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ウルトラ・ダラー
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ウルトラ・ダラーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.49pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全130件 121~130 7/7ページ
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9.11の直後、休みなくワシントンからレポートしている手嶋さんの頬がだんだん削げていくのを見ながら、それでも変わらない穏やかな口調と、その中に潜んでいる何か熱いものに感銘を受けたのを覚えています。その手嶋さんが書いたというので早速読んだのですが、いやあ参りました。脱帽です。 キャリアから言って取材は綿密なのだろうとは思っていましたが、本筋以外の各方面での造詣の深さにびっくり。オークションから邦楽から料理から和服から競馬から、何と言う守備範囲の広さでしょう。(こんな厳しい題材でなければ映像化を期待したいくらいです。ちなみに、ラブシーンにさしかかるとうまくぼかしがかかるところが、どこか昔のNHK的で、ちょっと笑ってしまいましたけど。) それら絢爛たる小道具をちりばめて書かれるストーリーは、小説として処理する以外には書きようのない事柄を重く含んでいることが素人ながらよくわかります。私たち日本人は、拉致問題や靖国問題などピンポイントの政治問題はわかっても、それらの海底山脈のような見えないつながりについては、あまり考えていません。プロたるべき日本の政治家・外交官も、実はそうなのではないでしょうか。眼力と知恵と正義感と胆力が兼ね備わったプロが、何より必要だと思います。 フィクションとしても、ノンフィクションと考えても、力ある傑作だと思います。一気に読んだあとの読み返しが全然つまらなくないです。 NHKの人事は政治部偏重だと不祥事報道の時に言われていましたが、名物キャスターは多くが外信部の出身です。手嶋さんも名ワシントン支局長だと思っていましたが、こういう転身をなさるとは、夢にも思っていませんでした。お見それ致しました。硬軟ともに、今後のさらなる御活躍を期待しております。 | ||||
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68年:若手彫刻職人が失踪 88年:ドル紙幣専用の特注パルプ原料がトラック3台分消失 89年:高水準印刷機が発注元のマカオで消える 90年:高級美術印刷会社社長が失踪 そして現在、世界最高水準と言われるドル紙幣を上回る偽札『ウルトラ・ダラー』が世界を襲う!? 終始、ハイテンションで飽きずに読むことができた。 題名から勝手に金融サスペンスと思い敬遠していたのだが、とある雑誌で手嶋龍一氏を知り、 「一応」ということで買ってみた。 あやうく本棚の肥やしになるところだったのだが、暇つぶしに2〜3ページ読んでみたら、 詳細な設定とスピーディーに進むストーリーに後押しされ、そのまま最後まで ぶっ通しで読んでしまった。 冒頭の断片的な失踪事件が数十年の時を越え、「通貨テロ」となり、さらにはそれ自体を操る 巨大国家の陰謀にまで発展するのは『圧巻』の一言。 なにより文体が非常に読者に親切である。 このような国際サスペンス系は、リアリティを出すために著者が取材を重ねることは当然なのだが、 そのせいで著者が知識をひけらかしたいがために、説明文を延々と垂れ流し、よっぽど 読者が前知識がないと、意味が分からないか途中でドロップアウトしてしまう傾向のものが多い。 だが、本書はストーリーと取材情報が絶妙にマッチしているため、素人でも読みながら 頭の中で相関図を立て易く、理解できる分このストーリーの持つ本当の恐怖を実感することができる。 衝撃のラストと、それを読み終えて本を閉じたときに目に入る帯のコピー 『これを小説だと言っているのは著者だけだ!』 怖すぎ。 | ||||
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簡単に言えばこの本は北朝鮮のニセのドル紙幣にまつわる話です。 この作者様はもともとNHKの方なので難しい本なのかなぁ・・・などと思いましたが実際はスリリングで読み応えのある本でした。 ただ「こんなに書いてしまって大丈夫なの?」と思いました。 この作者様はフリーになって腕がまた一つあがったんじゃないかな?と思いました。 | ||||
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著者の手嶋龍一さんには9・11テロ時のNHKワシントン報告で好感を持って いた.NHK記者としてでは書けないことを小説という形で表現した かったのでしょう. 北朝鮮で偽ドル札を印刷していることは世界周知のこと. 本書はその事実をもとに,スイス製紙幣印刷機,アメリカ製紙幣用紙,日本製 インクなどの調達策,さらには紙幣印刷のための職人の拉致作戦などを 軽快に描いている.北朝鮮のニセドルの目的は何か,イギリスBBC記者の 諜報部員とアメリカの偽札捜査官が活躍する.目的は最新のミサイル であった.フランスから北朝鮮への輸送はセーヌ河上で阻止された. 驚いたことに,この阻止作戦の情報が日本の外務省から北側にもれ ていた.外務省アジア大洋州局長が北と通じていたらしい.彼の生い 立ちを調べると,生みの母は在日朝鮮人で,北の工作員であった. さらにその中学高校の同級生に,今は北の高官になっている旧友が いた.その旧友とアジア大洋州局長は北京で再会し,総理のピョン ヤン訪問が企画された.さらに驚くことに,この一連の企画は中国の 息がかかっているとのことであった. 虚実取り混ぜての小説であるが,90%が実と思われる. 手嶋さんはよほど書きたかったのでしょう. | ||||
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拉致・偽札等々、市井の人々には断片に見えるニュース素材が 次第に紡がれてゆく。 事実が真実の側面であることを思い知らされる。 世界が思惑のクモの巣で覆われている様な読後感を是非多くの 方々に味わって頂きたい。 | ||||
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今、手島龍一著「ウルトラ・ダラー」を読了しました。 北朝鮮の偽ドル印刷にまつわる話です。 最近読んだ本の中では最高の出来ですが 男女の「濡れ場」の描写が貧弱過ぎて その点は残念というか不満でした。 | ||||
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フレデリックフォーサイスの”ジャッカルの日”を読んだときの衝撃と同じぐらい、いや、日本が関わっているだけに、衝撃度は、今回の方が高いと思う。 事実という小さなピース、それ自体はその事実しか表さない。 しかしその小さなピースを沢山集めて、ひとつの絵にしたとき、表面にみえてくるものだけでなく、その奥深くにうっすらと見え隠れする強大な国の意志などが見えたとしたら? 彫琢した情報のみが本質となるのだ。 手嶋氏はそのうっすらと見え隠れする本質膨大な情報のなかから描きだした。 ここに書かれていることは、起こる可能性があるので、フィクションと言えないかもしれない。 現実に十分可能性のあることなのだ。 内容としては、北朝鮮の偽ドル紙幣偽造についての話だ。 詳しくは読んでいただきたい。読む価値が十分にある本だ。 ストーリーと、プロット、内容もすばらしいが、全編に漂う、細部にわたる本物感だ。 具体的にいうと、はじめのオークションのシーン、体験したものでないと味わえないような状況が、手に取るようにわかる表現で表している。 手嶋氏のインテリジェンス(ここでの意味は、深い教養)はそこまで深いのだ。 ところで、著者の手嶋氏は元NHKのワシントン支局長なので、ニュースなどでそのレポートをお聞きになったことがあると思う。 その手嶋氏は、NHKを退社した理由として、この本を書いた責任を組織で負うのではまずいので、個人で負う。 そのために退社したと発言していた。 こういう気骨のあるジャーナリストもいるんだと改めて感心した。 何をおいても、必ず読むべき一冊だ。 | ||||
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精緻なノンフィクションで知られる著者の小説第一作だけに期待は大きかった。その期待に十分応えてくれたかというと、判断が難しい。描写は精緻だが、小説のダイナミズムとしてはどうなんだろうかと。 インタビューによるとこの本の内容のほとんどが事実らしいが、そのこと自体が小説としての展開力を削いでしまっている気がする。つまり、本書が指し示す事件全体の構図・世界観には唸らされるものの、現実に解決していない事件であるために、カタルシスある結末を迎えないのだ。読後感にはなにかわりきれないものが残る。 | ||||
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あまりにも日本はインテリジェンスを軽視してきたのかもしれません。スパイでなくても、情報の持つ意味を理解することがどんなに重要か、ということを教えてくれる本です。偽ドル札という話題性のあるトピックが小説になっていますが、実在の人物が登場人物のモデルになっているのでは、とも憶測してしまいます。続編も出るのでしょうか。期待しています。 | ||||
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最初は難しい文章なんだろうなと思って手に取りました。 しかし、内容はスリリングでエキサイティング、 一気に読みきってしまいました。 文章は品があるのに、気取っていなくて読みやすい!! 現実と交錯する展開に「ここまで書いて大丈夫!?」 とか思ってしまいました・・・。 元NHKという看板が少々固いイメージのある方でしたが、 フリーになって磨きがかかったのでは? 続編、待ち遠しいです。 | ||||
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