湖の男

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

湖の男の評価:

4.30/5点 レビュー 27件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.30pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全33件 1〜20 1/2ページ
No.33
(5pt)

1960年代の東欧諸国の社会情勢と、それがもたらしたもの

アイスランドの湖で発見された人骨を起因として語られる、1960年代の東欧諸国の共産主義に翻弄された時代背景が何とももの悲しい。国や地域によってはいまだに残っているが…。
その実情が上手に描かれているし、いい物語だったと思う。

訳者あとがきにある「為政者が都合の悪いことは伏せ―――」(P424末尾~)という柳沢さんの文章には大いに共感できる。実際、わが国でも戦前どころか戦後からいま現在に至っても思い当たることが多々ある。

柳沢由美子さんの翻訳は上手だけど、「だった」「した」等「た」で終わる文章が連続する箇所が繰り返しあり、何度も集中力をそがれた。過去形の『時制の一致』のルールに則した原文を忠実に訳しているのだろうけど、日本語文章としては流れの面で不適切だ。ここが唯一残念。
湖の男 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 湖の男 (創元推理文庫)より
4488266061
No.32
(5pt)

1960年代の東欧諸国の社会情勢と、それがもたらしたもの

アイスランドの湖で発見された人骨を起因として語られる、1960年代の東欧諸国の共産主義に翻弄された時代背景が何とももの悲しい。国や地域によってはいまだに残っているが…。
その実情が上手に描かれているし、いい物語だったと思う。

訳者あとがきにある「為政者が都合の悪いことは伏せ―――」(P424末尾~)という柳沢さんの文章には大いに共感できる。実際、わが国でも戦前どころか戦後からいま現在に至っても思い当たることが多々ある。

柳沢由美子さんの翻訳は上手だけど、「だった」「した」等「た」で終わる文章が連続する箇所が繰り返しあり、何度も集中力をそがれた。過去形の『時制の一致』のルールに則した原文を忠実に訳しているのだろうけど、日本語文章としては流れの面で不適切だ。ここが唯一残念。
湖の男 Amazon書評・レビュー: 湖の男より
4488010709
No.31
(5pt)

シュタージ

インドリダソンも4冊目になります。この作品も500頁弱ありますが、筆力で一気に読ませます。

レイキャビク郊外の湖で白骨化した死体が発見されます。最近起こった地震のため湖の水位が下がった影響で湖底に沈んでいたものが現れたのです。その骸骨にはロシア(ソ連)製の無線機らしき機械がロープで結びつけられていました。検死の結果、それは1970年以前に沈められた男性の骨であることがわかります。

物語は、レイキャビク警察のエーレンデュルらによる死体の身元捜査と冷戦時代に東独へ留学した男の独白とが並列に進行していきます。もちろん詳細を記すことはできないのですが、かつての東独の秘密警察(シュタージ)がひとつキーワードになっていて、その点で映画「善き人のためのソナタ」を思い出させます。北欧ミステリは社会的な問題を素材とする優れた作品が多いのですが、この小説もまたミステリと純文学の間にもはや垣根はないということを証明しているように思います。訳が読みやすく、翻訳者の柳沢由美子氏によるあとがきの解説もまたいいのです。
湖の男 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 湖の男 (創元推理文庫)より
4488266061
No.30
(5pt)

シュタージ

インドリダソンも4冊目になります。この作品も500頁弱ありますが、筆力で一気に読ませます。

レイキャビク郊外の湖で白骨化した死体が発見されます。最近起こった地震のため湖の水位が下がった影響で湖底に沈んでいたものが現れたのです。その骸骨にはロシア(ソ連)製の無線機らしき機械がロープで結びつけられていました。検死の結果、それは1970年以前に沈められた男性の骨であることがわかります。

物語は、レイキャビク警察のエーレンデュルらによる死体の身元捜査と冷戦時代に東独へ留学した男の独白とが並列に進行していきます。もちろん詳細を記すことはできないのですが、かつての東独の秘密警察(シュタージ)がひとつキーワードになっていて、その点で映画「善き人のためのソナタ」を思い出させます。北欧ミステリは社会的な問題を素材とする優れた作品が多いのですが、この小説もまたミステリと純文学の間にもはや垣根はないということを証明しているように思います。訳が読みやすく、翻訳者の柳沢由美子氏によるあとがきの解説もまたいいのです。
湖の男 Amazon書評・レビュー: 湖の男より
4488010709
No.29
(4pt)

面白かったです

シリーズなので田舎の方ではなかなか難しいので、
Amazonで買えて助かってます
内容は少し暗いイメージですが、私は好きです
にほんと違う風土なので、好き嫌いが出るかもしれません
湖の男 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 湖の男 (創元推理文庫)より
4488266061
No.28
(4pt)

面白かったです

シリーズなので田舎の方ではなかなか難しいので、
Amazonで買えて助かってます
内容は少し暗いイメージですが、私は好きです
にほんと違う風土なので、好き嫌いが出るかもしれません
湖の男 Amazon書評・レビュー: 湖の男より
4488010709
No.27
(5pt)

いいね!

サクセスストーリーです。
湖の男 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 湖の男 (創元推理文庫)より
4488266061
No.26
(5pt)

いいね!

サクセスストーリーです。
湖の男 Amazon書評・レビュー: 湖の男より
4488010709
No.25
(5pt)

素晴らしい

このシリーズ、順番に読み、今回、ぐいぐい読みすずみ、感動しました。
既に買ってある厳寒の町、読むのが楽しみです。
北欧ものは面白いなぁ
日本語訳もすばらしかった。
湖の男 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 湖の男 (創元推理文庫)より
4488266061
No.24
(5pt)

素晴らしい

このシリーズ、順番に読み、今回、ぐいぐい読みすずみ、感動しました。
既に買ってある厳寒の町、読むのが楽しみです。
北欧ものは面白いなぁ
日本語訳もすばらしかった。
湖の男 Amazon書評・レビュー: 湖の男より
4488010709
No.23
(4pt)

冷戦という特殊な状況下での人間ドラマを描いた秀作

「湿地」「緑衣の女」「声」に続いてのアーナルデュル作品の邦訳第4弾。
前3作、特に「緑衣の女」があまりにも素晴らしかったので、それらと比較してしまうとちょっと落ちるかなと感じた。
ただ、それでも重厚な物語は読みごたえがあり、良質な読書体験を味合わせてくれるという点では変わりはない。

ミステリー小説としての事件の謎は「湖の底で発見された古い白骨死体は誰なのか?」という1点のみ。
これは「緑衣の女」とよく似ている。
ミステリー小説の謎としては極めて単純なのだ。
しかし、その単純な謎をめぐって、登場人物の背景を深くあぶりだし、人間の背負う業を描き出す手法が実に見事。
今回は冷戦下のヨーロッパという特殊な時代下で事件は進展していく。
冷戦下でしか起こり得ない事件。
東ドイツでの相互監視というシステム下での疑心暗鬼、人間不信。
誰を信じていいのかわからない状況での若者たちの人間ドラマが実に面白かった。

アーナルデュルの作品は、事件の謎自体は単純なのだが、その事件に関わる人物たちの人生の描き方が毎回素晴らしい。
今回も堪能させてもらった。次回作が待ち遠しい作家である。
湖の男 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 湖の男 (創元推理文庫)より
4488266061
No.22
(4pt)

冷戦という特殊な状況下での人間ドラマを描いた秀作

「湿地」「緑衣の女」「声」に続いてのアーナルデュル作品の邦訳第4弾。
前3作、特に「緑衣の女」があまりにも素晴らしかったので、それらと比較してしまうとちょっと落ちるかなと感じた。
ただ、それでも重厚な物語は読みごたえがあり、良質な読書体験を味合わせてくれるという点では変わりはない。

ミステリー小説としての事件の謎は「湖の底で発見された古い白骨死体は誰なのか?」という1点のみ。
これは「緑衣の女」とよく似ている。
ミステリー小説の謎としては極めて単純なのだ。
しかし、その単純な謎をめぐって、登場人物の背景を深くあぶりだし、人間の背負う業を描き出す手法が実に見事。
今回は冷戦下のヨーロッパという特殊な時代下で事件は進展していく。
冷戦下でしか起こり得ない事件。
東ドイツでの相互監視というシステム下での疑心暗鬼、人間不信。
誰を信じていいのかわからない状況での若者たちの人間ドラマが実に面白かった。

アーナルデュルの作品は、事件の謎自体は単純なのだが、その事件に関わる人物たちの人生の描き方が毎回素晴らしい。
今回も堪能させてもらった。次回作が待ち遠しい作家である。
湖の男 Amazon書評・レビュー: 湖の男より
4488010709
No.21
(4pt)

犯人探しだけではない

ほんの小さな事件から、時代をまたいだ物語となっていく点はシリーズ共通のところもありますが、本作は中でもその傾向が強く、犯人らしき人は当初から分かりながら、その背景にある物悲しい物語が並行して進んでいくところは、シリーズの中でも最も引き込まれる作品だと思います。
湖の男 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 湖の男 (創元推理文庫)より
4488266061
No.20
(4pt)

犯人探しだけではない

ほんの小さな事件から、時代をまたいだ物語となっていく点はシリーズ共通のところもありますが、本作は中でもその傾向が強く、犯人らしき人は当初から分かりながら、その背景にある物悲しい物語が並行して進んでいくところは、シリーズの中でも最も引き込まれる作品だと思います。
湖の男 Amazon書評・レビュー: 湖の男より
4488010709
No.19
(5pt)

冷戦の時代背景を題材にした犯罪が今、湖の底に甦る

ヘニング・マンケルに似た雰囲気を感じるのは、翻訳者がどちらも柳沢由美子さんの名訳だからということだけではあるまい。マンケル同様、北欧を代表する作品に与えられるガラスの鍵賞を、しかも立て続けに二度受賞しているインドリダソン。そのエーレンデュル警部シリーズも、マンケルのヴァランダー・シリーズ同様に、主人公を捜査官として描くのみならず、生活を持ち、家族を持つ人間であり、その中で私的な懊悩や迷いや希望を抱え込んでいるのである。そこに単作としての事件の上をカバーする連続性持ったシリーズ小説としての魅力が感じられるのだ。

 シリーズ探偵が、誰かとつきあったとか、別れたとか、子供ができたとか、飼い犬が家族に加わった、とか、そういった悩まぬ不動の強き探偵ではなく、読者に近い側の人間であり、読者同様の様々な家族や人間関係に関する悩み、体の不調、心の荒れる様と、それを悔やむ様子、等々。そうしたものをメイン・ストーリーに重ねることによって得られるリアルな重さ、物語の厚さ、体温のようなものが感じられ、作品は活き活きと我々の下に手繰り寄せられる、そんな気がする。

 もちろん、読者と離れたところで、非現実的であれ、快適な小説を求めたい読者もいると思う。マンケルもインドリダソンも、どちらかと言えば、私生活では試練を与えられる警察官であり、個人の試練を解決できなくても事件を解決することはできる、という、少し不完全さを持ったキャラクターである。

 さて本書を読むのが、わけあって先にハードカバーで読んだ『厳寒の街』の後になってしまった。本書は、アイスランドの過去の歴史のなかから現れた古い死体の発見がスタートラインとなる。枯渇した湖の底から、古い無線機を錘として使われた白骨死体が発見されたのだ。エーレンデュル警部の捜査が始まる。

 一方で、米ソ冷戦時代のアイスランド、共産主義に憧れ東ドイツを訪れる若者たちの一団の物語がある人物によって挿入される。彼が誰なのかは読み進むまでわからない。しかし、冷戦の時代には、地理的に重要な情報戦略の要衝的にあった上、自国に戦力を一切持たないアイスランドの国には各国の出先機関が押し寄せ、軍事的にも重要な国とされていたのだそうである。

 その時代、ソ連のコミュニズムに希望を求めた若き活動家たちの行動に本書は焦点を当てる。一方の現代では、エーレンデュル、シグルデュル=オーリ、エレンボルクという三人のレギュラー捜査陣が、それぞれにプライベートな悩みを抱えながらも、彼らなりの才気を発揮して湖で発見された白骨の正体に迫る。

 アイスランドと東ドイツのライプツィヒの両舞台、両時代を往来しつつ物語は白骨死体の正体に近づいてゆく。ミステリ要素をしっかりと差し出しながら、進んでゆく過去の物語とカタストロフ、そして冷戦後の現代の捜査のコントラストを楽しみながら、超一級のストーリーテリングを楽しめる。極上の美酒と言ってよい、これは相当にハイ・クオリティな作品である。
湖の男 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 湖の男 (創元推理文庫)より
4488266061
No.18
(5pt)

冷戦の時代背景を題材にした犯罪が今、湖の底に甦る

ヘニング・マンケルに似た雰囲気を感じるのは、翻訳者がどちらも柳沢由美子さんの名訳だからということだけではあるまい。マンケル同様、北欧を代表する作品に与えられるガラスの鍵賞を、しかも立て続けに二度受賞しているインドリダソン。そのエーレンデュル警部シリーズも、マンケルのヴァランダー・シリーズ同様に、主人公を捜査官として描くのみならず、生活を持ち、家族を持つ人間であり、その中で私的な懊悩や迷いや希望を抱え込んでいるのである。そこに単作としての事件の上をカバーする連続性持ったシリーズ小説としての魅力が感じられるのだ。

 シリーズ探偵が、誰かとつきあったとか、別れたとか、子供ができたとか、飼い犬が家族に加わった、とか、そういった悩まぬ不動の強き探偵ではなく、読者に近い側の人間であり、読者同様の様々な家族や人間関係に関する悩み、体の不調、心の荒れる様と、それを悔やむ様子、等々。そうしたものをメイン・ストーリーに重ねることによって得られるリアルな重さ、物語の厚さ、体温のようなものが感じられ、作品は活き活きと我々の下に手繰り寄せられる、そんな気がする。

 もちろん、読者と離れたところで、非現実的であれ、快適な小説を求めたい読者もいると思う。マンケルもインドリダソンも、どちらかと言えば、私生活では試練を与えられる警察官であり、個人の試練を解決できなくても事件を解決することはできる、という、少し不完全さを持ったキャラクターである。

 さて本書を読むのが、わけあって先にハードカバーで読んだ『厳寒の街』の後になってしまった。本書は、アイスランドの過去の歴史のなかから現れた古い死体の発見がスタートラインとなる。枯渇した湖の底から、古い無線機を錘として使われた白骨死体が発見されたのだ。エーレンデュル警部の捜査が始まる。

 一方で、米ソ冷戦時代のアイスランド、共産主義に憧れ東ドイツを訪れる若者たちの一団の物語がある人物によって挿入される。彼が誰なのかは読み進むまでわからない。しかし、冷戦の時代には、地理的に重要な情報戦略の要衝的にあった上、自国に戦力を一切持たないアイスランドの国には各国の出先機関が押し寄せ、軍事的にも重要な国とされていたのだそうである。

 その時代、ソ連のコミュニズムに希望を求めた若き活動家たちの行動に本書は焦点を当てる。一方の現代では、エーレンデュル、シグルデュル=オーリ、エレンボルクという三人のレギュラー捜査陣が、それぞれにプライベートな悩みを抱えながらも、彼らなりの才気を発揮して湖で発見された白骨の正体に迫る。

 アイスランドと東ドイツのライプツィヒの両舞台、両時代を往来しつつ物語は白骨死体の正体に近づいてゆく。ミステリ要素をしっかりと差し出しながら、進んでゆく過去の物語とカタストロフ、そして冷戦後の現代の捜査のコントラストを楽しみながら、超一級のストーリーテリングを楽しめる。極上の美酒と言ってよい、これは相当にハイ・クオリティな作品である。
湖の男 Amazon書評・レビュー: 湖の男より
4488010709
No.17
(5pt)

シリーズもので、、次回作が待ちどうしく、ネットで次々買い、読み切り目下ロス状態です。

沢山、書いてくださーい。日本のばあ様が、熱望してまーす。
湖の男 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 湖の男 (創元推理文庫)より
4488266061
No.16
(5pt)

シリーズもので、、次回作が待ちどうしく、ネットで次々買い、読み切り目下ロス状態です。

沢山、書いてくださーい。日本のばあ様が、熱望してまーす。
湖の男 Amazon書評・レビュー: 湖の男より
4488010709
No.15
(5pt)

シリーズ随一の力作

このシリーズは全作読んでいるが、これは別格で良かった。
翻訳されたのが2017年と最近でありながら、実はその13年前に本国では出版されている。
このシリーズはたくさん続いているのだが残念ながら日本語訳はこの湖の男の次作である「厳寒の町」が最後になっている。これからも引き続き日本語訳が出版されることを希望する。

作中で捜査メンバーも自ら「アイスランドらしい単純な事件が自分たちには合っている。こんなソ連だのスパイだのが出てくる事件は手に余る。どうしょうもない」(大意で)そのような事を言っているが、正に。
今までのアイスランドをホームランドとした事件ではなく、ソ連や東ドイツ、ハンガリー等ヨーロッパ大陸も舞台になっている。
さらにその時代背景も動乱。
冷戦時代のスパイ小説や抑圧された民衆を題材にした小説は数多くあるが、アイスランド発でアイスランド人が主役で、かつここまでライプツヒ大学のその頃を徹底取材して書かれた物は価値が高いと思う。

エヴァ・リンドとエーレンデュルの行き違いは毎度のことであるが、なぜか今回は非常に胸が痛んだ。

ドイツのメルケルもライプツィヒ大学を出ているが、この作品の舞台となる東ドイツ時代である。
密告が当たり前の大学時代をどう過ごしていたのだろう。彼女の人格形成や政治観にこの東ドイツ時代が大きく影響しているようが気がしてならない。
湖の男 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 湖の男 (創元推理文庫)より
4488266061
No.14
(5pt)

シリーズ随一の力作

このシリーズは全作読んでいるが、これは別格で良かった。
翻訳されたのが2017年と最近でありながら、実はその13年前に本国では出版されている。
このシリーズはたくさん続いているのだが残念ながら日本語訳はこの湖の男の次作である「厳寒の町」が最後になっている。これからも引き続き日本語訳が出版されることを希望する。

作中で捜査メンバーも自ら「アイスランドらしい単純な事件が自分たちには合っている。こんなソ連だのスパイだのが出てくる事件は手に余る。どうしょうもない」(大意で)そのような事を言っているが、正に。
今までのアイスランドをホームランドとした事件ではなく、ソ連や東ドイツ、ハンガリー等ヨーロッパ大陸も舞台になっている。
さらにその時代背景も動乱。
冷戦時代のスパイ小説や抑圧された民衆を題材にした小説は数多くあるが、アイスランド発でアイスランド人が主役で、かつここまでライプツヒ大学のその頃を徹底取材して書かれた物は価値が高いと思う。

エヴァ・リンドとエーレンデュルの行き違いは毎度のことであるが、なぜか今回は非常に胸が痛んだ。

ドイツのメルケルもライプツィヒ大学を出ているが、この作品の舞台となる東ドイツ時代である。
密告が当たり前の大学時代をどう過ごしていたのだろう。彼女の人格形成や政治観にこの東ドイツ時代が大きく影響しているようが気がしてならない。
湖の男 Amazon書評・レビュー: 湖の男より
4488010709