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震える岩 霊験お初捕物控



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震える岩 霊験お初捕物控の評価: 3.97/5点 レビュー 34件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.97pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全24件 21~24 2/2ページ
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No.4:
(4pt)

歴史ものに新ジャンル誕生

宮部みゆきは、ノンフィクション、SF、時代ものとジャンルを問わず活躍する作家であるが、この作品はSFと時代ものの要素を併せ持った長編小説といえる。また、著者は『蒲生邸事件』で二・二六事件を扱ったように、物語に歴史的事件を絡ませるといったことも巧みにこなす。本作品も例外にもれずにそうなのであるが、今回は現代でも忠臣蔵として名を残す赤穂事件を扱っている。死人憑きという怪事件から唐突にはじまり、かつて浅野内匠頭が切腹した場所へ置かれた岩が、夜な夜な鳴振するという怪異へとつづき、物語は合わせて赤穂事件の真相を究明していきながらクライマックスへ向う。この後半部分の怒涛の展開と筆圧は、著者ならではの持ち味でどうしても後が気になって目が離せなくなってしまうのだ。人物の描写も丁寧で、主人公のお初を始や兄の六蔵、それから同心見習いの右京之介たちが泰平だった江戸の町を活きいきと闊歩する様は、感情移入をしてしまうほど人情味があり親しみを感じる。時代ものを敬遠しがちな方でも、この本なら手をだしても十分楽しめるのではないだろうか。余談ではあるが、この物語に登場する南町奉行の根岸鎮衛は実在した人物であり、また彼が怪異の類を聞き集めて著した『耳袋』も実際に残っている。現代語に翻訳されたものが出版されているので、興味のある方はそちらもご覧になってはどうか。
震える岩―霊験お初捕物控 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:震える岩―霊験お初捕物控 (講談社文庫)より
4062635909
No.3:
(5pt)

宮部版「赤穂浪士」は見事な仕上がり

霊験お初シリーズ。短編では何編か発表されているが、長編としてはシリーズ一作目にあたる。 夜な夜な鳴動するという、さる武家の庭にある岩。ちょうどそのころ江戸を騒がす幼児の誘拐殺人・・・。 霊視能力を持つ一膳飯屋の看板娘“お初”を主人公に、親代わりの兄夫婦、老奉行、与力職の跡取息子の右京之介、さまざまな人物が登場。鳴動する岩に血まみれの侍の姿、油問屋の桶に死んだ幼児を霊視するお初・・・。ともすればオカルト色の強い筋運びになるところを、お初の明るいキャラと、多彩な愛すべき登場人物による人情劇により、おどろおどろしさよりも質の高いエンターテーメントになっている。人物描写、人物造形もさることながらさらに、「赤穂事件」から約100年後の江戸中期を舞台に、作中、赤穂事件を宮部流に見事に再構築してみせた著者の手腕は見事としかいいようがない。
震える岩―霊験お初捕物控 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:震える岩―霊験お初捕物控 (講談社文庫)より
4062635909
No.2:
(5pt)

怖いけど、面白い!!

続きが気になってしまって気になってしまって仕事もろくに手につきませんでした(^^;)一気に読んでしまいました。宮部ワールドは面白いけど時代物は他のどの本よりもピカイチです♪
震える岩―霊験お初捕物控 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:震える岩―霊験お初捕物控 (講談社文庫)より
4062635909
No.1:
(4pt)

いつの世も・・・

類稀な霊感を持った"お初"という女の子が主人公のシリーズ。彼女が初登場するのは「かまいたち」にて・・・と言っても、その本に収められた2つの短編にて、なのですが。死人憑きの吉次、お初の霊感で発見された少女の死体、その昔、浅野内匠頭が切腹した跡に置かれた石が鳴動する噂、これら一見すると別々の事柄に思えるものが、やがて一つの事件に繋がっていきます。私はこの本を夜中に読みながら、死人憑きに恐怖し、自分の周りにもそのような存在があるのではないかと何度も辺りを見回したりしました。(元々恐がりなもので・・・)けれど、読み終わった時にはとても切ない気持ちになりました。結局、いつの世も泣きを見るのは権力に翻弄される底辺の人達なんだなあとなんだかやりきれない気持ちになりました。浅野内匠頭にまつわる『忠臣蔵』の新解釈も今回の読みどころだと私は思います。賛否両論あるでしょうが、実はそうだったかもしれない、とも私は思うのです。また、今作から算学者の卵(本当は与力見習なんですが)"右京之介"が登場します。当初、何事につけても頼りなく、お初も呆れ顔だったものが事件を通して成長し、また事件の謎を算額(神社等の絵馬に記された算学の問題)を解くように暴いていく様はなかなかに面白く、それがまた、この複雑怪奇な事件について、読者が理解する手助けにもなっています(笑)また、今作の大元ともいえるエピソード「耳袋 ~巻の六~」は、根岸備前の守という歴史上の人物が実際に遺したもので、巷の奇奇怪怪な噂話をまとめたものだということです。史実がうまくMIXすることで、実は昔々に本当にこんなことがあったのかも・・・なんて、思いを馳せるのも面白いですよ。
震える岩―霊験お初捕物控 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:震える岩―霊験お初捕物控 (講談社文庫)より
4062635909

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