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神の涙
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神の涙の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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大学進学のために、初めて北海道に住むという学生さんに贈りました。 | ||||
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最初に言います。氏の作品で一番好きな作品で傑作だと思います。ノワール小説を期待してた方には評価は異なるかもしれませんが原発、アイヌなど重いテーマの中でも人物が埋没せず中盤からのストーリー展開は流石だと思いました。北海道ならではの自然描写などドラマや映画などの映像で見たい作品です。 | ||||
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アイヌ人の話である。 悠はアイヌ人の女子中学生。今は祖父の敬蔵と一緒に暮らしている。敬蔵は60歳までプロの漁師だった。現在も、山に何日も入って出てこないことがある。そのかたわら、ヒグマやオジロワシなどの木彫りの像を作っている。 そこに、尾崎雅比古という若者が訪ねてくる。敬蔵の弟子にしてほしいというのだ。最初は拒否した敬蔵だが、結局弟子として受け入れることになる。 悠の両親は交通事故で亡くなった。悠は釧路か札幌の高校に行き、卒業したら東京に出るつもりでいる。 雅比古の家は母子家庭で、母が木彫りのヒグマを大事にしていた。雅比古はそれが敬蔵の作品だと知り、敬蔵のところにやって来たのだ。その後、雅比古は敬蔵の持つアイヌ神謡集の中に母がよく口ずさんでいた歌詞を見つける。その本には「聡子」という名前が記されていた。敬蔵の妹の名前らしい。 しかし、雅比古はある事件に何かの形で関わっていたらしい。そこから逃げてきたのではないか、とも思われる。 その先の展開は本書を読んでもらうしかない。孫が可愛くて、そのために色々なことを我慢している敬蔵。その愛を知り、祖父のもとを離れていくことに罪悪感を覚える悠。そして、その間の緩衝材になっている雅比古。 しかし、この3人のうまくいっているように見える関係も長くは続かないのかもしれない。 馳星周が持っているはっきりとしたメッセージが物語を通じて伝わる。それも、この著者らしく一番厳しい形で。そのメッセージとアイヌ人特有の世界観のようなものが相まって、一つのストーリーを作り上げている。 ラストも気に入った。なかなか読み応えのある小説だと思う。 | ||||
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読みごたえのある作品でした。民族の問題と原発の問題が交錯する、ある意味重い作品なのですが、読み味が爽やかなのは、道東の美しい景色が背景にあるからでしょうか。私も北海道の出身で、共感が持てるところが大きかったです。 | ||||
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アイヌの魂が、現代において本当の意味で大切なものは何かを痛切に投げかけるようなストーリーでした。北海道が好きで何度も訪れて、その度に心が洗われていくのを感じます。阿寒で出会った聴覚障害のある彫刻家さんを思い出しました。その方の作品のシマフクロウ、眼に惹きつけられ今にも飛び立ちそうな感覚、この本に出てくるそれと重なりました。最後はやはり涙腺が緩みました。 | ||||
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レビューとしては、邪道かもしれないが、1~2年前国立民族博物館でみた藤戸竹喜の彫刻展の感動が、この作品と化合して鮮烈な印象となった。(エカシの鳥の舞やラッコ、熊など、よかった) 馳星周の名前は知っていたが、「不夜城」のような作品は苦手意識があって読んでいなかった。たまたま図書館で手に取った本書で、老アイヌが山に入り木を探して伐るところから、自然の中で動物たちと共に生きる暮らし、その中で生み出された美、伝統的な暮らしと近代になってからの所有権との矛盾、いろんなことを考えさせられた。「ぽつんと一軒家」が高視聴率になるのと同じ、今の暮らし方でほんとにいいのか、という私たちの不安にヒントを与えてくれていると感じた。高倉健を思い出す愚直さという感想も同感だ。 | ||||
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「不夜城」みたいなダメな男が深みに嵌まって…みたいな世界観を期待すると裏切られちゃいますが、先入観無しにアイヌの世界、北海道、今を生きる者の宿命…みたいな話と考えればとても面白く読めます。キャラクター描写も丁寧です。平野敬蔵さんが渋い!僕はこの、アイヌの世界観に引き込まれて、去年川湯温泉や屈斜路湖のあたりを旅してしまいました!キャラクター設定と話のベースは、高倉健主演山田洋次監督の名作「遥かなる山の呼び声」「幸福の黄色いハンカチ」を彷彿とさせます。両方見て読むと色々楽しめるかもです。 | ||||
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以前から読みたかった本なので安く買えて良かったです | ||||
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今までまったく無知だったアイヌの歴史や文化が少し知れておもしろかったです。 正直、今でも差別やイジメがあったということに驚いています。 こういうことを知れただけでも読んだ価値がありました。 | ||||
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【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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北海道東部に住むアイヌの木彫り作家・平野敬蔵は中学生の孫娘・悠と暮らしている。 悠は田舎でアイヌとして生きるのが嫌でたまらず、都会の学校に進学したがっている。 ある日、尾崎という青年が木彫りの弟子を志願して訪ねてきた。押しかけ弟子の尾崎は、平野のそばで暮らし始める。 徐々に周囲と打ち解けていく尾崎だが、重要な秘密を抱えていた。 三分の一くらいまでは何の波乱も起こらず、平穏な日常ドラマみたいだ。 頑固な祖父と夢見る少女の生活に、都会から来た青年が乱入する。退屈ではないが、ありがちなヒューマンドラマぽい。 まさかこのまま淡々と続くのかと不安になったころに、物語が大きく動き出す。 尾崎の過去は、最近日本を大きく揺るがしたある事件と密接に関わっている。彼の行動に共感できる人は多いだろう。 私は賛同六割反対四割くらいかな。後半のアクションは息詰まる迫力である。 読み終えてみると、やはり平蔵のキャラクターが光っている。 複雑な背景の社会問題をアイヌ語でばっさり表現するところが小気味いい。芸術家で猟師もできるなんて、理想の男ではないか。 馳作品の愛読者としては、結末が甘すぎる気がしなくもない。 が、本作のテーマは家族愛と自然対人間社会の対比なので、良い落としどころなのだろう。 1人のお客様がこれが役に立ったと考えています | ||||
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著者にしてはシンプルでベタな内容の作品。アイヌとヒューマンストーリーを絡ませた作品で、他作品のような残虐性の高い描写もなくあっさり読める。 | ||||
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罪を犯した主人公が、自分のルーツを知ることで、生き方を再度見つめ直す静かな物語です。 派手なストーリー展開はないが、北海道の豊かな自然やアイヌの人の考え方、 血のつながりの濃密さなどがさらりと織り交ぜてあり、飽きずに読むことができます。 作者の従来の作品とはまた違った良さのある一冊ではないでしょうか。 | ||||
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さすが、読ませる文章・馳星周、で楽しく一気に読むことができましたが、キャラクターが「紋切り型」というか、浅い印象あり。馳氏の魅力である、人物の内面・苦悩の表現が、あっさりかなー。と少し物足りなし。 その分、「自然」の描写は、本当に綺麗ですよ。 | ||||
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馳氏の作品では有名なものとして、映画化された「不夜城」というのがあります。 やくざ・反グレの抗争、これは私の嫌いな分野なので今まで馳氏の作品は読んだことがありませんでした。 ただ本作は帯を見ると内容が穏やかなものらしいので読ませて頂きました。 舞台は北海道。アイヌの末裔が住んでいるところです。 愚直な男が出てきます。 愚直な老人も出てきます。 アイヌから逃げ出したい孫娘が出てきます。 ほかにもいろいろな要素が絡みますが、流れはいたって簡単です。 ただ愚直さが格好良いです。 何となく高倉健さんの映画を思い出しました。 愚直感を味わい人は読んでみてください。 少し馳作品に触れてみたくなりました。少しずつ開拓していきます。 | ||||
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読み終えた後、言葉を失った。 馳星周氏の最高傑作といって過言ではない。 北海道東部の大自然を舞台にしながらも、誰もがすっと入りこめる。 アイヌや原発など重厚なテーマを扱いながらも、 物語としては重くなりすぎず、軽やかに進んでいく。 するすると読め、飽きることはない。 事件小説、逃亡小説、お仕事小説、家族小説、青春小説、 成長小説、山岳サスペンスなど、とらえ方はざまざまだ。 多彩な魅力がクロスオーバーした作品の中には、 シンプルなメッセージが秘められている。 不本意ながら3度泣いた。 決して派手ではないが、静かに心を打つ。 | ||||
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北海道屈斜路湖湖畔の川湯温泉の町に住むアイヌの木彫り作家の平野敬蔵のもとに、突然東京から平野雅比古という青年が訪ねてくる。一方、敬蔵と二人暮らしの孫娘の中学生の悠は、亡母のように一刻も早くこの田舎町を出たいと思っていた。何か訳ありの青年と、アイヌである事に誇りを持つ敬蔵、そしてアイヌである事から逃げ出したい悠の3人が織りなす人間ドラマ。 自然サスペンスとありますが、そのような要素は殆どありません。諦め逃げることをせずアイヌである事を受け入れた悠、北海道の自然に触れアイヌの教え受けることで本当の自分を知る雅比古、そして過去を反省し偏屈頑固者から孫想いの優しいお爺さんになる平蔵、3人の葛藤が心に響くシンプルで純粋な家族小説です。 | ||||
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★2017年10月4日読了『神(カムイ)の涙』馳星周著 評価B+ 馳星周という作家名をたとえば、中山七里、横関大に代えても、違和感がない。 それ程、これまでの馳星周の暴力、アジアなどの作品とは大きく一線を画する作品。その意味では、これまでと異なる作風への挑戦は成功しているとも言えるが、あえて馳星周の新作風を確立し得ているかというとそれは疑問。まだ課題は彼のオリジナリティ拡大強化という点では様子を見たい。 屈斜路湖畔の川湯温泉に住む女子中学生の平野悠は、両親を交通事故で亡くした。 そして、祖父のアイヌの血をひく平野敬蔵に引き取られて、二人で暮らしている。 敬蔵は猟師を引退して、木彫り職人としてアトリエで作品を作る。そこへある日、尾崎雅比古という青年が敬蔵の弟子になりたいと押しかけてくる。しぶしぶと敬蔵は雅比古を受け入れ、近くの敬蔵をサポートするホテルの経営者浦野の従業員として雇い、休日にアトリエへ通うことになる。次第に、平野家での修行に慣れる尾崎だが、その裏事情は、東日本大震災以降、避難所で急死した母親で途切れてしまった自分探しの旅なのだった。そして、尾崎にはもう一つ大きな隠された問題を抱えていたのだった。しかし、敬蔵から北海道の自然の中で生きるアイヌの思想を自然と教えられるうちに、自らも救われて人生を考えられるように変わっていく。 | ||||
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