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火車
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火車の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.93pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全385件 201~220 11/20ページ
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| ストーリー的な部分での驚きや大逆転などはありませんが、当時の消費者金融などの社会問題は見事に描かれていると思います。特に現在は2010年6月に法律が施行されたが、それ以前に存在した「グレーゾーン金利」とその被害などを知るうえで勉強になる小説だと思う。世の中には色んな落とし穴が存在して、「自分だけは大丈夫」と思っていても、それらに陥る可能性は誰もが秘めていると感じさせる(伝える)筆力は、やはり宮部の腕でしょう。 | ||||
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| まず、今作を読んで、思い当ったこと。 新城喬子・唐沢雪穂・新海美冬。 後者二人は、ご存じな方も多いのではないかと 思われる、東野氏の名作「白夜行」「幻夜」の 主人公。 この三者に共通した心情を強く感じた。 主人公の心情は、全く語られないという作風も似ている。 では、この心情の共通点とは何か? こんなつもりじゃなかったのに、こうなってしまった。 自分の甘さを棚に上げ、荒廃する社会・利己的な 個人主義の蔓延にその理由を昇華していく。 そして、本来の敵ではない、大きな、自分の人生を 抗うものに対して攻撃・復讐を繰り返す・・・。 決して本心ではないのに、疾走する暴走機関車は どこまでも止まらない・・・。 レビュータイトルにもした科白、どんな状況で 発せられたか、想像がつくか? 「社会派ミステリー」という言葉では表現が陳腐に なる、「人生の重さと悲しさ」が伝わってくる傑作である。 現代では、辻褄が合わない個人情報管理問題、 携帯電話があったらだいぶ変わる話の展開、 関西圏の読者ではネタバレになる住宅展示場、 そして、かなり冗長気味な多重債務と法律の 詳細説明など、作品のマイナス要素は多いが、 書かれた時代背景では致し方ないであろう。 また、今作は、主人公が、女性でないと、味わいが 出ない典型的な作品であろうとも感じた。 「切ない」「悲しい」そして、「冷酷」 という様々な要素が、女性であり、また、上記三者 に共通する「男を魅了してやまない美女」である ことで、読者に訴えかけてくるテーマもリアリティー と重厚さに拍車をかけてくる。 最後のシーン、これでいい。 というより、これがいい。 「肩に手をおかれた」喬子は、初めて 「人間」「人生」を取り戻すに違いないから・・・。 | ||||
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| 初めて読んだのは、多分この本が発売された高校生の頃。 でも当時平凡な高校生だった私に カードやら破産やら一家離散やら説明されても、実感は全く湧かず。 それから、社会人になって、転職して、結婚して、、、 と、その本をずっと手元に持ったまま現在に至りますが、 今読むと、物語の深い部分がとても面白いですね。 新城喬子は、いろいろな人の回想シーンでしか登場しませんが 登場しないだけに、どんな人なのだろうと想像をかきたてられます。 当時のコンピューターや、データの保存事情も面白いです。 喬子は、(当時の)最新のデータシステムの穴場を利用して、 他人の人生を乗っ取りますが、最終的にそれが成功しなかったのは 彰子が破産後も頼りにした弁護士、彰子(喬子)を探そうとした婚約者、 彰子がいつか取りに来るかもと、ずっと荷物を保管していた大家さん、 彰子を「しいちゃん」と呼び、行方を心配する彰子の幼馴染、 喬子が利用したローズラインの社員、 それから、乗っ取った後も、ずっと保管されていた、 喬子自身の“夢”が写っている写真…etc 結局は人間の繋がり、人間の感情が、計画を破綻させたのだろうと思います。 人はどんな風に生きていても、必ずどこかで繋がっているのでしょう。 だから誰かの人生を乗っ取ることなんて出来ない。 本書の後の喬子が、どのように語ったのか、とても気になりますが、 それは読者がそれぞれ想像して楽しむのでしょう。 | ||||
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| レベル7が面白かったので読みました。 本格ミステリはあまり読んだことが無いですが、この本はそれらとは一線を画した傑作だと思います。寝るのも忘れて一気に読んでしまいました。 読み進めていくにつれて最期はどうなるんだろうと思い、最後の方はページをめくるのがもったいない本というのは中々めぐり会えない。そしてあのラスト、強烈な印象が今も残っています。 小説家ってすごいな、と思わせる本です。 | ||||
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| 主人公の女性がカードローンの怖さや住宅ローンの怖さを思い知って、そのあまりに殺人にまで及ぶんですが、 そのあまりに真に迫った描写にそれが十分自分にも起こりうることなのだと思い知らされました。 誰でも知り合いにカードローンに苦しむ人が一人か二人はいるかもしれませんが、これを読めば、 それを馬鹿にする気など起きなくなると思う。自分も今まで馬鹿にしていた思いが吹き飛んだ。 ああ、あの人も苦しかったんだなと思い、一歩間違えば主人公の女性が自分の姿だとも思えた。 同時に「借りすぎにはご注意を」という言葉が脳裏をよぎった。 | ||||
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| 間違いなく傑作の部類に入る作品だと思います。 きっかけはごく些細な事。 誰にでも起こりうるちょっとしたことから 決して後戻りすることができない事態へ発展してしまうことの恐怖を感じました。 クレジットは身近にあるサービスですが 果たしてどこまでそのサービスが引き起こしうる 悲惨さを認識できているのでしょうか? そんなことを想起させる一冊でした。 | ||||
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| ミステリー小説と期待して読むとがっかりしてしまう点は多いと思います。 本書は「誰が」「どうやって」その人を殺したか、を問題としていないので そういった推理的な部分をミステリー小説に期待する方には拍子抜けしてしまうのではないでしょうか。 トリックを推理するのではなく、「なぜその人はそうしなければいけなかったのか?」という部分が読みどころだと思います。 細かいトリックのような部分もなくはないですが、本書においては味付けにすぎないでしょう。 刑事、犯罪者、新婚夫婦、刑事の子供・・登場人物は様々ですが、そのほぼすべてに感情移入ができます。 誰に彼女を責めることができるのか? なぜ責めることができないのか? 誰のせいでこうなってしまったのか? まさに「社会派ミステリー」の代表作と言っても過言ではないでしょう。 | ||||
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| 初めて読んだ宮部作品でした。 おもしろいな〜と思いつつ、途中のカードの仕組みについてのところは、 飛ばして読んだりして。 (何度も読み返すタイプなので、よくあることなんですけど、私の中では) で、クライマックスに近づくにつれて襲われた、あのゾクゾク感。 怖いんじゃないんです。背中がキショク悪いってゆーか、 顏の見えない犯人(?主人公?)を想像すると、なんだかゾクゾクするんです。 私はこのゾクゾク感がすきです。 | ||||
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| 色々な資料が列挙されているが普通の人間がどうしてクレジットカードによる借金地獄にはまるのか、 というロジックのつき詰め方が甘いとか、色々文句はあるものの。。 物語のハイライトである借金で売りとばされた母親を記す娘の印象として書かれる 「汚い水がつまった…」 物すごい描写であることは確かであり、この作品の強さを支えていることは間違いない。読んでからしばらく飯が食えなくなった。 | ||||
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| この作品は、扱っているものが 扱っているものだけに 非常に文章が重たく感じました。 お世辞にもすらすら読めるものではありません。 それに読みにくい原因は 明確に謎解きと、トリックの真相が 明かされないのも一つでしょう。 したがってよく文章を読まないと 事件が追いづらいかも… しかしながらクレジット問題、 そして借金問題については ミステリーながら非常にためになる 記述が多かったです。 | ||||
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| このたび私は、リストマニア機能を使い、 「日本ミステリ【マイ・ベスト・テン】」を掲載した。 そこに挙げた作品の中で、 真っ先に再読したくなったのが、 本書「火車」である。 本書は、カード破産をいち早く取り上げた作品として、 1992年の発表当時、話題になった作品であり、 著者がその後直木賞作家となっていく 礎を築いた作品であるとともに、 現在も多くの読者に読まれている人気作である。 ミステリの楽しみ方として、 密室殺人や孤島ものなど、 現実から遊離した世界を楽しむのも一興であるが、 その時代の矛盾や暗部を ミステリの手法を使ってあぶり出していく、 いわゆる社会派の存在も見逃すことはできない。 本書はそうした 「社会派」の傑作と呼ぶにふさわしい作品だ。 ベストテンのひとつに、 私は松本清張の「ゼロの焦点」を掲げたが、 この作品が昭和を代表する 社会派ミステリであるとするなら、 本書は、平成の幕開けとともに生まれた 社会派ミステリの傑作である。 この両作品、扱っている題材は違うが、 物語の発端が「失踪事件」であるのは興味深い。 「ゼロの焦点」では新婚カップルの夫の失踪、 「火車」では婚約カップルの女性の失踪が 冒頭に起こり、物語が展開していく。 愛する人との新生活を控え、 希望に満ちていたはずなのに、 その生活を捨ててしまわなければならないほどの理由とは何か、 そんな魅力的な謎を追っていく物語なのである。 本書「火車」のテーマ「カード社会」について、 ひとつ感じることがある。 私事で恐縮であるが、 本書を初めて読んだ1992年当時、 カードといえば銀行の キャッシュカードを1枚持っているのみであったが、 その後、複数のクレジットカードを取得し、 現在に至っているのである。 カード社会は作品発表時より、 さらに浸透しているのではないかというのが、 実感であり、それゆえ本書は、 発表後17年を経てもなお、 輝きを失っていないと思う。 本書は、カード社会の矛盾を分かりやすく、 ミステリの手法を借りて描ききった作品として、 これから読まれる方の心にも 必ずや深い余韻を残す作品となるであろう。 | ||||
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| ストーリーは,休職中の刑事に,失踪した婚約者の捜索を親戚が依頼するところから始まる.この失踪の謎を解くカギは,クレジットカードによる自己破産であった. 自己破産は,バブル時代に一時期社会問題化していたが,破産当事者やその家族がどんなに惨めな生活を送らなければならないかは,あまり多くを語られてこなかった.著者はその点に着目し,自己破産者に一筋の光明を与えている. ミステリーの仕掛けは,非常に巧妙で,ページを繰る手が止まらないぐらいに入り込んだ.本書は山本周五郎賞を獲得した作品にふさわしく,さすが宮部みゆきと唸らせる作品となっている.宮部ファンでなくても,一読の価値があると思われる. | ||||
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| 家族の借金地獄に巻き込まれた主人公を軸とする内容ですが噂程は衝撃的でもなく恐ろしくもなかったし期待していた分ちょっと残念だった気もしますが、読後感もよく、一度読み始めると一気に読まずにはいられない、次を予測させない面白さがありました。 サラ金等で自転車操業をする若者等に『読め』と言う方も多いですが、これはまた違う話ですね。 | ||||
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| 凄すぎる。 世界にもこの作品のファンいます。でも無冠の作品で直木賞の選考委員の一部からは酷評でしたが井上やすし氏など偉大な方々は傑作であると評価しています。酷評された方々は時代に淘汰されました。 この本の良さが分からん人は読解力不足だろうとしか思えない | ||||
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| ミステリーというよりは、今のカード社会のダーク面のレポートという感じで読み進めました。個人情報流出やバラバラ殺人なども取り扱っていて、とても10年以上前の作品とは思えません。 | ||||
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| 本作は多重債務者救済の為の教科書的な作品である。そうあらんとして書かれた言わば告発本である。従ってバラバラ殺人という猟奇的な凶悪犯罪を犯した加害者に対しても暖かい視線が注がれ、誰一人として悪人が登場しない。本作で敢えて「悪」として描かれているのは金融システムであり、また不完全なシステムを野放しにしている金融当局であり、誤ったイメージを増幅させて多重債務による生活破綻者に冷たい視線を送る社会そのものであり、多重債務者はある意味その被害者に過ぎず、いつ何時自分がその境遇に陥るか判らないのだと云う主張が全編を通して貫かれている。 あのラストの場面に加害者にもそれに至る同情すべき背景があるのだという著者の訴えが象徴的に凝縮されている。文庫版で解説を寄せているのは佐高信であり、その辺も著者および本作の思想傾向を辿る上で参考になった。 純粋なミステリー作品としては、周到に張り巡らされた伏線が一本として尻切れトンボになる事が無く、捜査過程でのつまずきや洗い直しも読者にとって適度に心地よい変調になっているという意味でも大変良く出来ていると思う。 | ||||
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| 「読めば分かる」というのは、正にこの本のためにある言葉。読み始めて止められなくなり、夜通しで読み終えた記憶が懐かしい。(ラストの邂逅シーンは、後に尾を引く怖さであった。見事なプロットとストーリー・テリングは、今後も日本ミステリー小説史に燦然と輝こう。)個人的には、いまだ宮部みゆき作品の断トツのベストである。 | ||||
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| 喬子は、自分の不幸な人生から自分を助け出し、自分を守ってくれる人を探し続ける旅をしているようだった。 喬子は罪を犯した人間だが、その先に大きな社会問題がおきる事も予想せず、ただ豊か・便利になってしまった社会の犠牲者だろう。 実際にカードによる自己破産は圧倒的に多い。 物語は残り数ページのところで自分自身も、本間や保と同じように興奮と緊張が高まってるような気分だった。また、ようやく喬子を見つけたという達成感というか・・・やっと終結をむかえることができたという安堵感があった。 宮部みゆきを代表する作品としてふさわしい作品だろう。 | ||||
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| 私は運が良かったのか悪かったのか、宮部作品のとっつきがこの「火車」でした。 面白かった。 人物の綿密な掘下げや筋立てのどれを取っても申し分なかった、感服したのを昨日のように思い出します。 「すごい作家が現れた!」と興奮して、もう一度この感動に巡り会いたいとの一心で片っ端から読み漁りました。 でもこれ以上の作品には出会えませんでした。 当然と言えば当然です。それまでの読書歴でこんなに興奮した作品は他になかったですもの。 ロックバンド「シカゴ」の「ホテル カリフォルニア」みたいです。 他の作品も佳作ぞろいなのに、「火車と比べると…」とこれからも言われ続けるのでしょう。 これほど完成された作品にこの先出会えるとは想像出来ません。 絶対読むべき作品です。これを読まずして何を読む! | ||||
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| 犯行の動機、そしてその社会的背景(=消費者金融にはまる人々とその悲惨さ)がリアルかつ詳細に描かれており、単なる犯人探しでは終わらない深みのあるサスペンスだと思う。この本を読むとキャッシングしたりローンを組むのは勿論、カードをつくることすら怖くなる。 事件を解明していくプロセスも面白い。その過程では犯人が直接登場するのではなく、聞き込みの中で語られるなど間接的にしか現れない。最後の最後でようやく生の姿を現し、そのラストシーンは読者に印象深い余韻を残す。 | ||||
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