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火車
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火車の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全373件 221~240 12/19ページ
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火車、とても読み応えのある本当に読者を裏切らない表現にはいつも感動してしまいます。 宮部先生の書く小説は現代社会にある「踏み入れてはならない」部分にあると思っています。 でも、気づいたら踏み入れてしまった…。 とういう登場人物が身近に感じられる。 火車はそれがとても強いように私は感じました。 だから続きが早く読みたい、でも読み終えたくない。と思ってしまいます。 | ||||
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扱ってるテーマがシリアスが故に、全体的に内容は重々しくなっている様な気がします。 その重さが、途中で読むのが辛くなる思いをわき上がらせます。 途中で放り出してしまう人も読んでる人の中にはいたんじゃないかと思います。 重さの理由の中には、宮部みゆきの説教性みたいな物が含まれているからじゃないかと。 お金が絡む問題で簡単には扱えない内容だと思い、宮部さんは随分と経済・金融に関して勉強した様です。 きっと、勉強する中で世の中に伝えたいこと、とかを書き入れたと思うのですが、それが少し説教臭くなっている、そんな気がします。 ラストの部分は、スラスラと読め、オチは非常に綺麗なしめ方でした。 ただ、それまでの部分が、非常に長い。 だから、読む時間が無くて長編が苦手な人には不向きな作品かと思います。 | ||||
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ラストの数行がまるで詩のように美しくて、「あぁ、物語のすべてはこのシーンのためにあったんだなぁ」と感動しました。宮部作品は本作と『理由』しか読んだことがないですが、ほかの作品もぜひ読んでみたいと思います。 | ||||
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親戚に頼まれた休職中の刑事が行方不明の女性を追う ストーリーを簡潔に言ってしまえばこんなにも簡単なのだけれど、そうはいかない 借金、多重債務者にスポットを当てた作品なので、そういったことに無縁、無知な私にとっては難しい文章が多かったけれど、それに対しての法律などためになる情報を実に詳しく書いてあるので読んで損はない ニュースではよく聞く言葉なのに、身近に感じる人はほとんどいないと思うけど、恐ろしいと感じる程自分のすぐ傍に存在することなんだとこの本を読めば分かる 学生向けのクレジットカードもある今、この本に書いてある出来事は決して他人事ではないのだ 作品の感想に戻ると、主人公が目的の女性を追う過程が少しじれったく感じる部分もあるけども、それが一層主人公の心情を読み取れる効果があると思う かと言って終始どんよりとした雰囲気ではなく、主人公の息子や近所の人々との掛け合いが温かだったり、読み続けることが苦になることはなかった 一つ情報を得たり核心に近付くシーンがあると、主人公とともに「やった!」と感じるほどのめり込んだ 一歩一歩近付く様が本当にリアル 特に最後のシーンには本当にドキドキさせられて、読み終わったあとのずっしりとした達成感がとても心地良かった 温かい文章の宮部みゆきさんしか知らなかった私にはちょっとびっくりしたこの作品だが、やっぱり「さすが!」としか言いようが無かった 人に勧めたくなる一冊だと思います | ||||
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始めて読んだ宮部みゆきさんの本が「理由」だった。そして正直面白くなかった。もう宮部みゆきさんの本は読まないつもりだった。しかし「火車」を多くの人が勧めているのでしかたなくといった気持ちで読んでみた。面白かった。本当に面白かった。失踪した女性を捜すという小さな事件が少しずつ大きな事件へと発展していく。長い長い物語なのに飽きる事なく読み進めた。最後の数ページの勢いのすごさ。ゆったりと進んでいた物語が急展開する。このあたりは脱帽。長い物語を読んできたからこそ感じられるクライマックス。素晴らしい。この本は読んでおきましょう。 | ||||
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休職中の刑事、その息子、家政夫を職業とする男性とその妻など、 独特のテンポをもった登場人物たちが、作品の中で生きている。 冒頭で、主人公の置かれている状況を地の文で説明するのでは無く、 自然な描写で読者に伝えたり、実際には物語りに登場していない、 失踪した女性の心理や行動を、女性の過去を調査する過程で描いて いるのは、上手いとしか言いようが無い。 謎の女性が最後まで正体を現さないのもサスペンスを盛り上げる。 この作品で直木賞あげても良かったのではないかと思う。 秀作です。 | ||||
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最新作の『楽園』を含む宮部みゆきの作品群の中で本書は最高傑作だと思います。読んでいて心臓がドキドキする場面が何度もありました。 かなり変わったラストシーンまではグイグイ引っ張られてあっと言う間に読めます。私は読書好きで沢山の本を読んでいますが、エンターテイメント性の強さにおいて本書は群を抜いていると思います。本職の弁護士さんが何か言っていますが、小説として楽しむ分には何の問題もありません。絶対に楽しめます。 | ||||
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親戚の青年から突然失踪した婚約者捜索を頼まれたことから始まる 長い長い人探しサスペンスです。 他の方が言ってるように、カードによる多重債務⇒自己破産のスパイラルが背後にあります。 それは、この本の語り口だけで見ると少し古めに感じるけれども 今の時代でも、十分当てはまる大きな社会の闇です。 途中から、探し人の『彰子』は一人の女性というよりも その闇をまとった時代の象徴のようになっていきます。 ラストで彼女がその実体を、本当にいるんだということをさらけ出したところで その象徴性が失われて、急速に一人の女性を形作っていきます。 するとどうでしょう。何百ページも費やして、主人公と読者とが探し出した『犯人』 に対する感情がとても不思議なものに変わっていることに気づくはずです。 そこが気持ちの最高潮。だからラストはアレでよかったんだと思います。 すごく、不思議な犯人を仕立て上げることのできる作家さんだな、と思いました。 | ||||
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忽然姿を消した女、その女を捜しているうちに彼女は他人となりかわっていた事が判明する。 何故彼女はそうしなくてはならなかったのか・・・ 借金地獄を背景に複雑な人間関係が浮かび上がってくる。 これほど登場人物が多いのに、すべてがいきいきと個性をもち見事に描かれている。又非常に重いテーマであり、恐ろしいローンにまつわる現実や、借金地獄にはまりこむ人々の心理などが淡々ではあるが、実に詳細に描かれている。 厳しい社会の現実の中、人と成り代わってまで生きていこうとするしたたかな女も、彼女の内面が語られることはないが、刑事の調査がすすむにつれ、その姿は浮かび上がってくるが、それでも悪人とは感じられない。 ラストがかなり肩透かしになってしまった観がある。それが非常に残念である。今度は女を主人公にした外伝を期待したい。 やはり宮部みゆきは上手い作家だ。 | ||||
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一言でいうと、傑作です。 重いテーマをこんなに情感と悲しみと人間の性を感じさせる作品はなかなかありません。「砂の器」以来かも。 行方不明の女性を捜している過程で、いろいろな事が分かっていく・・ はじめは話がどう流れるか検討つきませんでしたが、 「誰を捜してるか」にピンスポットが当たった時点で、 読んでいる私も、主人公たちと一緒の気持ちになり 「早く捜してあげなければ」と思っていました。 めぐりあえたシーンでは、安心感と恐ろしさと、憐憫と悲しいくらいの情が沸いてくるのを感じました。 何度読んでもこの感動は薄れません。 「理由」よりこっちのほうがだんぜんオススメです。 なぜ火車で直木賞とれなかったのかが本当に不思議です。 | ||||
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結婚する女性に、クレジット・カードを持たせようとするが、カードが作れない事を女性に伝えると、女性が行方不明になってしまう。好きだから、警察の仕事をしている知り合いに、女性を探してほしいと頼む事から、話が始まります。 次々と女性の事を調べて行くにつれ、女性の辛い過去が明らかに・・・。簡単に作れる、クレジット・カードから、多重債務になり、自己破産したくても出来ないようになってしまったら・・・ とっても考えさせられる話で、自己破産についても勉強になります。話を読んでいて、大阪の「難波球場」が出て来たから、嬉しかった。 | ||||
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どうしてもこの作品を書きたい、 どうしてもカード社会の不条理を世に問いたい。 そうした筆者の強烈な思いがしっかり伝わってくる渾身の一作。 一流のエンタメ作家・宮部みゆきとは違う、 「表現者・宮部みゆき」の代表作である。 | ||||
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この著者のSF物やファンタジーも捨てがたくはあります。 ですがエスパーも竜も登場しない本作は、構成といい、中身の濃さといい、宮部作品の中でも屈指ではないでしょうか。 物語の内容は少し重かったです。カード金融社会の裏とか自己破産といった話は、決して他人事ではなく・・・身につまされるテーマというのもありましたが、しかしそれだけはなく物語を追う視点の置き方の巧さと、説得力ある文章で最後まで目が離せません。 とくにラストの寸止め感覚がお気に入り。 一気に読んでしまうことをおすすめします。 | ||||
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すごい取材量だったのではないか?その膨大な情報を魔術のように織り交ぜながらあれよあれよと読ませてくれる。盛り上がるべきシークエンスは容易に頭の中に映像化される。稀代のストーリーテラー・宮部みゆきの真骨頂。「レベル7」「理由」「魔術はささやく」等々良作を多く生んでいるが、本作は別格。作家が人生において一作モノに出来るかどうかの傑作。 | ||||
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そこそこの長編だがあまりの面白さに一気に読めてしまう。まさにミステリー史に残る傑作だと思う。自己破産やカードローンなど金融関係の用語が多く、現代の社会情勢をテーマにした内容で難しく感じるかもしれないが、心配することはないでしょう。ともすれば、説明的になる部分も、そこは著者の力量で面白く読めた。後半にかかるとスピード感はアップし、ぐいぐいストーリーに引き込まれていった。そして罪を犯すものにもそれぞれの人生があり、皆必死で「生きている」のだと感じた。ラストシーンはもうこれ以上ないのではないかと思えるほどかっこいい終わりかた。最後の1行まで楽しめた稀有な傑作。 | ||||
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主人公の遠縁の婚約者が失踪したことから始まる追跡劇。 その中にカード破産の悲哀を織り交ぜストーリーは展開していきます。 しかし釈然としない部分もいくつかあり、 その一番大きな部分は犯人さえも被害者として描いているところです。 犯人もまたカード破産の被害者。 突き詰めればそうかもしれません。 ですが犯人はあくまで殺人犯です。 どんな理由があろうとも人一人の人生を奪っています。 その部分さえ仕方の無いことと片付けられたら、 殺された方はたまったもんじゃありません。 ラストは賛否両論。私は追いつくまでが火車の全てと思っていたので、 終盤に向かうにつれてラストの予想は付いていました。 なのであの終わり方には納得ですが、 模倣犯で被害者の立場を丹念に描いた作者とは思えない、 かなり偏った作風だったのではないかと思います。 | ||||
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本当にあっという間に読めてしまうくらい引き込まれる作品です。私も半日で読んでしまいましたが、途中で止めることができませんでした。宮部作品はこの作品のような社会的問題を題材にしたものが結構ありますが、一見たいしたことのないような問題なのに、明日にでも自分がその主人公になるかもしれないという感覚があってより一層こわさを醸し出しています。2度読みましたが、いつ読んでも満足できる作品です。一読の価値ありです。 | ||||
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読む価値あり。10時間ぐらいで一気に読めました。 体調や環境を万全にして、できれば一日で読んでください。 間が開いてしまうと、どっちがどっちだかわからなくなると思います。 説明が長いという批判がありますが、そんな感じはしませんでした。 すべて理解に必要なものです。登場人物も多くありません。 ラストについては人によって好き嫌いが顕著に出るところだと思います。 個人的な感想としては、意外とあっさりと終局を迎えてしまい、 それまで徐々に高めてきた高揚感の始末に困る、といった読後感が残ってしまいました。 それを差し引いても読んでよかったと思えるすばらしい作品です。 ほんの厚さを見て二の足を踏んでいる方も居られると思いますが、 大丈夫です、勇気を持って第1ページを開いてみてください。 | ||||
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この作品は十年以上前に書かれたものですが、ここで暴かれている事実は現代でもさほど変わっていません。ここでは主にクレジット破産を扱っていますが、現代でも消費者金融やヤミ金融で身を滅ぼす人は大勢いるからです。日本は平和な国だなと漠然と思っている人には是非読んでほしい小説です。頭に冷水を浴びせられた気分になります。 展開手法としては、主人公が被害者や容疑者の知り合いに接触してその人の情報を得ていくわけですが、これがなかなか面白かったです。二人が働いていた時期や職場によって周りの評価もそれぞれ異なっていて、そうした断片的な情報をパズルのように組み合わせることで彼らの実像が浮かび上がってきます。この手法は興味深かったです。しかし難を言えば、固有名詞が多くて頭の中で整理するのが大変でした。 ラストについては賛否が分かれるかと思いますが、独特の余韻が残っていて私は好きでした。そもそもこの作品は犯人を捕まえることよりも、被害者や容疑者の過去を通して現代社会の裏側を垣間見ることに重きが置かれています。ですからそれが読み取れれば最後のくだりもそれ程違和感がないと思います。 | ||||
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クレジットカードや自己破産をテーマにした、サスペンス小説です。 宮部みゆきさんは、法律事務所に勤めていらっしゃったということですが、 そのときの知識が、本作を執筆する上で十分に発揮されたのだと思います。 ある人物が、ある人物を亡きものにして、入れ替わり、 別の人生を歩むことが、現代では可能であるほど個人というものが希薄になってしまったということを思った時に、空恐ろしさを感じました。 現代の人々が、見栄のために一戸建てを目指したり、 また、自分が人並みであると安心するために必要なアイテムを手にしようとするところから、 自己破産は起こるのだなと、ストーリーを追ううちに感じました。 つまり、そういったステータスを追い求める現代の人々は、滑稽だなと思いました。 本書は、社会風刺にも優れた、質の高い小説です。 | ||||
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