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火車
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火車の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全382件 181~200 10/20ページ
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| 犯罪者と言っても、人それぞれの事情があるもの。 初めからエゴイストでモラルもなく、他人などなんとも思わず犯罪に手を染める者は一部でしかない。 犯罪者になる気など、更々無かったのに、にっちもさっちもいかなくなって、そうせざるを得なかった場合もあるのですね。そこに人生一度つまづいて、やり直そうとした者と対峙すると…もう、不幸のドミノ倒し!!引きずりこまれます。タイトルの「火車」は燃えている車、罪人を地獄へ運ぶ車を表す言葉だそうで、ふっふっふ、ようこそ、生き地獄の世界へ(▼皿▼)Ψ。これを読んだら、平和に見えていたこの国にも暗黒の闇も広がっている事に気づくでしょう。冷酷無慈悲なこの世界。落ちが解っていても繰り返し読める、恐くて面白い本で私は3回読みました。未読の方、これはお勧めです。 | ||||
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| さすが宮部さん、といったところでしょうか。ネタバレになってしまうので詳しくは書けませんが、客観視してこそ意味がわかる深い描写が随所に仕込んであって、思わず唸ってしまいました。導入部分は少し冗長な気もしましたが、序盤以降は波に乗ってどんどん読み進めることができました。おすすめの一冊です。 | ||||
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| 私は友人に勧められて宮部みゆきさんの「レベル7」を読みました。 正直面白かったですが、友人が言うほどハマりはしませんでした。ただ人物描写など今までにない書き方をする方だなと思い、他の宮部みゆきさんの作品をいろいろと読んでみました。そしてこの作品に出会いました。私の中でダントツの一位です。 | ||||
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| 本人が語らずとも周りの人や状況から 明らかになる二人の女性の過去や苦悩。 悪者がいないので、 読み進めるたびに胸が苦しくなりました。 面白かったけどラストがどうも。 いえ、余韻もたせるという意味なら いいんでしょうけど そこをきっちり描いてこその ミステリーという気もします。 | ||||
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| 刑事視線で事件をトレースしていくスタイルをとる本作。 喬子視点での物語も読んでみたいです。 特に、喬子が"精神的に"犯罪に手を染め始めたその一瞬 までの経緯を、宮部さんの特徴であるくどい位の描写で。 あと、もうひとつ読んでみたいものがあります。 時代背景を考慮せずに書評を書いている方の、「ゼロの 焦点」「砂の器」の書評です。科学捜査でイッパツ逮捕 じゃん、的な。 | ||||
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| これだけの有名作でありながら読みのがしていました。 ようやく読んで思ったのが、丁寧で女性らしい文章なのに鋭いということ。 丹念な描写の裏に刃を秘めています。 登場人物たちが人間らしくそれぞれに魅力的なので、逆にせつなくなります。 良質なミステリーを読むたび、人間らしくなければいいのにと思う自分がいます。 思い入れがあると読後感が悲しいから。 発売された年を考えるとテーマ(クレジットカードなど)が古くて当然なのですが、色あせていません。 これから何度も読み返す予感がする名作です。 | ||||
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| この作品にも描かれてあるようにクレジットカードの利用の仕方やサラ金について学校でもっと教育するべきだと思った。あと、自己破産のしくみについてよく理解できた。世の中こういう金融がらみで追い込まれ、自己破産という便利な手段を知らぬまま命を絶ってしまう人が多いので、より多くの人にこの本を読んでもらいたいと感じた。展開的には最後に意外な結末が・・というものでもなく、読者の期待を裏切らないあっさりした終わり方になっていて、読後はすっきりした。 | ||||
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知人から薦められてこの小説を読んだ。 僕が買いに行った書店ではこの本が店長のお薦めになっていた。 小説を読んだ後で、あんなに空しい気持ちになったのは初めてだった。 清々しい読後感とか、感動したとかいうのではなくて、自分の力ではどうにもならない世の中の大きな力に対する無力感に打ちのめされてしまったのだ。 面白かったので先を早く知りたくて、2日で読んでしまったのだが、最後の50ページを読んでいる時に、だんだん空しくなってしまった。 自分のせいではないのに、どうして、新城喬子がそんな目に遭わなければならないのか、どうしても納得できなかった。 どうにかして新城喬子を救ってあげたいと思っても、誰にも救うことは出来ないのだ。 人生に対する貪欲なまでの執着! その生命力は、見習うべきかも知れないけれど、そうまでして生きなければならない虚しさ。 生きたい、自分も幸せになりたいという気持ちは分かるけど、自分の存在を消して、他人としてしか生きられない境遇。 悲しくて、辛くて、やりきれない。 宮部みゆきさんは、色々な賞を総嘗めにしていて、推理小説と言うより、純文学に近いので僕には合っているのかも知れない。 彼女のその他の作品もほとんど買い揃えた。 まだ、全部は読んでいないが。 | ||||
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| この物語のプロットは、今(2011年)となっては 古いです。自己破産は珍しいものではなく、サラ金の 高金利についてもこの作品が出版された当時(1992年) とは大分事情が異なっています。 出版された当時は、社会問題となっていた事項を取 り入れた社会派ミステリーという位置づけだったので しょう。 しかし、その点を差し引いても、今読んでも十分楽 しめる作品です。 むしろ、プロットが古く感じられる今だからこそ、 純粋に宮部氏の筆力を堪能できると思います。 | ||||
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| どんなに過去から逃げようとしても逃げ切れない。 過去を清算しようとしても清算しきれない。 人間関係がどれだけ希薄になろうともそれだけはついてくる。 幸せだけを願って人は暮らしているのに、それを壊そうとする 暴力的な人間(火車)が現れるのは何ともやるせない。 呪縛に囚われている自分の情けなさと、自分以上に大きな枷を 負っている方の心の開放の日が訪れることを願う。 | ||||
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| 火車より好きなミステリーはありません。10年前に初めてよみましたが冒頭から一気にひきこまれ、徹夜で読破しました。繰り返し読みボロボロになったので2冊目購入です。破格に面白いミステリーでありながら、感情表現がどこをとっても丁寧に描かれています。辛く暗く、やるせない展開の中にも挟まれる登場人物たちの人物描写が瑞々しく魅力的。会話の温かみにほっとさせられます。 ヒロインに迫っていく主人公の追跡は絶品です。わたしも主人公となりページをめくりました。 永遠に大好きな一冊です。 | ||||
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| 出版から15年以上経ってから読んでも決して古さを感じない内容であった。 消費者金融については法的な整備がされており、当然状況は変わりつつあるが、 家族や人との繋がり、個人情報など考えさせられる面も多く面白く読むことができた。 とはいえ、他のレビュアーもいう通りやや長すぎると感じた。 | ||||
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今、全ての真相が解明されて、いよいよクライマックスと言う所でレビューを書いています。 600頁からなる作品ですが、500項あたりまで、長々と綴られる債務の話しや、中々どうして尻尾を出さない、と言うか、そこまでして人探ししなきゃならんのか?本間さん、足の休養を優先させなさいよ、と思うこともしばしば。 ちらほら、と「その人」に繋がる糸口は見えるけど、当たれども当たれども、真を捉える情報には出会えずに、主人公も一度、「もうそろっと潮時か…」と諦めの境地に至りそうになり、読み手の私も、「もう疲れたわ」となりつつ、読んでいくと…何気ない小学生の息子の一言で状況は激変。本間さんも興奮し、読み手も鳥肌。 そしてまもなくクライマックスの数ページを、これから読もうとしているわけですが、500頁のストレスが一気に解放されて、正直読むのがもったないない!! このストーリーが完結してしまうのが寂しいくらいです(泣) さぁ… いっちょクライマックスに行ってきます…!! | ||||
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| ヒロインが追い込まれていく姿は、怖いというものも感じさせますが、 何だかかわいそうに思いました。 それに消費者金融の世界も怖いと感じました。 ストーリーも面白く、筆力があるので、一気に読めました。 宮部さんの小説を読むのはこれが初めてなのですが、 最近読んだ神崎和幸のデシートと同じぐらい面白かったです。 これから宮部さんのほかの作品も読んでみたいと思います。 | ||||
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| いや〜これには恐れ入った。今まで読んでいなかった自分が情けない。どこか悲しげで、切なくて、でも物語の先を読まずにはいられない。自分が自分であることの意味…とても背負いきれない苦しい過去…別の人生を生きれたらと誰もが思うところを非常に上手くついている。読後にその世界からなかなか抜け出せなかった。 | ||||
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| かなりの長編であるが、休むことなく一息で読んだ。最後の方は、手に汗を握りながらだった。中心人物は2人の女性であるが、2人ともほとんど登場しない。登場するのは、2人と何らかの形でかかわった人物のみである。しかも、2人とも、問題を抱えていた関係上、親しく付き合っていた人は少ない。深い付き合いをしているわけでもない。それにもかかわらず、借金を抱えて生きる厳しさが浮かび上がってくる。追い詰められた状態のなかでどのような選択を迫られたのか、一体どこで道を間違えたのか、数少ない手がかりから人物像が浮かび上がる。推理小説といえるのかどうかはわからない。途中まで読んだところで結末はわかる。しかし個人的には、どうかこの人が犯人でありませんように、と祈る気持ちで読みつづけた。あと数ページ読みたいと思うところで物語は終わり、もどかしさが残った。 | ||||
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| 友人に薦められて読んだが、ローン社会の犠牲者をテーマにした力作であった。本書には2人の女性が登場するが2人とも犠牲者だ。1人目の関根彰子は自己破産の前歴がある。彼女が特別だらしなかったわけではない。ただカードの怖さを知らなかっただけだ。軽い気持ちで手を出したカードによっていかに簡単にローン地獄に陥るか、その怖さを作者は溝口弁護士の口を借りて述べる。問題は「無差別過剰与信」と「高金利・高手数料」だ。「28歳の月給20万円のサラリーマンが33枚のクレジットカードを持ち、負債総額は3千万にまで達した。」というケースがあったという。負債総額の大きさに驚くが、実は大半が金利だ。例えば金利30%で借りると2百万円の借入が7年目には16百万円に膨らむという。これが高金利の怖さだ。傍目にはちゃんと計算出来ると思われていた、真面目で気の小さい、几帳面な人たちが、多重債務者になる可能性があることがよくわかった。そしてもう一人の女性の新城喬子は、原因が本人にあったわけではないだけにもっと悲惨だ。ここではもう一つの大きな問題である、債権者による苛酷な取り立ての恐怖が描かれる。現在の少なくとも大手の消費者金融ではここまでのことはしないと思われるが、これを読むと何故現在消費者金融に対してここまで厳しい規制がかけられたかが理解できる。先日大手が倒産した理由の過払い金変換訴訟は、過去に徴収した金利を返還するものであり、厳しすぎるのではと思ったが、本書を読むとやむをえないものかも知れないという気分にもなってくる。随分堅いレビューとなってしまったが、作者はこのような重いテーマを、失踪した女性の行方を追うミステリー小説に組み入れることにより、読者をぐいぐい引きつける読みやすくエンタテインメント性の高い作品に仕上げている。最後まで一気に読んだが、終り方には大きな不満がある。それは新城喬子が結局どのような女性であったのかが省略されたところである。作者にとっては難しいことだったと思うが、本間がどのような問いを発し、それに新城喬子はどう答えのか、そしてこのシーンはどのように決着がつけられたのか。この部分をきちんと描いてほしかった。 | ||||
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| ストーリー的な部分での驚きや大逆転などはありませんが、当時の消費者金融などの社会問題は見事に描かれていると思います。特に現在は2010年6月に法律が施行されたが、それ以前に存在した「グレーゾーン金利」とその被害などを知るうえで勉強になる小説だと思う。世の中には色んな落とし穴が存在して、「自分だけは大丈夫」と思っていても、それらに陥る可能性は誰もが秘めていると感じさせる(伝える)筆力は、やはり宮部の腕でしょう。 | ||||
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| まず、今作を読んで、思い当ったこと。 新城喬子・唐沢雪穂・新海美冬。 後者二人は、ご存じな方も多いのではないかと 思われる、東野氏の名作「白夜行」「幻夜」の 主人公。 この三者に共通した心情を強く感じた。 主人公の心情は、全く語られないという作風も似ている。 では、この心情の共通点とは何か? こんなつもりじゃなかったのに、こうなってしまった。 自分の甘さを棚に上げ、荒廃する社会・利己的な 個人主義の蔓延にその理由を昇華していく。 そして、本来の敵ではない、大きな、自分の人生を 抗うものに対して攻撃・復讐を繰り返す・・・。 決して本心ではないのに、疾走する暴走機関車は どこまでも止まらない・・・。 レビュータイトルにもした科白、どんな状況で 発せられたか、想像がつくか? 「社会派ミステリー」という言葉では表現が陳腐に なる、「人生の重さと悲しさ」が伝わってくる傑作である。 現代では、辻褄が合わない個人情報管理問題、 携帯電話があったらだいぶ変わる話の展開、 関西圏の読者ではネタバレになる住宅展示場、 そして、かなり冗長気味な多重債務と法律の 詳細説明など、作品のマイナス要素は多いが、 書かれた時代背景では致し方ないであろう。 また、今作は、主人公が、女性でないと、味わいが 出ない典型的な作品であろうとも感じた。 「切ない」「悲しい」そして、「冷酷」 という様々な要素が、女性であり、また、上記三者 に共通する「男を魅了してやまない美女」である ことで、読者に訴えかけてくるテーマもリアリティー と重厚さに拍車をかけてくる。 最後のシーン、これでいい。 というより、これがいい。 「肩に手をおかれた」喬子は、初めて 「人間」「人生」を取り戻すに違いないから・・・。 | ||||
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| 初めて読んだのは、多分この本が発売された高校生の頃。 でも当時平凡な高校生だった私に カードやら破産やら一家離散やら説明されても、実感は全く湧かず。 それから、社会人になって、転職して、結婚して、、、 と、その本をずっと手元に持ったまま現在に至りますが、 今読むと、物語の深い部分がとても面白いですね。 新城喬子は、いろいろな人の回想シーンでしか登場しませんが 登場しないだけに、どんな人なのだろうと想像をかきたてられます。 当時のコンピューターや、データの保存事情も面白いです。 喬子は、(当時の)最新のデータシステムの穴場を利用して、 他人の人生を乗っ取りますが、最終的にそれが成功しなかったのは 彰子が破産後も頼りにした弁護士、彰子(喬子)を探そうとした婚約者、 彰子がいつか取りに来るかもと、ずっと荷物を保管していた大家さん、 彰子を「しいちゃん」と呼び、行方を心配する彰子の幼馴染、 喬子が利用したローズラインの社員、 それから、乗っ取った後も、ずっと保管されていた、 喬子自身の“夢”が写っている写真…etc 結局は人間の繋がり、人間の感情が、計画を破綻させたのだろうと思います。 人はどんな風に生きていても、必ずどこかで繋がっているのでしょう。 だから誰かの人生を乗っ取ることなんて出来ない。 本書の後の喬子が、どのように語ったのか、とても気になりますが、 それは読者がそれぞれ想像して楽しむのでしょう。 | ||||
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