■スポンサードリンク
火車
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
火車の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全373件 121~140 7/19ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
世界では、毎日、いまこの瞬間でも、事件がおきている。 本作を読んで一番感じたことは、それが起きてしまったことに自分は全く原因がないのかということだ。 まず言っておくが、そんなことは絶対にない。 地球の裏側で起きた事件に自分に原因があるということなんてあり得ることではないし、そんなことは考えなくてもいいことだ、と今までは思っていた。 だけど、なぜそれが起きてしまったのか、どうすればよかったのかを考えることが大切なことだと、登場人物たちの言動からそう感じた。 面白い作品であることはもちろんだけど、大切なことを教えてくれている作品なので多くの人に読んでもらいたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人物の登場のさせ方に趣向が凝らされていて、イッキに読みました。 面白かったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
冗長だとか、どうでもいいエピソ-ドが多いとか、もっと削れるのでは?(小学生の作文を添削する先生じゃないんだから、いくらなんでもプロの作家にこの感想はないと思う)とか、こういう内容を書いている人へ。 その気持ちはよくわかりますが、それが宮部みゆきなんですよ。 この作家の作風なんです。 いい悪い、好き嫌いは別にして、こういう作品なんですから、そこはもう仕方がない。 どうでもいいような描写を含めて、丸ごと作品の世界を楽しむ。 これができなければ、宮部みゆきの重厚な作品を読んでも楽しめず「長い、かったりい」みたいに感じるしかないでしょうね。 サクサク話が進む、どうでもいい描写は一切ない、そういう小説を探して読むしかない(そういうのあるのか?)。 個人的には宮部みゆきの作品で二、三番目に好きです。 一位は絶対的に「模倣犯」。別格。 次が「理由」とこの「火車」。 この頃の作品は本当に面白かった。 残念なのは近年の作品が全く面白くないこと。 同じ冗長さでも、初期作品はそのダラダラ感含め丸ごと作品を楽しめるのに対し、最近のものは苦痛になってくる。 才能ってどんな方でも枯渇するのでしょうね、きっと。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
消費者金融から逃れるために他人になりすました女性の悲しい話です。ミステリーしての完成度もさることながら、お金についてのリテラシーが不足しているために、罠に落ちてしまうリスクへの警鐘がストーリーにみごとに溶け込んでいます。 テレビをつければ、消費者金融のCMが絶えず流れています。それだけ利用者が多いということなのでしょう。日本では、諸外国と違ってほとんどお金に関する教育が行われていません。わずかばかりの知識が無いばかりに、借金を苦に自殺してしまうなど、不幸になってしまう人を少しでも減らそうとする宮部みゆきさんの熱い思いが感じられます。 その一方で、この本でも触れられているとおり、消費者金融やクレジットなどが、一大産業になっていて、利息収入を生活の糧としている人もたくさんいるのも事実です。 過払い金の取り戻しが司法書士や弁護士が活躍するようになった現在の状況は、宮部さんには、どう映っているのでしょうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2014年の今でもこの作品がこれまで読んできた小説の中で最高傑作だと思う。クレジット、戸籍問題を通して人間の本質が見事に描かれている。分厚い本にも拘らず次のシーンが気になりすらすら読める。そして衝撃のエンディング。この作品は最後の終わり方がこうだから余計に最高なのだと思う。ただ残念なのは、数年前にドラマ化されましたが主演の女優さんとエンディングが・・・ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
実態経済は実在する人であり、金融による信用創造はその人の影であると著者は喩える。 金融にはレバレッジ(梃)と複利という大きな力がある。少ない元手でもレバレッジをかけ(借金をし)て複利で運用し、それが上手く回れば、貧しい人でも一代で富裕層の仲間入りが可能だ。ではその逆はどうか。借金をして資産を購入したものの、その資産価値が大きく下落した場合、ともすればバランスシートは債務超過だ。そこから借金返済の為の借金に迄悪化すると、利息が利息を生む複利のネガティブな側面が襲いかかる。あとは坂道を転げ落ちるかの如く人生の基盤は脆く崩れ去る。 歴史を紐解けば、膨張した金融が収縮に転じた時に生じる破壊的なダメージは、オランダのチューリップの球根、日本の株式と不動産、そして昨今のサブプライムローンに端を発したグローバルの金融危機など枚挙に暇がない。 ただ、この物語に登場する人物は、何も私利私欲に塗れていた訳ではない。人並みの幸せを実感したかったに過ぎない。そんな素朴な夢を求める人にさえ、否そんな普通の人にだからこそ、金融は時に暴力的になる。 金融は社会が豊かになる上で必要不可欠であるし、彼らにも言い分はある。景気が良ければ貸し出しを増やし、悪ければ回収に走るのはビジネスとして当然であるし、利息もリスクの高い貸出先には高く設定するのは合理的だ。しかしそれでも、金融に翻弄された人を描かれると胃のあたりが痛む。 単なるミステリーと思って読み始めたものの、こんな面白くも示唆に富んだテーマが据えられているとは。眠い目を擦りながらもページを捲り続ける、そんなミステリーとしての魅力も十分であるが、硬派な社会・経済テーマの中で、翻弄される人間を描いたこの作品は、他と一線を画すのではと感じる。 そして、締め方も見事。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
宮部みゆきの現代ミステリーは初期に傑作が多く、本書はその中でも別格である。 消費者金融、カード破産、その借財の取立てから逃げる様は悲哀を感じ、読み進むにつれ、謎の女性・新城喬子に、早くリアルタイムで逢いたいと思えてくる。勿論、喬子は悪い女性だが、事件の様相が明らかになるにつれ、ネガティブな魅力が増してくるのだ。そして関根彰子と喬子の接点が判った時は背筋がゾクッとしてきた。 あぁー早く喬子に逢いたいのに、宮部みゆきは、巧妙にはぐらかす。残りページ数がどんどん少なくなる。えっ、何、何・・・・。最後の最後の最後に出てくるではないか! 何と云う構成の見事さ。何、何なのだ、これは・・・・。 本書は直木賞の候補になったが、高名だと言われる選考委員が、犯人が最後にちょこっとしか出ないラストはいただけないと書いているのを読んだ時、何とも言えぬ脱力感が出てきたのを思い出す。結局、「理由」で直木賞を取ったが、やはり「火車」でしょう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最後の最後まで謎に包まれていて、読み切るのがもったいない内容でした。 すっかり宮部みゆきのファンになり、別の作品も読んでますが、火車が今のところ一番のお気に入りです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2014年に読みました。 時代設定は古く、現在の法律下では起きないことかもしれません。 でも、それはあまり重要なことではないと感じました。 怪我で休職中の刑事が、親戚の男性から「失踪した婚約者を探して欲しい」と言われて探し出すことから話は始まります。 多重債務を抱え自己破産をした過去を婚約者から告げられた女性は、次の日にいなくなります。 女性の過去を洗い出し、足取りを追うと彼女の過去が少しずつ、薄皮をむくように明らかになっていきます。 決して語られない彼女の心理、そして苦しみから逃げ出すために犯したであろう彼女の許されない罪。 最後の最後まで彼女の視点で物語が語られることはありません。 最後のシーンでは、私も彼女に聞きたい、真実はなんなのかと... 読後に深い余韻を与える、もう一度読みたい名作だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
確かに面白い。 が、結局自分の不幸な境遇を脱するために殺人を犯し、相手に成り代わるという部分に納得がいかなかった。 そこんとこ、よほどのハードル越えが必要なのでは。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
悪徳金融業者に追い回され、平穏な生活を取り戻すには他人になりすますしかないと思い詰めた女性の悲哀が、強烈に伝わってきた。 自分がなりすました女性にもカード破産の前歴があったのは、「皮肉な運命」か? ただ、逃げた女性を捜すのが休職中の刑事という設定に引っ掛かった。怪我で休職中なら、療養に専念しろよ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
おもしろいですね。 途中からグイグイと引っ張っていってくれます。 長いですが2日ほどで一気に読みました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
期日通り、本の状態も奇麗でとても気に入りました満足な商品でした | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
女性が失踪して、その人が何者かにすりかわっていた、ということがわかり、そのすりかわっていた者の身元を精査するうちに負債から来る社会の凄絶さがわかってくる、というような話である。 現在では社会状況もだいぶ変わっているようだが、一昔前の物語としてむしろ面白さが増す可能性もある。 ミステリーだから人間の暗い側面があらわになって当然で、ミステリーとして複雑な事象の絡まりが楽しめた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
字だけの本は恥ずかしながら殆んど読んで来なかったのですが、ミステリーが好きでこの作品を知りました。読書脳ができてないせいか、随分時間をかけてやっと終わりました。 期待していたのとは違いましたがむしろ大歓迎大満足です。 所々の細かい説明的な文章やエピソードは「必要なのかな?」と思いながら読んでましたが、終幕に向けて後で効いてくるものが多く唸らされました。 終わり方は一瞬「えっ!?おわり??」ってなったけど最後の三行(だったかな?)に繋がる数ページ前からの加速っぷりを整理して納得しました。 特に最終行にシビレました。あの人物の名が最後に使われている意味に気付くとパッと目の前が開けた気になります。 でも多分それは人それぞれだと思います。 兎に角余韻の残し方がニクイですね、文学には全く疎く何も言えませんが、ミステリというよりもドラマティックでした! この作品は”切なさ、儚さ、哀しさ”の中に”温かさと許し”を混ぜて割らずにそのままって感じでしょうか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
引き込まれるように読んだ。クレジット社会のもたらす問題点をえぐったものである。 小説の構成がかなり堅牢で、つながりが巧みである。最後も余韻があってなかなか憎い。 著者は法律事務所に勤務していたようで、素材と資料を十分に自分のものにしている。 住民票の取り方(〜役所で他人も取れてしまう)など リアルで実態をよく把握している ため、リアルで説得力のある展開となっている。 唯一 リアルを感じさせない、小説だと思わせる点は、「新城喬子」のような生き方は ありえないと思う点である。通常の人間ならこのような重圧におしつぶされて生きていけない のではないかと思う。 何はともあれ、読んだ後無駄だったという思いはない。為になる本である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
その女には何の落ち度もなかった。にもかかわらず、ある事情が学生だった彼女を不幸のどん底に突き落とす。住む場所も失い散り散りになる家族。そんな親子を襲うさらなる悲劇。どんなに足掻いても得られない平穏な生活に焦がれた女は、やがて驚愕の犯罪に手を染めることになる。 当代随一の女流作家が贈る社会派ミステリー。物語は謎の美女を追う老刑事の視点で描かれる。人情味あふれる刑事とその周囲の人々の和やかなやり取りに対し、徐々に明らかとなる女の背筋の凍るような所業が見事なコントラストとなっている。それでいて、残酷なシーンなどは一切描かれていない。 全般にテンポが良く非常に読みやすい作品に仕上がっている。 この小説の凄いところは、お仕着せではなく、きちんとエンターテイメント性を維持しつつ、クレジット社会の罠という難しいテーマに切り込んでいる点だ。作者自身のこういった問題に対する並々ならぬ危機感は、後の作品『理由』からも感じられる。そんな彼女だからこそ、広く社会のために丹念な取材を重ね、渾身の力で不朽の名作と言える作品を書き上げることが出来たのだろう。 日本の学校ではマネーに関する教育が十分になされていない。ゆえに、無知が原因で罠にはまってしまうような人も少なからずいるのではないだろうか?そんな世の中において、どこにでもいそうな善良な人やその家族が破滅していく様を描いたこの『火車』は啓蒙の書にすらなりうる。 広く読まれて欲しい一冊だ。 (610字) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
例えば。人探しを頼まれた刑事は手始めに関根彰子の勤務先を訪ね、そこで彼女の顔写真付きの履歴書をゲットします。勤務先での成果はほんとうにそれだけなので、その意味では数行で充分なはずなんですが、宮部みゆきはただそれだけのことを書くのに10ページ以上使うのです。雑居ビルの様子。今井事務機の様子。社長の人柄。関根彰子の同僚「みっちゃん」のキャラ。零細企業の経営についての蘊蓄話。忘年会の思い出話。「妻の従兄弟の息子」をなんと呼ぶか、辞書で調べてくれるみっちゃん。どうでもいいことをえんえんと書く。訪ねて行ったとき社長は留守で、みっちゃんが「社長は向かいの喫茶店でコーヒー飲んでるんです、いま呼んで来ます」って言うんですよ。そいで呼んで来るの。何だよそのどうでもいいエピソード。何なんでしょうねこれ。きっと湧いて出てくるんでしょうね。後から後から、こんこんと。泉のように。一種の怪物ですね宮部みゆき。この膨大な無駄なディテールを「冗長」だと思ってしまうと、ここも冗長、またここも冗長と、腹を立てながら読むことになり、この小説を楽しむことに失敗するんじゃないかと思います。 じゃあどうすればいいのかというと、わかりませんが、とにかく僕はひたすら楽しみ、二日で読み終えました。運良くたまたまその二日間だけ、僕のチューニングが宮部みゆきに合ってたんでしょう。じつに幸運な出会いでした。何かもう出だしからラストまで一度も推敲せず考え込むこともなくすべてを一筆書きのようにずずずずっと書き切ったかのような、この膨大な重厚なトコロテン感。それでいて最後にきれいに最後のピースがすとんとはまる完成感。素晴らしい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
面白い、10年ぶりの再読、物語の構成が良い、著者の筆力が、冴えわたる、なかなか姿を現さない、主人公のさびしい生活を眼にうかべながら、読み進むベージに手が止まらない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
借金で人生をくるわされた女性のお話でしたが、最後どうなるのか・・・という所で話が終わってしまいす。 続きは読者の想像で・・ということで星-1です。 宮部さんの作品全般にとにかく登場人物の設定丁寧なこと性格や生い立ちなど、詳しく書かれていること。 セリフを読んでいると脇役でもどんな人かも想像できてしまうこと。読むのに時間はかかりますが読み応えあります。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!