■スポンサードリンク
(短編集)
完全犯罪 加田伶太郎全集
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
完全犯罪 加田伶太郎全集の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
古書としてはとてもきれいで、満足しています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
50年前の学生時代は出版された福永武彦氏の書籍は全部買って読んだつもりでした。 この加田礼太郎も購入しました。自分のペンネームも堀辰雄と合わせて作りました。 しかし転勤もあり子供も3人とも大きくなり書籍を置く場所もなくなり古本屋に全部売り渡しました。 いま改めてキンドルで少しずつ購入して読み直しています。今読んでも新鮮です。 この加田礼太郎はまったく福永氏の趣味みたいな或いは気分転換のようなものでした。 他の文学は男女を通じて人の魂に触れる部分が多かったのですが、これはなぞ解きに主眼を置いています。 ちょっとトリックが複雑ですがシャーロックホームズと比較しながら読むと面白いと思っています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
きれいな状態の本でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
こういう一冊を手に取ることができるから、本屋めぐりはやめられない。 これを読むと、もう現代作家の推理小説は読めませんな。 加田怜太郎の正体、福永武彦とのつながり、MMとの関連、都築道夫との関係は、と本編以外もミステリー。 尻馬に乗って恐縮ですが、私もまったく同じことを考えていました。これ、チェスタトンですよね。 かなりブラウン神父を意識されたのかな。あまり私が下手なレビューをするとネタバレになってしまうといけないので、内容はこの辺で。 「アディスタを吹く冷たい風」を読んだ人であればぜひ購入をご検討ください。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
つい最近、小学館の叢書P+Dブックスより廉価で再刊されたばかりなので定価もほぼ倍する本書に価値はあるのか訝しく思ったが(個人的には桃源社版も所持しているので)定本と呼ぶに相応しい編集ぶりだ。 まず、福永武彦が生前最後に改訂を施した新潮文庫版を底本にしていることが挙げられる。(その為、船田学名義によるSFなどは収録されていない。) さらに著者と都筑道夫、結城昌治による鼎談が収録されている。執筆に至った経緯や著者のミステリやSF観がうかがえ、福永名義の純文学における推理的要素の考察もある貴重な内容だ。 そして法月綸太郎による解説が最も興味深い。ヘレン・マクロイとの比較や、僅か八つの短編を六年あまりで執筆する間に海外ミステリのモード転換の道のりを猛スピードで駆け抜けた作家だとする指摘や、名探偵という存在が内包するジレンマなど示唆に富む秀逸な批評である。 作品の価値は今更いうまでもない。多重解決の趣向が愉しい安楽椅子探偵物の表題作を始めとして傑作短編が並ぶ。特に最終作の「赤い靴」は都筑道夫がモダン・ディテクティブ・ストーリーの典型とし、解説において法月綸太郎が加田伶太郎の到達点として推奨した作品であり、幽霊はなぜ歳をとって現れたのかという強烈なホワイダニットの名作だ。 個人文学全集を模した体裁、遊戯精神溢れる序文やアナグラムによって筆名や探偵の名前を決めるなどの趣向に象徴される知的遊戯としての探偵小説の極致のような連作であり、文学者の余技を超えたマイルストーン的な短編集。スタイリッシュな美しい装丁の魅力も加え、意義深い刊行だ。 目次 完全犯罪 幽霊事件 温室事件 失踪事件 電話事件 眠りの誘惑 湖畔事件 赤い靴 素人探偵誕生記 都筑道夫・福永武彦・結城昌治「『加田伶太郎全集』を語る」(鼎談) 解説 法月綸太郎 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
福永武彦が推理小説愛好家だということはそこそこ有名な話ですが、本書はその福永武彦が加田伶太郎というペンネームで昭和30年代に雑誌に発表した短篇推理小説8編をまとめたものです。福永武彦をこよなく愛し、かつ推理小説をパズル感覚で楽しむ身としては、福永の透徹した心理描写や繊細で甘美で透明感に溢れた筆致と、福永が推理小説を書くにあたり参考にしたと思われるチェスタトンやヴァン・ダインやクイーン等英米の理数系本格推理小説が融合し得るのか、読む前から興味津々の一冊でした。短篇は雑誌に発表した時系列順に並んでいて、最初の1・2・3篇などは前述の英米の推理小説を踏襲した伝統的な作品で、さすがに文章は精巧だと思いましたが内容は以前どこかで読んだ事がある様なお決まりなシュチュエーションで特に新鮮味は感じませんでした。しかし後半の6・7・8篇になるとだんだんとお得意の心理描写が顔を出してきて、物語も推理も俄然深みが増してきます。人間の深層心理と難解な事件が合わさって、日本の推理小説ではあまりない(とは言っても日本の推理小説についてあまりに無知なのですが、多分ということで)独特な雰囲気を醸し出しています。 さらに特筆すべきは本書に短篇と共に収められている「素人探偵誕生記」の存在です。これは福永武彦が加田伶太郎になりきって、推理小説を執筆するに至る経緯と方針や方法論を語っているのですが、フランス文学者である自分(加田伶太郎)が友人の“売れない純文学作家”福永武彦にそそのかされて筆を執った等の遊び心に溢れた逸話が満載です。ペンネームに“ダレダロウカ”を、名探偵の名前には“メイタンテイ”をアナグラムにしたとか普段の福永からは聞けないような裏話も飛び出して、妙に熱い調子で推理小説について語る福永が素敵で思わずにやにやと微笑してしまいます。福永好きにとってはこれを読む為だけでも手に入れたい一冊でです。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!