■スポンサードリンク


少女妄想中。



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
少女妄想中。 (メディアワークス文庫)

少女妄想中。の評価: 4.70/5点 レビュー 20件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.70pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

百合…なんだろうか?百合と言われれば百合の様な気もするが…ふわふわと浮世離れし過ぎていささか掴みどころが無かった短編三作

最近の入間人間の最大のヒット作と言えば電撃文庫で展開している百合ラノベ「安達としまむら」なんだろうけど
その余勢をかった作品なのか、表紙イラストに仲谷鳰という百合系作品で知られている(らしい…知らんかった)
漫画家さんを起用しての一冊。

中身の方は短編三作とエピローグから構成されている。

………正直、結構評価が分かれそうな一冊だった。
タイトルに「妄想中」とある様に、三編ともどこか幻想を見ているというか輪郭のはっきりしない部分がある。

幼い頃から全力疾走すると目の前に知らない少女の幻想が現れ、その追いつけない背中を追う様に走り続けてきた少女が
学生時代を経て社会に出る中で次第に追うべき姿が見えなくなる事に焦燥を覚え始める姿と、
その傍らでもう一人の少女が自分を見てくれない相手に言えない想いを抱え続ける姿を描いた「ガールズ・オンザ・ラン」。

これはまあ、割と分かりやすい方かもしれない。
ずっと傍らにいるのに想い人であるアオは自分には見えない少女を追い続け、自分の方を見てくれず
それでも同居生活まで続けて傍らにいる事を諦めきれない芹の在り方は興味深いが、
結局アオが見ているのは幻想の少女像という救われなさはそれほど悪くない。

問題は二本目の「銀の手は消えない」
これは本当に掴みどころが無くて参った。
たまに入間人間は掴みどころのない作品を書くけど(「ふわふわさん」とか「砂漠のボーイズライフ」とか)
これはどこをどう読み解いたら良いのかその手掛かりすら掴めん。
途中から流し読みになってしまった、無念。

三本目の「君を見つめて」が一番分かりやすく、尚且つ「お?」と思わせる新規性を持っていた。
百合もの、でも基本は同年代カップルが多く、年の差百合と言っても精々十も離れていない事が多いが
まさかの「叔母と姪」カップルとは恐れ入った。

幼い頃に事故のような形とはいえ片目を奪ってしまった叔母に惹かれるヒロインの造形も面白いが、
独特過ぎるキャラクターの持ち主である叔母の方が魅力的。
なんというかあの「大供さん」を更に拗らせた感じの妙に子供っぽい奔放さがありながら、
時に老成した様な不思議な達観ぶりを見せ、誰も幸福にならないであろう思慕を募らせ
割と分かりやすい、不器用な好意を向けてくる姪を受け止める姿に
「おお、百合ってこういう描き方もあるのか」と相変わらずの作風の広さに改めて驚かされた。

二本目を除けば、それなりに読める作品になっているが、
メリハリの利いた作風が好きな小生としては「うーん、これは…好きな人は好きなんだろうけどなあ」と
お茶を濁さざるを得ない、輪郭不明瞭恋愛劇とでも言うべき一冊。
「百合は雰囲気を楽しむべきだ」という方には読める作品なのかもしれないが…どうなんだろうなあ?
少女妄想中。 (メディアワークス文庫)Amazon書評・レビュー:少女妄想中。 (メディアワークス文庫)より
4048927574

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!