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箱の中
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箱の中の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全93件 41~60 3/5ページ
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この続編であるらしい短編集『なつやすみ』を読んでいないので全体評価としては難しいところですが、星三つといたしました。 500ページ近くありますが一気に読めてしまうのはさすが木原さんの作品という感じです。 ですがいくつか腑に落ちない点がありました。 *ネタバレありです。 喜多川の愛を誠実な愛とするならば、堂野の愛は実に不誠実であると私は思いました。 喜多川の狂気ともとれる、ただ一人の人を思う一途な心。堂野に家庭があろうともただ側にいたいと願い時間やお金も全てを堂野に捧げるほどの情熱。ただ一緒に暮らしたいという夢。堂野が大切だから彼が大切にしているものを壊したくない、でももっと一緒にいたいという彼の葛藤には涙を誘われました。 だからこそ、喜多川の愛が通じて幸せになって欲しいと切に思います。喜多川が愛するのと同じくらい、堂野も彼のことを愛してほしいと。 しかし堂野はどうでしょうか。喜多川に対する想いは、その時堂野に家庭があろうがなかろうが、なかったと思わざるを得ません。堂野が一番嫌っている「裏切り」の形で夫婦の仲が悪くなり、その結果喜多川の愛に気づき乗り換えるわけですが、それがどうも腑に落ちません。 離婚間近とはいえ、結婚中に喜多川と事に及んでしまった堂野は、まさに自分が嫌っていた「裏切り」の行為そのものではないでしょうか。奥さんと喜多川に対して。 妻が堂野の優しさに甘えているという見方をするのであれば、一途で絶対に裏切らない喜多川の優しさに堂野が甘えているような気がしてなりませんでした。 妻と離婚する直前「愛とは何だろう。自分は確かに妻を愛していた。けれども今もそうなのかと言われれば答えることができない。どうして?それは裏切られたから。他の男と寝たから、二年も自分を裏切っていたから。裏切りという行為だけで、愛情が見えなくなるのは本当に愛してなかったからだろうか。ずっと一人の人を愛し続けるのが、本物なんだろうか。自分の愛は偽物だったんだろうか...略....もしも本当に愛していたら、刑務所にいた時から愛せていたはずだった....略」 二通りの解釈ができますが、もし(無理やりではあるが)「愛は多様なものである」と堂野が都合よく解釈しているのであれば、いつか堂野は喜多川を裏切ってしまうのではないかとそんな風に思ってしまいました。 それならば、奥さんを悪とせず、喜多川を一人にしておいた方が喜多川の気持ちの美しさが際立って良かったような気がします。 二人をくっつけるのであれば、せめて奥さんの気持ちを受けとめて許し気持ちの整理がついた上で誠実に喜多川と向き合って欲しかったなーと。「誠実な堂野」のイメージが作中よく出てきたから余計にです。 辛口な評価でした。 | ||||
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冒頭の冤罪に関しての描写が辛かったですが、 それがあるからこそ後半の展開が良いと思えるものになるんでしょうね。 純粋が故の無邪気さとか、悪意ない好意をむき出しのまま向けられてしまう主人公の 最終的に下した判断、迷いなども含め非常に切ないお話でした。 描き下ろしもいい雰囲気ではないですが、前向きで終わってくれたので良かったです。 本編がもやもやした感じで終わるので続きがあって良かったです! 多少なりともハッピーな感じで完結してくれるといいな。 | ||||
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母親を母親というだけで愛せない、母の愛というものに欺瞞を感じるという人ならば、喜多川の堂野への感情は理解できるのではないかと思います。 人間はおそらく母親を愛するというプログラムを与えられて生まれ、だから子供は何の疑いもなく母親、ないしそれに準ずる存在を愛するのでしょう。 しかしそんな機会を得られなかった人間が、他人の「ありがとう」の一言から突然そのプログラムを作動させたら…という話ではないかと思いました。 本来なら母親に向けるべきそれを、すべて堂野に向ける喜多川。それは依存であり執着であり、しかし愛でもあるのではないでしょうか。 「同性愛だから」ではなく、彼の人生すべてを賭けた感情だから強い。本来の「母の愛」、「夫婦の情愛」なんてちっぽけに見えるほどに。 堂野の妻や探偵・大江の妻子が愚かしく描かれているのは、喜多川の強い感情との比較のために登場しているからです。これは女だからではなく、探偵の大江だってその愚かしいものの一部です。 個人的には、こういったテーマを書いてくれる作家さんは非常に貴重なので、是非こういった作品をまだまだ発表してほしいと思います。 | ||||
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この本、すごく好きで何度も読み返りした。喜多川は木原先生が書いたいろんな人々の中に一番好きで心痛いを感じたキャラクタです。 木原先生は私、すごく好きなbl小説家でほとんど読みました。 次の新作を期待します。 | ||||
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まず最初に、本作をBL小説として評価するのならば☆4です。 しかし一般小説として読んだ場合、☆2以上はつけられません。 こちらは一度BL小説として発行されたものを一般小説として出し直しているので、元々BL小説だということを考えると☆4にするべきかな?と思いましたが、一般小説として刊行するにあたって改稿したとの記述があったため、一般用に書き直したならば一般小説として評価するべきだなと判断し☆2をつけました。 私はBL小説には萌えを一番に求めているので、BL小説として本作を読んだ場合、言わずもがな萌えがあるので☆4評価になります。執着系のBLが好きなのでその分の加点ですね。 ですが一般小説となると、正直全体的に作り込みが荒いと言わざるを得ない。 いざ萌えのフィルターを外して読むと、全編に渡って男同士をくっつけるためにあまりにご都合主義な展開が目立ちます。数年ぶりに再会した主人公に妻子がいたことへの決着のつけ方がその最たるものだったと思います。 好きな相手に妻子がいてしかも家庭円満な様子。ここから妻子を捨て同性の相手を選ばせるには?と考えた時、妻を悪者にするか子供をどうにかするのが一番やりやすい展開だよなと思って読んでいましたが、まさか両方ぶち込んでくるとは思いませんでした。正直なところあまりの安易さにびっくりしました。子供が可哀相な目に合う展開や女が裏切る展開に特に拒否反応はないのですが、料理の仕方があまりに雑で一つのホモカップルを成立させるためにこの妻子がすべての業を背負わされたという印象が強いです。 しかし肉親・家族を切り捨て好きな男を選ぶという展開をこの作家さんはよく書くので、家族や肉親というものを比較対象にして愛情の大きさを表現するのがお家芸なのかもしれません。家族愛というものを大きく見ている私としては「そんなに簡単に捨てたり切ったり貼ったりできるほど家族間の絆というものは弱いものなのか?」と首を傾げる部分なのですが、まあそれは話が変わるので置いといて。 それと帯に冤罪というテーマを大々的に扱っているように記述されていますが冤罪に関しては単なる舞台装置です。解決しません。冒頭で主人公が詐欺に合いますが、それも特に解決しません。すっきり解決しなくても納得できる結末というものもたくさんありますが、本作では冤罪に関して舞台装置以上の役割はいっさいありませんので、その部分を期待している方はご注意。 冤罪や詐欺以外にも不倫や不妊や殺人など様々な事件が起きますが、こちらも特に読み手が納得できる形での解決はしません。いつの間にか知らないところで勝手に事件は収束してます。 一般小説として☆2評価をつけている理由は主にこういった部分で、やったらやりっぱなし、広げた風呂敷が畳まれていないという印象が強かったからです。 ですが文章自体は読みやすく、構成力もある作家さんだと思います。BLに興味がある・BLに好意的である方にはおすすめの一冊ですが、BLに興味はないけど評価が高いから試しに読んでみようという方は避けた方が無難かと思います。 あくまで本作はBL小説であってそれ以上でも以下でもないので、ストーリー上のあらゆる粗をある程度萌えでカバーできる方向けです。 | ||||
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こんなに、素晴らしい作品に巡り会えて幸せです。 愛情は、恋愛の愛情だけではない。と、 名前を付けることが出来ない愛もあると 思わせてくれた作品です。 如何に、私たちがいろんな偏見や 窮屈な理屈をつけた常識という枷をつけて 生きているかがよくわかります。 木原さんの作品に出てくる人物は、 一人だけ、とても一途で心が美しい人間を 立たせることにより、周りが如何に不純で 醜い心をしているか、よくわかります。 読みうちにその美しい人間に、 とてつもなく魅了されてしまうのです。 私は、この本を毎日繰り返し繰り返し 何度も読み返しています。 全く飽きることがなく、むしろどんどん のめり込んで胸がキュッと締め付けられるのです。 もし、買うか迷ってるなら絶対買うべきです。 | ||||
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木原さんの作品は二冊目です。 箱の中は読みごたえがあり、忘れられない一冊となりました。 軽いあらすじから。 市役所の職員であった主人公の堂野は、痴漢の冤罪で実刑判決を受けます。 刑務所の中で絶望を抱き、嫌悪感に苦しみ、心が追い詰められていく様子に、私も女性でありながら共感しました。 やがて堂野は同じ雑居房の囚人、喜多川に救われていきます。 だが喜多川はまるで子供のようにストレートな性格で、世間知らず。 堂野は喜多川の振る舞いに戸惑いを見せます。 この文庫版におさまってるのは三編。 堂野の冤罪から喜多川との出会い。そして堂野のその後まで書かれた「箱の中」 出所した喜多川が堂野を探す「脆弱な詐欺師」 喜多川と堂野が再開する「檻の外」を収録しています。 どの話もうなるような悲しく切なく美しい展開でした。 BLというジャンルですが、あまりにもリアリティーがあり、主人公の二人が20代、30代ということもあり大人向けだと思いました。 しかし残念なのは、ホリーノベルの雨の日となつやすみを載せていないこと。 文庫版が好きになった人は、雨の日となつやすみを載せた「檻の外」を買い直す必要があるので、★4つとさせていただきます(涙) | ||||
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これでもかと子宮に来ました。 主人公が感じたままに感じられるというか、喜多川の鋭く痛い可愛い愛情を体感できるような臨場感溢れる描写ばかりで。 読みやすいし想像しやすかったので大変でした(笑) 主人公が相当気持ちよさそうで羨ましかったです。喜多川が天使のように可愛かったです。 なんでこんなに生々しくてリアルな表現なのに全然気持ち悪くないんでしょう? そこは作者様の実力なんでしょうね。 ストーリーもキャラクターも全て抜かりなく濃く鮮明で驚く程すらすら読み進めてしまいました。 非の打ち所がありません。 強いていえば、喜多川が私のいる世界に存在しないことを嘆きます。 | ||||
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今回初めて木原さんの本を読ませていただきましたが、文章力・表現力がとてもハイレベルで一気に引き込まれました。しかしながらジャンルはBLではなく、異性愛者のヒューマンドラマを描いた普通の小説のように思えます。女性と付き合い、結婚して籍を入れ、子供を作る。微塵にも不思議に思わない、当たり前の固定概念にメスを入れるために同性愛という要素を入れた。愛とは何なのか、それをわかりやすく読者に伝えるための方法として盛り込まれているように感じました。わかっていたようでわかっていなかった、愛というもの。男とか女とか、愛の前ではそんなもの単なるラベルの一つに過ぎないのですね。同性愛者やBL好きな女性はもちろんですが、一番は男性の異性愛者にこそ読んでほしいように思います。 堂野については賛否両論のようですが、これが異性間で交わされたことならば確かに堂野はずるいと思います。しかしこれは同性間で行われたものであり、かつ堂野は女性しか恋愛対象として見てこなかった異性愛者。相手や自分の気持ちを理解するのに時間がかかり、遠回りをしてしまうのは至極当然のように思います。 あと、どの話でも女性が悪役に徹しています。胸くそが悪くなるほどの悪役っぷりですが(なので個人的にはBL好き以外の女性にはあまりおすすめできませんが)、あえて女の厭らしさを露骨に描写することで、喜多川の魅力がよりいっそう引き立てられていたようにも感じました。それもまた作者さんの技法なのかと思うと、頭が上がりません。本当に良いお話をよませていただき感謝しております。 | ||||
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レビューの高さとBL人気作家の作品、かつ講談社文庫からわざわざ出しているということで読みました。 しかし残念ながら喜多川の人物像に感情移入できませんでした。 喜多川を「純粋」「無垢な愛」と評していますが、過去の生い立ち、人を殺した経緯、現在の考え方をみていると、私的には怖かったです。狂気と執着の愛にしか見えなかった。 生い立ちが重すぎるし、彼の幼稚で感情的な的部分が怖い。 堂野はよくそういうの気にしないで、ずんずん喜多川に入っていけたなー、と堂野の能天気さにもついていけなかった・・。 キャラに入り込めなかったので星二つ。でも木原さんの文章力はなかなかです。 普通のBLとは一線を画しています。でも感動っていうと・・? あと刑務所の描写(同房の人たちがいい人たちすぎる)も甘かったかな・・。 | ||||
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BLなのか一般書籍なのか、エンターテインメントなのか文学なのか、どっちつかずの印象でした。 BLであればもう少し「萌えと性描写」が必要であるし、一般書籍であればあと少し「ストーリーの整合性と主人公の心象描写」が必要だと思います。どちらでもないし、どちらでも足りない。そんな印象でした。 堂野と喜多川の関係を成立させるために、妻を不倫させ(しかもパート先の店長という、今時昼ドラでも使わないようなチープな設定)娘を殺し、不妊治療ネタまで盛り込む辺りがとても痛々しいご都合主義に感じました。特に妻の描き方が安っぽく、彼女がなぜ不倫をしたのか、堂野が彼女のどこに惹かれて結婚し子どもまでもうけたのか、さっぱり理解できませんでした。これが右斜め上を行くトンデモ(BL)設定だったら、逆に受け入れられたのかも知れません。 個人的には三浦しをんさんが解説で語っていたBL小説の方が、物語としては完成しているのではと思いました。 簡単に説明すると、ピザ屋に行って日本蕎麦を出されたような気分です。蕎麦はそこそこ美味しい(文章は上手)。けれど、本当に蕎麦が食べたければ一流店に行きます、そういうお店たくさん知ってます、という事です。ピザ(BL)が食べたい客には、素直にピザを出して下さい。 少しこじゃれたイタリアンレストランでそば粉入りの生パスタを、「当店の自慢の一品です」とドヤ顔で出されたような気分がしました。 次は普通のピザと普通のお蕎麦を食べたいです。 | ||||
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この作品は、BL界の芥川賞といわれてるようだが、申し訳ないけれど、「冗談じゃない」のレベル。 Amazonのレビューでも評判がいいし、勧めてくれる人もいたので、手に取ったが、正直、がっかりした。 レビュアーの中には、酷評を寄せた人も数人いるが、私はそちらの方に同意する。 もちろん、読者をぐんぐんひっぱっていく描写力は十分認めるし、エンタメ系ラノベとしては、かなり成功していると思う。 ただ、それ以上でも、以下でもない。 だいたい、ストーリー展開がご都合主義で、あまりに安易。 主要登場人物がいずれも、なにも物を考えないで、ただ流されているだけのように見える。 それは、作者自身が、立ち止まって物事をゆっくり考える態度を放棄し、単にラノベのテクニックを身に着けることしかやってこなかった結果だろう。 ある程度上手く書けるようになり、読者の感動もある程度引きだせるようになったところで、お終いではないか。 まあ、それは小説の捉え方の問題だからいいとして、どうしても嫌だったのが、女性の描き方。 堂野の妻、麻里子がなぜあんなにひどい人物として造形されなければいけないのか、全く理解できない。 よく言われるホモソーシャル=ミソジニーという世界観は、こういうことなのか、と妙に納得した。 でも、女性作家がそれをやってどうするの? 私は別にフェミニストではないし、どちらかというと、彼女らとは立場を異にしているが、いくらなんでも、麻里子という「女」がこんな風な役回りしか与えられないのは納得がいかない。 彼女は、毎日退屈で、幸せだけど、毎日同じで、おばあちゃんになるまでこんな日が続くと思ったらゾッとして、浮気をしたという。 まさにボヴァリ―夫人と同じことを言っているわけだが、フローベールはそんな女性を冷やかに描きながら、自分自身は彼女の側に立とうとしていた。 少なくとも彼女の心の問題を近代社会の問題として、きちんと向き合うに足るテーマであると考えていた。 それなのに、この作者は女の苦悩を、男二人の愛を成就させるための、単なる踏み台としてしか見ていないのである。 だいたい、堂野も悩んで、悩んで、悩みぬいた果てに、喜多川を主体的に選び取ったわけではなく、麻里子が勝手にこけたから、棚ぼたみたいに、喜多川を選んだにすぎない。 そもそも彼は刑務所で、同房の芝に、「一生添い遂げるぐらいの気負いがないんだったら、(喜多川と関係を続けるのは)やめときな」といわれて、あっさりやめているのだ。 もちろん、一度はそんな風に捨てたことに対し、後悔の念があり、今度こそはと思って、彼を選んだのかもしれない。 だとしても、あまりに安易なのである。 とにかく、後味の悪い小説だった。 BLは所詮「ファンタジー」でしかありえないのだから、中途半端なレアリスムは止めておいた方がいいと思う。 もっとも一流のファンタジーは、現実に対する高度な批評性を備えており、事実、そうしたBL作品はほんのわずかだが確実に存在する。 でも、この『箱の中』にはなんの批評性もない。 なんだか、詐欺にあったような気がした。 | ||||
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とても読みやすい文章だな、という第一印象。 そう引き込まれて読み進めていくと、 なかなか非現実的な感情の流れとエピソードの連続に驚かされます。 全体的に、登場人物が大胆で行動的で直情的です。 表紙を見て感じるような人間味や深いドラマ性はあまり感じられませんが、 フィクションとしてとても楽しめました。 娯楽作品としては大満足です。 | ||||
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絵が草間さかえで本当に良かった。無骨で無機質な草間さんの絵に一目惚れしたおかげでこの本を読むことが出来ました。 「俺は、今日あんたと話したことを覚えている。あんたが言ったことは忘れない。けど、あんたは俺が言ったことをすぐに忘れる」 この台詞は最近身に染みました。 後日また同じことを訊いてくる。無神経で良い人ぶった偽善者。異性じゃなく友達同士でもいえることです。 その場しのぎの会話ならしなくていいのにとつくづく思いました。 | ||||
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喜多川の忠犬ハチ公並みの従順さが切なくて愛おしいです。 個人的には、途中のあの犠牲があって進展できたというのが引っかかるところではあります。 万事ハッピーでも満足できたように思います。 | ||||
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読み終わって感じたことは、只々喜多川が幸せになって くれますようにと、おもいました。 もちろん堂野もだけど。。。ただ2人が一緒になるきっかけ の事件が痛ましい。それをも乗り越えて2人幸せにと願って しまいました。 | ||||
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喜多川がとにかく純粋で一途で、胸を打たれました。BLというよりヒューマンドラマという感じでとても感動しました。 | ||||
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木原作品を語るうえで「箱の中」「檻の外」「美しいこと」は 外せないと思うのですが、好きか嫌いかと問われれば、好きではない。 理由は 1.キャラクターに共感できない(嗜好の問題) 2.BLファンタジーに対して、リアリティーを求めていてもリアルは求めていない。 リアルになると興醒めしてしまうし、これを一般化となるとカテゴリーは微妙で あいまい、もしくは中途半端で浮くような感じさえする。 その証拠に、文庫化に至って「なつやすみ」あたりが収録されていないのは 如実に物語っている。「なつやすみ」は、BL(ファンタジー)であり、BLレーベルを 出ないのだと思う。 最後まで読ませる筆力はすごいと思うし、構成力も見事である。 別にこれらの上記作品がだめだと言っているのではなく、高評価の中、 BLとしての捉え方、こういう意見もある。と。 BLを知らない方たちがこれを機に、BLの世界の広さを知ってもらうのも云々… とご意見もあるようですが 私は、むしろ、知らせたくない。自分の、許された贅沢なひと時を、その甘酸っぱさを まるで学生の時古書めぐりをしていて、ようやくほしい本を探し当てた時の至福にも似た感覚を 教えたくはない。こういうものは、正直ひっそりと極上の時間として過ごしたいのである。 こういう本に夢中になって読むということは、贅沢なのである。それを知っている者たちが たまたま出くわしてしまったとき、にんまりと微笑むのが、乙、という気がする。 なんだか、いっていることが分からなくなってしまいましたが、 それにしても、木原作品は、レヴューを書くことが楽しくなる。 問題提起がダイレクトになされているからでしょうね。 今後の作品を楽しみにしている作家のひとりですので、頑張っていただきたいです。 | ||||
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読んでみたくて購入しました。 面白かったという表現が正しいのか、心に響きました。 | ||||
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とにかく主人公への共感が難しい。お人好しすぎるし、 伏線もあからさますぎて、全く気づかない主人公にイライラしてくる。 ご都合主義展開も目立つ。 また、ある脇役にある出来事が起きるが、それでその章は終わりとなりその後が全く語られないのもモヤモヤする。 キャラクター造形はいいと思うのだが…。 同作者なら『秘密』のほうが優れた作品だと思う。 | ||||
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