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(短編集)
淋しい狩人
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淋しい狩人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.90pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 21~30 2/2ページ
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これは一種の推理小説なんだな。 だから当然、謎解きに妙があるが、どうもそこだけではない。 そのあたりが、宮部みゆきの一筋縄ではないところか。 縦糸には、(あんまし本のことを知ってはいない)古本屋の主人イワさんに、少なくともそのイワさんより ずっと本について、物知りの高校生の孫、稔。この二人とその家族の織りなす一種の家族ドラマがある。 で、横糸は推理小説としての事件か、と言うとそうでもない。 むしろ、「事件」を生み出した人間ドラマ、市井の人びとの何気ない生活、がある。何気ない生活にも、 ないがしかのドラマ性のあること、と言うのがどうも横糸らしい。 しかし、やっぱり事件の謎解きそのものには意味があり、それがこの縦糸と横糸の織りなすドラマに、 スパイスを効かせている。 ある種奇妙で、ユニークな推理小説とも言える不思議な味わいの作品でした。 視点の移り変わりが巧妙で、そこに、この世の中は様々な人がそれぞれの目線で生きている、なんて 当たり前のことを改めて感じさせる、書き手の力量を感じる作品でした。 | ||||
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それがこの作品を面白くするか、凄く面白くするかの分かれ道。 宮部作品の連作物はステップファザー・ステップもそうだが、非常に簡潔にそれでいて丁寧に作られている。この作品もご他聞にもれず祖父と孫の古書店が舞台ながら、違和感を感じさせない出来栄えだ。でも僕は稔に感情移入できなかったため、面白いがただそれだけの作品になってしまった。ステップ〜が僕にとって短編ベスト1と言っても過言ではなかっただけに、この作品にもその期待はあったのだが、物語後半の稔に腹が立つ部分が多く、その点が残念な作品になってしまった。 | ||||
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六篇を掲載する短編集で、 1994年に単行本が刊行され、1998年に文庫化された作品。 全ての短編に古本屋を営む祖父とその孫が登場するが、 それぞれの作品は別物である。 ミステリーにありがちな殺人事件だけでなく、 児童虐待なども扱うが、 短編なのでそれほど込み入った展開があるわけではなく、 犯人は誰なんやろか?このあとどういう展開が? と思っていると、 終盤にぱっと展開して終わってしまう。 やはりミステリーは長編の方がはるかに面白いかな | ||||
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古書店のやとわれ隠居店長とその孫が日常の謎から殺人までを推理します。とは言っても安楽椅子探偵ものではなく、本をキーワードにした人情オムニバス、という感じが強いです。読んでみて改めて感じるのは、宮部みゆきの小説の、特に人物造型/描写の巧さ。連作短編集で、それぞれに登場する人物は違うわけですが、短い文量で、さっとその人物の個性を明瞭に浮かび上がらせるセンスには脱帽です。そのせい、というわけでもないのでしょうが、ミステリとしてのどんでん返しの驚きはそれほど大きくはありません。小説としてのテーマ/人物設定を活かすための起承転結の「転」の要素、という感じでした。 | ||||
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六編の連作短編集。結婚式の引き出物の表紙に書かれた「歯と爪」の謎父親の遺品の中に見つけた302冊の同じ単行本の意味「うそつき喇叭」という絵本を万引きした少年の体に残る暴力の跡電車の網棚におき去られた文庫本から出てきた名刺の秘密など、小さな?謎かけがあり、それが事件の解決に結びついていく。どれも、事件の内容だけ読まされると結構恐ろしい小説になってしまうのだが、事件の解決にあたる主人公に古書店屋の店主イワさんをおき、また、その孫、稔を配することで作品全体の雰囲気を和らげている(この稔とイワさんのやりとりが非常によい)。質が高く、おすすめできる短編集である。 | ||||
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ひさびさに宮部作品を読んでしまった。個人的事情で恐縮だがややひたりすぎかなと感じて自粛しておったのだ。感想はやっぱりなあ であるっす。やさしいよ やっぱりやさしい。不器用で真面目なやつがわんさかけど そうした連中が無自覚のうちに犯す罪を彼女は決して許さない。許さないけどやさしいんだよな。それはそれ これはこれ みたいな。じいちゃんと孫というシチュエーションもやっぱりいい。心がすさんだときはこの人の作品に限るよなあ。 | ||||
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古本屋という舞台、主人公、どちらもなかなか良いと思う。これは私の好みでもあるのだが、なんだかのほほんとした雰囲気が良い。ミステリーなのに、このような舞台に人物。でもそれがまた良かったりするのでは。宮部みゆきの本はやはり長編が良いとは思うが、充分に楽しませてくれる一冊だった。 | ||||
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小さな古書店を舞台に起こる数々の事件を、店の主人のイワさんとその「不出来な」孫の稔(みのる)少年が解決してゆく短編集。読み終わって最初に思ったこと、それは「稔クンかわいいー!!」ということ。宮部みゆきの少年の描き方が抜群にうまいのは周知の事実だが、この作品でも少年の魅力を余すところなく描いている。一場面を引用すると、……「ちゃんと店番をしてろ。万引きがあったらその分の金をお前の給料から差っ引くぞ」「そんなことしてお金ためたって、お棺の中には入れられないよ」と言い捨てて、稔はパッと逃げた。……こんなイワさんと稔の軽妙なやり取りが、時に深刻になる場面に、さわやかなそよ風のような効果をあげている。それにしても、恋人のことを見抜かれ、「トマトちゃんのように」耳まで真っ赤にしてしまう稔クン。こんなかわいい弟がほしいなぁ。 | ||||
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はじめて会ったお相手が五つ星ってのは、ちょっと惚め過ぎ?かしら。宮部作品で始めて読んだのがこの文庫でした。それ以来、すっかりはまっちゃってます。古本屋のおじいちゃんとその不出来な孫、っていう今どきじゃない組み合わせが、またぐ~っとひきつけられる、でもおしつけがましくない、一週完結のドラマだったらず~っと続いていてほしい、そんな短編集。きっとこれって『模倣犯』っと思わせる(まだ読んでないのに)作品も良いわ。 | ||||
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本書は古本屋の雇われ店主であるイワさんと孫息子の周りに起こる様々な事件を書いた短編連作集である。宮部みゆきさんの作品は幾つか読んでますが、長編だけでなく短編も書けるのですね。短いストーリーの中にも意外な展開がちりばめてあり、とくに最後の「盛り上がり」から結末に向かう部分は他の長編作品に負けず劣らず楽しめました。最近読んだ「摸倣犯」のベースになったとも思われる作品もありました。是非宮部ファンは一読を。 | ||||
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