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夜行



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【この小説が収録されている参考書籍】
夜行

夜行の評価: 3.83/5点 レビュー 147件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.83pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全93件 81~93 5/5ページ
No.13:
(5pt)

何か見てはいけないものを見続けている感覚に。。。

読んでいる間は、ぬるりと黒い何かに纏わり付かれている感覚ですが、読み終えた後は、それがスッと落ちる気がします。
こんな感覚は初めてでした。
夜行Amazon書評・レビュー:夜行より
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No.12:
(4pt)

表紙買いしたら騙されました

森見登美彦といったら、京都を中心とした青春+コメディってイメージがあったのですが予想に反してホラーな内容。
予想していたものと違っても、それでも読み進めていくうちに続きが気になりページをめくってしまうのはさすが森見登美彦先生。

結構もやもやっとする終わり方で登場人物たちのその後が気になります。
夜行Amazon書評・レビュー:夜行より
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No.11:
(5pt)

摩訶不思議

宵山万華鏡などに連なる摩訶不思議で不安を掻き立てつつも次が気になる短編集。
登場人物が淡々と自分が体験した「夜行」という絵と登場人物の失踪にまつわる謎めいた話をしていく。
主観的な体験で描き出す夢か現かわからない内容に引き込まれて一気に読んでしまったに。
夜行Amazon書評・レビュー:夜行より
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No.10:
(5pt)

迷わず買うべき

幽玄世界を好むならば迷わずポチってOKです。内容については他のレビュアーが書かれている通りで、もう、つけ加えるコメントがあまりない(笑。あえて言うならば、読む側の感性が試されているような知的興奮も同時に味わえる作品であるかと。この「ファンタジック幽玄世界」系の作品では恒川光太郎の「雷の季節の終わりに」と「夜市」が最高だと思っているが、この作品も殿堂入りです。恒川光太郎がラヴクラフトならば森見登美彦はポーに近い(設定に無理があるが・・・)、そんな印象を持ちました。音楽に例えるならば・・・何だろう?John Beltran のCollage of Dreamsあたりだろうか。
夜行Amazon書評・レビュー:夜行より
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No.9:
(5pt)

不可思議にして美しい情景

なんとも言えない読了感。終始、不気味さのあるお話でした。
しかし、その中で描写される情景はなんとも美しい。不気味であるのに、文章からは美しい景色が飛び出してくるような感覚でした。

長谷川さんの失踪事件から10年。再び集まった仲間たち。
それぞれが経験した、「夜行」という作品にまつわる不可思議な旅の思い出を語る物語。
それはどれも不気味で、不明慮のまま話が終わる。この物語たちは、一体なにを表しているのか。読者によって感じ方は様々なのかもしれない。
最後の章で、現実に戻ってきたかのような錯覚に陥ったが、私(大橋)の物語で謎はますます深まる。

「世界はつねに夜なのよ」
夜明けはやってくるのか。。
夜行Amazon書評・レビュー:夜行より
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No.8:
(5pt)

夜行とは

不思議な夜のお話。長谷川さんの失踪をきっかけとして5人の「夜行」が綴られる。夜とはなにか。夜は暗闇である。深い闇である。「夜行」とはなにか。岸田の'夜行'とは。夜と自分が溶け合った所に夜行がある。
夜の世界を拡張させる豊かな物語。広大で自由で哀しみの夜を再発見できた。
森見作品では珍しい暗い雰囲気の小説。しかし森見の作風が根底に感じられる。傑作である。
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No.7:
(5pt)

春風の花を散らすと見る夢はさめても胸の騒ぐなりけり(西行)

森見先生は、『 新釈 走れメロス他四篇 』157頁以下で、京都の桜の名所のひとつである「 哲学の道 」の桜並木を取り上げたうえで、その< 夜明け前の満開の桜並木 >について次のように描写しています。

 「 春爛漫(らんまん)の夜明け前に、哲学の道へ通りかかったとすれば、、、、、、、まだ薄暗い朝の空気の中で、かちんと凍りついたように続いている満開の桜の下はひっそりとして、物音一つしません。、、、、、、。
 桜の木の下から人を取り去ると、それは恐ろしい景色になります。 」

 この< 夜明け前 >の満開の桜並木が< どうして身震いするほど怖いのか? >という問題について、< ひとつの解答 >を提示したのが、この『 夜行 』という小説なのだ!と思いました。

おそらく森見先生は、この問題を< ずぅーっと考え続けてきた! >のでしょう。たしかに、< 夜明け前 >の満開の桜並木の< 美しさ >と< 恐ろしさ >はそれほど< 強烈 >です! 少なくともボクには< そう感じた鮮明な記憶 >が残っています! 

 ところで、『 夜行 』が提示している解答は次のようなものだ!と思われます。

 < 夜明け前の満開の桜の下には、昼間の桜と違って、いまだ夜の闇が忍び込んでいる! >

 あるいは、< 夜明け前の満開の桜並木は、無限に広がり続ける魔境の入口なのだ!  >と言ってもいい!のかもしれません。

 別の言い方をすると、仮に< 芸術家というものが隠された真実の世界を描く役目を果たしている! >と考えるとすると、そう考える人にはこのレビューのタイトルに掲げた西行(さいぎょう)法師の歌は、それほど< 心に響いてこない! >ものと思われます。

 春風が桜の花びらを散らすのを、< 夢の中で見ていた西行はその胸が騒いだ! >と思われるところ、< 夢から醒めた現実の西行の胸騒ぎ >とは違って、< 夢の中にいる西行の胸騒ぎ >についてはこれは< 真実ではない! >からです。

 これに対して、< 真実の世界なんていうものはどこにもない! >< 世界とはとらえようもなく無限に広がり続ける魔境の総体だ! >という仮説を立てると、< 夢から醒めた現実の西行の胸騒ぎ >と< 夢の中にいる西行の胸騒ぎ >との間には< 区別をつける!ことなどできない! >ということなのでしょう。

 < 世界が魔境の総体である! >ならば、< 何が夢で何が現実か? >などということは< 誰にも分らない! >ことだし、また、この歌を詠んだ< 西行には、夢と現実の区別がついていない! >からです。

 それにしても、森見先生は、< 非常に桜に魅入られている! >と共に< それ以上に桜のことを身震いするほど怖れおののいている! >ように思いました。

 なお、この『 夜行 』という小説のラストについては、読む人によって感想が分かれている!ようですが、ボク個人は、登場人物のひとりである大橋君が、あることを< 自受容三昧(じじゅようざんまい) >している!ところが良かった!と思いました。

 < あること >を詳しく書くと< ネタバレ >になる!ので止めておきますが、「 自受容三昧 」とは、< 何かを受け入れて、自分のものにして、それと一体の生活をする! >ことを意味します。
夜行Amazon書評・レビュー:夜行より
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No.6:
(5pt)

「世界はつねに夜なのか」――夜登美彦氏の渾身の一作

『夜は短し歩けよ乙女』『四畳半神話体系』『太陽の塔』を朝の系譜、
『きつねのはなし』『宵山万華鏡』を夜の系譜 とするならば、
後者の”夜登美彦”の流れを汲む。

「京都」「鉄道」といった登美彦氏の得意のモチーフに加え、
「尾道」「奥飛騨」、「津軽」「天竜峡」の旅情が折り重なった、
まさに連作の絵画を眺めるような作品。

夏目漱石の『夢十夜』にも通じるような幻想的な世界観で、
秋の夜長に各地に思いを巡らせながら読みたい一冊。
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No.5:
(5pt)

語られること

語り継がれていく話の共通点,語る側の関係性は,解けない結び目になってしまうと,より大きな物語を見つけてしまうことになる。百物語とはまた違った怖さとして感じられるその形は,森見登美彦さんの着実で静かなトーンに導かれて,踏み越えていきます。そこに現れる情景は,他人事のはずなのに,自身のように感じられるのもまた,地続きの『夜行』の暗い一面のように思えます。人には言えないのに,分かり合える部分のようです。
今も昔も変わらないのは,聞く者と聞かれる者が作る場所なのかもしれません。放り投げられて,途方にくれる可能性を考慮しても,森見さんが残したそれを読んで体験するのは,だからひとつの救いのように浮かぶのでしょう。目を閉じても,最後は本当に忘れられません。是非,一読してみて下さい。
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No.4:
(5pt)

夜行そして曙光

このレビューはネタバレを含みます。

さて、森見登美彦10年目の集大成「夜行」を読んだのがまず口をついて出たのは「これぞ森見登美彦」という言葉であった。

この作品は長谷川さんという大学時代の友人が鞍馬の火祭にて失踪した時から10年が経ち再び鞍馬の火祭に参加する日が舞台となる
かつて火祭に参加した長谷川さん以外のメンバーがそれぞれ10年間のうちに経験したとある「銅版画」にまつわる不思議な話をすることになる

それぞれの話は始まりはそれこそ平凡なものであるが終わりに向かうにつれて我々の住む世界とは何か違った雰囲気を感じさせる。それぞれがその話の中で夜の世界の中に消えてしまっているのである。
最初はどうしてこの終わり方になっているのかはおそらく皆わからないであろう。だがそれは、我々が「夜行」ではなく「曙光」の世界に生きる存在だからなのではないか。

この小説の最終章、おそらく主人公となる大橋君は「夜行」と「曙光」二つの世界をまたぐことになる。
彼ははたして「夜行」の世界に生きることになるのか「曙光」の世界に生きることになるのかそれは読者の皆さんの目で自ら確かめてほしい。

ーーーー世界は常に夜なのか、世界は朝を迎えるのか
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No.3:
(4pt)

不気味で不条理な世界と物語

著者がコメントしていた通り『不明朗不愉快』,加えて不条理というのが第一印象.
四篇とそれらを束ねる形になる一篇,そのどれもが不確かな結末ばかりとなっており,
独り語りによる不思議な話はもちろん,直接には触れられることのない不透明な部分や,
時に不協和音すらも感じる展開や間など,どこを切り取っても不可解な思いを抱かせます.

また,物語は紀行風に進みつつも,美しい景色の中にどこか作り物めいた不自然さも漂い,
それらが徐々に夜に呑まれていく様子は,落ち着いた文章も相まって不気味にすら映ります.
ただ,一歩調子気味なのは少し不満で,一つ二つくらいは幕間劇があっても良かったような…?

とはいえ,人や時間,世界の枠組みさえもが不均衡に見え出す終盤から最後の流れは,
幸せと不幸せが重なり,すれ違っていく真相が語られ,一見は穏やかに閉じられますが,
不意にここまでの話とは一体,そもそも本当に起きた出来事なのかといった疑問が浮かび,
闇の中の水のような気持ちの悪さが内をなぞり,しばらくは悶々とした不安に苛まれました.
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No.2:
(5pt)

秋の夜長に読んでおきたい一冊

試し読みをして続きがとても気になりすぐに本屋で購入しました。今回の作品は青春要素はあまりなく、終始フシギな怖さと眼を瞑ると浮かび上がる繊細な風景描写からくる郷愁感が強く感じました。要所要所でモヤモヤとした不明瞭さがありましたが、それがいっそうに奇怪さを増していたと思いました。ラストの展開も衝撃がありましたし読了後に語られなかった部分を自分で想像したくなるようなもどかしさもかえって良い作品だと思います。
夜が親身に思えました。
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No.1:
(5pt)

鞍馬の暗い夜、生命の闇の向こうにあるものは

大学生が同級生の女性に寄せる淡い思いや、どんでん返し的なファンタジー要素は、これまでの森見作品のテイストではありますが、京の夜の闇と朝の光と絵画を鍵とし、人生の不思議の裏を覗くホラー小説として、纏まりとバランスが絶妙。確かに「集大成」かもしれない。作者としてどこへも逃げない、読み手にも逃げ道を許さない小説だと感じました。さて、このホラーの果て、夜の向こうに何を見るのか? 驚きと切迫感と恐怖感の果てに救いはあるか?
日本各地に散っていた私(大橋)、中井、武田、藤村(♀)、田辺の5人が十年ぶりに京都に戻り、鞍馬の火祭に集まったのは、かつて火祭の時に失踪して以来行方不明のままの6人目、長谷川(♀)を偲んでのこと。貴船口近くの宿に入って祭りを待つ間に、岸田道生という画家による全48作からなる「夜行」という連作銅版画シリーズから、中井は『尾道』、武田は『奥飛騨』、藤村は『津軽』、田辺は『天竜峡』の版画が絡む自分の経験を語ります。第一夜から第四夜という章立てですが、祭を待つ間に連続して語られたものです。
どれも誰かがいなくなる、「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」というセリフの通りの、暗い夜が異世界に直結するような不気味な話で、どこが思い出で、どこが創作か判然としない、結末も怖いままで終わるなかなかの怪談です。そして「百物語」同様の趣向か、四話が語られきった時に“怪”が出たようで、最終章『鞍馬』では、火祭の場で「私(大橋)」の世界が裏返しに捻じれていき、これはとても怖い。美しくも鋭い日本刀を見せてもらっていたら突然に袈裟懸けに切られたようです。痛く苦しいだけか、それとも何かに開眼できるのかな。
夜行Amazon書評・レビュー:夜行より
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