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火車
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火車の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全382件 221~240 12/20ページ
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| 大分以前の作品なので大勢の方々のレビューで本書の内容は語り尽くされている。が、今も読み返して感じることは物語の底流に、他の宮部作品にはない哀愁があるということだ。これは「火車」特有の情感で、それを感じとれる読者はみな、宮部みゆきの最高傑作と評する。 大罪を犯さなければならなかった理由、計画しつくされた隠ぺい工作、冷徹な実行力など全てに、そうしなければ自分自身が生きられなかったのだ、という動機以上の切望がある。そのことによって、一言も語ることなく、姿もたった一度見せるだけの殺人犯のシルエットを浮かび上がらせ、一編のミステリーを推理だけに終わらせぬ、読者自身のロマンチックな想像力をかき立てることにも成功している。 最初に読んだとき、映画化されるのが楽しみだった。脚本をどう書くか、配役を誰にするか、音楽のイメージは…。主人公の老刑事、そして美しい殺人犯を演じた俳優たちにとっては、生涯の代表作になるに違いない。 | ||||
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| 虚飾のために借金を重ねた人間は自己破産してリセットできるのに、自分には何の責任もない親の借金から逃げることすらままならず、掴みかけた幸せも打ち砕かれ、人間として最も屈辱的な仕事を強制され、追い詰められた彼女は他人になるしか方法がなかった。恐ろしく用意周到で冷徹な計算の上に行われた犯罪ではあったけど、彼女はそれだけ強く「別の誰か」になることを望んで止まなかったのだと思う。親の過ちのせいでこんな哀しい犯罪に手を染め、一時は幸せになれそうだったのに失敗し、結局殺人犯として監獄生活を送ることになってしまう彼女。違う親に生まれていたら幸せだったろうに。「頼むから死んでいてくれ」と娘に思わせてしまった親の責任は非常に重い。闇の社会に別人として生きる女は「白夜行」とも通じるが、共犯すら作れない本当の孤独とはどれほどのものだろうか。本人の口からは何も語られないので、彼女の絶望の深さは読者が想像せざるを得ないが、完全犯罪が成功しても彼女の生きる闇が完全に明るくなることはなかっただろう。 小説としては文章が冗長的な部分があり、もっと簡潔に書いてもよかったのではないかと思うが、雲を掴むようなわずかな手がかりから「本当の彼女」に迫ってゆくプロットは圧巻。ご都合主義な部分もあるものの、あまりそう感じさせない上手さがある。具体的な殺害方法や死体の隠し場所が明らかにされないのは少し物足りなくもあるし、本人の弁が聞きたいとも思うが、この小説に於いてはそれらはさして重要ではない。 それにしても個人情報保護が問題になっている今ではこれと同じようなことはもうできないだろうが、今だったら当時はまだ普及していなかったインターネットで戸籍の売買情報なども得られるのかもしれない。闇はまだ存在している。 | ||||
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| このミステリーがすごい!過去18年間でもっとも面白い本はこれだ!!で2位に入っていたため読んでみた作品。 これで2位なのかという驚きもあるが、作品自体はしっかりしたもので、最後の10ページほどはかなりの興奮と感動を感じた。 犯人の足跡を辿る展開は、ちょっと出来すぎの感もある。 だけど、最後のシーンで犯人の肉声(というか反応、言動)を読みたかった。といいつつ、やっぱり終わり方はあれがいいのかもしれない。 | ||||
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| 新城喬子という得体の知れない怪物が、追うにつれリアルな一人の女性として輪郭が見えてくる。 ただのサスペンスではなく(若干とってつけたようではあるが)妙齢の女性の心理を描いている。 ただ、哀しい。 自立と孤独と将来と悩む年頃に読んでみてもいいと思う。 拒絶する前に、足りるということを知るべきだ。 | ||||
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| 主人公の息子さんが歳の割に妙に語彙力持ってて苦手です。 大人ぶってる訳でもなく子供らしさもあるんだけど、 どこか背丈に合わない物言いをする気がするんですよねw ゆとり世代以前の小学生ってこんな賢いもんなんでしょうか。 | ||||
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| 暗い!けどおもしろい!…けどやっぱり暗い! 何作か読んだ宮部作品の中でも好きな方の作品です。 クレジット破産がテーマの社会派の作品です。 野球場の写真のところはネタを知っていたので 主人公が気付かないのがちょっともどかしかった。 後半の心理描写とかはうまいな思いました。 充分満足しました。 | ||||
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| この作品はミステリーの域を超えて、経済小説といってもいいのかもしれません。 多重債務者になることはけっして特別なことでも、その人の人間性を否定することでもないんですね。 自分だって、いつこういう立場に追い込まれるかわからないのです。 この作品が上梓された頃はバブルが崩壊した直後ですから、よけいにリアルな作品として社会に受け入れられたのではないでしょうか。 また、この作品では人が誰しも抱えているであろう「孤独」についても、それぞれの登場人物ごとに描かれているように思います。 この「孤独」とのつきあい方が、その人の生き方を決めているのかもしれません。 | ||||
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| 宮部さんの作品では一番気に入っている作品です。宮部さんの筆の表現力に感嘆いたしました。 | ||||
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| といっても宮部作品を読むのはこれが初めてなんですけどね。 いや、すごいです。評判がいいのは当たり前。太い綱をぐいぐい引っ張るような物語の牽引力。印象的なラスト。ただ、もう少し縮めることはできるかな? | ||||
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| 火車、とても読み応えのある本当に読者を裏切らない表現にはいつも感動してしまいます。 宮部先生の書く小説は現代社会にある「踏み入れてはならない」部分にあると思っています。 でも、気づいたら踏み入れてしまった…。 とういう登場人物が身近に感じられる。 火車はそれがとても強いように私は感じました。 だから続きが早く読みたい、でも読み終えたくない。と思ってしまいます。 | ||||
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| 扱ってるテーマがシリアスが故に、全体的に内容は重々しくなっている様な気がします。 その重さが、途中で読むのが辛くなる思いをわき上がらせます。 途中で放り出してしまう人も読んでる人の中にはいたんじゃないかと思います。 重さの理由の中には、宮部みゆきの説教性みたいな物が含まれているからじゃないかと。 お金が絡む問題で簡単には扱えない内容だと思い、宮部さんは随分と経済・金融に関して勉強した様です。 きっと、勉強する中で世の中に伝えたいこと、とかを書き入れたと思うのですが、それが少し説教臭くなっている、そんな気がします。 ラストの部分は、スラスラと読め、オチは非常に綺麗なしめ方でした。 ただ、それまでの部分が、非常に長い。 だから、読む時間が無くて長編が苦手な人には不向きな作品かと思います。 | ||||
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| ラストの数行がまるで詩のように美しくて、「あぁ、物語のすべてはこのシーンのためにあったんだなぁ」と感動しました。宮部作品は本作と『理由』しか読んだことがないですが、ほかの作品もぜひ読んでみたいと思います。 | ||||
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| 親戚に頼まれた休職中の刑事が行方不明の女性を追う ストーリーを簡潔に言ってしまえばこんなにも簡単なのだけれど、そうはいかない 借金、多重債務者にスポットを当てた作品なので、そういったことに無縁、無知な私にとっては難しい文章が多かったけれど、それに対しての法律などためになる情報を実に詳しく書いてあるので読んで損はない ニュースではよく聞く言葉なのに、身近に感じる人はほとんどいないと思うけど、恐ろしいと感じる程自分のすぐ傍に存在することなんだとこの本を読めば分かる 学生向けのクレジットカードもある今、この本に書いてある出来事は決して他人事ではないのだ 作品の感想に戻ると、主人公が目的の女性を追う過程が少しじれったく感じる部分もあるけども、それが一層主人公の心情を読み取れる効果があると思う かと言って終始どんよりとした雰囲気ではなく、主人公の息子や近所の人々との掛け合いが温かだったり、読み続けることが苦になることはなかった 一つ情報を得たり核心に近付くシーンがあると、主人公とともに「やった!」と感じるほどのめり込んだ 一歩一歩近付く様が本当にリアル 特に最後のシーンには本当にドキドキさせられて、読み終わったあとのずっしりとした達成感がとても心地良かった 温かい文章の宮部みゆきさんしか知らなかった私にはちょっとびっくりしたこの作品だが、やっぱり「さすが!」としか言いようが無かった 人に勧めたくなる一冊だと思います | ||||
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| 始めて読んだ宮部みゆきさんの本が「理由」だった。そして正直面白くなかった。もう宮部みゆきさんの本は読まないつもりだった。しかし「火車」を多くの人が勧めているのでしかたなくといった気持ちで読んでみた。面白かった。本当に面白かった。失踪した女性を捜すという小さな事件が少しずつ大きな事件へと発展していく。長い長い物語なのに飽きる事なく読み進めた。最後の数ページの勢いのすごさ。ゆったりと進んでいた物語が急展開する。このあたりは脱帽。長い物語を読んできたからこそ感じられるクライマックス。素晴らしい。この本は読んでおきましょう。 | ||||
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| 休職中の刑事、その息子、家政夫を職業とする男性とその妻など、 独特のテンポをもった登場人物たちが、作品の中で生きている。 冒頭で、主人公の置かれている状況を地の文で説明するのでは無く、 自然な描写で読者に伝えたり、実際には物語りに登場していない、 失踪した女性の心理や行動を、女性の過去を調査する過程で描いて いるのは、上手いとしか言いようが無い。 謎の女性が最後まで正体を現さないのもサスペンスを盛り上げる。 この作品で直木賞あげても良かったのではないかと思う。 秀作です。 | ||||
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| 最新作の『楽園』を含む宮部みゆきの作品群の中で本書は最高傑作だと思います。読んでいて心臓がドキドキする場面が何度もありました。 かなり変わったラストシーンまではグイグイ引っ張られてあっと言う間に読めます。私は読書好きで沢山の本を読んでいますが、エンターテイメント性の強さにおいて本書は群を抜いていると思います。本職の弁護士さんが何か言っていますが、小説として楽しむ分には何の問題もありません。絶対に楽しめます。 | ||||
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| 親戚の青年から突然失踪した婚約者捜索を頼まれたことから始まる 長い長い人探しサスペンスです。 他の方が言ってるように、カードによる多重債務⇒自己破産のスパイラルが背後にあります。 それは、この本の語り口だけで見ると少し古めに感じるけれども 今の時代でも、十分当てはまる大きな社会の闇です。 途中から、探し人の『彰子』は一人の女性というよりも その闇をまとった時代の象徴のようになっていきます。 ラストで彼女がその実体を、本当にいるんだということをさらけ出したところで その象徴性が失われて、急速に一人の女性を形作っていきます。 するとどうでしょう。何百ページも費やして、主人公と読者とが探し出した『犯人』 に対する感情がとても不思議なものに変わっていることに気づくはずです。 そこが気持ちの最高潮。だからラストはアレでよかったんだと思います。 すごく、不思議な犯人を仕立て上げることのできる作家さんだな、と思いました。 | ||||
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| 忽然姿を消した女、その女を捜しているうちに彼女は他人となりかわっていた事が判明する。 何故彼女はそうしなくてはならなかったのか・・・ 借金地獄を背景に複雑な人間関係が浮かび上がってくる。 これほど登場人物が多いのに、すべてがいきいきと個性をもち見事に描かれている。又非常に重いテーマであり、恐ろしいローンにまつわる現実や、借金地獄にはまりこむ人々の心理などが淡々ではあるが、実に詳細に描かれている。 厳しい社会の現実の中、人と成り代わってまで生きていこうとするしたたかな女も、彼女の内面が語られることはないが、刑事の調査がすすむにつれ、その姿は浮かび上がってくるが、それでも悪人とは感じられない。 ラストがかなり肩透かしになってしまった観がある。それが非常に残念である。今度は女を主人公にした外伝を期待したい。 やはり宮部みゆきは上手い作家だ。 | ||||
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| 一言でいうと、傑作です。 重いテーマをこんなに情感と悲しみと人間の性を感じさせる作品はなかなかありません。「砂の器」以来かも。 行方不明の女性を捜している過程で、いろいろな事が分かっていく・・ はじめは話がどう流れるか検討つきませんでしたが、 「誰を捜してるか」にピンスポットが当たった時点で、 読んでいる私も、主人公たちと一緒の気持ちになり 「早く捜してあげなければ」と思っていました。 めぐりあえたシーンでは、安心感と恐ろしさと、憐憫と悲しいくらいの情が沸いてくるのを感じました。 何度読んでもこの感動は薄れません。 「理由」よりこっちのほうがだんぜんオススメです。 なぜ火車で直木賞とれなかったのかが本当に不思議です。 | ||||
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| 結婚する女性に、クレジット・カードを持たせようとするが、カードが作れない事を女性に伝えると、女性が行方不明になってしまう。好きだから、警察の仕事をしている知り合いに、女性を探してほしいと頼む事から、話が始まります。 次々と女性の事を調べて行くにつれ、女性の辛い過去が明らかに・・・。簡単に作れる、クレジット・カードから、多重債務になり、自己破産したくても出来ないようになってしまったら・・・ とっても考えさせられる話で、自己破産についても勉強になります。話を読んでいて、大阪の「難波球場」が出て来たから、嬉しかった。 | ||||
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