういう世界があるんだろうなぁ、と思えただけでも良かったです
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No.58:
(5pt)

書けないことが多すぎたのでフィクションにした書?

本書はほとんどがノンフィクションであった。(読後数年しての「事件」でそう痛感)
オープニングでの印刷機の巧妙な盗難。
それが精密なドル紙幣印刷のため、異常なまでに厳重ない印刷機への警護」ぶりから物語は始まる。
日本でも造幣局にまつわる実話など、紙質の極秘扱い含め、報道機関へも厳重機密である。

ストーリーは進行して、いかに北朝鮮政権が国内に流れ込んできた工作資金が、表も裏も封鎖され行き着いたところはニセ100ドル紙幣の量産だった。
そしてそれを現代では、どうやって使役して換金するのかという場所にはカジノが頭をもたげてくる。それへの必然性が粛々と描き示されている。
そうした流れには、スパイ小説まがいの設定レールに乗せて「ニセ100ドル」の全体像が構築されてゆく。
そこには、★が1つ2つといった書評家の方々の指摘にはそう遠い距離はボクも感じなかった。

ところが、商談をベガスで行った折、そこで私は場所柄、100万円近い米ドルを高額紙幣へと逆両替することがあり、キャシャーに冷やかされながらそれをほぼすべて100ドル紙幣のまま持ち帰り、日本国内の三井住友BKで「日本円へ」と替えてもらった。
すると、どうだ。
返された『トレイに、100ドル札が1枚だけ』横たわって変換されてきたのである。(それ以外のドルは日本へ円になった)
え・・・・???これが何か?
為替係のエラいさん?がカウンターにやって来て説明した。
『お客様のこの100ドル札なんですが、日本では交換できないんです。』という。
え?それはどうして?破けてもいないのに・・・本当に不思議なことである。
ボロいどころか、その札にかぎっては多少は新しいナリはしていたものの、どこも瑕疵があるとは認められなかった。
『え~、それはですねこのお札のこの番号なんですが「SB(・・978980・)」、つまり『「SB」から始まりますよね。』
「えぇ、そうですよね」
『そのアルファベット2文字で始まる100ドル札については、日本政府のお達しで、円と換金してはならないという決まりになっているんです。』
・・・・
『くわしくはお察し願いたいのですが、その「SB」が付いているお金はどちらの銀行様も両替はお断りするはずです。』
あ・・・・それじゃコレって・・・ニセ!?
( 評者注・・・★文中の「SB」は便宜的に当てはめたものであり、別の文字である可能性があると含んで下さい。)

黙って持ち帰り、次回のベガス行きに入った際、スロットの札投入口におそるおそる入れてみた・・・すると
紙幣を呑み込んだのを確認すると、
『($100・・・)』グリーンの小さなダイオード灯がその文字を画面に表わし、見事に「アメリカ合衆国はその『ウルトラダラー』の侵入を許してしまっていた」ことを知ったという次第。
いや、もうすでに『秘かに野放しにするしかない』状態だったとボクは驚いた。

おそらくは、遠くない過去にあちこちに北の工作員らによって持ちこまれ、片っぱしからこうした粗っぽい真札認証機器を通して,本物の100米ドル札とすり替えてしまい、アメリカ政府が気付いた時にはもう手遅れだったのではないか。
だから、そのSB紙幣の一端がたまたまベガスで、ボクの財布内にいったん渡り、再度それをチェックしても『使えないけど黙っていてよ』ってなことなのだろう。

だが、なぜ『ニセをニセ』としないのだろうか。
たしかに、日本の銀行(金融機関)一般が、通達として対策にしているほどの公然たるニセ札を、『SBは実はニセなんです』と米政府が公表したら、どうなるのか。
スワっ『真券に取り換えよう』と、間違いなく合衆国政府(とくにSS)の責任であるため、あちこちで『カネ返せ』騒動が始まるだろう。どれほど多くの者が銀行に押し寄せるか判らない。

さらに大事なのは、その『SBは真券へと兌換』となるわけだから、それこそ大規模なマネーロンダリングが行われるまたとないチャンスの到来だ。ただちに、ニセ100ドル紙幣の大増産を大喜びで北朝鮮ははかるだろう。
そして政治的にも金正日のしてやったり…得意ヅラの軍門に下らねばならないのである。

こうしたニセ札がここまで精巧な出来(ボクも、ニセ前提…で細部を眺めたが、真贋を見極める生業の小生ではあるが、どうしても違いが分からなかった)だと、これだけ大規模な経済パニックが起こるもの…という事態を想像出来得る才覚を、筆者は読者に求めているのである。

「本書を★少数付与」の評者の中に「ニセ札鑑定機」について触れたムキがあったが、そんな既成のシロモノが役に立つクォリティではとうにないし、そんなにeasyな経済攻撃戦略ではハナからない。(ただ、日本には極小メーカーがほぼ手作りで完成させた鑑定機があり、一部で役に立っている)
ちなみにその銀行でも、大雑把にそうした機器にかけたうえで、1枚1枚、目で「SB」の文字を追っていただけであった。
おそらく『札番号のアルファベット』を読み取り、特定の組み合わせをはじくプログラム設定にはなっていないのだろう。

それと付け加えれば、鑑定機に任せっきりにするほど、国際金融機関の一線となるとそうは危機管理も甘くはない。
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4101381151
No.57:
(4pt)

反日映画海外流通国内日本人手話通訳会話

北朝鮮が拉致した、技術力が高い日本人を使役して、しかしもう拉致されて数十年以上とすれば同日本人が抵抗もしていないならば当幹部クラスの生活をしているならばもう北朝鮮側の一員でしょう、贋$紙幣の原盤の為の鋳型を造りそれを元に大量に刷りそれが海外に流通していたのかもしれませんが、以前海外ニュースでアメリカが$紙幣の印刷の変更をしたとの記事があり、また80年代の日本が景気が良かった時代冷戦時代に東芝ココム違反事件があり日本企業が工場機械機器の部品を海外に輸出したが、ソ連側の戦時武装車両部品に転用や直近のsonyのplaystationが武装武器部品に転用もあり、今、バブル時代建設業界の雄だった鹿島建設がプレハブ工法の大和ハウスに売上高で抜かれ…
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4101381151
No.56:
(5pt)

あり得るお話でした

良かったです。最後まで面白くどきどきしながら早く読めました。
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No.55:
(5pt)

ウルトラでした

どんどん先を読みたい内容
予想より遥かに面白く
勉強にもなりました
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No.54:
(5pt)

とても気に入った

北朝鮮が絡んだ偽札入手ル-トの解明プロセスがリアルで面白いです。
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No.53:
(4pt)

結構現実的な話かもしれない

NHKのワシントン支局からいつも冷静な口調でニュースを伝えていた、あの手嶋さんが書いた小説。なかなかどうしてディーテイル
にも神経を使い、筋道をきちっと追いながら、今までの外交経験をふんだんに生かした面白い作品に仕上がっている。
北朝鮮の偽札作りを追う、英国諜報員、それを取り巻く日本の外交官や、米国の諜報員達。日本のアジア局長という
要職にある高官が実は北朝鮮のスパイであったという、恐いストーリーでもある。全体的に、海外や日本の一流品に
拘ったあまりに、ちょっとくさい作品になっているのが残念ではあるが。
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No.52:
(5pt)

世界で起こっている事

凄く面白いです。
この本のおかげでニュースの見方は変わりました。
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No.51:
(4pt)

函館も国際謀略の基地として登場

著者の手嶋氏はかつてNHKワシントン総局長。かの9.11事件では頻繁にテレビに登場した。いまはフリーとのこと。
内容紹介は「諜報」小説なので、詳しくは述べないのがエチケットと思うので割愛するが、タイトルの「ウルトラダラー」がきわめて精巧な偽ドル札のことからきているように、北朝鮮の仕掛けた国際謀略に始まり、北朝鮮拉致事件、巡航ミサイルの密輸、そして国際的な諜報戦争とわが外務省内の暗闘など、現実の国際政治の裏側で起こっている(あるいはあってもおかしくないような)事実が次々と、しかも説得力ある筆致で書かれている。しばしばノンフィクションか?と思わせるような「際どい」叙述が出てくる。
十分楽しめて、しかも国際政治・軍事にも詳しくなるという一石二鳥の本。
この小説には、京都から始まってコペンハーゲン、ワシントン、香港、北京、大阪、東京など数多くの都市が登場、最後の大活劇場面がパリ、そして哀切のエンディングが京都・北山となる。それぞれの町の小さなエピソードがが著者の(多分)豊富な実体験に裏打ちされて巧みな描写によって語られている。それらの都市に混じって、わが函館も、重要な脇役として登場している。
作中で、偽札の鑑定装置を開発する先端ハイテク企業の研究所の所在地が函館・八幡坂ということになっている。研究所のさらに坂の上にはロシア極東国際大学がある。(こちらは実在)
「冬になるとこの坂の景色は雪がダイヤのように光って、すばらしくなる」ことが社長の気に入って、ここに研究所を設立したとされる。そして、この町がかつてはロシアや中国東北部、北朝鮮などを睨む、国際都市であり、いまも「目立たないが」サハリンへの直行便を有し、国際謀略の基地としての潜在的能力をもつ・・・・もちろん、この辺の叙述はは大半がフィクションなのだが、絵になるハコダテは舞台としての道具立てにはは申し分ないということのようだ。
唐突に思い出したが、かつてソ連のミグ戦闘機の亡命事件というのもあった。拉致被害者も1名は函館から出ている。奥尻島は日本で一番北朝鮮に近い島。
映画化されたら、八幡坂やその周辺のエキゾチックな雰囲気がどういう風に切り取られるのか、待ち遠しい限りだ。

主人公の英国BBC記者スティーブンが研究所で振舞われた昼食が「つるつるで箸で掬うのがひどく難しい」新鮮なイカサシと「身の一杯詰まった」カニの味噌汁。こういうあたりの描写は実体験がないと書けないリアリティ。
手嶋氏は北海道出身ということを思い出したが、郷里に対する氏のサービス精神の一端なのかもしれない。手嶋氏ように「函館」を取り上げてくれる「書き手」は本当にありがたい存在である。多分このウルトラダラー1冊が10冊の「函館」ガイドブックに匹敵するようなPR効果を持つのではなかろうか。
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