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火車
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火車の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全373件 201~220 11/19ページ
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家族の借金地獄に巻き込まれた主人公を軸とする内容ですが噂程は衝撃的でもなく恐ろしくもなかったし期待していた分ちょっと残念だった気もしますが、読後感もよく、一度読み始めると一気に読まずにはいられない、次を予測させない面白さがありました。 サラ金等で自転車操業をする若者等に『読め』と言う方も多いですが、これはまた違う話ですね。 | ||||
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凄すぎる。 世界にもこの作品のファンいます。でも無冠の作品で直木賞の選考委員の一部からは酷評でしたが井上やすし氏など偉大な方々は傑作であると評価しています。酷評された方々は時代に淘汰されました。 この本の良さが分からん人は読解力不足だろうとしか思えない | ||||
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ミステリーというよりは、今のカード社会のダーク面のレポートという感じで読み進めました。個人情報流出やバラバラ殺人なども取り扱っていて、とても10年以上前の作品とは思えません。 | ||||
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「読めば分かる」というのは、正にこの本のためにある言葉。読み始めて止められなくなり、夜通しで読み終えた記憶が懐かしい。(ラストの邂逅シーンは、後に尾を引く怖さであった。見事なプロットとストーリー・テリングは、今後も日本ミステリー小説史に燦然と輝こう。)個人的には、いまだ宮部みゆき作品の断トツのベストである。 | ||||
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本作は多重債務者救済の為の教科書的な作品である。そうあらんとして書かれた言わば告発本である。従ってバラバラ殺人という猟奇的な凶悪犯罪を犯した加害者に対しても暖かい視線が注がれ、誰一人として悪人が登場しない。本作で敢えて「悪」として描かれているのは金融システムであり、また不完全なシステムを野放しにしている金融当局であり、誤ったイメージを増幅させて多重債務による生活破綻者に冷たい視線を送る社会そのものであり、多重債務者はある意味その被害者に過ぎず、いつ何時自分がその境遇に陥るか判らないのだと云う主張が全編を通して貫かれている。 あのラストの場面に加害者にもそれに至る同情すべき背景があるのだという著者の訴えが象徴的に凝縮されている。文庫版で解説を寄せているのは佐高信であり、その辺も著者および本作の思想傾向を辿る上で参考になった。 純粋なミステリー作品としては、周到に張り巡らされた伏線が一本として尻切れトンボになる事が無く、捜査過程でのつまずきや洗い直しも読者にとって適度に心地よい変調になっているという意味でも大変良く出来ていると思う。 | ||||
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喬子は、自分の不幸な人生から自分を助け出し、自分を守ってくれる人を探し続ける旅をしているようだった。 喬子は罪を犯した人間だが、その先に大きな社会問題がおきる事も予想せず、ただ豊か・便利になってしまった社会の犠牲者だろう。 実際にカードによる自己破産は圧倒的に多い。 物語は残り数ページのところで自分自身も、本間や保と同じように興奮と緊張が高まってるような気分だった。また、ようやく喬子を見つけたという達成感というか・・・やっと終結をむかえることができたという安堵感があった。 宮部みゆきを代表する作品としてふさわしい作品だろう。 | ||||
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私は運が良かったのか悪かったのか、宮部作品のとっつきがこの「火車」でした。 面白かった。 人物の綿密な掘下げや筋立てのどれを取っても申し分なかった、感服したのを昨日のように思い出します。 「すごい作家が現れた!」と興奮して、もう一度この感動に巡り会いたいとの一心で片っ端から読み漁りました。 でもこれ以上の作品には出会えませんでした。 当然と言えば当然です。それまでの読書歴でこんなに興奮した作品は他になかったですもの。 ロックバンド「シカゴ」の「ホテル カリフォルニア」みたいです。 他の作品も佳作ぞろいなのに、「火車と比べると…」とこれからも言われ続けるのでしょう。 これほど完成された作品にこの先出会えるとは想像出来ません。 絶対読むべき作品です。これを読まずして何を読む! | ||||
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犯行の動機、そしてその社会的背景(=消費者金融にはまる人々とその悲惨さ)がリアルかつ詳細に描かれており、単なる犯人探しでは終わらない深みのあるサスペンスだと思う。この本を読むとキャッシングしたりローンを組むのは勿論、カードをつくることすら怖くなる。 事件を解明していくプロセスも面白い。その過程では犯人が直接登場するのではなく、聞き込みの中で語られるなど間接的にしか現れない。最後の最後でようやく生の姿を現し、そのラストシーンは読者に印象深い余韻を残す。 | ||||
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めちゃくちゃに面白い。 この作品がなぜ直木賞を取れなかったのかわからない。「ヒロインが最後まで登場しない」ということで低く評価した意見もあったというが、私に言わせれば、ヒロインが出てこないからこそ面白いと言える。 個人的には、著者の直木賞受賞作の「理由」よりもはるかに優れた作品である。 | ||||
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この作品を初めて読んだのは高校時代であり、読み返すきっかけになったのは、弁護士宇都宮健児という一人の人間の生き様に感銘を受けたからです。彼の姿を追ううちに自分の愛読書にたどり着いたのは運命のような深い感情の絆のようなものを無意識にたぐっていたからでしょうか。 彼の姿が宮部みゆきに重なり主人公に重なり私に重なりました。 テーマは主題そのまま、火車であり、人間の創り出した膨れあがりすぎた消費者金融の闇を解きほぐしていました。 闇の中には悪の存在ではなく普通の人間の姿が存在しました。 今の社会は膨張した闇を真剣に見据えることなく、何か自分以外のもののせいにして、深遠なる闇がどのようにして自らと一緒に創られたかを正視出来ていないように感じます。 膨張した闇が崩壊した時、私たちはどうそれを正視するか、もう逃げられない場面が目の前に存在しているように感じます。 大切なのは犠牲者を増やさないこと、人を人らしく扱うこと、そんな単純なことだと思います。 何か光の射す道を創らねば、そう思います。 個人的には、『死者は生者のなかに足跡を残してゆく。人間は痕跡をつけずに生きてゆくことはできない。脱ぎ捨てた上着に体温が残っているように。櫛のめの間に髪の毛がはさまっているように。どこかに何かが残っている。』という記述に何か得体の知れない感慨を覚えました。 ほんのひとくぎりの文章であるのにかかわらず、何か生きている人間の生々しい感情をつきつけられた感触を感じ、宮部先生の潜在的な生へのメッセージをうけとったような気もしました。 名作だと思います。 | ||||
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初めて読んだのは中学生のときでした。中学生には難しいカードや破産の話も、途中で投げ出すことなく読み切れたのは、この本に対していい評価をしていない方たちが言われている、本筋とは関係ないとか、無駄に長いとか言われる描写のおかげでバランスが取れていたからだと思います(天の邪鬼みたいですみません)。これを読み切ったとき、わたしは一生カードを持たない!と心に決めましたが、あれから十年、カードを持つようになってしまったので、下手な使い方をしないよう再度戒めとして読みはじめました。今度はどのような感じ方をするか、ちょっと楽しみです。宮部先生の描かれる人物は、皆人情味あふれていて、暖かい感じがするのでだいすきです。 | ||||
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大分以前の作品なので大勢の方々のレビューで本書の内容は語り尽くされている。が、今も読み返して感じることは物語の底流に、他の宮部作品にはない哀愁があるということだ。これは「火車」特有の情感で、それを感じとれる読者はみな、宮部みゆきの最高傑作と評する。 大罪を犯さなければならなかった理由、計画しつくされた隠ぺい工作、冷徹な実行力など全てに、そうしなければ自分自身が生きられなかったのだ、という動機以上の切望がある。そのことによって、一言も語ることなく、姿もたった一度見せるだけの殺人犯のシルエットを浮かび上がらせ、一編のミステリーを推理だけに終わらせぬ、読者自身のロマンチックな想像力をかき立てることにも成功している。 最初に読んだとき、映画化されるのが楽しみだった。脚本をどう書くか、配役を誰にするか、音楽のイメージは…。主人公の老刑事、そして美しい殺人犯を演じた俳優たちにとっては、生涯の代表作になるに違いない。 | ||||
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虚飾のために借金を重ねた人間は自己破産してリセットできるのに、自分には何の責任もない親の借金から逃げることすらままならず、掴みかけた幸せも打ち砕かれ、人間として最も屈辱的な仕事を強制され、追い詰められた彼女は他人になるしか方法がなかった。恐ろしく用意周到で冷徹な計算の上に行われた犯罪ではあったけど、彼女はそれだけ強く「別の誰か」になることを望んで止まなかったのだと思う。親の過ちのせいでこんな哀しい犯罪に手を染め、一時は幸せになれそうだったのに失敗し、結局殺人犯として監獄生活を送ることになってしまう彼女。違う親に生まれていたら幸せだったろうに。「頼むから死んでいてくれ」と娘に思わせてしまった親の責任は非常に重い。闇の社会に別人として生きる女は「白夜行」とも通じるが、共犯すら作れない本当の孤独とはどれほどのものだろうか。本人の口からは何も語られないので、彼女の絶望の深さは読者が想像せざるを得ないが、完全犯罪が成功しても彼女の生きる闇が完全に明るくなることはなかっただろう。 小説としては文章が冗長的な部分があり、もっと簡潔に書いてもよかったのではないかと思うが、雲を掴むようなわずかな手がかりから「本当の彼女」に迫ってゆくプロットは圧巻。ご都合主義な部分もあるものの、あまりそう感じさせない上手さがある。具体的な殺害方法や死体の隠し場所が明らかにされないのは少し物足りなくもあるし、本人の弁が聞きたいとも思うが、この小説に於いてはそれらはさして重要ではない。 それにしても個人情報保護が問題になっている今ではこれと同じようなことはもうできないだろうが、今だったら当時はまだ普及していなかったインターネットで戸籍の売買情報なども得られるのかもしれない。闇はまだ存在している。 | ||||
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このミステリーがすごい!過去18年間でもっとも面白い本はこれだ!!で2位に入っていたため読んでみた作品。 これで2位なのかという驚きもあるが、作品自体はしっかりしたもので、最後の10ページほどはかなりの興奮と感動を感じた。 犯人の足跡を辿る展開は、ちょっと出来すぎの感もある。 だけど、最後のシーンで犯人の肉声(というか反応、言動)を読みたかった。といいつつ、やっぱり終わり方はあれがいいのかもしれない。 | ||||
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新城喬子という得体の知れない怪物が、追うにつれリアルな一人の女性として輪郭が見えてくる。 ただのサスペンスではなく(若干とってつけたようではあるが)妙齢の女性の心理を描いている。 ただ、哀しい。 自立と孤独と将来と悩む年頃に読んでみてもいいと思う。 拒絶する前に、足りるということを知るべきだ。 | ||||
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主人公の息子さんが歳の割に妙に語彙力持ってて苦手です。 大人ぶってる訳でもなく子供らしさもあるんだけど、 どこか背丈に合わない物言いをする気がするんですよねw ゆとり世代以前の小学生ってこんな賢いもんなんでしょうか。 | ||||
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暗い!けどおもしろい!…けどやっぱり暗い! 何作か読んだ宮部作品の中でも好きな方の作品です。 クレジット破産がテーマの社会派の作品です。 野球場の写真のところはネタを知っていたので 主人公が気付かないのがちょっともどかしかった。 後半の心理描写とかはうまいな思いました。 充分満足しました。 | ||||
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この作品はミステリーの域を超えて、経済小説といってもいいのかもしれません。 多重債務者になることはけっして特別なことでも、その人の人間性を否定することでもないんですね。 自分だって、いつこういう立場に追い込まれるかわからないのです。 この作品が上梓された頃はバブルが崩壊した直後ですから、よけいにリアルな作品として社会に受け入れられたのではないでしょうか。 また、この作品では人が誰しも抱えているであろう「孤独」についても、それぞれの登場人物ごとに描かれているように思います。 この「孤独」とのつきあい方が、その人の生き方を決めているのかもしれません。 | ||||
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宮部さんの作品では一番気に入っている作品です。宮部さんの筆の表現力に感嘆いたしました。 | ||||
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といっても宮部作品を読むのはこれが初めてなんですけどね。 いや、すごいです。評判がいいのは当たり前。太い綱をぐいぐい引っ張るような物語の牽引力。印象的なラスト。ただ、もう少し縮めることはできるかな? | ||||
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